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糖尿病とうつ病

第43回糖尿病学の進歩

うつ病が糖尿病治療で重要な意味
糖尿病は近年,うつ病と密接に関連することがわかってきた。
信州大学精神医学の天野直二教授は,両疾患の関連を検討したおもな報告を紹介し,糖尿病治療においてうつ病が重要な意味を持つことを示唆した。

治療により血糖や予後を改善
うつ病は種々の身体疾患の発症や予後に少なからぬ影響を及ぼすようだ。
天野教授によると,糖尿病患者で8.5〜27.3%という高いうつ病合併率が報告されている。
非糖尿病患者と比較した研究を見ても,ほぼすべての報告で糖尿病群のうつ病合併率が高い。
 
血糖コントロール状況との関連については,コントロール不良群では良好群に比べて,劣等感が強い,活動性が低い,ストレス耐性が低いなどとする報告もある。
また,2型糖尿病発症リスクはうつ病があると1.3〜1.4倍高くなることが,約10件の報告のメタアナリシスから示された。
約2,800人を8年間追跡したわが国の検討では,うつ的徴候の強い群はそうでない群に比べ,糖尿病発症率が2.3倍高かった。
さらに,うつ病を積極的に治療することにより,糖尿病患者の血糖コントロール状況や生命予後を改善できるデータも報告されているとした。

出典 Medical Tribune 2009.4.16
版権 メディカル・トリビューン社

by wellfrog3 | 2009-04-30 00:05 | 糖尿病
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