人気ブログランキング | 話題のタグを見る

変形性膝関節症のリコメンデーション(EULAR)

第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)
2009年6月10日〜6月13日 Copenhagen, Denmark


EULARが変形性膝関節症のリコメンデーション発表  画像なしの診断基準を新たに提示
変形性膝関節症(膝OA)の診断に関する欧州リウマチ学会(EULAR)のリコメンデーションが発表された。
画像所見がなくても、3つの症状と3つの臨床所見により、膝OAと判断できるとしているのが特徴だ。
英国University of NottinghamのWeiya Zhang氏が6月10日から13日までデンマーク・コペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で発表した。

今回発表された膝OAの診断に関するリコメンデーションは、欧州12カ国から17人の専門家が集結したEULAR ESCCA OA Task Forceにより作成された。
1950年から2008年1月までに発表された関連する論文を基に作成されている。

40歳以上で、使用時の膝の痛み、朝の関節のこわばり、機能の制限という症状に加え、臨床所見として、捻髪音、動作の制限、骨の拡張が認められた場合には膝OAと診断できるとしている。

この3つの症状+3つの臨床所見による膝OAの診断は、英国とオランダの集団を用いたモデルによって有用性の確認も行われているという。
モデルを用いた解析では、これらの症状と臨床所見数の増加とともに、膝OAである確率は増加し、すべての条件を満たす患者では、膝OAである確率は99%だった。

また、リコメンデーションでは、膝OAのリスク因子は、膝OAの診断にも有用とした。
膝OAのリスク因子としては、女性、50歳以上、肥満/過体重、関節損傷の既往、関節弛緩、職業もしくはリクリエーションとしての使用頻度、家族歴、ヘーバーデン結節を挙げている。

2009. 6. 19 日経メディカル別冊
<コメント>
「骨の拡張」の意味がよくわかりません。


<新型インフルエンザ 関連>
新型インフルエンザA/H1N1
なぜ渡航歴ない新型インフルエンザ患者を拾い上げることができたのか?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/200905/510717.html
■国内1例目の新型インフルエンザ感染者が確認された。
患者には渡航歴がなかったため、なぜPCR検査が行われ、拾い上げることができたのかについて話題になっている。
■ひと言でいえば、現場の医師の感覚はやはりするどい、ということだろう。
■全国的にはむしろB型インフルエンザが多いこの時期に、A型が限られた地域で多発していることに対して「何やら異常である」という感覚を持てることの重要さを、この事例から改めて学ぶべきだと考える。
■インフルエンザ様症状の患者が来院したら、いつも通り感染対策に留意しつつ診て、可能な限り迅速検査による診断を行う。
常に自施設・他施設でA型インフルエンザの多発がないかを確認し、地域の方々や保健所の担当者とよく連絡を取りつつ、早期の拾い上げにつなげる。



<番外編>
一般演題が多すぎ、発表のレベルが低すぎる
日経メディカル ブログ 土屋了介の「良医をつくる」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/tsuchiya/200902/509509.html
NM online 2009.2.21
■国内では、一般演題をたくさん取り過ぎている。結果的に、よほど変な抄録でなければ通るので、レベルが必ずしも高くない。
もそも、どんな発表でも受かるのだから質は落ちてしまっても当然、という悪循環に陥っているわけです。
■国内の学会では、一般演題より、シンポジウムや教育的なものが主体ですが、それらは1年ぐらい遅れていることも多いです。
シンポジウムを組むときには、もう既に発表されたデータを持っているような人を選ぶので、インターネットや本を見れば出ているわけです。
■「研修医がたくさん集まったからいい病院だ」と一般的には言われていますが、本当にそうかと考えると、質を評価するものが何もありません。
受け持ち患者数のカウントの仕方も大雑把すぎる。
個人的には、今の都会の臨床研修病院の中で、いくら人気が高いといっても研修医の数が多すぎて十分な研修ができず、減らした方がいいところはあると思っています。

このブログに対しては多くのコメントが寄せられています。
■学会は学位の為や教授が学会の理事などの為に、仕方なく、発表させられて居る為、一般演題が増えるのは仕方が無いのでは無いでしょうか?
実際、研究費も限られた額しか与えられず、また、学位が存在しないと、医局に残る必要性も無くなって仕舞うのが現状では無いでしょうか?
■投稿された、土屋了介先生の様なお立場からでしたら変革の実行も可能と思われます。
是非、このような狭い世界での論客にとどまらず、改革を実行していただきたいものです。
■私の専門領域では、米国の年次総会(これがほとんど国際学会化している)に直近の最新データを出す医師が増えています。
発表のレベルも米国>国内ですが、これは日本に限らないでしょう。
国内の評価よりも、国際的な評価のほうが普遍性が高いので、国内の発表が見劣りするのもやむを得ないところはありますね。
■そもそも、現在の学会運営のシステムでは学会の参加者や一般演題が増えないと参加費や学会費の収入が減ってしまいます。
学会本部は援助はしますが、収支に関しては持ち回りの学会主催者に丸投げですから、どこも黒字になろうと躍起になります。
このため主宰する大学(医局)は必死になって演題募集をかけ、口演でもポスター演題でもとにかく題目数を増やし、共同演者からも学会費を聴取しようとしているのが現状です。
また参加者も少なからず単に業績を増やしたり、専門医の“点数稼ぎ”として上納金を納めているように見受けます。
このような現状では演題が玉石混淆になるのはしょうがありませんし、レベルを上げるというのも難しいように思います。
■残念ながら多くのすぐれた国内発表は国際学会との2重発表になっています(雑誌の2重投稿もしばしばです)。
■採択基準を厳しくしてある程度の質の維持は必要と思いますが、国際学会のような視点で国内の学会を同列に扱うのはいかがなものかと思います。
■臨床に役立つような目から鱗の発表が意外なところからでていることもしばしばあり、良い発表を幅広く募集するためにも敷居をあまり上げない今のあり方も決して否定すべきものではないと思います。  何より、その発表がどうなのかは聴取者(参加者)がその場で決めれば良いことで、一部の権力者が自分の興味を持つ内容だけを選択するような場になって欲しくないものです。
<コメント>
全く持って同感です。
■土屋先生のようなえらい方がレベル云々することはわかる気もしますが、研修医クラスの方まで、学会に対するニヒリズムをもつのはどうかと思います。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」で、「学会のレベルが低い」=「大学の医局制度」に結び付けることはあまりに短絡的な発想です。大学で育ててもらった多くの医師に対する冒涜ともとられかねません。
私も教授の意向云々に対しても言いたいことはたくさんありましたが、ある程度、学会を目標に研究をしていくことは必要だったような気がします。
■「学会」という言葉がいい加減に使われているのが問題なんだと思います。
例えば、Societyも「学会」、学術集会(conferenceやmeeting)も「学会」。
十把一絡げで何でもかんでも「学会」と呼ばれるので、概念まで不明瞭になるのだと思います。  学術集会については「総会」なんて呼び方をしている場合もありますね。
私自身は、「株主総会」的なconferenceを否定するものではありません。会員間の親睦やnetworkingのために、そういう集まりもあっていいと思います。
少数の教育講演以外は、“レベルの低い”一般演題でも大いに結構だと思いますよ。
ゴルフのコンペと一緒です。
プロやシングルプレーヤーじゃなくても、楽しくプレーして、夜は宴会。それでいいじゃないですか。
■学会長を定年までにいくつやれるかを人生の目標にして、 長期的な展望を持った「学問の発展」などもってのほか、 教室員は自分の目標実現のための手駒、臨床、研究の指導はゼロ、 そんな先生方が学会を牛耳っている訳ですから、仕方ないんじゃないですか。
■まず、土屋先生の論に無邪気に賛同される先生が多いことに驚かされました。
論文が評価されるのは出た瞬間ではなく、その後数年かかるものです。5年ならともかく、1年遅れたとして、何が問題なのでしょうか?
最新のデータを発表すれば良しの風潮にて、そのあと数年批判も仰がずにそれっきりと言う方が、サイエンスとして危ないのではないでしょうか。
また、インターネットや本で読むのと、実際に質疑応答やフロアでの反応を見るのは別物です。
サイエンスの基本としてのディスカッションを推奨しながら、かたや最新知識を得るのはインターネットや本で十分というのは甚だ疑問です。
安易に国際比較論を持ち出して扇情的な、ガス抜きのような提案をするには全く反対です。
むしろたとえば「学会のあるべき姿は質の高い医療・研究の担い手を育て維持することで、そこに持って行くためにはどうしたらいいのか」という提案をすべきです。
お立場のある先生であれば、ネットで現状をくさして皆の溜飲を下げさせて満足するのではなく、壇上やフロアで将来の夢を語って賛同者を増やし、実効性を伴う提案をしていただきたい。

<コメント>
最も辛口のコメントになっていますが正論ですね。

総じて集まったコメントは現実を見つめた「大人」のコメントでした。
土屋先生とは少し距離を置いた印象を受けました。

私の専門は循環器科です。
日本循環器学会に参加しますが、レベルが低いと思ったことはありません。
土屋先生のいわれる学会は具体的にどの学会でしょうか。
つまらない学会なら出ないようにするか、偉い先生ですので統廃合の号令を実際にかけられたらいかがかと感じました。
by wellfrog3 | 2009-07-12 00:35 | リハビリテーション科
<< 回転性めまい アスピリンと大腸がん >>