新型インフルエンザとマクロライド

##新型インフルエンザA/H1N1
#マクロライドが重症化を防ぐ可能性
#宿主の過剰な免疫反応による組織障害を抑制
わが国でも新型インフルエンザ感染による重症例が相次いでいるが、九州保健福祉大学薬学部感染症治療学教授の佐藤圭創氏は、その重症化を防ぐ手段として、マクロライド系抗生物質の投与が有効である可能性が高いことを、9月8日に都内で行われたプレス向け勉強会で明らかにした。
 
インフルエンザの病態は、
(1)インフルエンザウイルスによるもの、
(2)細菌性肺炎などの2次感染によるもの、
(3)感染により引き起こされる宿主の過剰な免疫反応によるもの
──の三つの因子から形成されている。
佐藤氏は、「中でも宿主の過剰な免疫反応が重症化に最も関与しており、これをいかに制御するかが重要だ」と語った。

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図1 マウスインフルエンザ肺炎モデルでの経過(佐藤圭創ら、日本胸部臨床 2003;62:812-8.)

佐藤氏らのこれまでの研究で、マウスインフルエンザウイルス肺炎モデルにおいて、ウイルス量は第4病日でピークを迎え、第10病日には消失していくのに対し、肺炎はウイルスが減少しても増悪し、その後死亡率も上昇していくことが判明した(図1)。
さらに肺炎像、死亡率の動きと、フリーラジカルの生成がよく相関していた。

そこで佐藤氏らは、過剰な免疫反応に伴い生成されるフリーラジカルを抑制することが重症化の治療に結びつくのではないかと考え、同様のマウスモデルでスーパーオキサイド生成系と一酸化窒素(NO)生成系をフリーラジカル消去剤で抑制したところ、マウスの死亡率が改善した。
この結果、インフルエンザの重症化に対しては、抗ウイルス療法でなく、過剰な免疫を抑制することで治療できる可能性が示唆された。

臨床において過剰な免疫を抑制する手段として佐藤氏が注目したのが、エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどの14員環マクロライド系抗生物質だ。
近年、抗菌活性だけでなく、サイトカイン生成阻害による免疫修飾作用、クロールチャネル阻害による気道分泌抑制作用、バイオフィルム形成阻害作用などが報告されており、びまん性汎細気管支炎(DPB)など慢性気道感染症の患者に少量長期投与すると、予後が大きく改善することが示されている。

実際、マクロライドを少量長期投与している患者では、インフルエンザに罹患しにくく、罹っても重症化しにくい傾向があるという。
そこで、マウスインフルエンザウイルス肺炎モデルにマクロライドを投与してみると、マウスの生存率が有意に改善した。
そのメカニズムを検討したところ、フリーラジカルを誘導するインターフェロン(IFN)-γの生成がマクロライド投与により抑制され、フリーラジカルの一種であるNOの生成やキサンチンオキシダーゼ(XO)活性(O2・-生成系)も減少することが確認された。

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図2 クラリスロマイシン(CAM)少量長期投与によるIFN-γ濃度、キサンチンオキシダーゼ活性(佐藤圭創ら、日本胸部臨床 2008;67:606-12.)

さらに、佐藤氏らはインフルエンザ感染患者で検討を行った。クラリスロマイシンを少量長期投与している慢性気道感染症患者と非投与患者がインフルエンザに感染したときの血清を採取し、IFN-γ濃度やNO代謝産物濃度、XO活性を比較した結果、クラリスロマイシン投与群においてIFN-γ濃度とXO活性が有意に低下し(図2)、NO代謝産物も改善傾向を認めた。
また、オセルタミビル、ザナミビルといった抗インフルエンザウイルス薬とクラリスロマイシンを同時に併用した場合にも、クラリスロマイシン併用群では抗インフルエンザ薬単独群に比べて同様の効果が認められた。

インフルエンザ感染におけるマクロライドの臨床効果については、佐藤氏らの研究のほかに、発熱抑制効果、肺炎抑制効果、咳の減少効果なども報告されている。
また、インフルエンザ感染早期にはインターロイキン(IL)-12やIFN-γの生成亢進による抗ウイルス効果を認めたとの報告もある。

「インフルエンザ感染早期にはウイルス感染が発症しないようにIL-12やIFN-γを上げ、感染後期には、逆にIFN-γなどの過剰産生を抑えてフリーラジカルによる組織障害を抑制するなど、人間の免疫反応を正常化するのがマクロライドの作用だと考えられる。今後はマクロライドの作用機序や臨床効果をさらに追究して、より効果の高いマクロライド系誘導体などの創薬につなげていきたい」と佐藤氏は話した。

ttp://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200909/512233.html
出典 MN online 2009.9.11
版権 日経BP社



#山中・京大教授にラスカー賞、世界初のiPS細胞作成で
米ラスカー財団は14日、全身の様々な細胞に変化できる人間のiPS細胞(新型万能細胞)の作製に世界で初めて成功した山中伸弥・京都大教授(47)と、iPS細胞への道を開いた英ケンブリッジ大のジョン・ガードン博士(75)に今年のラスカー基礎医学賞を贈ると発表した。
1945年に創設された同賞は米国で最も権威ある医学賞とされ、受賞者のうち76人がノーベル賞に輝いている。ラスカー賞の日本人受賞者は6人目。

山中教授は2006年、マウスの皮膚細胞に4種類の遺伝子を導入、受精卵に近い状態に若返らせることに成功。
人間の皮膚細胞からも様々な臓器や組織の細胞に成長できるiPS細胞を作製した。

ガードン博士は、62年に細胞核の移植でカエルのクローンを作製。成熟した動物の細胞核を受精卵に近い状態にする「初期化」が可能と示し、iPS細胞作製につながる貢献をした。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/09/14/107665/?Mg=2e5318790768ad61d60583aa2ec5a190&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag
出典 読売新聞 2009.9.15
版権 読売新聞社


#新インフルで最年少24歳死亡 沖縄、基礎疾患ない女性
基礎疾患のない新型インフルエンザ患者の女性(24)=沖縄県=が15日、死亡したと同県が発表した。厚生労働省によると、国内の死亡患者では最も若く、基礎疾患のない患者の死亡は大阪府の男性(45)に続き2例目。
国内の死者は感染疑い例を含めて14人となった。県によると、直接の死因は、くも膜下出血。女性は8月26日から発熱し、人工呼吸器などで集中治療を受けたが改善せず、死亡した。
http://www.excite.co.jp/News/society/20090915/Kyodo_OT_CO2009091501000637.html
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by wellfrog3 | 2009-09-16 00:15 | 感染症
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