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新型インフルエンザ 実地医家の備え

新型インフルエンザが学生の間で流行しています。
地域の実情に応じた対策をとる必要性がいわれています。
きょうは
Medical Tribune の記事
シリーズ 新型インフルエンザを迎え撃つ/実地医家の備えとは( 第4回)
で治療についての連携で勉強しました。

##医療従事者主導の連携体制が不可欠

##流行前線情報データベース構築
西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック(滋賀県)の西藤成雄院長らは,流行情報の収集と迅速な情報還元を目的に,Webデータベース(DB)を活用した流行情報サイト「MLインフルエンザ流行前線情報データベース」(http://ml-flu.children.jp)を構築している。
小児科医が多く参加するメーリングリスト(ML)により有志医師を募り,2000年冬から運営を行っており,現在は400人程度の有志医師の参加を得ている。


#感染症発生動向調査と高い相関
インフルエンザの流行が始まると,診療現場ではその情報に関心が集まる。
国立感染症研究所感染症情報センターの砂川富正主任研究官が,小児科医が参加するMLで臨床症状だけでなく,迅速診断キットの診断症例について報告し合えば,直ちに情報が共有できることを提案。
つまり,感染症発生動向調査週報(IDWR)のように臨床症状で報告されるよりも,迅速診断キットを用いて,より正確な診断をもとに流行を検討するのが望ましいと考えたからだ。
 
賛同したML参加者から迅速診断キットの診断症例が投稿され,流行状況がMLで取り交わされるようになった。
この提案を知った西藤院長は「MLへの投稿ではなく,Web-DBに症例報告する運用がふさわしいと考えた。
MLでの情報交換をWebベースで実現するために,インフルエンザの1報告が1レコードとして登録できるDBシステムの構築を行い,砂川主任研究官に提案し,Web-DBでの集計に切り替えることになった」と説明する。
このシステムは現在,国立感染症研究所感染症情報センターの谷口清洲第一室長の厚生労働科学研究「国際的な感染症情報の収集,分析,提供機能および我が国の感染症サーベイランスシステムの改善・強化に関する研究」の一環として運営が行われている。

#早期警戒システムとして期待
このプロジェクトに参加した有志医師は,診療でインフルエンザ患者を検出すると,MLで案内されたURLやアカウントで「症例登録ページ」にログインし,当該症例の年齢や性,インフルエンザのタイプなどを登録する。
DBに登録されると,即座に日本地図上の表示や報告数の推計グラフなどの集計に反映される。
日本全国はもとより,都道府県,市町村ごとの集計も行う。地域で有志医師が集まれば,当該地域の検出状況を共有できる。
また,日集計・週集計をMLでも配信し,有志医師に迅速に情報を還元できる。
 
西藤院長は「配信メールにはインフルエンザ関連トピックスも掲載する。
有志医師の診療に直結するサービスの提供に努めている」と話す。
 
これまで9シーズンにおける運用状況を見ると,有志医師数,報告件数,平均報告件数のいずれも増加傾向にある。
こうした有志医師による自主的な報告が実際のインフルエンザ流行を正確に反映しているかどうかを検討するため,同DBと現行のIDWRの比較を行った結果,非常に高い相関を示すことがわかった。


#8月に入り報告件数が急増
同DBは通年運用を行っている。今年夏の傾向について,西藤院長は「新型インフルエンザ流行の徴候が明らかであった。
8月に入ってから件数が急増し,例年の10月末〜11月初旬に近い状態であった(図)。
運営を開始してから,こんな現象は初めてである。まさに,津波が押し寄せるような怖さを感じた」と説明する。

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さらに,「有志医師の協力を得て運用を続ける間に,同DBは自主的な報告でも定量性がよいことが確認され,そして質的な情報も迅速に周知が可能なWebプロジェクトになった。通年運用により,国内どの地域でもインフルエンザの発生を最も早く関係者に伝えることができる。有志医師がさらに増えれば,より早期の発見が可能となる」と期待している。


##発生早期から医療従事者の感染防止を
大阪府吹田市では,2009年5月17日に1例目の新型インフルエンザの感染が確認され,その後は日を追うごとに感染者が増加するとともに感染を疑った多くの者が発熱外来に押し寄せ,大きく混乱した。
同市では早急な対応として一般医療機関でも診療を行えるよう医師会に依頼し,吹田市医師会の小谷泰会長(小谷医院院長)は医療従事者用の抗ウイルス薬,迅速診断キットなどの確保を条件に要請を受諾したという。


#182の診療所が協力
2009年4月25日,世界保健機関(WHO)の緊急委員会から,「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」の発表を受け,吹田市では「吹田市新型インフルエンザ対策会議」が開かれ,市の行動計画の第1段階(海外発生期)と位置付け,吹田保健所と吹田市保健センター内に発熱相談センターを設置し,市内の3医療機関に発熱外来を依頼した。
 
5月9日には,海外から帰国した大阪府の高校生ら4人の感染が確認された。同医師会では感染拡大に備え,会員のうち249診療所を対象に診療が可能かどうかを聞くアンケートを行ったが,「可能」は29機関にとどまった。
1週間後の16日に,神戸市で渡航歴のない高校生の感染が確認され,同会議では第2段階(国内発生期)の状況との認識を示した。
ただし,第2段階なら発熱外来で対応できるはずであったが,17日に吹田市で1例目の感染が確認されて以降は感染者が急増。感染を疑う多くの者が発熱外来を受診したことで,外来の対応能力は限界に近付いた。
 
5月20日に市は第3段階(蔓延期)と同様,一般医療機関も診療できるよう同医師会に申し入れた。小谷会長は「他の医師会が一般診療化を行っていない時期で対応に苦慮したが,最終的には発熱外来の機能を生かすために協力体制を構築すべきと考えた」と話す。
もう一度アンケートを行うと,182か所から「診療可能」との回答を得た。意欲を示す医療機関の増加について,同会長は「当医師会では,当時は国内の病原性は高くないこと,H5N1由来高病原性インフルエンザを想定した対応と混同しないことなど,注意を呼びかけるためのポスター配布や正確な情報提供などが会員に理解されたのではないか」と推測した。
 
同医師会では,26日に医療従事者用の治療薬や迅速診断キットなどの確保を条件に市の要請を受諾した。
「受診先は新型インフルエンザ診療に手を挙げてくれた内科や小児科に限らず,眼科や耳鼻咽喉科なども考えられた。治療薬,迅速診断キットなどは医師会の全会員への配布を求めた」(同会長)。
こうして,新型インフルエンザ一般診療が開始された(図)。
現在,患者は増加し続けているが,混乱は見られていない。

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#治療中心への対応切り替えが必要
新型インフルエンザの一般診療化について,小谷会長は「医療従事者感染に特に厳重な対応が必要だ。感染すれば,診療の休止や自身の患者にも感染させて迷惑をかけることになる。医療従事者用の治療薬や迅速診断キットなどを確保しておくべき」と強調する。
また,院内感染防止策については「新型インフルエンザ患者と一般患者との出口と入り口を分ける,または診療時間帯を分けるなどの工夫が求められる。当院では,新型インフルエンザ患者が受診する際は裏口を出入り口とし,院内ではパーティションで仕切られた場所を待合室に設置した」と言う。
 
また,季節性と新型の同時流行が危惧されているが,同会長は「従来の予防中心から治療中心に頭を切り替えるべき。後者は,新型インフルエンザが疑われる者は早期診断したうえでの早期治療・隔離を指す。ただ,オセルタミビルの投与に関しては10歳代の未成年患者には親に説明して承諾が得られれば処方し,服用後2日間は患者の状態を観察するよう指導している」としている。

出典 Medical Tribune 2009.10.1
版権 メディカル・トリビューン社


<コメント>
文中の「オセルタミビルの投与に関しては10歳代の未成年患者には親に説明して承諾が得られれば処方」はザナミビル(商品名 リレンザ)が第一選択の筈です。

<タミフル関連サイト>
#10代にもタミフル、厚労省が例外容認
新型インフルエンザが国内でも流行する可能性が高まっていることを受け、厚生労働省はインフルエンザ治療薬タミフルを、新型インフルエンザ感染が疑われる10歳代にも処方できるとする方針を明らかにした。
30日の衆院厚生労働委員会で、同省健康局の上田博三局長が答弁した。
タミフルを服用した子どもが飛び降りなどの異常行動をする事故が相次ぎ、同省は2007年3月から、原則として10歳代には処方を差し控えるよう、医療機関などに通知していた。
しかし、新型インフルエンザにはタミフルが有効とされ、他に有効な治療法もないため、例外的に使用することを認めることにした。
患者に濃厚接触した子どもに、感染予防のためにタミフルを飲ませることについても、有効性や安全性について十分に情報を提供し、同意を得た上で可能にする考えを示した。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090501-OYT8T00297.htm
読売新聞 2009.5.1
<コメント>
ザナミビル(商品名 リレンザ)の選択肢についてはまったく触れられていません。
「新型インフルエンザ感染が疑われる」という非科学的なあいまいな表現で、従来は原則禁止とした決定を反故にしてしまう。
タミフルを販売している○○製薬への厚労省の天下り官僚がきっといる筈です。

第一、PCR法による確定検査を開放しない理由の説明が今までにありません。
そしてそのことについて何の要望もしない医療側。
とても変です。

新ワクチン:特例承認はダメ
http://www.npojip.org/sokuho/090914.html

<番外編>
医薬品の効能又は効果等における「成長ホルモン分泌不全性低身長症」の呼称の取扱いについて
http://member.nagoya.aichi.med.or.jp/mem/news/ama_news/shiryou/402/01.pdf

新ワクチン:特例承認はダメ
http://www.npojip.org/sokuho/090914.html

悪魔の薬「タミフル」 中外製薬 厚労省課長が天下り
http://blog.goo.ne.jp/warabidaniyuukoku/e/c8bb2398108e5fd80b011d8c69581e36

タミフル販売元へ天下り
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-20/2007032015_01_0.html

タミフル(厚生労働省、中外製薬の疑惑)
http://www.pro-s.co.jp/diary/2007/03/post_74.html

厚労省課長、中外製薬に天下り
http://52480.diarynote.jp/200703202312060000/

新薬担当元課長、タミフル輸入販売の中外製薬に天下り
http://blog.goo.ne.jp/namiki_f/e/7193bf04a2ab58f179e12e0ea5da768a

真夜中の緊急記者会見とタミフル関係官僚の天下り
http://shinka3.exblog.jp/5757475/

タミフルに関する大いなる疑問
http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=41506&pg=20070321

厚生省幹部の天下り
http://mblog.excite.co.jp/user/yakuji/entry/detail/?id=3736652

天下りは必要悪か?
http://out-of-date.info/blog/archives/entry/2006/000591.html

厚労省天下りでタミフルの異常行動
http://blog.livedoor.jp/swamiyoshimi/archives/50044626.html

【厚労省のカルテ】(5)したたかに受け継がれる天下り
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080417/bdy0804170848001-n1.htm

タミフル 中外製薬に天下った厚労省元課長の正体
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/602.html

(いずれもちょっと旧聞に属する内容です)
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by wellfrog3 | 2009-10-04 00:53 | 感染症
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