2009年 03月 04日 ( 1 )

ドライアイ症候群

〜ヘルプドライアイキャンペーン〜
ドライアイは慢性疾患,眼科受診が必要

ドライアイは,眼不快感や視機能異常を伴う慢性疾患であり,わが国では潜在患者が800万人と言われる。
発症要因は多様で,早期に適切な診断をして原因を明らかにし,治療を行わないと,ますます悪化していく。
ただし,眼科を受診していない者が多いことから, 治療すべき疾患であるとの認識が低いことが問題視されている。

東京都で開かれた「ヘルプドライアイキャンペーン」(主催=参天製薬(株))では,ドライアイが疾患であると認識してもらい,眼科への受診を促すための専門医からの提言,ウェブ「HELP!ドライアイネットワーク」〔www.help-dryeye.com〕の試みが紹介された。

さまざまな要因を明らかにして適切な治療を受けることが重要
■国内の報告では,日本人のオフィスワーカーの3人に1人がドライアイであったことや,60歳以上の高齢者では罹患者は7割であったことなどの報告がある。

■一方,受診率が低いのは眼科で治療すべき疾患であるとの認識が低いことが考えられる。
東京女子医科大学眼科学教室の高村悦子准教授は「ドライアイの原因はさまざまであることから,原因により治療法も異なる。眼科を受診して原因を明らかにし,患者に見合った治療を受けることがまず重要である」と強調した。
 
■同准教授によると,ドライアイの症状は眼が乾くことや涙液の減少だけでなく,眼が疲れやすい,痛い,赤くなる,涙が急に出るなど多様な症状を呈する。

■涙液の蒸発過多以外に涙液の主成分の水層,水層を角膜に貼り付ける粘液でできているムチン層,水分の蒸発を防ぐ油層の3層が障害されることによる涙液の異常により,涙液の不安定化や角結膜上皮障害を呈していくことで,慢性・重症化するという。
 
■また,ドライアイはコンピュータ機器やエアコンによる乾燥した室内環境が発症要因と言われているが,コンタクトレンズ装用,知覚低下,炎症,ストレス,糖尿病,外傷,手術などさまざまな因子が関与することから,症状も多様化する。
 
■治療法には,症状に応じてヒアルロン酸点眼薬や人工涙液,眼軟膏,涙点プラグや外科療法などがあり,市販薬は治療できない。
 
■以上から,同准教授は「原因が異なれば,ドライアイのタイプも治療法も異なる。患者は,自己判断せずに眼科を受診してまず原因を明らかにし,継続的な治療を受けるべき」と強調した。

ドライアイの知識を深めてもらうための動画コンテンツを掲載
■ドライアイに関する正しい知識を深めてもらうことを目的としたウェブ「HELP! ドライアイネットワーク」では,今年1月13日からは高村准教授の監修のもと,「ベルサイユのばら」などで著名な漫画家の池田理代子氏の過去の原作を活用,再構成した「ドライアイ日記〜ドライアイ婦人の治療の日々〜」を公開している。
 
■「ドライアイ日記」では,主人公の診断・治療の日々全8話を通してドライアイの発症要因・メカニズム,検査法や治療法,継続通院の必要性などについて解説しており,閲覧しながらドライアイのセルフチェックが行える。

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出典 Medical Tribune 2009.2.12(一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>
ドライアイ症候群は早期診断が重要
著明な涙液分泌減少を来すドライアイ症候群の初期の徴候は見過ごされることが多いが,最終的な失明を予防するためには早期診断が重要である。

染色パターンで病期を判断
ドライアイの初期の徴候を発見するためにはどのようにすればよいだろうか。
■最も軽度であるドライアイの第 1 期では,眼球結膜の鼻腔側のみが染色される。
ただし,McCulley教授は「この徴候はドライアイによって引き起こされるが,大気汚染などの環境因子が原因となる可能性もある」と注意している。
 
■ドライアイの第 2 期は,涙液分泌減少から比較的容易に診断される。この場合,眼球結膜の染色部位は鼻腔側ではなく耳側となる。
 
■最も重症であるドライアイの第 3 期では,角膜も染色される。
ここまで進行すると非常に深刻で,角膜に著しい影響が及び,角膜表面の細胞が破壊され,視力低下に加えて,感染症の主要危険因子となる。

有病率は10〜30%と高い
■不可逆性の変化が起こる前にドライアイを発見するためには,一般的なフルオレセイン染色よりも,特殊な照明を使用するリサミングリーン(lissamine green)染色のほうが優れていることが示された。
 
■リサミングリーン染色で染色部位の出現パターンを観察することにより,眼科医はドライアイの重症度と病期( 3 期に分類)を判断することができる。
習慣的にフルオレセイン染色を行っている眼科医は,最終的に不可逆的な失明に至る可能性があるドライアイ症候群の初期(第 1 〜 2 期)を見落とす確率が高い(McCulley教授)。
 
■ドライアイはドライアイ症候群のみの徴候ではないため,早期にこれを診断することが重要である。
この症候群は全身性エリテマトーデスと関節リウマチにも認められる(McCulley教授)。
■ドライアイ症候群はまれな症状ではない。複数の調査によると,有病率は世界人口の10〜30%に達すると推定されている。
 
■ドライアイ症候群の症状には,眼の刺すような痛み,灼熱感,かすみ目,頻回のまばたき,光感受性の上昇,砂が入ったような異物感が含まれる。

出典 Medical Tribune 2007.11.8(一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社

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小絲源太郎 菖蒲園
http://www.aurora.dti.ne.jp/~ssaton/koito.html

<きょうの一曲>
Nancy Sinatra Bang Bang
http://www.youtube.com/watch?v=T5Xl0Qry-hA&feature=related

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
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「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)
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by wellfrog3 | 2009-03-04 00:22 | その他