2009年 03月 09日 ( 1 )

BMIよりウエスト/ヒップ比

BMIよりウエスト/ヒップ比を 脳卒中やTIAリスクの評価に優れる
ループレヒト・カール大学(独ハイデルベルク)神経学科のYaroslav Winter博士らは,ドイツで症例対照研究を実施したところ,腹部脂肪蓄積の複数のマーカーと脳卒中および一過性脳虚血発作(TIA)リスクとの間に,他の血管危険因子とは独立して段階的で有意な関連が認められたとStroke(2008; 39: 3145-3151)に発表した。

最高三分位でリスクが13倍に
■過去の研究では,心血管リスクの予測因子としてBMIに比べウエスト周囲径のほうが優れることが示されている。
 
■Winter博士らは今回,肥満や腹部脂肪量が脳卒中やTIAのリスクにどのように影響するのかを検討するため,脳卒中またはTIA患者379例と性・年齢を調整した758例を対象に,BMI,ウエスト/ヒップ比(WH R),ウエスト/体勢(WSR,直立姿勢における身長)を測定した。
その後,ロジスティック回帰モデルを用いて,これらの測定値と脳卒中/TIAリスクとの関連性を検証した。その他の危険因子については調整を行った。
 
■その結果,WHRが最も高い第3三分位の者は,最も低い第1三分位の者と比べて脳血管疾患(CVD)リスクが上昇していた。

■注目すべきことに,WHRについては,第2三分位と第1三分位を比較した場合でも調整後のORが2.78と高かった。
 
■この分析において,45~75歳の部分集団を抽出して見ると,WHRと脳卒中/TIAリスクとの間により強い関連性が認められた。
 
■全被験者におけるウエスト周囲径およびWHRについても,脳卒中/TIAリスクと有意の関連が認められた。

WHRが最も正確
■BMIと脳血管リスクとの間にも明らかな関連が認められたが,複数の因子を調整した後には,この関連は有意ではなくなった。
 
■Winter博士らはWSRの分析も行ったが,この測定値よりもWHRのほうが優れていた。
WHRのROC曲線下面積は0.774だったが,WSRでは0.730,ウエスト周囲径では0.721であった。

■このことから,同博士は「脳卒中あるいはTIAリスクの予測にはWHRが最も正確」としている。BMIのROC曲線下面積は0.595にすぎなかった。

医師に患者のウエスト周囲径測定を推奨
■そのほか,脳卒中やTIAに対して腹部脂肪量が影響する程度は有意ではないものの,女性で強い傾向が認められた。

■男性被験者に比べ女性被験者では平均年齢が1歳以上高く,肥満比率も高かったことから,これらが血管疾患リスクに影響を及ぼした可能性がある。これは予備的な知見であり,今後研究を進める必要がある(Winter博士)。
 
■また,今回の研究で明らかとなったリスクレベルは,過去の研究で示されたレベルに比べて高い傾向にあった。

■今回の研究が脳卒中だけでなくTIAも対象としたこと,またCVD既往歴のある患者を組み入れたことと関連している可能性がある(Winter博士)。
 
■研究責任者でザクセン病院アルンスドルフ(独アルンスドルフ/ドレスデン)神経科のTobias Back部長は「医師は患者のウエスト周囲径を測定し,脳卒中リスクの推定にはWHRを指標とすべきである」と指摘。
患者に対しても,定期的に自分のウエスト周囲径を測定して腹部脂肪の蓄積に気を付けるよう推奨している


出典 NM online 2009. 2. 19
版権 メディカル・トリビューン社


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荻須 高徳
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by wellfrog3 | 2009-03-09 00:35 | その他