カテゴリ:循環器科( 17 )

大腿径と心血管リスク

#大腿が細い中高年は死亡や心血管疾患のリスクが高い
BMIや腹囲、ウエスト・ヒップ比などと死亡リスクの関係はよく知られている。
デンマークCopenhagen大学病院のBerit L Heitmann氏らは、新たに、大腿囲が中高年男女の死亡と心血管疾患、冠疾患の独立した予測因子であることを示唆する結果を得た。
大腿囲60cm前後に閾値が存在し、それより下の値であれば、大腿囲が小さいほど死亡やこれら疾患のリスクは高いという。
詳細は、BMJ誌2009年9月26日号に報告された。

これまでに、下肢の筋肉量と2型糖尿病リスクの関係を示した報告はあった。
しかし、大腿部の周囲径と健康の間の関係は明らかではなかった。
そこで著者らは、大腿周囲径と心血管疾患、冠動脈疾患、総死亡の関係を調べる前向き観察コホート研究を行った。

WHOの後援を受けて行われたDanish MONICA(monitoring trends in and determinants of cardiovascular disease)プロジェクトに参加したデンマーク在住の男性1436人(1987〜88年の平均年齢50.1歳)と、女性1380人(49.7歳)を分析対象とした。
これらの男女は1922年、32年、42年、52年に生まれた人々で、ベースラインでは全員が冠疾患、脳卒中、癌の既往を持っていなかった。

87・88年に、身長、体重、大腿囲(右大腿の殿溝の下を測定)、臀囲(最大値)、腹囲(肋骨弓下縁と前腸骨稜上線の中間点を測定)、体脂肪量(インピーダンス方式による)を測定。
共変数として、身体活動量(4段階)、喫煙歴、学歴(以上は自己申告による)、血圧、総コレステロール値、トリグリセリド値なども調べた。

死亡については2002年12月9日まで12.5年間、心血管疾患と冠疾患については1999年1月まで10年間追跡した。
主要アウトカム評価指標は、12.5年間の総死亡率と10年間の心血管疾患、冠動脈疾患の発生率に設定した。

12.5年のうちに、男性257人、女性155人が死亡した。

男性の生存群では、死亡群に比べてベースラインのBMI、体脂肪量、体脂肪率、臀囲、腹囲、年齢、血圧、総コレステロール値、トリグリセリド値、喫煙量などが有意に低かった。
反対に、ベースラインの除脂肪体重、大腿囲、身長は有意に大きかった。

女性の場合もほぼ同様の結果だったが、BMI、体脂肪量、臀囲、腹囲の差は有意ではなかった。

中略

10年間に男性263人、女性140人が心血管疾患を発症、男性103人、女性34人が冠疾患を発症した。
男女の心血管疾患、冠疾患発生リスクと大腿囲の間にも、死亡の場合と同様の関係が見られた。

心血管疾患と冠疾患、総死亡のリスク上昇と大腿囲の間には、明らかな閾値効果が見られた。
総死亡率では、閾値は男女とも62cm。
男性では心血管疾患、冠疾患ともに閾値は56cm。女性では心血管疾患が68cm、冠疾患が60cmとなった。

大腿囲の測定値が閾値より下の場合には、値が小さいほどリスクは大きかった。
しかし閾値を超えると、大腿囲がより大きくなってもリスクに変化はなかった。
血圧、コレステロール値、飲酒量などで調整しても結果はほとんど変化しなかった。

したがって、大腿囲が小さいことは、腹部肥満や全身肥満、ライフスタイル、心血管危険因子とは無関係な、心疾患または早期死亡の危険因子であると考えられた。

著者らは、大腿囲が小さいことが、その部分の筋肉量が少ないことを意味するとすれば、運動により筋肉をつければリスク低減が可能かもしれない、としている。

さらに研究を行って今回の結果を確認する必要があるが、大腿囲測定は、一般開業医が心疾患リスクまたは早期死亡リスクの高い人を見い出すために使用できる簡便な方法として有用かもしれない、と著者らは述べている。

出典 NM online 2009.10.8
版権 日経BP社 

原著
Thigh circumference and risk of heart disease and premature death: prospective cohort study
http://www.bmj.com/cgi/content/full/339/sep03_2/b3292


<きょうの一曲>
Nitty Gritty Dirt Band - Mr. Bojangles (STEREO)
http://www.youtube.com/watch?v=6MQYn-GvGOM&hl=ja

Sammy Davis Jr. - Mr. Bojangles
http://www.youtube.com/watch?v=5voM2HExV_Q&feature=related

Sammy Davis Jnr "Mr Bojangles"
http://www.youtube.com/watch?v=SMcfUjIguSs&feature=related

Nina Simone - Mr Bojangles
http://www.youtube.com/watch?v=86wME5d_yZM&feature=related

Mr. Bojangles original song - Mister bojangles Original by John Denver
http://www.youtube.com/watch?v=J5ikgmiQmQo&feature=related

Tom Jones - Mr Bojangles
http://www.youtube.com/watch?v=IFd8ahmLJe8&feature=related

Bob Dylan-Mr Bojangles
http://www.youtube.com/watch?v=RWDutarNigM&feature=related

<ミスター・ボージャングルス 関連サイト>
ミスター・ボージャングルス
http://www.eigo21.com/03/pops/73.htm#song

ミスター・ボージャングルの正体
http://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2006/10/post_e01f.html

YouTube 動画で覚えよう英語の歌  Mr. Bojangles
http://dogaeigo.blog118.fc2.com/blog-entry-72.html

ミスター・ボージャングルは実在の人
http://www.ozsons.com/mrbojangles.htm

ミュージカル「オケピ」&ミスター・ボージャングル
http://www.aritearu.com/Life/music/Photo/AkiraFuse.html


c0183739_7583876.jpg

村田省蔵 「パンジー」 油彩 F4
http://www.eonet.ne.jp/~mks/minigallery/0201/minigallery_0201.htm
[PR]
by wellfrog3 | 2009-10-10 00:03 | 循環器科

急性心筋梗塞患者の死亡率と病院間格差

急性心筋梗塞患者の死亡率と病院間格差、米国で減少
米国の65歳以上の急性心筋梗塞患者2,755,370人の退院データ3,195,672件を分析したところ、患者のリスクの相違を補正した病院単位の入院30日後の総死亡率は、1995年の18.8%から2006年の15.8%に低下し、死亡率の差に病院の違いが占める寄与率は4.4%から2.9%に低下した。
論文はJournal of the American Medical Association 2009年8月19日号に掲載された。

1990年、米国心臓病学会と米国心臓協会は共同で、急性心筋梗塞に関してエビデンスに基づく初めての診療ガイドラインを公表した。
1992年には、現在メディケア・メディケイド・サービスセンターとなっている組織が、急性心筋梗塞に関する病院診療の質の測定を全国規模で開始した。

診療の質の改善に関するこれらの努力が行われてきたが、先行研究は一部の地域等で、患者個人を単位とする調査に限られていた。
著者らによれば、全国規模で、病院を単位とする調査は、今回が初めてという。
今回の調査は、65歳以上の高齢者を対象とする連邦政府の医療保険メディケアのデータを使って行われた。
1995−2006年の全期間を通して、毎年1例以上の急性心筋梗塞患者を診療した病院は3,054施設だった。

1995年には、患者の総死亡率が全国平均より偏差値で10高い病院と比べて、平均より10低い病院の総死亡率は1.63倍だった。
2006年にはこれが1.56倍に低下した。
また、病院間の総死亡率のばらつきを表す変動係数(死亡率の標準偏差を平均値で割った値)は11.2%から10.8%に、四分位範囲(上位25%の病院と下位25%の病院の差)は2.8%から2.1%に減少した。
平均在院日数は、7.9日から7.0日に減少した。

比較のために、急性心筋梗塞以外の全疾患について、患者のリスクの相違を補正した30日後の死亡率を算出したところ、1995年は9.2%、2006年は8.8%と、急性心筋梗塞と比べて低下は小さかった。

著者らによると、1992年に開始された診療の質を改善する動きは、努力の焦点を、個別の診療ミスから、診療全体の質の測定と改善に移してきた。
このことが、今回の診療成績の向上と病院間格差の減少につながったと考察している。


30日死亡率の絶対値の差を見ると、18.8%−15.8%=3.0%で、あまり大きな減少には見えない。
しかしその比を見ると、(18.8%−15.8%)/18.8%=16.0%で、死亡率が約1/6(16.0/100)減少していることになる。
著者らはこれを「著しい減少」(a marked reduction)と評価している。
論文には、横軸に病院ごとの死亡率、縦軸に病院数を示したヒストグラムが表示されているが、1995年と2006年を比べると、全体の分布が大きく左に(低死亡率に)シフトしていることが分かる。

日本ではがん診療の「均てん化」(地域差、施設差の改善)が政策課題となっているが、全国規模できちんと評価しようとすれば、今回のような超大規模なデータを使った分析が必要になることを示している点で、参考になる研究だろう。
http://blog.livedoor.jp/ytsubono/archives/51685189.html

Reduction in Acute Myocardial Infarction Mortality in the United States
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/302/7/767



<番外編>
ビール愛飲家にとってはドキっとするようなニュースです。

1日1杯のビール、がんになるリスク高める可能性=研究
ビールなどのアルコールを定期的に摂取する男性は、複数のがんになるリスクが高くなる可能性があるという。
カナダ・マギル大学の研究チームが発表した。

同研究チームは、約3600人の35歳から70歳までのカナダ人男性を対象に調査を実施。
少なくとも1日に1杯のアルコールを飲む人は、時々、あるいは全くアルコールを飲まない人に比べて、複数のがんになるリスクが高いことが分かった。

発症リスクが増大するのは、食道や胃、大腸、脾臓(ひぞう)、肝臓、前立腺などのがんだという。
http://www.excite.co.jp/News/odd/E1251106653700.html


<ビールと発がん 関連サイト>
「ビールの発がんプロセス抑制作用」
http://kirin-foodresearch.jp/R&D/a_page_1.html
■最近の疫学的な研究では、アルコールの適量摂取が発がんリスクを低減させるとの報告がされています。
■これまでの研究を通じて、ビールには、アゾキシメタンによって誘発される大腸発がん、肉や魚の焦げに含まれるヘテロサイクリックアミンによる細胞や動物組織のDNA変異及び大腸前がん病変形成を抑える作用があることがあきらかになっています。

ビールに前立腺がん予防効果 1日17本飲めば 米大学
http://www.asahi.com/science/news/JJT200606130002.html

ビールから抗がん成分発見、効果を得るには大量摂取必要。
http://www.narinari.com/Nd/2006066088.html

大腸がんモデルラットにおけるビールの発がん抑制作用
http://kirin-foodresearch.jp/R&D/syousai_a_1_01.html


<コメント>
ビールは発がん、発がん抑制。
いったいどっちなんでしょうか。


他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21? http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)

[PR]
by wellfrog3 | 2009-08-25 00:36 | 循環器科

心血管疾患リスクの低減

心血管疾患リスクの低減は、まず生活習慣の改善から
To Attenuate Risk for Cardiovascular Disease, Start with Lifestyle
2009 July 30

修正可能な生活習慣因子(正常体重の維持、定期的な運動など)は、心疾患や高血圧など多くの疾患のリスク低下と関連している。
今回、この関連性について2件の研究により詳細な検討が行われた。

1件のプロスペクティブなコホート研究では、男性医師21,000人(登録時の平均年齢54歳)を追跡し、修正可能な6つの因子(体重、喫煙、運動、飲酒、朝食用シリアルの摂取、果物や野菜の摂取)が心疾患リスクに及ぼす影響を検討した。
平均22年間のフォローアップ期間中に心不全が1,200件発生した。
心不全のない40歳男性では、その後に心不全を発症する生涯リスクは、4つ以上の生活習慣因子を遵守した場合の10%から、いずれの因子も遵守しなかった場合の21%までの範囲であった。
高血圧について補正した解析でも、体重、喫煙状態、運動に伴うリスクは依然として認められた。

もう1件のプロスペクティブ研究では、84,000人の女性看護師(登録時の平均年齢36歳)のフォローアップを実施し(平均14年間)、6つの生活習慣因子(体格指数[body-mass index:BMI]、運動、抗高血圧食の遵守、飲酒、非麻薬性鎮痛薬の使用、葉酸の補給)が高血圧の新たな発症リスクに及ぼす影響を2年に1回評価した。
全参加者のうち、12,000人(15%)が高血圧を発症した。
各リスクファクターと高血圧の発症の確率の間には統計学的に有意な関連性が認められ、なかでも肥満が最も強く関連していた(肥満女性の高血圧のリスクはBMIが正常な女性のほぼ5倍)。
著者らは、全参加者がこれら6つの保護因子をすべて取り入れていれば高血圧発症の78%は避けられたであろうと推定している(ただし、実際にすべての因子を取り入れたのは研究コホートの0.3%のみ)。

コメント:
これらの結果は、医療従事者が生活習慣の修正に焦点を当てて患者を指導する際に有用であろう。高血圧では、第一に肥満の予防に焦点を当てるべきである。
心不全については、リスクファクターのいずれの組み合わせであっても、(個々の患者の状況や動機に合わせて)カウンセリングの方向を定めてもよいかもしれない。
読者は朝食用シリアルの摂取量がリスクファクターとなるかどうかについて疑問を感じるかもしれないが、以前に同じ研究者らが全粒シリアルの摂取と心不全の間に逆の相関があることを報告している。

— Thomas L. Schwenk, MD
Published in Journal Watch General Medicine July 30, 2009
Citation(s):

Djoussé L et al. Relation between modifiable lifestyle factors and lifetime risk of heart failure. JAMA 2009 Jul 22/29; 302:394.
Original article (Subscription may be required)
Medline abstract (Free)

Forman JP et al. Diet and lifestyle risk factors associated with incident hypertension in women. JAMA 2009 Jul 22/29; 302:401.
Original article (Subscription may be required)
Medline abstract (Free)

© 2003 Massachusetts Medical Society, All rights reserved.

http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW09-0730-04.html



<番外編>
#新型インフル、簡易検査は最悪6割見逃し 米CDC実験
米疾病対策センター(CDC)は6日付の週報に、新型の豚インフルエンザウイルス感染を調べる簡易検査では、本来、陽性と判定されるべき検体のうち6割を陰性と判断してしまう場合があるとする実験結果を掲載した。

簡易検査で陰性と判定されると、詳しい遺伝子検査(PCR検査)は行われないことが多いため、かなりの感染者が見逃される可能性がある。

CDCは今年4〜5月に患者から採取され、PCR検査で新型ウイルス感染がわかっ
た45人分の検体を、市販の簡易検査キット3種類を使って判定した。

その結果、新型ウイルス感染を見逃すケースが31〜60%に上った。特にウイルス量が少ない検体では精度が低かった。
一方、季節性ウイルス感染がわかっている20人分の検体を使った同じ実験では、見逃しは17〜40%だった。

日本では、少なくともこれらのうち2種類を含む16種類の簡易検査キットが使用されている。

簡易検査キットは、鼻やのどから採取した検体から、A型またはB型のインフルエンザウイルスの抗原を検出する。
結果が出るまで数時間かかるPCR検査と違い、15分ほどで済む利点があるが、感染直後などに見逃しが起きるという指摘があった。
http://www.asahi.com/science/update/0807/TKY200908070324.html
出典 asahi.com 2009.8.7
版権 朝日新聞社 



span style="color:rgb(0,0,255);">他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21? http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)
[PR]
by wellfrog3 | 2009-08-18 00:05 | 循環器科

女性の心不全

女性の心不全は異なる  リスクファクターと生存率における性差を探究する研究
心不全の女性は同疾患の男性よりも生存期間が長いが、病状は重く、入院率は高く、総合的な生活の質は劣っていることを研究レビューは示している。

解析によって、男性と女性の心不全発現のリスクファクターにはしばしば差があることが確認され、治療に対する反応にも性差があることが示唆された。

しかし研究の共著者であるクリーブランドクリニックの女性心不全クリニックのEileen M. Hsich, MDは、女性は臨床試験の被験者に含まれる割合が依然として実際よりも低く、大部分の心不全試験では性別を特定した結果を報告しないため、性別が治療にどのように影響するかについてわかっていることはあまりにも少ないと述べている。

「女性は男性よりも生存期間が長いのだから、これらの治療が効いているはずだが、我々にはこれについて知っておくべき十分な知識がない」と博士はWebMDに語っている。
「未来を変えるために、心不全または何らかの心臓血管疾患を有する、より多くの女性が積極的に研究に参加する必要がある。医師がアプローチするのを待っているべきではない」。



心不全患者の半数は女性である
米国心臓協会によると、約530万人の米国人が心不全患者であり、その半数は女性である。

心不全とは、心臓が身体の需要を満たすだけの十分な量の血液を送り出せない状態である。

その原因は、血液を全身に送り出す十分な力がないほど心筋の収縮力が弱っていること(収縮期心不全)、または血液を送り出す心室が適切に拡張しないため心臓に流れ込む血液量が減少すること(拡張期心不全)である。

『Journal of the American College of Cardiology』8月4日号に掲載されたレビューによると、心不全の原因が心筋収縮力の低下であった患者が男性では約70%を占めたのに対して、女性では約40%であった。

女性は心不全の原因として高血圧および心臓弁損傷を有する可能性が男性よりも高い;男性は冠動脈疾患を有する可能性が高い。

しかし女性が実際に冠動脈疾患を発現した時、心不全も発現する可能性は男性よりも高い。

8,000例を超える心不全の女性が含まれたある全国調査では、4分の1以上(27%)が高血圧であり、冠動脈疾患を有した女性は3%にすぎなかった。

しかし女性において、冠動脈疾患が心不全につながる可能性は高血圧より高かった、

レビューではこの他に次のような性差が確認された:
心疾患全般と同様に、女性は心不全発現時の年齢が男性よりも高い傾向がある。
心不全の女性の生存率は同疾患の男性よりも良好である。
この理由は依然として不明である。
心不全の女性は男性よりも病状が悪く入院が多い可能性が高い。
同じくうつ病になる可能性も男性より高い。



性別は治療アウトカムに影響するのか?
後ろ向き解析から、性別がある種の心不全治療の効果の要因である可能性が示唆される。

β遮断薬、アルドステロン拮抗薬、およびペースメーカーによる治療を受けた心不全の女性において治療の利点が認められた。

ACE阻害薬と植込み型除細動器を含む他の治療については明らかな利点が認められなかったが、Hsich博士はこのことは、これらの治療が女性において有用でないことを意味しているわけではないと述べている。

「これらの治療はいずれも効果があるが、男性と同等の効果がないものもあるのかもしれないと、私は推測している」と博士は述べている。
「これを解明するための、性別を特定したデータが得られる更なる研究が必要である」。

ニューヨーク大学女性心臓プログラムのメディカルディレクターであり、女性の心臓の健康を探究した数冊の著書がある心臓病専門医のNieca Goldberg, MDも同じ意見である。

「明らかに、心不全および心疾患全般の治療に対する反応の性差を検討する更なる研究が必要である」と博士はWebMDに語っている。

博士は、米国心臓協会と米国立心臓・肺・血液研究所によるキャンペーンは、女性の心臓の症状を積極的に治療することの重要性に関する認識を高めることに成功したと述べている。

しかし博士は、性別が心疾患の診断、治療、および転帰にどのように影響するかについてわかっていることが少なすぎると付け加えている。

「女性に臨床試験への参加を要請する必要があり、女性は進んで臨床試験に参加する必要がある」と博士は述べている。
「たとえ本人たちの役に立たなくても娘や孫娘の役に立つかもしれない」。

(C)2009 WebMD Inc. All rights reserved.

出典 WebMD 2009.8.5
版権 WebMD



<番外編 その1>
iPS効率、20%に改善 がん抑制遺伝子を"封印" 作製方法改良、山中教授ら
新型万能細胞(人工多能性幹細胞)「iPS細胞」の作製効率を、従来の1%以下から最大で約20%に高めることに成功したと、京都大の山中伸弥(やまなか・しんや)教授らが10日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。
作製効率は、実用化に向けた課題となっていた。
特定の遺伝子の働きを止める方法で、課題だった作成効率の低さを改善した。
この遺伝子の制御法を改善すれば、安全で効率のよい作製法の確立につながり、再生医療や難病医療など実用化を加速すると期待される。

山中教授は「大幅な改善で意義は大きい。
ただがんになりやすく、今後は安全性を高める必要がある」と話している。

山中教授らはがん増殖を抑えるp53という遺伝子に着目。
この遺伝子を人工的になくしたマウスの皮膚細胞に、iPS作製に必要な4遺伝子を"運び屋"となるウイルスを使って入れると、iPS細胞になる効率が約20%に向上した。
p53は、4遺伝子を入れる工程を不自然な刺激ととらえ、細胞を自殺や増殖停止に導くため、これまでは作製効率が悪かったと考えられるという。

安全性向上を狙ってウイルスを使わなかったり、導入する遺伝子を三つに減らしたりする方法でも効率は向上。
ヒトの皮膚細胞でもp53を人工的に働かなくすると、同様の結果が出た。

iPS細胞とがん細胞は無限に増殖できるなど共通点が多く、関連が指摘されていた。
今回はがんの増殖抑制という重要な機能を止めており、このままでは患者の治療や新薬研究には使えない。
山中教授は「一時的にp53を働かなくするなど工夫が必要だ」と述べた。

また、これまで完全に分化を終えたリンパ球などからiPS細胞を作るのは難しかったが、山中教授らは今回の手法でマウスのTリンパ球からの作製に成功。
将来、採血するだけでiPS細胞を作製できる可能性を示すものだとしている。

▽p53
代表的ながん抑制遺伝子の一つ。
細胞のがん化には複数のがん遺伝子と、がん抑制遺伝子の変化が必要とされているが、がん細胞ではp53の変異や欠失などの異常が多く認められる。
さまざまな変化に対して細胞を一定の状態に保ったり、修復不可能な損傷を受けた場合は細胞を自死に誘導したりする。
その働きの重要性から「ゲノム(全遺伝情報)の守護者」とも呼ばれ、各国で研究が進められている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/10/105574/
出典 共同通信社 2009.8.10(一部改変)



<番外編 その2>
ウイルスでがん退治、脳や皮膚で臨床試験へ 阪大と東大
ウイルスを使って、がん細胞を退治する臨床試験が国内で始まる。
東京大病院は今月にも悪性脳腫瘍(しゅよう)の患者を対象に、大阪大病院は今秋から皮膚がんの一種を対象に行う計画だ。
東大は国内で初めて、がん細胞を破壊するよう遺伝子を改変したウイルスを使う。
いずれも、安全性と効果を検証して、新しい治療法の確立をめざす。

東大では、藤堂具紀特任教授(脳神経外科)らが行う。
07年に学内の審査委員会で承認され、09年5月、厚生労働省の承認を受けた。

対象は、悪性脳腫瘍の一種。手術後に放射線や抗がん剤治療をしても、平均余命は診断から1年ほどで、2年生存率は30%以下という。

臨床試験では、頭部に小さな穴を開け、ウイルスを腫瘍部分に注入する。
腫瘍が再発し、治療の手だてがない重い症例を対象に2年をめどに21人に行う。

注入するウイルスは、口の周りなどに水疱(すいほう)をつくるヘルペスウイルスの三つの遺伝子を組み換えた。ウイルスが、がん細胞だけで増えるよう工夫した。

欧米では同様の臨床試験が始まっているが、今回はさらに安全性や効果を高めたウイルスを使う。

藤堂さんは「ウイルス療法は、前立腺や乳がんにも使える可能性がある。慎重に研究を重ね、放射線や抗がん剤などと並ぶ、新しい治療法として確立したい」と話す。

大阪大は慶応大と、皮膚などにできる悪性黒色腫(メラノーマ)を対象に行う。
10月ごろから患者6人に始める計画で、すでに学内の倫理委員会に承認された。

計画では、細胞とくっつき一体となる性質があるセンダイウイルスを使う。
メラノーマに注射すると、ウイルスの殻ががん細胞にくっつき、がん細胞が増えにくくなったり、患者の免疫が活発に働いたりして、メラノーマが破壊される。安全のために紫外線で感染力をなくしたウイルスの殻のみを使う。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200908110018.html
出典 asahi.com 2009.8.11
版権 朝日新聞社



<番外編 その3>
名大、単純ヘルペスウイルスを使った進行膵癌対象の臨床試験を再開
名古屋大学消化器外科分野教授の中尾昭公氏らのグループは、癌細胞を死滅させる性質を持つ単純ヘルペスウイルスを使った、膵臓癌を対象とするフェーズI臨床試験を再開することを明らかにした。
同グループは、この単純ヘルペスウイルス「HF10」を使って、乳癌の皮膚転移6症例を対象に病理学的評価を行い、グレード1からグレード3の効果が得られた実績などを持つ。

同グループは、2005年に膵臓癌患者3人を対象に試験を行っていた。
この試験は十分な症例数ではなく、さらに多くの症例での検討が必要としているが、血液生化学データや血液中DNA、排液中ウイルス検査などで安全性が問題ないことを確認していた。
ウイルスが検出されたのは腫瘍組織のみだったという。
効果については、1カ月間の入院期間中に2人で腫瘍マーカーであるCA19-9の低下が観察され、NK細胞活性の上昇が全例で認められ、病理組織は、抗癌剤や放射線治療の場合とは異なる融解した腫瘍組織が確認されていた。

その後、同グループは、ウイルス製剤「HF10」について、将来的な医薬品化を見越してより精度の高いGMP規格の製剤にすべきと考え、海外の企業に製造委託していたため、試験を中断していたが、今回、製剤ができたため、試験を再開するもの。

HF10は、名古屋大学で単離された単純ヘルペスウイルスで、増殖が活発(核酸合成が活発)な細胞で増殖する性質を持つ。
そのため、腫瘍細胞の中で増殖し、その後、腫瘍細胞を破壊して周囲の細胞に拡散、感染することで抗腫瘍効果を発揮すると考えられている。
正常細胞では、アポトーシスが起きることでHF10が感染しても増殖しないが、腫瘍細胞ではアポトーシスの機構が破綻しているため増殖すると考えられるという。

HF10の投与法は、術中術後に計3回、腫瘍組織に直接注入する方法だ。

再開する臨床試験はフェーズI試験で、対象となる患者は6人を予定している。
手術前の検査で切除可能と判断したものの、手術の際に高度な浸潤や遠隔転移が認められ切除不能と判断された進行膵癌患者か、手術前検査で切除不能と判断されたものの、何らかの理由で開腹手術を必要とする進行膵癌患者で、開腹治療歴がなく、手術前検査で遠隔転移が認められない患者だ。

2003年に実施した、再発乳癌の皮膚転移に対する臨床試験では、6人を対象に試験を実施し、病理学的評価ができたのは5人。
治療効果グレード1aが1人、グレード1bが2人、グレード2が1人、グレード2-3が1人という結果だった。

出典 NM online 2008.1.18
版権 日経BP社


<関連サイト>
変種ヘルペスウイルス  がん細胞好んで攻撃
http://www.geocities.jp/armisael95/news/yomiuri041007.htm



<きょうの一曲>  あまい囁き
あまい囁き(訳詞付) - ダリダ/アラン・ドロン
http://www.youtube.com/watch?v=HF9ZpnOxYWE&feature=related




c0183739_7205538.jpg

ニコラ・ド・スタール かもめ 
senzafine.livedoor.biz/.../ cat_50010598.html?p=2


他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21? http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)

[PR]
by wellfrog3 | 2009-08-12 00:46 | 循環器科

ST上昇型心筋梗塞と PCI開始時間

#ST上昇型心筋梗塞 PCIは"90分以内"より早く
エール大学(米コネティカット州ニューヘブン)のSaif S. Rathore氏らは,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者に対する一次経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は来院後時機を逸することなく,理想的には推奨されている90分以内よりもさらに早く施行すべきだとBMJ(2009; 338: b1807)に発表した。


#30分群では院内死亡率3%
STEMI患者に対しては,一次PCIがしばしば施行される。
PCIは,先端にバルーンを付けたカテーテルを主要動脈から挿入し,冠動脈の狭窄部に到達させ,バルーンを膨らませて閉塞を解消させる治療法である。
 
来院から初回バルーン拡張までのドア・ツー・バルーン時間の目標は現在90分とされているが,この時間をさらに短縮することの有益性はこれまで不明であった。
 
Rathore氏らは,PCIを受けたSTEMI患者におけるドア・ツー・バルーン時間と院内死亡率との関連を検討するため,米国心臓病学会(ACC)全米心血管登録に登録されている患者4万3,801例のデータを分析した。
全例が2005〜06年に,米国の急性期ケア病院で心筋梗塞発症後12時間以内にPCIを受けている。
 
分析の結果,ドア・ツー・バルーン時間は患者の過半数(58%)で90分以内,平均は83分であった。
ドア・ツー・バルーン時間が長い患者では短い患者と比べて女性および非白人,平均的に年齢が高い人の割合が多く,また糖尿病や高血圧など併存疾患を有する患者が多かった。
全体の院内死亡率は4.6%であった。
 
結果に影響すると考えられる因子を調整すると,ドア・ツー・バルーン時間が長いほど,院内死亡リスクが高くなった。
例えば,院内死亡率はドア・ツー・バルーン時間30分群の3%に対して,90分群では4.3%であった。
院内死亡率が最も高かったのは,240分群で10.3%に達した。


#顕著な死亡率低下の可能性
これらの結果から,PCIを受けるSTEMI患者ではドア・ツー・バルーン時間の遅延と死亡率の上昇は関連し,この時間が90分以内であっても死亡率は上昇することが示された。
 
Rathore氏らは「われわれのデータは,一次PCI施行患者のドア・ツー・バルーン時間の目標を90分にするという現在の基準に甘んじることなく,"一刻も早い"PCIの施行を標準とするように求める考え方を支持している。不適切な治療を防ぐために必要なセーフガードを設けるというこのようなアプローチによって死亡率の顕著な低下が期待できる」と結論している。

出典 Medical Tribune 2009.7.23,30
版権 メディカル・トリビューン社

c0183739_2391794.jpg


デュフィ 『パリの風景』 1926
copyright© Kamakura Otani Memorial Art Museum
www.komam.co.jp/ 2003/2003march.html

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21? http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)

[PR]
by wellfrog3 | 2009-08-06 00:28 | 循環器科

無症候性冠動脈疾患と糖尿病

無症候性冠動脈疾患に対する2型糖尿病患者のスクリーニングは有用ではない
2型糖尿病を有し、冠動脈疾患(CAD)が無症状の患者では、誘発性虚血への定期的なスクリーニングが全般的な心予後に影響を及ぼすとは考えられないため、このスクリーニングを「推奨することはできない」と研究者らはJournal of the American Medical Association誌4月15日号で結論付けている。

CADは、2型糖尿病患者における死亡および発症の主因である一方、無症候性患者におけるスクリーニングの有用性については議論の余地がある、とYale University School of Medicine(コネチカット州ニューヘブン)のDr. Frans J. Th. Wackersらは述べている。

JAMA誌今週号において、同研究者らは、心電図所見が正常で、心疾患の既往がなく、CADが無症状である50~65歳の2型糖尿病患者1,123名を対象としたプロスペクティブなDetection of Ischemia in Asymptomatic Diabetics(DIAD)研究の結果を発表している。これらの患者は、CADスクリーニングとアデノシン負荷ラジオアイソトープ心筋血流イメージング(MPI)を受ける群とスクリーニングを受けない群に無作為に割り付けられた。

同研究者らによると、平均4.8年間の追跡調査で、累積心イベント発生率は2.9%と低く、平均で年間0.6%であり、心筋虚血に対するMPIのスクリーニングにより有意に低下しなかった。

5年間の追跡調査中に、スクリーニング実施群では非致死的心筋梗塞(MI)が7件、心臓死が8件(2.7%)、スクリーニング非実施群では非致死的MIが10件、心臓死が7件(3.0%)認められ、ハザード比は0.88であった(p=0.73)。

2型糖尿病を有し、CADが無症状である最近の患者群では、「MPIスクリーニングの実施は、その後の心イベントに何ら影響を及ぼさなかった」とDr. Wackersらは報告している。

スクリーニング実施群では、MPI結果が正常であった患者は409名(78%)で、結果が異常であった患者は113名(22%)であった。
スクリーニング上での有意なMPI異常所見は心イベントの発生率上昇と関連していたが、このようは異常所見の陽性適中率は低く(12%)、スクリーニング検査が正常な患者でもイベントが認められたことを、同研究者らは見出した。

DIAD研究に基づいて、「冠動脈疾患の既往がない患者では、以下の4つの理由により、無症候性冠動脈疾患に対する定期的なスクリーニングが推奨されていない。つまりスクリーニング検査の検出率が比較的低い、イベント発生率が非常に低い、スクリーニングがアウトカムに影響を及ぼさない、および明らかに、定期的なスクリーニングが米国の2,000万名ほどの糖尿病患者に実施された場合、極めて高価となる」とDr. Wackersは会見で述べた。

「今回の研究を否定的なスクリーニング研究と捉えるのではなく、臨床医はその結果を肯定的なメッセージとみなすだろう。現在では、現代医療、綿密な追跡調査および虚血症状の適切な診断評価を受けた2型糖尿病を有するがCADを示唆する症状が認められない患者は、予後が比較的良好である」とDr. Wackersらは自身の報告の中で示している。
JAMA 2009; 301:1547-1555.

出典 ロイターヘルス  2009.4.14
版権 ロイター社



<番外編>
謎の食中毒が増加中、短時間で発症し回復
食後短時間で一過性の下痢や嘔吐(おうと)の症状を呈し、原因物質が特定できない食中毒がここ数年、首都圏や瀬戸内海沿岸、北陸地方などで相次ぎ、地元の保健所が「再発防止策の取りようがない」と対応に苦慮している。

関係自治体は「広範囲で発生している」として全国規模の調査を国に要請。厚生労働省が国立機関に研究分析を依頼し、事例収集を進めている。

厚労省などによると、原因物質が特定できない食中毒には、
〈1〉主症状が下痢や嘔吐
〈2〉食後、発症まで平均4、5時間程度と短い
〈3〉軽症で回復も早い
--という共通点がある。
保健所などが残飯や吐しゃ物を検査しても原因となる細菌や毒素などが検出されず、原因が特定されていない。
食中毒と断定されるには至らなかった有症苦情事案にも同様ケースがあるという。

岡山県の倉敷市保健所が中心となり、昨夏、瀬戸内海沿岸27府県市に、原因不明の食中毒や苦情事案についてアンケートをしたところ、回答した21自治体のうち20自治体が「あり」とした。06年度29件、07年度87件、08年度は夏までで32件。
2年半の合計では広島県51件、兵庫県27件などが多かった。

さらに同保健所が今年初め、瀬戸内地区を除いた全国の都道府県や政令市など97自治体に聞いた結果、回答した70自治体のうち54自治体が「あり」とした。集計すると、04年度27件、05年度40件、06年度71件、07年度89件と増え、08年度は112件に。地域別の最近3年間の合計では、東京都52件、千葉県41件、福井県33件などが多かった。

調査を担当する同保健所の吉岡明彦参事は「患者数は1件につき数人から数十人。年間数百人以上になるのでは」と指摘。
「既に知られている細菌は体内に入って増殖するまでの時間がもう少し長い。未知の物質が原因の可能性がある」として調査を継続する予定だ。

ここ2年間で約10件の同様事案が発生した石川県なども昨年末に厚労省に原因の特定を要請。
今年2月の首都圏の自治体担当者会議でも話題に上ったという。

現在では主要な食中毒の原因物質も、過去にさかのぼると「原因不明」とされた時代がある。
昨年の食中毒のうち患者数が最も多いノロウイルスも、遺伝子検査が確立し、国が原因物質に追加したのは1997年のことだった。

厚労省から要請を受け、自治体への助言に取り組む国立医薬品食品衛生研究所の小西良子・衛生微生物部長は「各地の事例が同一現象とはまだ言えない。さらに事例を収集・解析する必要がある」と話す。厚労省は「近年まれにみる発見につながる可能性もあるが、まだ情報不足」とする。

有症苦情事案 嘔吐や下痢など食中毒のような症状を呈していても、原因物質が特定できない場合、「食中毒」としては報告されず、有症苦情事案として扱われることが多い。
食中毒と断定すると、原因施設が営業停止処分などになるため、行政側が慎重に判断することも影響している。
原因物質が検出されなくても、複数のグループが同じ施設で食事をしていたなどの状況があれば、食中毒と断定され、国の統計に計上される。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/22/102610/?pageFrom=m3.com
出典 読売新聞 2009.6.22
版権 読売新聞社


<新型インフルエンザ関連>

人で増殖しやすい変異か 中国で採取の新型ウイルス

中国・上海市で新型インフルエンザの患者から採取したウイルスに、人の中で増殖しやすくなり、病原性が増す可能性がある変異が見つかったと、東京大医科学研究所の河岡義裕教授が19日、明らかにした。

現時点では、ほかに同様のウイルスは見つかっていないが、河岡教授は「この変異を持つウイルスが拡大しないか、注意深く監視する必要がある」と話している。

このウイルスは5月、上海市の22歳の女性患者から分離された。女性の病状は回復している。

ウイルスの8本の遺伝子のうち、PB2という遺伝子はウイルス増殖に関与するタンパク質を作る。
今回のウイルスでは、これまで世界各地で採取された新型ウイルスとは異なり、PB2タンパク質の627番目のアミノ酸が「グルタミン酸」ではなく「リジン」に置き換わっていた

鳥のウイルスでここがリジンになると哺乳(ほにゅう)類で増殖しやすくなるとされ、毎年人で流行するA型インフルエンザウイルスでも、この部分はリジンになっている。

河岡教授は、この変異によって病原性が増すかなどを動物実験で確認したいとしている。

ウイルスの遺伝子情報は米国のウイルスのデータベースで公開されている。

出典 共同通信 2009.6.22
版権 共同通信社



新型インフル/地域分類廃止、全医療機関で診療へ 厚労省が運用指針を改定
新型インフルエンザの国内対策について、厚生労働省は19日、政府の基本的対処方針の運用指針を改定した。
感染状況に応じた地域分類をやめ、原則としてすべての一般医療機関で発熱患者を診療するとともに、患者は原則的に自宅療養とすることが主な柱。
秋にも予想される「第2波」に備え、重症者や重症化が懸念される基礎疾患患者への対応に重点を移す。今後、準備が整った都道府県から順次実施する。

新たな運用指針では、国内の感染状況について「患者の発生をゼロにするための封じ込め対応は、すでに現時点では困難」とし、秋以降に全国的に大規模な患者の増加が起こり得ると分析。患者の増加による医療機関の負担軽減と、重症者に対する適切な医療の提供が必要としている。

患者は原則自宅療養
こうした観点から、新たな運用指針では、これまでの感染状況に応じた地域分類を廃止し、対応を一本化。
地域の患者数にかかわらず原則としてすべての一般医療機関で発熱患者を診察することとし、患者は原則的に外出自粛を求めた上で自宅療養とする。
重症化のリスクが高い患者については、入院の必要性を医師が判断する。

一般医療機関で発熱患者を受け入れる際には、患者の待機場所や診療時間を区分するなど、感染拡大の防止策をとることが求められるが、設備・構造上こうした対応をとることが困難な施設や産科、透析病院などは、発熱患者を受け入れない医療機関として都道府県が指定できる。

サーベイランス 全数から集団発生に重点
サーベイランスでは、患者の全数把握をやめる一方、感染拡大の端緒をつかむため、学校や社会福祉施設などの集団発生に着目した新たな監視体制に移行。
PCR検査は、集団発生の一部と早期治療が求められる基礎疾患患者に限定する。

国内対策については、世界保健機関(WHO)が警戒レベルを「フェーズ6」に引き上げた今月12日、舛添要一厚生労働相が見直しを明言。
医療体制では重症者への対応に重点を置く考えを示しており、厚労省が検討を進めていた。
出典  Japan Medicine 2009.6.22
版権 株式会社じほう



c0183739_9363536.jpg

2009.6.21 標高1650m

<きょうの一曲>
天国の郵便ポスト / キマグレン
http://www.youtube.com/watch?v=s9HgHLtoJfU
[PR]
by wellfrog3 | 2009-06-23 00:30 | 循環器科

心不全男性とエストラジオール値

エストラジオールの高値と低値が心不全男性の死亡率上昇と関係 
左室駆出率(LVEF)が低下した男性心不全患者では,エストラジオールの高値と低値の両方が死亡リスクの上昇と関係していると,ポーランドのグループがJAMA の5月13日号に発表した。

男性心不全患者によく見られるアンドロゲン欠乏は,合併症および死亡の増加と関係する。
エストロゲンはアンドロゲンの芳香化によって形成されることから,心不全患者ではエストロゲン代謝に異常があるのではないかと想定される。

同グループは,平均LVEFが28%と明らかな低下が認められる男性心不全患者501例(平均年齢58歳)を前向きに追跡し,血清エストラジオール値と死亡率との関係を検討した。
血清エストラジオール値の五分位により,第1群(12.90pg/mL未満),第2群(12.90~21.79pg/mL),第3群(21.80~30.11pg/mL),第4群(30.12~37.39pg/mL),第5群(37.40pg/mL以上)に分類。第3群を参照群として解析した。

平均3年の追跡で171例(34%)の死亡が確認された。
解析の結果,第3群と比べ第1群と第5群は有意に死亡率が高く,ハザード比(HR)はそれぞれ4.17,2.33であった(ともにP<0.001)。

これら2群の臨床的特徴には明らかな違いが見られた。
第1群は血清総テストステロン高値,血清デヒドロエピアンドロステロンサルフェート低値を示し,ニューヨーク心臓協会心機能分類のクラス進行例が多く,腎機能障害が見られ,総脂肪量が少なかった。
一方,第5群は血清ビリルビンと肝酵素高値,血清ナトリウム低値を示した。

臨床変数とアンドロゲン値を補正した3年生存率は第1群が44.6%,第2群が65.8%,第3群が82.4%,第4群が79.0%,第5群が63.6%であった。

Jankowska EA, et al. JAMA 2009; 301: 1892-1901.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19436016

出典 Medical Tribune 2009.5.28
版権 メディカル・トリビューン社



<番外編>
米国消化器学会(第40回米国消化器病週間DDW2009) 2009年5月30日〜6月4日 Chicago, U.S.A.で発表された記事からです。
ファモチジンの予防的投与で低用量アスピリン潰瘍のリスクが大幅減
消化管出血を恐れながら服用を続けるか、それとも服用を止めて心血管イベントのリスクに怯えるか?
心血管疾患発症後など、低用量アスピリンによる抗血栓療法が必要な患者がこうした究極の選択に悩むことはもうなくなるかもしれない。
英国Crosshouse病院のAli S Taha氏は、低用量アスピリン服用者に対するH2ブロッカー・ファモチジンの潰瘍予防効果を検証するプラセボ対照試験について報告。
同剤の予防的投与により、食道炎と胃・十二指腸潰瘍の発生は33%から5.9%に激減したことを明らかにした。

心血管疾患(CVD)患者とその予備群の増加を背景に、低用量アスピリンの処方は急速に増加している。
これに伴い、低用量アスピリンによる潰瘍や消化管出血の報告も増えているが、潰瘍リスクの上昇を恐れて低用量アスピリンを中止するのは危険である。
効果と経済性を兼ね備えた点で、低用量アスピリンに代えうる薬はない。

対策として酸分泌抑制剤が有効だが、プロトンポンプ阻害薬はクロピドグレルなどとの相互作用が問題となっている。
そこでTaha氏らは、NSAID使用者での良好な忍容性と高い潰瘍予防効果が確認されているH2ブロッカーのファモチジンに着目。低用量アスピリン服用者における予防効果を検討した。

対象は、CVD予防目的で低用量アスピリン(75〜325mg/日)を服用中の18歳以上の患者である。基礎疾患の種類や低用量アスピリン以外の抗血小板薬使用の有無、ベースライン時の内視鏡検査における軽度な所見(びらん、瘢痕)、H.pylori感染の有無は不問としたが、直近3カ月以内の心筋梗塞・脳梗塞既往者と、高度な内視鏡的所見(食道炎、潰瘍、腫瘍)を認めた患者、ワルファリンまたはNSAIDsの使用者、他の潰瘍惹起性薬剤の使用者、H.pylori除菌療法を受けた患者は対象から除外した。

同氏らは、これらの基準に該当した404例の患者をファモチジン群(ファモチジン20mg×2回/日投与、n=204)とプラセボ群(n=200)に無作為割付して追跡し、12週間後の内視鏡的所見(食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍)の発現頻度を比較した。
対象患者の平均年齢は63歳、併用薬として、近年低用量アスピリンとの併用療法が増加しているクロピドグレルが、ファモチジン群で18.6%、プラセボ群で16.0%含まれていた。
なお、発現頻度はITT(intention-to-treat)解析にて求めた。

中略

有害事象の発生率はファモチジン群とプラセボ群で同程度であり、ファモチジン群では上部消化管出血をみた患者は皆無だった。
また、心血管イベントの発生も少なかったが、いずれもプラセボ群との間に統計的有意差を認めるには至らなかった。

以上より、低用量アスピリン服用者に対するファモチジンの予防的投与は、食道炎や胃・十二指腸潰瘍の発症予防に高い効果を有し、安全性・忍容性にも問題はないものと考えられた。
多くの合併症と危険因子を抱え、併用薬も多い“リアルワールド”の低用量アスピリン服用者にとって、ファモチジンの予防的投与は有力な選択肢となろう。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/aga2009/200906/510968.html

出典 NM online 2009.6.2
版権 日経BP社

[PR]
by wellfrog3 | 2009-06-04 00:57 | 循環器科

心筋梗塞の発生率

認識されていない心筋梗塞の発生率は過去の予測よりもかなり高い
冠動脈疾患が疑われた患者の検査に心筋遅延造影共鳴(DE-CMR)画像法を用いた研究者らは、認識されていない非Q波心筋梗塞(MI)の有病率が予測されていたよりもかなり高いことを見出した。

Duke University(ノースカロライナ州ダラム)のDr. Han W. Kimらは、心血管疾患が疑われるがMIの既往のない患者185名を検討した。認識されていない心筋梗塞(UMI)は、通常は12誘導心電図(ECG)上でQ波が偶発的に出現した時に診断される、と著者らは指摘している。しかし、DE-CMR法ではQ波が存在しなくてもUMIの特定が可能である。

この研究者らは、ECGから患者15名(8%)にQ波UMIが示されたのに対し、DE-CMR法からは50名(27%)に非Q波UMIが示された、とオンラインで出版されているPLoS Medicine誌に報告している。

非Q波MIの有病率は「冠動脈疾患の血管造影上の範囲および重症度と共に増加した」と研究者らは述べた。

非Q波UMI患者は高齢で糖尿病を有する可能性が高かった。フラミンガムリスクスコアは非Q波UMI患者においてMIを有しない患者よりも高かったが、Q波UMI患者と同様であった。

非Q波UMIにおける梗塞サイズは「中程度」であり、左室心筋重量の約8%であった。左室駆出率(LVEF)は「通常は温存」されていた。

非Q波MIの予後的意義を検討するため、患者は平均2.2年間追跡調査された。追跡期間中、16名が死亡した。このうち13名は非Q波MI群(26%)、1名はQ波MI群(7%)、2名は非MI群(2%)の患者であった。

「非Q波UMIは、総死亡および心臓死の独立予測因子であった」と研究者らは報告している。

「認識されていない心筋梗塞の4例中約3例が非Q波型であったことを、我々は見出した。これらの心筋梗塞は重症で、多くは多枝性の冠動脈疾患と強い関連があった」とDr. Kimはロイターヘルスに語った。

「さらに、これらの非Q波心筋梗塞患者を追跡すると、これらの患者における総死亡および心臓死は、認められていないMIを有していない患者と比較して、それぞれ11倍および17倍であった」とDr. Kimは述べた。

この論文は「非Q波型の疑われていないMIは、冠動脈疾患(CAD)が疑われる患者において、Q波型の疑われていないMIよりも3倍多く生じており、非Q波UMI患者はMIを有していない患者よりも死亡するリスクがかなり高い」ことを指摘している。

「認識されていない心筋梗塞を有する患者は非典型的な症状を示すか、または全く症状を示さない可能性がある」とDr. Kimは注意を促した。

「このような患者をいかに特定または治療するかに関するガイドラインは存在しない」とDr. Kimは続けた。「このような患者が特定された場合には、通常、既知の心疾患を有する患者と同様の治療が行われる。DE-CMR法をこのような患者にいかに使用すべきか、患者をどのように管理すべきか、および早期診断/治療によって予後がいかに改善されるのかに関しては、依然として明らかではない」と同研究者は述べた。

http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200904230032169
ロイターヘルス 2009.04.22

[PR]
by wellfrog3 | 2009-05-14 00:13 | 循環器科

メタボリックシンドロームと大動脈弁石灰化

メタボリックシンドロームは大動脈弁石灰化と関連

メタボリックシンドロームは大動脈弁カルシウム(AVC)の存在に関連している、と米国の研究者らはDiabetes誌4月号に報告している。

また、今回の研究では、メタボリックシンドロームとAVC進行が関連する可能性について調査したが、そのような関連性は確認されなかった。

過体重もしくは肥満患者は、心臓発作や脳卒中のリスクが高いことに加えて、心臓弁膜症、特に大動脈弁狭窄の発症リスクも高いことを今回の研究は示している、とUniversity of Washington(シアトル)のDr. Kevin D. O'Brienはロイターヘルスに述べた。

「体重減少は、糖尿病および心疾患のリスクを低下させることが知られているが、大動脈弁膜症のリスクも低下させるようであり、この所見は重要である」とDr. O'Brienは述べた。

今回の研究は、6,000名以上の被験者を米国の6つの地域社会にある大学病院を介して募集したMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)の一環として行われた。無症候性心血管疾患とその進行の特性を確認することが、MESA研究の主要な目的である。

今回の研究では、メタボリックシンドロームの定義は、胴囲の上昇、トリグリセリド値の上昇、HDLコレステロール低値、血圧の上昇および空腹時血糖異常の5つの診断基準から、3つ以上が認められた場合とした。研究施設に応じて、電子ビーム断層撮影またはマルチスライスCTによりAVCを測定した。ベースライン時から追跡調査時のCT検査実施までの平均期間は、2.4年間であった。

ベースライン時にAVCスコアが0であった参加者のうち、新たなAVCの年間発生率はメタボリックシンドローム患者で2.2%、糖尿病患者で3.0%、いずれの症状も呈さない患者で1.2%であった。

さらに、新規AVCの発生率とメタボリックシンドロームの要因数に「段階的で線形の相関」があり、要因数が0の場合では0.8%から、要因数が4~5の場合では2.4%に上昇したことを、同研究者らは見出した。

「これらの研究結果はさらに、臨床的心血管疾患が認められない集団においてメタボリックシンドロームを特定することの臨床的な重要性を強調しており、メタボリックシンドローム患者における大動脈弁膜症の有無に対して、スクリーニング検査を実施する可能性を高めるものである」と著者らは結論付けている。

Diabetes 2009;58:813-819.
http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200904220032124

ロイターヘルス 2009.4.21



<関連サイト>
c0183739_1373857.jpg

http://www.carenet.com/dr_iga/lecture/2002/ishi_kai.aspx

ASとオルメサルタン
http://blog.m3.com/reed/20080313

<きょうのブログ>
厚労省内部からの告発:インフルエンザ対策のウソ
http://blog.m3.com/DrTakechan/20090502/1
[PR]
by wellfrog3 | 2009-05-12 00:20 | 循環器科

新規カルシウム拮抗薬 クレビジピン

新規カルシウム拮抗薬は高血圧緊急症に安全で有効
eValuation of the Effect of uLtra-shOrt-acting Clevidipine In the Treatment of patients with severe hYpertension(VELOCITY)試験に関わる研究者からの報告によると、治験中のジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、クレビジピンは、重度の急性高血圧患者の血圧を速やかに、かつ安全に低下させる。

収縮期血圧が180mmHgを超えるおよび/または拡張期血圧が115mmHgを超える成人117名を対象に、University of Pennsylvania(フィラデルフィア)のDr. Charles V. Pollackらは、クレビジピンの注入を2mg/時にて開始した。
その後の30分間において、用量は32mg/時を最高として、必要に応じて3分ごとに倍増された。注入は18~96時間、継続された。

クレビジピン開始から30分以内に、患者の88.9%が目標血圧に到達した。
目標までに要した時間の中央値は10.9分であった。
患者の92.3%は、他の静注降圧薬を必要としなかった。クレビジピンは高い忍容性を示した。

注入中止から6時間以内の経口降圧薬療法への移行は、患者の91.3%で成功した。

「体重に基づかない方法で投与されたクレビジピンは、重度高血圧患者のコホートにおいて安全かつ有効であった。最初から最後まで、簡単な血圧カフのモニタリングによって患者は効果的に管理された」と研究者らはAnnals of Emergency Medicine誌3月号に記している。

クレビジピンは半減期が約1分という「ユニークな薬剤」であるため、「反応に応じた用量設定やオーバーシュートによる低血圧のリスク減少を可能にする」と研究者らは指摘している。

論文によると、降圧は注入期間を超えても十分に維持された。
さらに、カフのみを用いて効果的に血圧をモニタリングできるということは、「特定の患者では入院の代わりに治療室での観察が可能になるかもしれない」とVELOCITYチームは見ている。

「クレビジピンは、救急部やカテーテル室での安定化に、また手術室や重症管理室における血圧の維持にと幅広い潜在的な有用性を持つ、と私は考えている」とDr. Pollackはロイターヘルスに語っている。「その安全域は非常に素晴らしく、本剤の並はずれて短い半減期によって強調されており、そのため仮に患者が治療で低血圧になったとしても、本剤は中止が可能であり、その作用は数分で消失する」
Ann Emerg Med 2009;53:329-338.

出典 2009-04-23 16:21:16 -0400 (ロイターヘルス)発
版権 ロイター社

<関連サイト>
重症高血圧治療薬静注用Clevidipine   2008.10.22
http://www.medmk.com/mm/mailmg/1295_mg.htm
■ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(dihydropyridine calcium channel blocker:CCB)クレビジピン/Clevidipineの静脈内投与(IV)製剤(Cleviprex - The Medicines Company;日本未開発)が、降圧薬としてFDAに承認された。 
■米国で販売されるIV CCBとしては2番目で、ニカルジピンの静注薬(Cardene IV;ペルジピン注射液2mg,10mg,25mg[アステラス製薬]等)が10年以上前から使用されている。 
IV ニカルジピンと同様に、おそらくクレビジピンは、主に集中治療室(ICU)、手術室、救急部において緊急の降圧を行う場合に使用される。
<コメント>
■高血圧治療剤の注射剤は、「手術時の異常高血圧の救急処置「および「高血圧性緊急症」(悪性高血圧、高血圧性脳症、解離性大動脈瘤、急性左心不全等による)に主に使用される。 
ニカルジピン塩酸塩(ペルジピン注射液2mg,10mg,25mg[アステラス製薬]等)、ジルチアゼム塩酸塩(ヘルベッサー注射用10,50,250[田辺三菱製薬]等)およびアルプロスタジル アルファデクス(注射用プロスタンディン500[小野薬品工業]等)でいずれも静注用。
米国では静注用降圧剤が年間320万人に使用(2006年、MEDCO社による)、多くはニカルジピンが使用されてきた。 
超短時間作用型静注用降圧剤酪酸クレビジピンが2008年9月15日に米国発売され、これを今回評価する。
<要約>
■ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬クレビジピンのIV製剤が、降圧薬としてFDAに承認された。
■IV CCBとしてはニカルジピンに続く2番目の薬剤で、主にICU、手術室、救急部において緊急の降圧を行う場合に使用される。
■本剤は、周術期または他の急性高血圧において、短時間で効果的に血圧を低下させることができ、重篤な有害事象も見られていない。



<新型インフルエンザ関連> 新型インフル届け出、医師側が判断を―厚労省が通知
2009年5月10日 21時13分
href="http://www.excite.co.jp/News/society/20090510/Cabrain_21925.html" target="_blank">http://www.excite.co.jp/News/society/20090510/Cabrain_21925.
■厚生労働省は5月9日、各都道府県などに対し、新型インフルエンザの症例定義や届け出様式を改定する通知を出した。
4月29日に通知した届け出基準では、迅速診断キットの結果がA型陰性かつB型陰性でも、診察した医師が感染を強く疑う場合は、法の規定で直ちに届け出を行わなければならなかったが、今回の改定では、感染を強く疑う根拠に乏しい症例がある現状を踏まえ、症例定義を満たしていても、海外への渡航暦や患者の症状などから医師が明らかに感染していないと判断した場合は、届け出る必要はなくなった。
医師側の裁量を広げると共に、余計な検査を省くことで、診断の効率化を図る。なお、症例定義と様式自体は前回と変わらない。

■改定された届け出はまず、医師が新型インフルの疑似症患者と判断した場合、症例定義に基づき、最寄りの保健所に連絡。保健所は各都道府県や厚労省などに報告し、中央感染症情報センターの「疑い症例システム」に入力する。
 
■各都道府県などは、疫学的に感染の疑いが濃厚かどうかなどを勘案し、感染症法が定める「感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由」に該当するかを検討。
保健所はその結果を医師に伝え、「正当な理由」のある患者については、医師が都道府県知事に届け出る。最終的な確定検査は当面の間、国立感染症研究所が行うとし、確定した患者(または無症状病原体保有者)について、医師は保健所に届け出る。

■厚労省が5月9日に各都道府県などに対して行った事務連絡では、迅速診断キットでA型陰性の場合、疑似症患者の連絡をする前に、
▽インフルエンザ特有の症状の有無の確認
▽10日以内のインフルエンザ様症状を持っている人との接触歴の確認
▽新型インフルが蔓延している国への渡航暦や滞在暦の再確認▽他の疾患の有無などの確認(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎など)
―を各医療機関に求めている。

<コメント>
コメントは各都道府県あてい出したようですが、現場の医師には今までのことも何も伝わってはいません。
相変わらずの現場無視の行政が続いています。


<きょうの一曲>
ZARD - 負けないで
http://www.youtube.com/watch?v=IFKyQxksGIo&feature=related
[PR]
by wellfrog3 | 2009-05-11 00:11 | 循環器科