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TNF阻害薬とがんリスク

#がんリスク上昇、警告を TNF阻害薬でFDA
米食品医薬品局(FDA)は4日、日本でも使われている腫瘍(しゅよう)壊死(えし)因子(TNF)阻害薬と呼ばれる新しいタイプの関節リウマチ薬について、小児、青少年が使用した場合にがんの発症リスクが上昇するとして、注意書きで強く警告するよう製薬会社に指示した。

対象は、レミケード(一般名インフリキシマブ)、エンブレル(エタネルセプト)、ヒュミラ(アダリムマブ)など5種類。
いずれも、日本でも承認されているか、臨床試験が進められている。関節で骨を壊すTNFというタンパク質と結合して、その働きを抑える作用があり、関節リウマチのほかクローン病、潰瘍(かいよう)性大腸炎などに処方される。
ロイター通信によると、改善効果が高いため、米国で最も人気があるリウマチ薬となっている。

同局の調査では、TNF阻害剤を使用した小児、青少年のうち48人がリンパ腫を中心とするがんを発症。2年半使用した場合、がんのリスクが高まることが分かった。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/8/5/105361/
2009年8月5日 提供:共同通信社


<番外編>
#内部被ばくの"証拠"撮影 長崎大研究グループ
長崎原爆で死亡した被爆者の体内に取り込まれた放射性降下物が、被爆から60年以上たっても放射線を放出している様子を、長崎大の七条和子(しちじょう・かずこ)助教らの研究グループが初めて撮影した。
放射線を体の外側に浴びる外部被ばくと別に、粉じんなど「死の灰」による内部被ばくを裏付ける"証拠"という。

内部被ばくの実態は研究が進んでおらず、七条助教は「病理学の見地から内部被ばくの事実を証明することができた。
今後、健康への影響を解明するきっかけになるかもしれない」と話している。

七条助教らは、爆心地から0・5-1キロの距離で被爆、急性症状で1945年末までに亡くなった20代-70代の被爆者7人の解剖標本を約3年間にわたり研究。

放射性物質が分解されるときに出るアルファ線が、被爆者の肺や腎臓、骨などの細胞核付近から放出され、黒い線を描いている様子の撮影に成功した。
アルファ線の跡の長さなどから、長崎原爆に使われたプルトニウム特有のアルファ線とほぼ確認された。

鎌田七男(かまだ・ななお)広島大名誉教授(放射線生物学)は「外部被ばくであればプルトニウムは人体を通り抜けるので、細胞の中に取り込んでいることが内部被ばくの何よりの証拠だ。広島、長崎で軽んじられてきた内部被ばくの影響を目に見える形でとらえた意味のある研究だ」としている。
共同通信社 2009.8.10

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http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009080701000061.html

<自遊時間> 
民主党が公約とする医学部定員の1.5倍増は、将来は現在の2倍を超える可能性さえあります。

医師数についての参考資料
都道府県別にみた人口10万対医師・歯科医師・薬剤師数の年次推移の分析
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/bunseki/04/03.html
参考統計資料
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/dl/s0423-9g_01.pdf
事務局参考資料
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0730-22b.pdf
病院勤務医の負担に係る問題について
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1102-3a_0001.pdf
医師の養成の変遷
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/06/dl/1-2-3b.pdf
統 計 表
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/06/toukei.html
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by wellfrog3 | 2009-09-13 00:03 | リハビリテーション科

関節リウマチ治療の開始時期

第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)2009年6月10日〜6月13日 Copenhagen, Denmarkの記事で勉強しました。


関節リウマチ治療は早く開始するほど進行を抑えられる
急速に症状が進んだため、早期に関節リウマチ(RA)治療を開始した患者は、当初の症状が軽かったなどの理由で遅めに治療を開始した患者に比べ、長期的にみると、むしろ進展が遅くなる——こんな研究成果が、6月10日から13日にかけて、デンマークの首都コペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で報告された。

スイスリウマチ学会傘下でリウマチ疾患の長期前向き研究を進めているスイスClinical Quality Managiment in Rheumatic DiseaseのAlmut Scherer氏がポスターセッションで発表したもの。
早期の治療開始が良好な予後につながるとする近年のリウマチ診療トレンドを裏付ける成果として注目される。

Scherer氏らは、スイスRA患者レジストリー(SCQM-RA)を基に、コホート研究を実施した。
対象は、リウマチ専門医によってRAと診断され、追跡期間中にX線検査の継続が可能だった970人とした。

患者は、発症1年以内に抗リウマチ薬(DMARDs)投与を開始した早期投与群(n=368)と、1年超5年以内に投与を開始した後期投与群(n=602)に分け、初回のDMARD投与時に組み入れて4年間追跡した。
その間、X線検査を平均3回実施した。早期群の組み入れ時期の中央値は発症後6カ月、後期群は2年半だった。

主要アウトカムは、関節腫脹の進行とし、Ratingenスコア(0-190、高いほど悪化)の百分率で示した。
スコア算定は、他の診療経過を知らされない熟練医1人が実施した。

ベースラインにおける早期群と後期群の患者背景のうち、年齢(中央値、55歳、後期群54歳)、性別(女性71%vs73%)、リウマトイド因子(64vs68)などには、いずれも有意差がみられなかった。DAS28-CPR(4.7vs4.1、p<0.01)、HAQ(1.0vs0.8、p=0.04)は、早期群が有意に高かった。

また、当初の関節腫脹(Ratingenスコア)は0.94%vs1.4%で、後期群が有意に悪かった(p<0.01)が、この値を発症から組み入れまでの期間(年)で割った初期悪化率は、逆に、初期群が有意に高かった(1.8vs0.6、p<0.01)。

DMARDsの使用は、メトトレキサート(MTX)が早期群83%、後期群80%(p=0.27)で有意差はなかったが、ステロイドは早期群65%、後期群49%で早期群が有意に多く使用していた(p<0.01)。

4年間の追跡を行った結果、Ratingenスコアの年間増加率は、早期群が0.41%(95%CI:0.30-0.53)だったのに対し、後期群は0.59%(95%CI:0.47-0.72)と、早期群の方がゆるやかだった。
後期群の組み入れ時には早期群が上回っていたが、発症後3年半ころに逆転し、以後、早期群の追跡終了時まで、差が開く一方となった。

この傾向は、多変量解析により、ベースラインの腫脹進行の推定値、DAS28、HAQスコア、DMARDsとステロイドの使用、リウマトイド因子、性、年齢、教育水準などで調整しても有意だった(p=0.029)。

Scherer氏は、「ベースラインのデータから明らかなように、早期群の患者は急速に症状が悪化したために、いち早く治療を開始していた。それにもかかわらず、長期的には、よりマイルドな発症だった後期群よりも進展が抑えられていた」と、早期治療開始の有用性を指摘していた。

本研究は1995年に追跡を開始したため、生物製剤を使用していないRA患者についての分析となっているが、研究グループは生物製剤使用群についても同様の追跡を進めている。
中間的な結果として、生物製剤の早期開始群(n=182)ではRatingenスコアの年間増加率が0.38%だったのに対し、後期開始群(n=160)では0.50%で、生物製剤についても、早く始めるほど進展を抑制できる可能性が示された。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/eular2009/200906/511177.html
出典 NM online 2009.6.14  日経メディカル別冊
版権 日経BP社



<関連サイト>
[PDF] 治療ガイドライン
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/pdf/guideline1to4.pdf

ガイドライン・診断基準集
http://www.riumachi.jp/doctor/doc3/kijun/html/kijun_top.html

リウマチe-ネット|V. 治療ガイドライン(3)-1
http://www.riumachi.jp/doctor/doc3/kijun/html/kijun_5_2.html

難病ドットコム > 免疫系疾患 > 悪性関節リウマチ > 診療ガイドライン
http://jpma-nanbyou.com/Category.aspx?view=c&oid=2&sid=7&kid=5



<自遊時間>
疲れたココロに力をチャージ! 20代女子に聞いた「仕事で落ち込んだときに一番思い出したい格言」ランキング
http://www.excite.co.jp/News/column/20090716/Escala_20090716_02329.html
●第1位/「お前の道を進め、人には勝手なことを言わせておけ。」
ダンテ・アリギエーリ……20.4%
○第2位/「何もかも失われた時にも、未来だけはまだ残っている。」
ボブ・ディラン……16.8%
●第2位/「人間は負けたら終わりなのではない。辞めたら終わりなのだ。」
リチャード・M・ニクソン……16.8%
○第4位/「涙とともにパンを食べたものでなければ人生の味はわからない。」
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ……9.2%
●第5位/「遅くなっても、まったく行かないよりはマシだ。」
リヴィ……7.4%
○第6位/「人生は退屈すれば長く、充実すれば短い。」
フリードリヒ・フォン・シラー……7.2%
●第7位/「あまり人生を重く見ず、捨て身になって何事も一心になすべし。」
福沢 諭吉……7.0%
○第8位/「人生は道路のようなものだ。一番の近道は、たいてい一番悪い道だ。」
フランシス・ベーコン……5.4%
●第9位/「人生はクローズアップで見れば悲劇 ロングショットで見れば喜劇。」
チャーリー・チャップリン……5.2%
○第10位/「いい日は幾らでもある。手に入れるのが難しいのはいい人生だ。」
アニー・ディラード……4.6%

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by wellfrog3 | 2009-07-17 00:43 | リハビリテーション科

変形性膝関節症のリコメンデーション(EULAR)

第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)
2009年6月10日〜6月13日 Copenhagen, Denmark


EULARが変形性膝関節症のリコメンデーション発表  画像なしの診断基準を新たに提示
変形性膝関節症(膝OA)の診断に関する欧州リウマチ学会(EULAR)のリコメンデーションが発表された。
画像所見がなくても、3つの症状と3つの臨床所見により、膝OAと判断できるとしているのが特徴だ。
英国University of NottinghamのWeiya Zhang氏が6月10日から13日までデンマーク・コペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で発表した。

今回発表された膝OAの診断に関するリコメンデーションは、欧州12カ国から17人の専門家が集結したEULAR ESCCA OA Task Forceにより作成された。
1950年から2008年1月までに発表された関連する論文を基に作成されている。

40歳以上で、使用時の膝の痛み、朝の関節のこわばり、機能の制限という症状に加え、臨床所見として、捻髪音、動作の制限、骨の拡張が認められた場合には膝OAと診断できるとしている。

この3つの症状+3つの臨床所見による膝OAの診断は、英国とオランダの集団を用いたモデルによって有用性の確認も行われているという。
モデルを用いた解析では、これらの症状と臨床所見数の増加とともに、膝OAである確率は増加し、すべての条件を満たす患者では、膝OAである確率は99%だった。

また、リコメンデーションでは、膝OAのリスク因子は、膝OAの診断にも有用とした。
膝OAのリスク因子としては、女性、50歳以上、肥満/過体重、関節損傷の既往、関節弛緩、職業もしくはリクリエーションとしての使用頻度、家族歴、ヘーバーデン結節を挙げている。

2009. 6. 19 日経メディカル別冊
<コメント>
「骨の拡張」の意味がよくわかりません。


<新型インフルエンザ 関連>
新型インフルエンザA/H1N1
なぜ渡航歴ない新型インフルエンザ患者を拾い上げることができたのか?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/orgnl/200905/510717.html
■国内1例目の新型インフルエンザ感染者が確認された。
患者には渡航歴がなかったため、なぜPCR検査が行われ、拾い上げることができたのかについて話題になっている。
■ひと言でいえば、現場の医師の感覚はやはりするどい、ということだろう。
■全国的にはむしろB型インフルエンザが多いこの時期に、A型が限られた地域で多発していることに対して「何やら異常である」という感覚を持てることの重要さを、この事例から改めて学ぶべきだと考える。
■インフルエンザ様症状の患者が来院したら、いつも通り感染対策に留意しつつ診て、可能な限り迅速検査による診断を行う。
常に自施設・他施設でA型インフルエンザの多発がないかを確認し、地域の方々や保健所の担当者とよく連絡を取りつつ、早期の拾い上げにつなげる。



<番外編>
一般演題が多すぎ、発表のレベルが低すぎる
日経メディカル ブログ 土屋了介の「良医をつくる」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/tsuchiya/200902/509509.html
NM online 2009.2.21
■国内では、一般演題をたくさん取り過ぎている。結果的に、よほど変な抄録でなければ通るので、レベルが必ずしも高くない。
もそも、どんな発表でも受かるのだから質は落ちてしまっても当然、という悪循環に陥っているわけです。
■国内の学会では、一般演題より、シンポジウムや教育的なものが主体ですが、それらは1年ぐらい遅れていることも多いです。
シンポジウムを組むときには、もう既に発表されたデータを持っているような人を選ぶので、インターネットや本を見れば出ているわけです。
■「研修医がたくさん集まったからいい病院だ」と一般的には言われていますが、本当にそうかと考えると、質を評価するものが何もありません。
受け持ち患者数のカウントの仕方も大雑把すぎる。
個人的には、今の都会の臨床研修病院の中で、いくら人気が高いといっても研修医の数が多すぎて十分な研修ができず、減らした方がいいところはあると思っています。

このブログに対しては多くのコメントが寄せられています。
■学会は学位の為や教授が学会の理事などの為に、仕方なく、発表させられて居る為、一般演題が増えるのは仕方が無いのでは無いでしょうか?
実際、研究費も限られた額しか与えられず、また、学位が存在しないと、医局に残る必要性も無くなって仕舞うのが現状では無いでしょうか?
■投稿された、土屋了介先生の様なお立場からでしたら変革の実行も可能と思われます。
是非、このような狭い世界での論客にとどまらず、改革を実行していただきたいものです。
■私の専門領域では、米国の年次総会(これがほとんど国際学会化している)に直近の最新データを出す医師が増えています。
発表のレベルも米国>国内ですが、これは日本に限らないでしょう。
国内の評価よりも、国際的な評価のほうが普遍性が高いので、国内の発表が見劣りするのもやむを得ないところはありますね。
■そもそも、現在の学会運営のシステムでは学会の参加者や一般演題が増えないと参加費や学会費の収入が減ってしまいます。
学会本部は援助はしますが、収支に関しては持ち回りの学会主催者に丸投げですから、どこも黒字になろうと躍起になります。
このため主宰する大学(医局)は必死になって演題募集をかけ、口演でもポスター演題でもとにかく題目数を増やし、共同演者からも学会費を聴取しようとしているのが現状です。
また参加者も少なからず単に業績を増やしたり、専門医の“点数稼ぎ”として上納金を納めているように見受けます。
このような現状では演題が玉石混淆になるのはしょうがありませんし、レベルを上げるというのも難しいように思います。
■残念ながら多くのすぐれた国内発表は国際学会との2重発表になっています(雑誌の2重投稿もしばしばです)。
■採択基準を厳しくしてある程度の質の維持は必要と思いますが、国際学会のような視点で国内の学会を同列に扱うのはいかがなものかと思います。
■臨床に役立つような目から鱗の発表が意外なところからでていることもしばしばあり、良い発表を幅広く募集するためにも敷居をあまり上げない今のあり方も決して否定すべきものではないと思います。  何より、その発表がどうなのかは聴取者(参加者)がその場で決めれば良いことで、一部の権力者が自分の興味を持つ内容だけを選択するような場になって欲しくないものです。
<コメント>
全く持って同感です。
■土屋先生のようなえらい方がレベル云々することはわかる気もしますが、研修医クラスの方まで、学会に対するニヒリズムをもつのはどうかと思います。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」で、「学会のレベルが低い」=「大学の医局制度」に結び付けることはあまりに短絡的な発想です。大学で育ててもらった多くの医師に対する冒涜ともとられかねません。
私も教授の意向云々に対しても言いたいことはたくさんありましたが、ある程度、学会を目標に研究をしていくことは必要だったような気がします。
■「学会」という言葉がいい加減に使われているのが問題なんだと思います。
例えば、Societyも「学会」、学術集会(conferenceやmeeting)も「学会」。
十把一絡げで何でもかんでも「学会」と呼ばれるので、概念まで不明瞭になるのだと思います。  学術集会については「総会」なんて呼び方をしている場合もありますね。
私自身は、「株主総会」的なconferenceを否定するものではありません。会員間の親睦やnetworkingのために、そういう集まりもあっていいと思います。
少数の教育講演以外は、“レベルの低い”一般演題でも大いに結構だと思いますよ。
ゴルフのコンペと一緒です。
プロやシングルプレーヤーじゃなくても、楽しくプレーして、夜は宴会。それでいいじゃないですか。
■学会長を定年までにいくつやれるかを人生の目標にして、 長期的な展望を持った「学問の発展」などもってのほか、 教室員は自分の目標実現のための手駒、臨床、研究の指導はゼロ、 そんな先生方が学会を牛耳っている訳ですから、仕方ないんじゃないですか。
■まず、土屋先生の論に無邪気に賛同される先生が多いことに驚かされました。
論文が評価されるのは出た瞬間ではなく、その後数年かかるものです。5年ならともかく、1年遅れたとして、何が問題なのでしょうか?
最新のデータを発表すれば良しの風潮にて、そのあと数年批判も仰がずにそれっきりと言う方が、サイエンスとして危ないのではないでしょうか。
また、インターネットや本で読むのと、実際に質疑応答やフロアでの反応を見るのは別物です。
サイエンスの基本としてのディスカッションを推奨しながら、かたや最新知識を得るのはインターネットや本で十分というのは甚だ疑問です。
安易に国際比較論を持ち出して扇情的な、ガス抜きのような提案をするには全く反対です。
むしろたとえば「学会のあるべき姿は質の高い医療・研究の担い手を育て維持することで、そこに持って行くためにはどうしたらいいのか」という提案をすべきです。
お立場のある先生であれば、ネットで現状をくさして皆の溜飲を下げさせて満足するのではなく、壇上やフロアで将来の夢を語って賛同者を増やし、実効性を伴う提案をしていただきたい。

<コメント>
最も辛口のコメントになっていますが正論ですね。

総じて集まったコメントは現実を見つめた「大人」のコメントでした。
土屋先生とは少し距離を置いた印象を受けました。

私の専門は循環器科です。
日本循環器学会に参加しますが、レベルが低いと思ったことはありません。
土屋先生のいわれる学会は具体的にどの学会でしょうか。
つまらない学会なら出ないようにするか、偉い先生ですので統廃合の号令を実際にかけられたらいかがかと感じました。
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by wellfrog3 | 2009-07-12 00:35 | リハビリテーション科

RAの心血管疾患マネジメントに関するリコメンデーション

RAの心血管疾患マネジメントに関するリコメンデーション発表
関節リウマチ(RA)や他の炎症性関節炎の患者では、心血管疾患(CVD)リスクが一般集団に比べて高いことが知られている。
6月10日から13日にかけてデンマーク・コペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で、RAや炎症性関節炎におけるCVDマネジメントについてのEULAR推奨(リコメンデーション)が発表された。

発表したのは、本リコメンデーションの策定委員長でオランダVU University Medical CenterのMichael Numohamed氏。
この委員会には、欧州9カ国からリウマチ医、循環器医、内科医など18人が参加し、科学的エビデンスと専門家の意見を踏まえたリコメンデーションを作成した。

今回発表されたリコメンデーションは以下の9項目からなる。概要は次のとおり。
(1)RAは強直性脊椎炎(AS)、乾癬性関節炎(PsA)とともに、糖尿病と同様、CVDリスクが高い(エビデンスレベル2-3)。

(2) CVDリスク低下には疾患活動性の適切なコントロールが必要。抗TNF薬やメトトレキサート(MTX)のエビデンスが高い(エビデンスレベル3)。

(3)各国のガイドラインに則り、RA、AS、PsA患者のCVDリスク評価を年に1回、行うべきである。
抗リウマチ治療薬が変更された場合には、再度、CVD リスク評価を行うこと。自国にガイドラインがない場合はSCORE機能モデルを用いる(エビデンスレベル3-4)。

(4)リスク評価スコアは、以下の3つのうち2つ以上を満たす場合、1.5倍にすること(エビデンスレベル3-4)。
a.罹病期間が10年以上の場合
b.RFまたはは抗CCP陽性の場合
c.関節外症状がある場合

(5)SCORE機能モデルを利用する場合、総コレステロール/HDLコレステロールの比率を利用すること(エビデンスレベル3)。

(6)治療の目標は各国のガイドラインに従うこと(エビデンスレベル3-4)。

(7)スタチン、ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬は、多面的効果が期待されるため、望ましい治療薬である(エビデンスレベル2-3)。

(8)COX阻害薬やほとんどのNSAIDsのCVDリスクに対する役割が明らかにされていないため、さらなる検証が必要。そのため、これらの薬剤の処方は慎重に行うこと(エビデンスレベル3-4)。

(9)ステロイド薬を利用する場合は、最低必要量にとどめること(エビデンスレベル3)。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/eular2009/200906/511178.html
NM online 2009.6.14 日経メディカル別冊


<番外編>
脳神経制御を解明 アルツハイマー理解に道 東大など
脳神経細胞同士の接続を正常に保つ働きをたんぱく質「Wnt」が持つことを、林悠(はやしゆう)・理化学研究所基礎科学特別研究員(元東京大大学院)ら東大と九州大のチームが線虫を使い解明した。
哺乳(ほにゅう)類も同じメカニズムと見られ、アルツハイマー病など脳神経変性疾患の理解につながると期待される。
28日付の米科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」電子版に掲載された。

人間は成長期に脳神経細胞同士が突起を伸ばして盛んにつながる一方、「刈り込み」という不要な接続の削除が行われる。
アルツハイマー病やパーキンソン病は、刈り込みが過剰に起きることが一因と考えられている。

チームは脳神経細胞が302個と少ない線虫を使って神経細胞同士の接続を調べ、線虫でも刈り込みが起きていることを確認。
突起を切り離すたんぱく質「MBR-1」を突き止めた。さらに、刈り込みが過剰に起きないようWntが制御していることを発見した。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/06/29/103141/?Mg=30ecd8724f16c91936471a8f195ffb4c&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag
毎日新聞社 2009.6.29



<新型インフルエンザ関連サイト>
米国で推計100万人感染 新型インフルで保健当局
米疾病対策センター(CDC)は26日、米国のこれまでの新型インフルエンザ感染者は推計100万人を超えると明らかにした。死者は100人を突破し、127人となった。

季節外れにもかかわらず感染者数は増え続けており、病原性が強まるなどのウイルスの変異は今のところないものの、流行期の冬に向けて楽観は決してできないことを示した。

CDCによると、米国の感染者はこの1週間で、これまでで最多の6千人以上増え、2万7717人になり、入院患者は3千人を超えた。

ウイルスがまん延している地域では住民の6%が感染したとの評価で、特にニューヨーク市だけで全住民の約7%、約50万人が感染したとみている。
発症して検査した人のうち、5月には季節性のインフルエンザが半数程度あったが、現在はほぼ全部が新型だという。

CDCによると、米国では毎年、人口の5~20%(約1500万~6千万人)が季節性インフルエンザに感染、死者は約3万6千人に及ぶ。

http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009062701000235.html


新型インフル感染、冬迎えた南半球の豪州・チリで急増
オーストラリア保健省は29日、国内の新型インフルエンザ感染者数が209人になったと発表した。25日時点の20人から、4日間で一気に増えた。

南米チリでは28日、感染者が南米最多の199人になった。
同国で最初の感染例が出たのは17日で、10日余で著しく増加した。
冬季を迎えている南半球の両国での急増ぶりが際立つ。

チリ保健省によると、通常の季節性インフルエンザ感染者は例年と比べて極端に少なく、「新型」感染者がインフルエンザ感染者全体の9割に当たる。
新型ウイルスが季節性ウイルスを押しのけている可能性があるという。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090425-436828/news/20090529-OYT1T00837.htm
読売新聞 2009.5.29


タミフル耐性を初確認 北欧の新型インフル患者で 拡大すれば対策に影響
世界保健機関(WHO)は29日、デンマークの新型インフルエンザ感染者の中から、抗ウイルス剤タミフルに耐性を持つ初のウイルス検体が確認されたことを明らかにした。

タミフル投与はワクチンが完成していない現在、新型インフルエンザの治療で最も有効な手段だが、タミフルが効かないウイルスの感染が拡大すれば、対策の練り直しを迫られる恐れもある。

WHO当局者によると、耐性ウイルスはデンマークの軽症患者1人から確認された。患者は既に回復して元気になっている。
ウイルスは同じH1N1型が突然変異したものだが、今のところ耐性ウイルスが拡大する兆しはみられないという。

WHOは加盟国間を結ぶ情報網を通じて耐性ウイルスの確認を伝達。
拡大しないかどうかを注視する方針。

新型インフルエンザへの効果が確認されている抗ウイルス剤にはタミフルのほかにリレンザがあるが、流通量はタミフルの方が圧倒的に多い。
耐性ウイルスが広がれば、リレンザの増産が必要になる可能性がある。

▽ウイルスの薬剤耐性
ウイルスの薬剤耐性 生体内でタミフルなどの抗ウイルス剤に長くさらされると、通常のウイルスは増殖できない一方で、わずかな遺伝子変異によってこの抗ウイルス剤が効かなくなったウイルスだけが生き残って多くを占めるようになる。
こうした耐性ウイルスに感染すると治療が難しくなるため、医療関係者が発生を警戒している。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/30/103208/

共同通信社 2009.6.30


<自遊時間>
医師会に加入すると、自動的(!)に「医師連盟」に加入することになります。
選挙の際には医師会と「医師連盟」の分け隔てもなく選挙運動に巻き込まれることになります。
「医師連盟」の政治活動は、快いものではありませんが、不要というものでもないかも知れません。
しかし、医師会が唱える支持政党と実際に投票する政党とは同じではありません。
このあたりはいつも忸怩たる思いになるところです。
「医師連盟」は入会の手続きはしていないので、脱会も出来ないという巧妙な仕組みの組織です。
連盟費はあくまでも寄付なのに半ば強制的に徴収されているのが実情です。

私は昨年から連盟費の支払いは忌避しています。
それは寄付という性格のものであることを医師会事務で確認したからです。

さて、そんあこととは関係なく「医師連盟ニュース」たるものが相変わらず昨日郵送されて来ました。

その中で興味深い記事を見つけました。

「もともとは日本医師連盟、都道府県医師連盟そして郡市地区医師連盟の目的は”政権与党に対し我々の主張を物申す代弁者”を国会に送り出すことであって、”政権与党を応援すること”は本来の趣意ではない」

与野党が逆転したら、現在の医師会推薦の与党議員はポイということです。


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梅村 徹 ノルウェーの港町(ベルゲン) P8
http://www.ichimainoe.co.jp/index/umemura_toru.html



<きょうの一曲>マイケル・ジャクソンら - We are the world (1985)
http://video.aol.jp/video-detail/-we-are-the-world1985/1949842983




他にもブログがあります。
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(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21? http://wellfrog2.exblog.jp/
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by wellfrog3 | 2009-07-01 00:40 | リハビリテーション科

大関節破壊に対する生物学的製剤の効果

第53回日本リウマチ学会(2009.4.23~26 東京)の記事で勉強しました。



大関節破壊に対する生物学的製剤の効果、10枚以上のX線像の変化を多施設で評価
生物学的製剤の関節破壊抑制効果を検証する多施設・前向き研究、ARASHI(Assesment of Rheumatoid Arthritis by systemic histological and radiological imaging)試験が2008年7月に始まった。
2年以上追跡し、関節リウマチ患者の主要関節のX線写真10枚以上を年1回撮影して、生物学的製剤の効果を定量的に評価する。国立病院機構名古屋医療センター整形外科・リウマチ科の金子敦史氏が、4月23日〜26日に東京で開催された第53回日本リウマチ学会総会・学術集会で試験の概要を報告した。

欧米では既に、従来の抗リウマチ薬(DMARDs)に比べ、生物学的製剤であるTNF阻害薬が手足の小関節の破壊を抑制するというエビデンスが示されている。
しかし、患者のQOLを大きく左右する大関節の破壊に対する効果については、1施設における後ろ向き研究を中心とした小規模な研究報告のみにとどまっているのが現状だ。

そのため、ARASHI試験では、大関節の他覚的所見などの評価項目をそろえ、生物学的製剤による破壊抑制効果の有無を定量的に捉えることを意図している。
試験に参加するのは、プロトコールを立案した10人のリウマチ専門医が所属する施設のほか、リウマチ性疾患の患者データベースであるNinJaに参加する施設などだ。

治療(投薬)についてはオープンラベルとし、治療開始前、開始から1年後、2年後という3回のポイントでそれぞれ、ACRコアセットの各コンポーネントのほか、DAS28、HAQ、関節腫脹、関節可動域、血液生化学検査、単純X線といった所見を記録する。
なお、投与する生物学的製剤の種類については限定しない。

ARASHIの特徴は、大関節を含めた複数の関節の所見の変化を2年以上にわたって記録することだ。関節腫脹については、埼玉医科大学の亀田秀人氏らが開発したスコアであるHRAS38を使って肩、肘、膝、足を評価する。関節可動域については、肩、肘、膝、足に加えて、頸椎も測定する。

なかでも特徴的なのが、複数関節のX線写真を記録することだ。
「整形外科医として特に重視すべき項目として評価項目に加えた」(金子氏)という。
試験開始時から年1回ずつ撮影するX線像は以下の10枚以上だ。
両手指正面、両手関節正面、両肘関節正面・側面、両肩関節正面、頸椎側面機能写、股関節臥位正面、膝関節立位正面・臥位正面、足関節臥位正面、足関節〜足部立位側面、両足正面——。
「『これだけの写真を撮ったら、患者に文句を言われないか』とも指摘されるが、1枚ずつ説明すれば苦情を受けることはない」(金子氏)そうだ。

被験者の登録は08年7月にスタートし、登録数の目標は200例。「2〜3年後から、日本リウマチ学会などで結果を報告していく」(金子氏)予定だ。

NM online 2009.5.28  日経メディカル別冊




Larsenグレード3に至る前に抗TNF薬を開始すれば荷重関節の関節破壊は抑制できる
関節リウマチ(RA)患者の日常生活動作(ADL)を維持、改善するうえで、下肢荷重関節の破壊を抑制することは極めて重要な課題である。
富山大学医学部整形外科の松下功氏は、4月23日から26日まで東京で開催された第53回日本リウマチ学会総会・学術集会で、抗TNF薬を2年以上投与したRA患者における荷重関節所見の変化について報告した。

対象は、抗TNF薬が2年以上投与されたRA患者39例(男性5例、女性34例)。
平均年齢は59.3歳、平均罹病期間12.9年、評価した関節数は240関節(股関節65、膝関節53、足関節69、距骨下関節53)であった。
抗TNF薬は、インフリキシマブが30例に、エタネルセプトが21例(切替例12例を含む)に投与された。

抗TNF薬投与前、投与1年後と2年後に各関節のX線撮影を施行し、Larsenグレード、新たな骨びらんの発生、骨びらんの大きさの変化(2mm以上)、関節裂隙の変化(2mm以上)、骨破壊修復像の有無を観察した。
なお、骨破壊修復の評価には、既報のRauらの評価基準を用いた。また、臨床症状の改善評価として、DAS28-ESRとEULAR判定基準による有効率を求めた。

検討の結果、抗TNF薬開始前と2年後のX線所見の比較で、関節破壊の進行が認められた関節数とその比率は、股関節6(9.2%)、膝関節11(20.8%)、足関節10(14.5%)、距骨下関節8(15.1%)であった。
一方、関節の修復が認められたのは足関節6(8.7%)、距骨下関節2(3.8%)であった。

また、1年目のX線所見では、抗TNF薬開始前の股関節と膝関節がLarsenグレード3以上の患者では、これらの関節で破壊が進行したが、Larsenグレード2以下の患者では関節破壊は進行せず、関節は温存された。
これに対して足関節と距骨下関節では、開始前のLarsenグレードを問わず、ある程度の関節破壊の進行が認められた一方で、グレード3/4の患者でも関節の修復が認められるなど、股関節や膝関節とは異なる傾向が見られた。
なお、2年目のX線所見を用いた検討でも、結果はほぼ同様であった。

X線所見が変化した足関節の臨床所見を検討したところ、X線所見で修復が認められた関節においては腫脹が消失または軽減していたが、破壊が進行した関節では腫脹が持続していることが多かった。
また、足関節の可動域が狭いことは、X線所見での修復に有利に働く可能性が示唆された。

臨床症状の改善評価との関連では、EULAR判定基準のnon-responderでは、その他の場合に比べて高率に関節破壊の進行が認められた。
なかでもLarsenグレード2以下の患者に限定して解析した場合、goodあるいはmoderate responderにおいては、関節破壊はほとんど進行しなかったが、non-responderでは半数以上で関節破壊が進行することが示された。

以上の検討から松下氏は、荷重関節の破壊進行を抑制するためには、Larsenグレード3に至る前に抗TNF薬など積極的な治療を開始する必要性が示唆されること、さらに、早期からの厳密な疾患活動性コントロールが重要であること、の2点を指摘した。
ADLの維持を見据えたRA治療戦略を考える上で、早期からの積極的な治療介入の必要性が示唆されたことは非常に意義深い。

NM online 2009.4.28  日経メディカル別冊


生物学的製剤は人工関節置換術の減少に寄与するか?
生物学的製剤による治療は、関節リウマチ(RA)の疾患活動性や関節破壊を抑制することが知られている。
では人工関節置換術の施行数を減少させるだろうか。甲南病院加古川病院リウマチ膠原病センター整形外科の中川夏子氏は、4月23日から開催されている第53回日本リウマチ学会総会・学術集会で、生物学的製剤が手術に与える影響を多施設で検討した結果を報告した。

中川氏は、インフリキシマブ、エタネルセプトなどの生物学的製剤の投与により、症例によっては関節破壊の抑制や修復が認められることは、自施設でも経験していると語った上で、本研究の目的を、
(1)生物学的製剤が関節破壊を抑制できるのだから、各種の人工関節置換術は減少するはずであるという仮説と、
(2)生物学的製剤によるRA治療の変化は、手術の種類や成績にどのような影響を及ぼすのかという疑問
の2点を検証することだと述べた。

対象は、国内のRA専門4施設(大学病院1、一般病院3)において2004年1月以降に生物学的製剤を投与されたRA患者1122例。
そのうちの484例にはインフリキシマブとメトトレキサート(MTX)が、415例にはエタネルセプトとMTXが、223例にはエタネルセプトが単独で投与されていた。

調査内容は投与期間、継続状況(継続・中止・転院)、その他のRA病変に対する整形外科手術とし、各群間における年間手術発生件数を比較検討した。

これら複数施設で集計を行ったところ、人工関節置換術の100人・年当たりの施行件数は、インフリキシマブ+MTX群で2.86件、エタネルセプト+MTX群で6.39件、エタネルセプト単独群で10.4件と、生物学的製剤の種類やMTX併用の有無により大きく影響を受ける可能性を示唆する結果となった。
また、RA関連手術の100人・年当たりの施行件数についても、それぞれ5.49件、11.2件、14.5件と同様の傾向であった。

また、上述の4施設に別の3施設を加えた7施設において、人工関節置換術以外の上肢・下肢手術件数の2004年から2008年の推移を集計してみた結果、下肢手術は減少傾向にあるのに対し、上肢手術は増加傾向にあった。

周術期合併症に関して、生物学的製剤使用下で人工関節置換術を施行した154例を対象に検討したところ、創治癒の遷延が2例にみられたが、表層感染、深部感染ともに認められず、術後経過に問題はなかったという。

こうした結果を踏まえて中川氏は、生物学的製剤の導入によって人工関節置換術の施行件数は減少する傾向にあると思われるが、今回の検討からは明確な結論にまで至らず、今後も注意深くかつ長期にわたり施行件数の推移を観察し続ける必要があると述べ、講演を締め括った。

NM online 2009.4.28



<番外編>
■セレコックス錠(セレコキシブ)の効能・効果の追加
○従来の関節リウマチ、変形性関節症に「腰痛症・肩関節周囲炎・頚肩腕症候群、腱・腱鞘炎」の効能が追加。
○関節リウマチには1回100-200mgを1日2回。その他は1回100mgを1日2回。
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by wellfrog3 | 2009-06-19 00:47 | リハビリテーション科

膝OAとコンドロイチン硫酸

〜変形性膝関節症〜
コンドロイチン硫酸で進行を抑制

パリ第5大学(パリ)のAndré Kahan博士らは,コンドロイチン4硫酸と6硫酸(CS)が変形性膝関節症(膝OA)の進行を遅らせ,症状を緩和するとのランダム化プラセボ二重盲検試験の結果をArthritis & Rheumatism(2009; 60: 524-533)に発表した。

関節構造の変性を予防
Kahan博士らはフランス,ベルギー,スイス,オーストリア,米国における膝OA患者622例を対象にCSを2年間長期投与するランダム化プラセボ二重盲検試験を実施した。
 
患者は,
(1)CSを1日800mg投与するCS群(309例)
(2)プラセボ対照群(313例)―にランダム化割り付けされた。
また,研究登録時と試験開始から12か月,18か月,24か月時における膝関節腔損失の状態をX線像で評価し,膝OAの症状や疼痛についても評価した。
 
その結果,関節腔損失は対照群に比べてCS群で有意に減少していただけでなく,関節腔幅が増悪していた患者数も少なく,疼痛も軽減されていた(28%対41%,P<0.0005)。
 
CS群は忍容性も良好で,副作用の発現頻度も両群間で差が認められなかった。
 
CS群の疼痛は対照群に比べて,投薬開始後1年間に速やかに改善した。
これは患者が全例,試験開始時から疼痛を有していたため,早期からCSの効果が顕著に現れたものと考えられる。
プラセボ群でも試験開始から1年間は疼痛の軽減が認められたが,これは膝OAの自然経過である可能性もある。
 
同博士らは「今回の研究は処方薬として用いられているCSを検討したもので,この結果を市場に出回っている栄養サプリメントのコンドロイチン硫酸製品や合成品に当てはめることはできない」と言及。
「今後,より長期間の追跡調査やさまざまな転帰基準を用いた研究を実施し,今回示されたCSによる膝関節の構造変化の改善が,膝OAの長期的臨床転帰を予測しうるかどうかを評価したい」と結論している。

出典 Medical Tribune 2009.5.21
版権 メディカル・トリビューン社


<2209.7.2追加>
#運動器症候群4700万人 骨、関節から「要介護」に 東大グループが推定
骨や関節などの障害で、要介護になったり危険性が高まったりする「ロコモティブ(運動器)症候群」の原因となる病気がある日本人が、40歳以上で約4700万人に達するとの推定結果を、吉村典子(よしむら・のりこ)東京大病院特任准教授らのグループが30日、発表した。

原因として頻度が多いとされる変形性膝(しつ)関節症と変形性腰椎(ようつい)症、骨粗しょう症の有病者数を推定。三つのいずれかを持つ人は男性の84%、女性の79%で、すべてを合併していると考えられる人も540万人に及んだ。

研究グループは「予防対策の確立は今後の課題だが、適切なトレーニングなどを心掛けてほしい」としている。

ロコモティブ症候群は日本整形外科学会が2007年に提唱。寝たきり予防などの観点から、骨や関節、筋肉などの運動器を全体としてとらえ、病気の予防と治療を総合して行おうとしている。

研究グループは、日本の都市部、山村部、漁村を代表する住民の集団として、それぞれ東京都板橋区、和歌山県日高川町と太地町の計約3千人に協力してもらい、05年からエックス線検査や骨密度測定などを実施。

結果を国際的な進行度分類や学会の診断基準にあてはめ、自覚症状のない人も含めて有病率を算出。これを基に日本人全体の有病者数を推定した。

三つの病気いずれかの有病率は年齢とともに上昇し、70歳以上では男女とも95%を超えた。病気別では男女とも変形性腰椎症の有病率が最も高いが、女性は男性に比べ変形性膝関節症や骨粗しょう症が高率だった。

変形性膝関節症の人は、そうでない人に比べ軽い記憶障害など「軽度認知障害」の危険性が約1・8倍になるとの結果も示された。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/07/01/103292/?Mg=8360de12deb4d17d92633c156830d43b&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag
共同通信社 2009.7.1


<番外編>
インターフェロン、白血病治療に期待
東京医科歯科大と秋田大のグループは、ウイルスの増殖を抑えるとされるインターフェロン(IFN)が、血液細胞の源になる造血幹細胞の働きを制御することを突き止めた。IFNと抗がん剤を組み合わせて白血病治療に使えば副作用が少なく治療効果の向上が期待できるという。
31日付の米科学誌ネイチャーメディシン電子版で発表する。

樗木(おおてき)俊聡(としあき)・東京医科歯科大教授(免疫学)らは、IFNを体内で作り出せる物質を、マウスに与え、造血幹細胞の変化を調べた。
この物質を一時的に与えると造血幹細胞は増殖し、慢性的に与えると減少することがわかった。
IFNが造血幹細胞の働きを左右していた。

慢性骨髄性白血病では、造血幹細胞に似た「幹細胞」が白血病細胞を作り出す。
白血病を抗がん剤で治療する場合、増殖中の細胞でないと抗がん剤は効果を発揮しない。
白血病の幹細胞が休止状態にあると抗がん剤を投与しても十分効かず、これが再発につながることが問題とされていた。

今回、IFNを一時的に与えると、造血幹細胞が活性化することがはっきりした。
このことから、樗木さんらは「抗がん剤の治療をする前にIFNを与えて白血病の幹細胞を活性化させてから抗がん剤を与えれば、抗がん剤の効果が上がる可能性がある。白血病の根治につなげられるかもしれない」と期待している。

http://www.asahi.com/science/update/0601/TKY200905310239.html
出典 asahi.com  2009年6月1日2時0分
版権 朝日新聞社

<医学雑誌斜め読み>
■日本医事新報 No.4439 2009.5.23
(防衛医大 早川正道校長)
○今年のゴールデンウイーク前、新型インフルエンザウイルスの本邦への流入を危惧した厚生労働省の要請に基づき、2週間の検疫業務に従事するため、防衛医科大学校卒の医官が急遽、成田空港に派遣された。
それぞれ家庭の事情や業務予定があったにもかかわらず、国の安全のため、直ちに派遣を命じた。

中略

○いかなる状況でも、今回のように直ちに出向できる医師・看護師集団を抱える公的施設の存在を示せたのでは、と考えている。

(「防衛医科大学校卒の医官」であれば当然とも思えるのですが・・・)

このエッセイの後半は、バイオテロに対する日本人の意識改革が喫緊の課題と述べています。

「科学のDual Use(二重用途)」という言葉(概念)を知りました。


■日本医事新報 No.4439 2009.5.23
(福島県立医大 渡辺 毅教授)
○研究は普遍的な真理を追究するおもしろさ、臨床はパズルを解くような個々の解決法を探るおもしろさがある。
○患者さんによって抱えている状況も病態も違うので、特定の臓器に特化するのではなく、全身を診て個々の錯綜した病態のパズルを解く内科はおもしろい。


以下は日経新聞・朝刊2009.6.1の記事からです。
■インターフェロンを1回注射すると、通常は休止状態の造血幹細胞が活性化し増殖した。
何回も注射すると自己複製せずに白血球や赤血球などへ分化する前駆細胞になり、幹細胞は減少。
増殖や分化を制御していると判断した。
■白血病は、造血幹細胞に似た「白血病幹細胞」が白血病細胞を作り続けるのが原因とされる。
■抗がん剤は盛んに増殖するがん細胞を標的にするが、白血病幹細胞は増殖が緩やかなため、抗がん剤治療後も生き残る場合があり、再発につながるという。
■インターフェロンを単発的に投与し白血病幹細胞の増殖を活性化すれば抗がん剤の効果が高まるとみられる。
■骨髄移植を受ける患者は、提供者の骨髄がうまく生着するように事前に造血幹細胞を除去する。
この際にもインターフェロンの単発的投与をすれば、抗がん剤による除去が効果的にできるのではないかという。



<自遊時間>
午前の診察時間の終了間際に70代の高熱患者さんが飛び込んできました。

聞くところによると、月末に同門会があり関西(神戸、大阪、京都)の人を含めて2泊3日の旅行をしたとのこと。
週末に高熱となりその後解熱。
今朝から39℃の発熱があり発熱相談センターに電話。
発熱外来ではなく一般の医療機関にかかってよいとの指示で来院されました。
経緯は以上のようです。

これっていかにもインフルエンザに特徴的な二峰性の熱型パターンです。

びくびくしながら迅速試験の結果を今待っているところです。
(2009.6.2 PM12:30現在)

医学的知識があれば発熱外来受診を指示する筈です。

最近思うのですが、発熱相談センターっていったいなんでしょうか。
保健所の医師でも看護師でもない一般職員があっち行け、こっち行け。

電話相談の際に双方ともに名前も名乗らず、何かあっても責任をとらない。

そしてきょうのケースで、新型インフルエンザが見つかれば当院はしばらく診療が出来なくなります(診療自粛要請)。
そういった開業医の生権与脱を保健所の診療の資格のない職員に握られているのです。

なによりも、これはまさに医療行為ではないですか。
医師法違反に該当する可能性はないのでしょうか。

インフルエンザ迅速試験 陰性。
(ただし実際には感染者でもこの時期では陰性になるはずです)
「インフルエンザではないと思いますよ」といって麻黄湯と解熱剤を処方して「お引き取り」願いました。

まさしく招かれざる客(患者)でした。
(2009.6.2 PM12:50現在)




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by wellfrog3 | 2009-06-02 00:35 | リハビリテーション科

腰痛画像検査


重度の基礎疾患がない腰痛には画像検査は不要
臨床アウトカムは改善せず

オレゴン保健科学大学(米オレゴン州ポートランド)のRoger Chou博士らが「重度の基礎疾患がない腰痛の患者にX線撮影,MRI,またはCT検査をルーチンで実施しても臨床アウトカムは改善しない。したがって,重度の基礎疾患の特徴が認められない限り,ルーチンでこれらの検査を即座に実施するのはやめるべき」との研究結果をLancet(2009; 373: 463-472)に報告した。

プライマリケアに当てはまる
Chou博士らは,上記3種類の画像検査のうち1種類を用いて腰椎撮影を即座に実施した場合と,撮影を実施しない通常の臨床管理とを比較したランダム化比較試験(R CT)のメタアナリシスを実施した。
対象は総患者数が1,800例を超える6件の試験で,疼痛と機能,QOL,精神的健康,患者の自己申告による全体的な改善度,患者満足度などのさまざまなアウトカムについて報告している。
分析の結果,即時撮影と通常の臨床管理との間に有意差は認められなかった。
 
同博士らは「この結果はプライマリケア医によって評価される急性または亜急性の腰痛に最もよく当てはまる」とし,「重度の基礎疾患がない腰痛に対して腰椎撮影を実施しても臨床アウトカムは改善しない。したがって,重度の基礎疾患の存在を示す特徴がない急性または亜急性の腰痛患者には,ルーチンの腰椎撮影を即座に実施すべきではない」と述べている。
撮影が必須と信じる患者も多い

さらに,Chou博士らは「腰椎MRIの施行率は上昇しているが,腰痛に関する画像診断ガイドラインの実践には問題が残されている。
しかし,腰椎撮影に関するガイドラインの推奨内容は質の高い複数のRCTから得られたエビデンスで支持されており,臨床医が遵守する可能性は高くなると思われる。
また,撮影に対する患者の要望にも対処すべきだ。ある試験では腰痛患者の80%が,ルーチン撮影には利点がないにもかかわらず,選択肢があればX線撮影を受けるとしている。
ルーチン撮影を受けるべきだと信じる腰痛患者の割合を減らすには,教育が有効かもしれない。
不要な撮影を避けながら,患者の期待に応えて満足度を向上させる腰痛の評価と教育方針を決定する必要がある」と結論している。

出典 Medical Tribune 2009.5.14(一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
新型インフルエンザは冬期に再流行の可能性

現在感染が広がっている新型インフルエンザ(豚swine由来インフルエンザA/H1N1)は、通常の季節性インフルエンザと同じように夏期には沈静化するが、秋以降に再出現する可能性が高いと多くの専門家が予測している。

米テキサス大学医学部(ヒューストン)のLuis Z. Ostrosky博士によると、過去に発生したインフルエンザの大流行では、晩春ないし初夏に小さな流行が認められた後、冬期に大きな流行が起きており、今回のウイルスも過去にみられたパターンどおりだとすれば、冬に再流行する可能性が高いという。

これまでのところ北米およびヨーロッパの国で多数の感染者が認められているが、インフルエンザは冬期のほうがはるかに拡大しやすく、南半球ではすでに秋である。
AP通信によると、中核都市で新型インフルエンザと通常のインフルエンザが同時に流行すれば、公衆衛生システムが対応しきれなくなる可能性が懸念されているという。
2つの異なるウイルスが変異し、新たに1つの新型株となる可能性もある。
インフルエンザの拡大がいつ、どのように起こるかは、気温のほかにもウイルス自体の複製能力、宿主の感受性、人の行動パターンなどの環境によっても左右される。

幸いこれまでのところウイルスは弱毒性と考えられているが、秋以降に再出現するウイルスはさらに毒性が強まる可能性もあるとOstrosky氏は指摘する。
しかし、それまでにはワクチンをはじめ、さまざまな面で世界的に準備が整っている可能性が高い。
「ウイルスのゲノム配列は完全に解読されており、現時点では毒性は低いことがわかっている。
これ以上何もなかったとしても、今回のことは非常によい訓練となったはずだ」と同氏は述べている。

HealthDayNews 2009.5.6

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by wellfrog3 | 2009-05-18 00:10 | リハビリテーション科

血管性と神経性:間欠跛行の見分け方

ASOに特徴的な間欠跛行は,腰部脊柱管狭窄症(LSCS)の症状に類似しています。
両者の鑑別は臨床上重要です。

今日は,三重大学医学部附属病院整形外科講師・病院教授の笠井裕一氏による間欠跛行にみるLSCSとASOの鑑別ポイントの解説記事で勉強しました。


A Sign of atherosclerosis
整形外科疾患と閉塞性動脈硬化症(ASO)との鑑別
―血管性と神経性:間欠跛行の見分け方―


Q 整形外科診療におけるASOの現状について教えてください

A ASOの合併頻度は高齢化とともに増加しており,当院の血管エコーを用いた調査では,男女ともに10人に1人はASOが進行していることが示されました。

近年,深刻な高齢化が進むわが国では,骨粗鬆症・腰椎疾患等の整形外科疾患ならびに動脈硬化性疾患が急増し,その対策が急務となっています。
全身の動脈硬化症の一部分症であるASOは下肢の冷感やしびれ感,間欠跛行といった症状で知られていますが,こうした症状は,腰椎疾患であるLSCSの症状に類似しているため,足の痛みなどを主訴としてASO患者が整形外科を受診するケースがよくあります。
 
実際に,整形外科疾患で当科に入院した患者244例の下肢ASO合併頻度を血管エコーで調査したところ,全体の9.8%,つまり10人に1人にASOの所見を認めました(図1)。

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また驚いたことに,従来,男性に多くみられるASOですが,本調査での合併頻度は男女ともほとんど変わりなく(表1),たとえ症状がなくても,高齢になれば画像上では動脈硬化が女性も男性同様に進行していることが窺えます。
また,ASO患者の5年生存率は乳がん患者の乳房切除術後の5年生存率よりも低いことが報告されています。
このように,ASOはきわめて生命予後の悪い疾患であるため,糖尿病,高血圧症,脂質異常症,喫煙習慣など動脈硬化症の危険因子がある患者さんでは,ASOを見逃さないようにすることが重要です。

Q ASOを見逃さないためには,どのようにスクリーニングをすればよいでしょうか。

A LSCSとASO,双方の間欠跛行の特徴を把握し,問診で痛みについて詳しく尋ねましょう。
ASOの疑いがあればABI測定が有用です。

整形外科疾患であるLSCSと,動脈硬化性疾患であるASOとでは,歩くと足が痛む,しびれるという間欠跛行の症状がよく似ています。
しかし,LSCSによる間欠跛行は神経性であり,ASOでは血管性のため,その病態は大きく異なります。
 
LSCSとASOを鑑別するための有用な項目を表2にまとめました。
これらの項目をチェックしていく際に重要な最初のステップは,やはり問診です。
例外はあるものの,痛みやしびれ感が両側性であればLSCS,片側性であればASOを考えます。
痛み・しびれ感を感じる部位としては,ASOでは「ふくらはぎ」と答えられる方が多く,LSCSでは「臀部から脚全体にかけて,走るような動きのある痛み」とよく表現されます。
特に痛みが出ている際に,前屈みになっていただくと痛みが取れる場合や,日によって症状が現れたり消失したりすることがあれば,LSCSと考えられます。そしてASOに特徴的であるのは,「冷感」です。
外来での限られた時間のなかで,効率的に症状を聞き出すためには,医師のほうから「足に冷たい感じはありますか?
寝ているときでも布団から足が出ているような感じがしますか?」などと具体的に尋ねる工夫が大切です。
 
糖尿病,高血圧症,脂質異常症,喫煙習慣など動脈硬化症の危険因子がある患者さんでは,ASOを疑い足背動脈の触知を行うことが奨励されます。
とはいえ,日常臨床では触診になかなか時間が取れないことも多いことでしょう。
こうした際はABIを測定し,客観的なデータを得て診断することが有用です。一般に,ABI<0.9では血管性と考えられますが,ASO予備軍はABI 0.9〜1.0の間にも潜んでいるケースが多いため,注意が必要です。


Q ASO治療について教えてください。

A 冷感・しびれ感などの下肢虚血症状を軽減し,将来の血管イベントを抑制することがASO治療の第一義です。
ASO治療薬ベラプロストは,この双方の観点から期待できる治療薬の1つです。

ASOの治療では,冷感・しびれ感などの自覚症状の軽減,および血管イベント発生の抑制が第一義となります。
薬物治療においてはおもに抗血小板薬が用いられますが,PGI2誘導体であるベラプロストナトリウム(ドルナー®錠,以下ベラプロスト)は抗血小板作用に加え血管拡張作用,血管平滑筋増殖の抑制作用などを有することが知られており,ASO患者の冷感や間欠跛行を改善することが報告されています(図2,3)。


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メタ解析でASO患者の全身の血管イベント発生を抑制したと報告されているベラプロストは,ASO治療において,冷感等の自覚症状の改善のみならず,患者さんの予後を左右する血管イベント発生抑制についても期待される薬剤だと考えています。
当科でも,ASOが疑われる症例には,運動療法などとともに,ベラプロストの投与を開始しています。
また,高齢者が増加する昨今では,整形外科疾患にASOが潜在している可能性を念頭において治療に望む姿勢が大切だと言えるでしょう。
ASOとLSCSとの合併例ではベラプロストが奏功することをよく経験していますので,LSCSの治療薬を一定期間投与して改善がみられなければ,ベラプロストに切り替えるようにしています。

出典 Medical Tribune 2009.4.16
版権 メディカル・トリビューン社


<関連サイト>

重症高血圧治療薬静注用Clevidipine   2008.10.22
http://www.medmk.com/mm/mailmg/1295_mg.htm
■ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(dihydropyridine calcium channel blocker:CCB)クレビジピン/Clevidipineの静脈内投与(IV)製剤(Cleviprex - The Medicines Company;日本未開発)が、降圧薬としてFDAに承認された。 
■米国で販売されるIV CCBとしては2番目で、ニカルジピンの静注薬(Cardene IV;ペルジピン注射液2mg,10mg,25mg[アステラス製薬]等)が10年以上前から使用されている。 
IV ニカルジピンと同様に、おそらくクレビジピンは、主に集中治療室(ICU)、手術室、救急部において緊急の降圧を行う場合に使用される。
<コメント>
■高血圧治療剤の注射剤は、「手術時の異常高血圧の救急処置「および「高血圧性緊急症」(悪性高血圧、高血圧性脳症、解離性大動脈瘤、急性左心不全等による)に主に使用される。 
ニカルジピン塩酸塩(ペルジピン注射液2mg,10mg,25mg[アステラス製薬]等)、ジルチアゼム塩酸塩(ヘルベッサー注射用10,50,250[田辺三菱製薬]等)およびアルプロスタジル アルファデクス(注射用プロスタンディン500[小野薬品工業]等)でいずれも静注用。
米国では静注用降圧剤が年間320万人に使用(2006年、MEDCO社による)、多くはニカルジピンが使用されてきた。 
超短時間作用型静注用降圧剤酪酸クレビジピンが2008年9月15日に米国発売され、これを今回評価する。
<要約>
■ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬クレビジピンのIV製剤が、降圧薬としてFDAに承認された。
■IV CCBとしてはニカルジピンに続く2番目の薬剤で、主にICU、手術室、救急部において緊急の降圧を行う場合に使用される。
■本剤は、周術期または他の急性高血圧において、短時間で効果的に血圧を低下させることができ、重篤な有害事象も見られていない。

<新型インフルエンザ関連>
新型インフル届け出、医師側が判断を―厚労省が通知2009年5月10日 21時13分
http://www.excite.co.jp/News/society/20090510/Cabrain_21925.html
■厚生労働省は5月9日、各都道府県などに対し、新型インフルエンザの症例定義や届け出様式を改定する通知を出した。
4月29日に通知した届け出基準では、迅速診断キットの結果がA型陰性かつB型陰性でも、診察した医師が感染を強く疑う場合は、法の規定で直ちに届け出を行わなければならなかったが、今回の改定では、感染を強く疑う根拠に乏しい症例がある現状を踏まえ、症例定義を満たしていても、海外への渡航暦や患者の症状などから医師が明らかに感染していないと判断した場合は、届け出る必要はなくなった。
医師側の裁量を広げると共に、余計な検査を省くことで、診断の効率化を図る。なお、症例定義と様式自体は前回と変わらない。

■改定された届け出では、まず医師が新型インフルの疑似症患者と判断した場合、症例定義に基づき、最寄りの保健所に連絡。
保健所は各都道府県や厚労省などに報告し、中央感染症情報センターの「疑い症例システム」に入力する。
 
■各都道府県などは、疫学的に感染の疑いが濃厚かどうかなどを勘案し、感染症法が定める「感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由」に該当するかを検討。
保健所はその結果を医師に伝え、「正当な理由」のある患者については、医師が都道府県知事に届け出る。
最終的な確定検査は当面の間、国立感染症研究所が行うとし、確定した患者(または無症状病原体保有者)について、医師は保健所に届け出る。

■厚労省が5月9日に各都道府県などに対して行った事務連絡では、迅速診断キットでA型陰性の場合、疑似症患者の連絡をする前に、
▽インフルエンザ特有の症状の有無の確認▽10日以内のインフルエンザ様症状を持っている人との接触歴の確認
▽新型インフルが蔓延している国への渡航暦や滞在暦の再確認
▽他の疾患の有無などの確認(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎など)
―を各医療機関に求めている。

<コメント>
「各医療機関に求めている」・・・変更前も変更後も今の今、ネットでみて知りました。
厚労省はこの現実をどのように考えているのでしょうか。
勿論、最前線の現場を知らないので、このことは何も考えていないはずです。

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by wellfrog3 | 2009-05-10 00:24 | リハビリテーション科

減圧椎弓切除術の費用効果

減圧椎弓切除術の費用効果は高い  脊椎固定術と比較検討
米国では8割を超える人に背部痛が認められ,その医療費は年間1,000億ドルを上回る。
しかし,手術費はその効果に値しているだろうか。
ラッシュ大学医療センター(シカゴ)整形外科名誉教授のGunnar Andersson博士らは,脊柱管狭窄症患者における椎弓切除術は,妥当な効果のあることが示唆されたが,脊椎すべり症を伴う脊柱管狭窄症患者における脊椎固定術の有益性は,医療費を差し引くと十分とは言えない可能性があるとAnnals of Internal Medicine(2008; 149: 845-853)に発表した。

2種類の治療法を比較検討
■Andersson博士らは今回,同センターも参加したSpine Patient Outcomes Research Trial(SPORT)の全米13施設の登録患者を追跡する前向きコホート研究を行った。
 
■同博士は「今回の研究は,患者の医療費と健康アウトカムを体系的に追跡した初めてのもので,きわめて重要だ。米国では年間65万件を超える手術が実施され,その医療費は200億ドルを超えている。この高額な出費に見合う効果が得られているか否かについては,ほとんどわかっていない」と述べている。
 
■今回の研究では,2つのケースが検討された。
1つは椎弓切除術を行った脊柱管狭窄症である。
同術では椎弓と軟組織と呼ばれる椎骨の一部を整形外科的に除去して,脊椎神経の圧迫を解放する処置が行われる。
もう1つは,変形性脊椎すべり症を伴う脊柱管狭窄症である。
この場合,脊椎固定術により治療されることが最も多い。
 
■SPORT試験で対象とした3,900例超のうち634例が脊柱管狭窄症で,うち320例に椎弓切除術,344例に脊椎固定術が行われた。
 
■同博士らは,術後2年間,手術処置の直接的および間接的な医療費を比較し,QALY(質を調整した生存年)尺度を用いて患者の有益性を評価した。
同博士らは,椎弓切除術を用いる狭窄症手術費を獲得QALY当たり7万7,000ドルと算出した。

■一方,脊椎すべり症を伴う脊柱管狭窄症の椎骨固定術の医療費は,獲得QALY当たり約11万5,000ドルであった。米国で費用効果があるとみなされる処置の閾値は10万ドルである。

最終評価には長期成績が必要
■今回の当初2年間の分析によると,脊柱管狭窄症に対して固定をしない減圧椎弓切除術には優れた価値があるが,変形性脊椎すべり症に対する固定手術は価値が低いことがわかった。
費用効果についての最終的な評価には長期アウトカムのデータが必要となるため,今回の研究を継続した結果が待たれる。
 
■Andersson博士は「米国では脊椎手術症例数が増えるにつれて医療費も増大していることから,最も多用されている手術の経済的価値を理解することはきわめて重要である。費用効果は患者に対する質の高い医療の提供に欠かせない要素だ」と指摘。
さらに「われわれは選択的整形外科手術に関する革新的な多施設共同試験であるSPORT試験を実施した。そのアウトカム分析を今後10年間継続すれば,背部痛患者に有益な長期成績が得られるであろう」と結論している。


出典 Medical Tribune 2009.4.16
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
脊柱管狭窄症という医療用語を目にする度(たび)に困惑します。
自分自身「脊柱管狭窄症」の定義がよく理解できないのです。
たとえば、辷り症や分離辷り症も結果的に脊柱が狭窄を起こします。
脊柱管狭窄症に椎間板ヘルニアが合併している場合にはどちらが症状に関与しているか診断が困難な症例まあると思います。
後者が主体なら良好な経過のことも多いし、臨床経過や上体の前屈・後屈のどちらで症状が改善するかでみるのでしょうが。

以下、サイトから少し定義を拾ってみました。

①脊柱管狭窄症の治療(脊柱管狭さく症)
http://www.ces55.com/sekityukan-kyousakusyo.html
脊柱管狭窄症とは? 「脊柱管」が狭くなり、神経が圧迫される
脊柱(背骨)を構成している椎骨(ついこつ)は、円柱状の「椎体(ついたい)」と、後方に張り出した「椎弓(ついきゅう)」から成っています。
椎骨が積み重なることでできる、管状の空間を「脊柱管」といいます。
第一腰椎のあたりから下の脊柱管には、「馬尾(ばび)」と呼ばれる神経の束が通っています。
馬尾から分かれた神経は、脊柱管から出て脚のほうに伸びています。
「脊柱管狭窄症」はこの脊柱管が狭くなる病気で、高齢者に多く見られます。
老化に伴う椎間関節や椎間板の変形に加え、椎体が前方にずれる「脊椎すべり症」も
脊柱管狭窄症の原因になります。
(コメント:ここでは「脊椎すべり症」も脊柱管狭窄症に含んでいます)

②腰部脊柱管狭窄症について
http://www.kawara-ban.com/NO17.html
腰部脊柱管狭窄症とは
腰部脊柱管狭窄とは、腰部脊柱管が腫瘍、炎症などによらず腰椎周辺の変性(骨性あるいは軟部組織性)により狭小化を来たし、脊髄馬尾神経と神経根の障害を生じている状態です。
(コメント:この定義では「椎間板ヘルニア」も脊柱管狭窄症に含まれることになります)

③腰部脊柱管狭窄症
http://www.ogorimii-med.net/advice/miyazaki.htm
脊柱管が何らかの原因で細くなり、なかの神経を圧迫するようになると腰痛、下肢神経痛、下肢しびれ感が出現します。
多くは、腰椎の加齢変化(老化現象)に伴い、軟骨や骨が腰部脊柱管の内側にできて、神経の圧迫を起こす事が原因です。
なかには、若いときの腰椎椎間板ヘルニアや生まれつきの腰椎の変形が原因となることがあります。
(コメント:この定義では何でもありです)

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中西勝  ノートルダム
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by wellfrog3 | 2009-04-25 00:09 | リハビリテーション科

関節リウマチにDMARD療法

ACR/関節リウマチにDMARD療法を推奨
米国リウマチ学会(ACR)は,関節リウマチ(RA)に対する生物学的および非生物学的抗リウマチ薬(DMARD)の使用に関する詳細な推奨をArthritis & Rheumatism(2008; 59: 762-784)に発表した。

専門医による治療にのみ適用
ACRの推奨は,RAの疾患活動性や重症度の評価に精通している専門医による治療のみに適用されるべきだと明記している。
この推奨では,RAに対する薬物治療の開始または(一定期間の中止後の)再開に重点が置かれ,罹病期間と疾患活動性に基づいて解説されている。
 
非生物学的DMARD単剤療法に関する推奨は以下の通り。
(1)レフルノミドまたはメトトレキサートは,予後不良因子の有無にかかわらず,いずれの罹病期間と疾患活動性を示す患者に対しても,単剤療法として推奨される
(2)hydroxychloroquineは,予後不良因子を持たず疾患活動性が低く,罹病期間が24か月以下の患者で推奨される
(3)ミノサイクリンは,予後不良因子を持たず疾患活動性が低く,罹病期間が短い患者で推奨される
(4)スルファサラジンは,予後不良因子を持たないすべての患者(罹病期間や疾患活動性は問わない)で推奨される

非生物学的DMARDの併用療法も
また,推奨では2剤または3剤の非生物学的DMARD併用療法についても解説されている。概要は以下の通り。
(1)メトトレキサートとhydroxy-chloroquineの併用は,予後不良因子にかかわらず罹病期間が長く疾患活動性が低い患者で推奨される
(2)メトトレキサートとレフルノミドの併用は,予後不良因子にかかわらず,罹病期間が中期〜長期(6か月以上)で疾患活動性が高い患者で推奨される
(3)メトトレキサートとスルファサラジンの併用は,罹病期間にかかわらず疾患活動性が高く,予後不良因子を有する患者で推奨される
(4)hydroxychloroquineとスルファサラジンの併用は,罹病期間が6〜24か月で疾患活動性が高く,予後不良因子のない患者にのみ推奨される
(5)スルファサラジン,hydroxychloroquine,メトトレキサートの3剤併用は,罹病期間にかかわらず予後不良因子を有し,疾患活動性が中等度〜高度の患者で推奨される。
特定の状況下では,疾患活動性が低い患者や予後が良好な患者でも推奨されることがある

生物学的DMARD療法ではTNFα阻害薬併用
生物学的DMARDについては,以下の通り。
(1)高疾患活動性の持続期間が3か月未満で予後不良因子を有するDMARDの投与歴がない早期患者では,メトトレキサートと腫瘍壊死因子(TNF)α阻害薬(切り替え可能)の併用療法が推奨される
(2)罹病期間が中期〜長期の患者では,メトトレキサートの単剤療法が奏効せず,疾患活動性が中等度で予後不良因子を有するか疾患活動性が高いすべての患者で,TNFα阻害薬が代わりに推奨される
(3)メトトレキサートと他剤の併用療法や,メトトレキサートの単剤療法に続く非生物学的DMARDが奏効しない患者でも,いずれかのTNFα阻害薬が推奨される
(4)メトトレキサート以外の非生物学的DMARDが奏効しない患者では,エタネルセプト,インフリキシマブまたはアダリムマブの単独使用あるいはこれらのいずれかとメトトレキサートとの併用が推奨される
(5)abataceptは疾患活動性が中等度〜高度で予後不良の徴候を示す患者で,メトトレキサートとそのほかの非生物学的DMARDの併用療法またはそのほかの非生物学的DMARDの順次使用が奏効しない場合に推奨される
(6)リツキシマブは,疾患活動性が高く予後不良因子を有する患者で,そのほかの非生物学的DMARDと他剤の併用療法またはそのほかの非生物学的DMARDの順次使用が奏効しない場合に推奨される
(7)現在のエビデンスによると,早期RAで疾患活動性が軽度〜中等度の患者は,生物学的DMARDによる治療対象とはならない

治療前後の検査が重要
生物学的DMARDの併用療法は,有害事象の発生率が上昇し,追加的な効果が得られない可能性が示唆されているため推奨されていない。

今回の推奨では,新規の薬剤には言及していない。
生物学的および非生物学的DMARDの禁忌についても解説されている。禁忌となる疾患には,感染症,肺炎,血液疾患,悪性腫瘍,心不全,肝機能障害,肝炎,腎機能障害,多発性硬化症,脱髄障害などがある。また,妊婦,授乳婦,周術期でもリスクがある。
 
ACRの推奨は,過去に発表された非生物学的DMARDの安全性モニタリングに関する推奨にも触れている。
種類を問わずDMARDを使用する際には,十分な臨床検査を行い適切な予防接種をする。生物学的DMARDを使用する際は,結核スクリーニングの実施が推奨される。
 
Hydroxychloroquineの使用開始後1年間は,眼科の精密検査が必要となる。レフルノミド,メトトレキサート,スルファサラジンの開始時あるいは用量が大幅に増量される場合は,末梢血検査,肝機能検査,血清クレアチニン値測定が推奨される。

出典 Medical Tribune 2009.4.2 (一部改変)
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
甘味感じる細胞、膵臓にも 糖尿病治療に役立つ可能性
舌にある甘みを感じる細胞(甘味受容体)が、膵臓(すいぞう)にもあることを、群馬大生体調節研究所の小島至教授と中川祐子助教の研究グループが突き止め、7日(日本時間8日)、米国の科学誌プロスワンに発表した。
糖尿病治療に役立つ可能性があるという。

膵臓にはβ細胞と呼ばれる細胞があり、糖を分解し、インスリンを分泌して体内の血糖値を調節することが分かっている。
甘味受容体が膵臓にあることは、かつて一部の学者が唱えていたが、小島教授らは08年に研究を始め、マウスのβ細胞に甘味受容体と同じ塩基配列の遺伝子があることを発見した。

舌の甘味受容体は甘みを感じる機能しかない。
だがβ細胞にはインスリンを分泌する働きがあるため、受容体への刺激が分泌を促している可能性が高いと結論づけた。

糖尿病になるとβ細胞は糖を分解せず、インスリンを分泌しにくくなる。
膵臓にも大きな負担がかかる。
このため食事療法で糖を制限する治療方法が一般的だ。
だが、今回発見された甘味受容体に特定の化合物で刺激を与えれば、甘みを感じるだけでインスリンを分泌することが分かり、膵臓への負担が少なくてすむという。

小島教授は「今後の研究で、β細胞の甘味受容体をうまく刺激できれば、糖尿病の新たな治療方法となる可能性がある」と期待する。

順天堂大の藤谷与士夫准教授(代謝内分泌学)は「β細胞に甘味受容体があることは聞いたことがなく、興味深い発見だ。この受容体を刺激することを目的とした糖尿病の新しい薬の開発につながる可能性がある。
ただ、人体のなかで受容体がどのような働きをしているのかは、今後の研究が待たれる」と話している。

出典 asahi.com 2009.4.8
版権 朝日新聞社 

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by wellfrog3 | 2009-04-17 00:04 | リハビリテーション科