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カテゴリ:感染症( 53 )

新型インフルエンザ・重症化のサイン 

#重症化のサインを見極めるポイントは
「季節性インフルエンザとは違う」。新型インフルエンザの重症例を診た医師は口を合わせる。
国内では、小児を中心に発症早期から呼吸不全を呈する重症例が多いことが分かってきた。
これまでの知見から、重症化のサインを見極めるポイントをまとめた。

大部分の患者が軽症で回復する新型インフルエンザ。
ただし、感染拡大とともに、国内でも重症例が増えている。9月22日までに新型インフルエンザに感染し、入院した患者は1107例。若年者を中心に感染が広がり、入院例の約70%を14歳以下の小児が占めている。これらの重症例のうち、小児を中心に確認されているのが呼吸不全だ。
中には、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の症例も報告されている。

#発熱早期の呼吸不全が多発
通常、季節性インフルエンザに伴う呼吸不全は、高齢者や基礎疾患を持つ患者が発症する2次性の細菌性肺炎か、細菌性肺炎とウイルス性肺炎の混合性の肺炎が多い。
特に細菌性肺炎は、発熱後、数日たってから発症する。

一方、国内での新型インフルエンザによる呼吸不全の症例は、早期に発症したという報告が多い(次ページ症例参照)。小児を中心に20症例以上が入院した国立国際医療センター(東京都新宿区)特別疾病征圧班医長の泉信有氏は、「発熱翌日に急変するなど、進行が早い」と呼吸不全の特徴を分析する。

呼吸不全で患児1例に人工呼吸器を装着した中頭病院(沖縄県沖縄市)院長の宮里善次氏は、「人工呼吸器装着には至らなかった例でも、早い場合は1日目に肺炎の症状が出現し、さらに2〜3日目に前触れなく速いスピードで重症化した。季節性インフルエンザでは見られないパターンだ」と話す。

これまでのところ、こういった呼吸不全の多くはウイルス性肺炎によるものとみられている。
東大医科研ウイルス感染分野教授の河岡義裕氏は季節性と新型のウイルスをサルの鼻や気管内に感染させて比較。
季節性インフルエンザウイルスに比べて新型インフルエンザウイルスの方が、肺全体で高度に増殖していた。

「ウイルス性肺炎の特徴として、痰が出ない、胸部X線写真では肺野全体に広がるすりガラス状や網状の陰影、気管支に沿った陰影などが挙げられる」と獨協医大呼吸器・アレルギー内科教授の石井芳樹氏は話す。
白血球数が下がるのもウイルス性肺炎の特徴だが、「細菌性肺炎でも重症化すると白血球数が下がることがあるため、白血球数はあくまで1つの目安にすぎない」(石井氏)。

#酸素飽和度の測定が不可欠
また中矢代氏は、「酸素吸入をしてもなかなかチアノーゼが改善しない重度の低酸素血症の小児が多い」と指摘する。
呼吸不全や低酸素血症は、喘息の既往がある小児だけでなく、健常小児にも認められている。
重症例の治療に当たった医師は「すべての患者で酸素飽和度を測定することが不可欠だ」と口をそろえる。
呼吸不全や低酸素血症がみられる患者は、人工呼吸管理や酸素吸入が可能な病院への搬送が必要だ。

もちろん感染が拡大すれば、状況が変わることも考えられる。
菅谷氏は「米国などではウイルス性肺炎と2次性の細菌性肺炎を合併した症例が増えており、注意が必要だ」と話しており、臨床現場では、ウイルス性肺炎ばかりでなく細菌性肺炎も念頭においた診療が求められる。

#脳症や心筋炎にも注意が必要
脳症や心筋炎にも注意が必要だ。
一般的に脳症はインフルエンザに初めて感染する1〜3歳の低年齢層で多く見られる。
ただし、新型インフルエンザに対してはほとんどの人が免疫を持っていないため、脳症の発症頻度が高まったり、小学生や成人でも脳症が起き、発症の平均年齢が上がるのではないかとの指摘もある。
9月22日までに国内では、26例の脳症が報告され、9月22日に脳症による初の死亡例が確認された。

岡山大大学院小児医科学教授の森島恒雄氏は脳症の発症者数について、「定点当たりの患者数が3〜4の時点にしては多いと思う」と述べた上で、「意識レベルの低下や痙攣重積、意味不明な言動、目線が合わないなど、いつもと違う症状が見られたら注意が必要だ」と話す。

「ごく稀ではあるが、インフルエンザの合併症である心筋炎にも注意が必要だ」とするのは、中矢代氏だ。これまでに国内では南部医療センターを含め、少なくとも2例の小児が新型インフルエンザに伴う心筋炎を発症した。新型インフルエンザによる心筋炎の発症頻度は高くないものの、「呼吸が苦しい、低体温、脱力など様子がおかしい、手足が冷たいなどの症状が出たら、心筋炎を疑うべき」と中矢代氏。

 秋以降の本格流行期、重症例が増えるのは間違いない。
しかし、今のところハイリスク群以外でどのような患者が重症化しやすいか特定することは不可能だ。
そのため中矢代氏は、「軽症の患者でも『大丈夫です』と帰すのではなく、重症化する可能性を踏まえ『いつもと違う症状が見られたらすぐに受診してください』と伝えるべきだ」と注意を促す。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t061/200910/512639.html
出典 日経メディカル 2009. 10. 12
版権 日経BP社

<番外編>
#新型インフルエンザA/H1N1
健常者へのタミフル予防内服で有害事象も
疲労のほか、下痢、傾眠、腹痛、嘔気などを訴え

オセルタミビル(製品名タミフル)を予防内服した健常者には、疲労や下痢、嘔気などの有害事象を訴える人が多い——。
10月11日、日本予防医学リスクマネージメント学会が開催したシンポジウム「医療機関のための新型インフルエンザ対策」で神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科・感染症科医長の林三千雄氏が、同病院で行われた調査の結果を明らかにした。

1日も内服しなかった28人を除く215人のうち、何らかの有害事象があったと回答した人は82人いた。
最も多かったのは30人近くが訴えた疲労で、そのほか、下痢、嘔気、傾眠、腹痛、食欲不振、嗜眠、頭痛、不眠症、発熱などが見られた。
中には、内服中止後、比較的早期に症状が消失した人もいたが、内服を継続して症状が消失したという人もいたため、これらの症状がオセルタミビルの内服によるものかどうかははっきりしていない。
ただし、オセルタミビルを予防内服した際の有害事象について、これだけの規模で行われた調査はこれまでほとんどないため、今後の参考になりそうだ。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200910/512676.html
出典 日経メディカル2009. 10. 13
版権 日経BP社




明日より

井蛙内科開業医/診療録(4)
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by wellfrog3 | 2009-10-15 00:32 | 感染症

ワクチンと新型インフルエンザ罹患

#「ワクチンを打てば新型インフルエンザにかからない」は誤解
東京都が先月実施したアンケート調査によると、ワクチンに関する気がかりな点として、42%もの人が「ワクチンを接種しても新型インフルエンザにかかるのではないか」を挙げていた。
厚生労働省をはじめ専門家らは繰り返し、ワクチンの効果は100%ではないことも説明してきた。が、まだ不十分なようだ。

ワクチンの効果については、季節性インフルエンザの場合について、以下のような効果が示されている。

まず、健常者のインフルエンザの発病割合を70〜90%減少させる効果がある。
たとえば、ワクチン接種者100人とワクチン非接種者100人を比べたとき、ワクチン非接種者100人のうち5人が発病したとすると、ワクチンを打った100人では0.5人から1.5人に発病者を抑えることが期待できるわけだ。
ただし、「100%減少させるわけではない」ことには留意すべきだ。「ワクチンを打ちさえすれば良い」というのではなく、様々な対策の一環としてワクチン接種があることを忘れてはならない。

ではなぜワクチン接種なのか。
その主目的は、重症例や死亡例の発生を限りなく抑えることにある。

季節性インフルエンザワクチンの場合だが、高齢者では、ワクチン接種により一般高齢者の肺炎あるいはインフルエンザによる入院を30〜70%減少させる。
老人施設の入所者のインフルエンザによる死亡を80%減少させるというデータもある。
小児では、1〜6歳の場合で、発熱が20〜30%減少するという効果が確認されている。

これらの出典は、Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2007 vol 56,CDC。
小児については、日本小児科学会の「乳幼児(6歳未満)に対するインフルエンザワクチン接種について‐日本小児科学会見解‐」(2004年10月31日)が根拠となっている。

インフルエンザワクチンの目的は、感染防止あるいは流行阻止ではない。
あくまでも重症化あるいは死亡の防止なのである。
同時に、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすために、必要な医療を確保することもワクチン接種の目的になっている。
医療従事者らが優先接種で上位となっているのは、このためである。

出典 日経メディカル別冊 2009. 10. 13
版権 日経BP社
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by wellfrog3 | 2009-10-14 00:26 | 感染症

抗ウイルス薬の積極投与

##広がる抗ウイルス薬の積極投与
感染力や臨床症状は季節性インフルエンザとほぼ同じ。
重症度は高病原性鳥インフルエンザほどではないものの、季節性インフルエンザより高い可能性が示唆されている。
重症化率や致死率ははっきりしていないが、感染してもほとんどが軽症のまま回復する。
アマンタジン(商品名:シンメトレルなど)には耐性だが、オセルタミビル(タミフル)やザナミビル(リレンザ)といったノイラミニダーゼ阻害薬には感受性を持つ─。

これが、今明らかになっている新型インフルエンザの実像だ。
ただし、新型インフルエンザに対しては、大半の人が免疫を持っていないため、感染が拡大すれば重症例や死亡例が増えることが予想される。

#ハイリスク群には直ちに投与
5歳以下の小児、65歳以上の高齢者、慢性呼吸器疾患や心疾患、腎機能障害などの基礎疾患を持つ患者、妊婦などは重症化しやすいハイリスク群とされる。
中でも妊婦は妊娠後期になるほど重症化しやすい傾向がある。
そのため、ハイリスク群の新型インフルエンザ患者には、インフォームドコンセントを得た上で、直ちにノイラミニダーゼ阻害薬を投与することが推奨されている。

一方、健常成人・小児の患者に対してノイラミニダーゼ阻害薬を投与するかどうか、その方針はまちまちだ。
ノイラミニダーゼ阻害薬の備蓄状況などを勘案し、海外のガイドラインの多くは健常成人・小児への投与を積極的に推奨していない。
国内では季節性インフルエンザに準じて、基本的に患者の希望がなければ投与しないという対応が多い。
医師からは「日本はオセルタミビルの大量消費国と揶揄されてきた」「効果についてエビデンスが乏しい」など、慎重な声も聞こえてくる。

しかし、けいゆう病院(横浜市西区)小児科部長でWHOの新型インフルエンザ治療ガイドライン作成委員でもある菅谷憲夫氏は、「症状や周囲の感染の状況などから、新型インフルエンザを疑ったすべての患者に、ノイラミニダーゼ阻害薬を投与すべきだ」と話す。

理由は、健常成人・小児の患者からも重症例や死亡例が相次いでいるためだ。
米ニューヨークにおいて5月から6月にかけて新型インフルエンザで入院した909例では、大半をハイリスク群が占めたが、非ハイリスク群も21%に上った。
その背景について菅谷氏は、「ニューヨークでは、オセルタミビルによる治療を受けていないか、治療開始が遅れた症例が多かった」と指摘する。

WHOは、8月20日に発表した治療ガイドラインで、ノイラミニダーゼ阻害薬には重症化や死亡を防ぎ、入院を減らす効果があると位置付けた。
菅谷氏は「新型インフルエンザへの投与は、症状消失を早めるという季節性インフルエンザに対する効果とは違う。新型はノイラミニダーゼ阻害薬で治療する意義が大きい」と強調する。

日本感染症学会は9月15日、すべての患者に早期からノイラミニダーゼ阻害薬を投与すべきとする診療ガイドラインを発表。
国内でも新型インフルエンザ患者が多発した地域では、ノイラミニダーゼ阻害薬を積極的に投与している医師が多く、積極投与の動きが広がりつつある。

なお、全般的な治療方針は新型でも季節性インフルエンザと同様だ。
臨床症状に応じて、総合感冒薬や解熱剤などを投与する。小児ではインフルエンザ脳症のリスクを考慮し、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸は投与しない。

#流行期はキットなしでも診断
季節性インフルエンザの診断には欠かせないが、新型インフルエンザの場合は、診断を迅速診断キットに頼り切るのは危ない。
症例が増えるに従い、迅速診断キットで疑陰性が多いことが分かってきたためだ。

そもそも迅速診断キットは、発症からの時間が短かったり、検体の採取が十分でない場合は感度が落ちる。
その上、新型インフルエンザに対しては季節性インフルエンザよりも感度が悪く、迅速診断キットの種類によって感度にばらつきがあるといった指摘もある。
実際、国内の新型インフルエンザによる死亡例の中には、発症後1日以上たってもA型陰性だった症例があった。

本格流行を経験した沖縄県で多くの患者を診た南部医療センター小児循環器科医長の中矢代真美氏は、「A型陰性となってしまう患者がかなりいた。外来で院内感染するリスクも考えると、軽症なら医療機関の滞在時間は短い方がいい。流行期には迅速診断キットを使わずに症状と感染の機会で“みなしインフルエンザ”と診断し、ノイラミニダーゼ阻害薬を投与することも多かった」と話す。
出典 NM online 2009.10.11
版権 日経BP社


<きょうの一曲> Toi et moi
Toi et Moi - Celine Dion & Charles Aznavour (Radion Edit)
http://www.youtube.com/watch?v=IcCZxFEmQDQ&feature=related

Charles Aznavour - Toi et moi
http://www.youtube.com/watch?v=HyDZgu5ZtNo&feature=related

Céline Dion & Charles Aznavour - "Toi et moi" @ TV Special
http://www.youtube.com/watch?v=KZIzXXpre8g&feature=related

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2009.10.11撮影
刈り入れの終わった田

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21? http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)

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by wellfrog3 | 2009-10-13 00:28 | 感染症

H1N1ウイルスの排出期間

H1N1ウイルスの排出は1週間以上持続する可能性があり、感染性の延長も起こりうる
19%の患者はウイルス排出が1週間以上持続し、オセルタミビル治療を行っても長期間の排出が発生することを研究者らは示している

2件の小規模研究は、H1N1感染患者の最大19%は1週間以上ウイルスを排出するようであり、最大10 - 16日間ウイルスを排出する患者もいる可能性があることを示唆している。

効果が認められなかったのは研究の標本サイズが小さかったためかもしれないが、長期間の排出はオセルタミビルによる抗ウイルス治療にかかわらず持続したと、研究者らは第49回抗菌剤と化学療法に関する学際学会(サンフランシスコ)で報告した。

カナダの研究の主任研究者である公衆衛生研究所の医学疫学者およびラバル大学(ケベック州ケベックシティ)の疫学教授、Gaston De Serres, MD, PhDによると、治験責任医師らはH1N1ウイルスが検出された患者が実際に感染性であるかどうかを評価しておらず、疾患に感染させるのに必要なウイルス排出量は依然として不明である。

博士の研究および同学会で発表されたその他の研究は、ウイルス感染患者を隔離すべき期間の長さに関する公衆衛生勧告に影響を及ぼすには規模が小さすぎたと、博士は付け加えた。
しかしデータは、H1N1ウイルス分離検査を、熱が下がるのにかかる数日間を超えて延長する必要があることを示唆していると、De Serres博士はプレスカンファレンスで述べた。

米国疾病管理予防センターのガイドラインでは、インフルエンザの患者は熱が下がった後1日のみ外出を控えるべきだと指示している。「H1N1陽性患者はおそらく1週間以上、感染性であろう」とDe Serres博士は説明した。
「人々は病気の患者の自宅療養期間を短くしたくなるが、それはおそらく賢明ではないだろう」と博士は述べた。

Serres博士と共同研究者らは、H1N1が確認された44例の患者がどのくらいの期間ウイルスを排出したかを研究するため、PCR検査とウイルス培養を用いた。19%の患者はH1N1の最初の検出から8日後に検査でウイルスが検出されたが、10日後までにウイルス培養が陽性の患者はいなくなったと博士は述べた。

中国の香港の研究者らが実施したH1N1患者73例に関する同様の研究では、ウイルス排出期間の中央値は6日間であったが、一部の患者はPCR検査で検出されたように最大16日間ウイルスを排出した。
主任研究者であるTan Tock Seng病院(シンガポール)のDavid Lye, MDによると、発症7日後に40%の患者はPCR検査が陽性であり、10%の患者は10日目まで陽性であった。

シンガポールの研究のすべての患者には入院後5日間オセルタミビルが投与され、全員、PCR検査が陰性になった時点で退院した。
インフルエンザ様疾患が78%の患者に認められ、発熱が89%の患者に認められたが、一部の患者は咳および咽頭痛のような症状のかなり軽症の疾患であった。

発症後最初の2日間治療を受けた患者と発症後2日以上治療を受けた患者の間に、ウイルス排出期間の長さの差は認められなかったと、Lye博士は述べた。
「より長期間のウイルス排出が軽症例と合併例の両方に認められた」と博士は付け加え、軽症および合併症のあるH1N1疾患で治療を行わなかった患者と治療を行った患者の両方に関する、より多くの、より大規模な研究が必要であることに言及した。

シンガポールの研究の結果はウイルス排出が1週間以上持続することを示唆するが、それから導くことのできる結論は、標本サイズが小さいため限られていると、シンガポールの研究が発表されたセッションの司会をしたジュネーブ大学病院(スイス)のLaurent Kaiser, MDは述べた。
「免疫応答性の成人におけるウイルス排出期間の長さを示す大規模な全国研究がないことが問題である」と博士は述べた。

「H1N1患者が5または7日後も依然として感染性であることは意外ではないが、患者が10日後のPCR検査で陽性であるという事実は、一部の患者は治療に耐性である可能性があることを示唆する」と博士は付け加えた。

出典
49th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy (ICAAC): Presentations K-1918a and V-1269c. Presented September 14 and 15, 2009.

Medscape Medical News 2009. (C) 2009 Medscape

http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/9/24/108135/
2009年9月24日 提供:Medscape



<きょうの一曲> Misty
Misty - Satoru Shionoya&Makoto Ozone Piano duo
http://www.youtube.com/watch?v=55VLP9aOn2s



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ラウル・デュフィ  アネモネ1942  リトグラフ
http://www.suiha.co.jp/cms/work.cgi?ano=1150961330&wno=1160385342
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by wellfrog3 | 2009-10-09 00:50 | 感染症

積極的学校閉鎖

当地では新型インフルエンザによる小中学校や高校の学級や学年閉鎖が続出しています。
学校の先生も授業や各種の行事を消化せねばならず頭が痛いことと思います。
新型インフルエンザの流行については、これから冬期に向かい流行がどのように推移していくのか知りたいところです。
南半球ではどうだったのでしょうか。
2〜3年にわたって波状的に流行するのか、今の状態がしばらく続いて収束に向かうのか。

前者の場合なら「積極的学校閉鎖」も「ワクチン接種」も効果は限定的ということになります。



##積極的学校閉鎖は時期により高い効果も社会的影響大きい
#新型インフルエンザ流行時の学校閉鎖に関する考え方
厚生労働省(厚労省)新型インフルエンザ対策推進本部は,9月24日,流行期の公衆衛生対策に関する指針「学校・保育施設の臨時休業の要請等に関する基本的考え方」をホームページに掲載した。
それによると,積極的な学校閉鎖は防疫面で高い効果が期待できるとしながらも,社会的な影響を考えると現時点での実施は困難で,その判断は従来通り各自治体に委ねられている。

#少数例発生時点で広域に措置を講ずる「積極的臨時休業」が新たに追加
新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)に関し,今年(2009年)5月22日に厚労省が出した「基本的対処方針」では,学校・保育施設などの臨時休業に関して,

地域において急速に患者数が増加している場合には,広範囲の地域で学校・保育施設等の臨時休業を行うことは感染拡大防止には効果が薄いため,地域の学校等の全てを対象に臨時休業の要請をする必要はないと考える
ただし,患者が多く発生している学校等において,当該学校等に通学する児童生徒等を感染から守るために臨時休業等をすることには意義があることから,季節性のインフルエンザと同様の対応として特定の学校の臨時休業や学校閉鎖等の措置が考えられる
との季節性インフルエンザに準じた見解が示されているのみであった。
今回の指針では新たに追加した「積極的臨時休業」とこれまでの概念を踏襲した「消極的臨時休業」の意義について,これまでの知見を踏まえてより具体的な内容が示されている。
それによると,流行の第一段階では,少数の患者が発生した時点で休校,患者未発生の近隣地域までの閉鎖を行うなど積極的な措置を講ずることで防疫効果が高まるという。

また,流行拡大後の第二段階では「消極的臨時休業」が適用され,例として学校では学級閉鎖レベルの措置を取りながら,発症者の外出禁止の徹底や発熱,呼吸器症状のある者を休ませるなど,従来通りの措置を取ることとしている。
第二段階の判断基準については,明確な根拠はないが定点あたり報告数が1を超え,前週の倍を超えるなど急激な動きが見られたときなどとしている。

#積極的休業の実施は現実的に困難,個別の判断による対応求める
今回の指針の基盤となった班研究「新型インフルエンザ流行時における学校閉鎖に関する基本的考え方」(主任研究者=東北大学微生物学分野・押谷 仁氏)では, インフルエンザの地域における感染拡大の起点が学校であることが示されている。
そして,過去のパンデミックや疫学モデルから,早期に一定期間,徹底的な学校閉鎖を行うことで感染拡大の防止効果が上がると指摘。

しかし,積極的臨時休業の実施に当たり,最大のネックとなるのが社会的損失だ。
欧米各国では学校休業にともない,保護者が子どもの世話にかかりきりになることで発生するコストや国内総生産(GDP)の損失が小さくないことが明らかにされている。
このことを踏まえ,米疾病管理センター(CDC)など各国の衛生省は,現時点で積極的学校閉鎖を推奨していない。

日本においても,押谷氏らは5月に近畿地方で起きた学校閉鎖にまつわる風評被害や8月に行われた学校活動以外のスポーツ大会で散発的に感染流行が起きたことを挙げ,「今後,地域で一斉に行うというような大規模な学校閉鎖を実施することは難しいと考えられる」との見解を示した。

今回の基本的考え方を作成するにあたり,文部科学省,各自治体の教育委員会から,学校閉鎖の統一基準を策定してほしいとの要望に対して,同氏らは「運用上のメリットはあると思われるが公衆衛生学的には必ずしも正しい方向性であるとはいえない」として,現時点では学校閉鎖の目的や考え方を整理するにとどまった(表)。

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なお,学校・学級閉鎖にあたっては各自治体がそれぞれの地域での感染拡大状況,経済的・社会的影響を判断して決めるべきとしている。


社会的隔離や個人防護具などが,感染拡大予防に効果的なことは誰しもすぐ理解できるが,各方面に及ぶ影響までを考えて総合的に判断することが,効果がすぐに目視できない感染症対策の難しいところだと言える。


#早期の学校閉鎖が感染を抑制 インフルエンザパンデミック時の対策
インペリアルカレッジ(ロンドン)疫学・公衆衛生・プライマリケアのSimon Cauchemez博士とNeil Ferguson教授らは,インフルエンザパンデミック時の学校閉鎖が医療,社会,経済に与える影響について分析し,Lancet Infectious Diseases(2009; 9: 473-481)に発表した。
Cauchemez博士らは学校閉鎖に伴う長所と短所を検討し,パンデミックの規模を慎重に見極めたうえで最終決定を下すよう勧めている。

#国ごとの学校閉鎖計画が必要
今回のエビデンスは,これまでに発生した世界的なインフルエンザの流行に関する研究のレビューから得られた。
Cauchemez博士らは「早期かつ長期にわたる学校閉鎖がパンデミック時の患者数を減らし,飽和状態である病院の負担を大幅に軽減する」と結論付けている。
 
最近の新型インフルエンザパンデミックでは,患者の60%超を18歳未満の小児が占めるため,小児は重要な感染媒介者と見られている。
実際,成人と比べて小児はほとんどのインフルエンザ株に感染しやすい。
このことが,最近の新型インフルエンザパンデミックにおいて学校閉鎖を支持する重要な論拠となっている。
そのため,学校閉鎖で感染の連鎖を断ち切ることにより,
(1)総発症数の減少
(2)流行速度の遅延によるワクチン製造期間の確保
(3)流行ピーク時の発症率低下
(4)医療システムへの負担軽減
(5)一般人口における欠勤数抑制による地域社会の活力回復
―などが期待されている。
 
しかしその一方で,多くの医療従事者が親でもあるため,学校閉鎖が長期化すると,子供の介護をするため休職するなど医療システムを阻害する可能性も指摘している。
そのため,学校の長期閉鎖を決定する際には,パンデミックの深刻度を慎重に考慮すべきだとしている。
 
このように,医療従事者などの重要な職種では学校閉鎖によって好ましくない影響が生じることもある。
また教師が感染すると,学校閉鎖が必然となるため,同博士らは「すべての国が対応策の1つとして学校閉鎖の計画を立てておくのが賢明であろう」と指摘している。


#6例中1例の感染を予防可能
Cauchemez博士らは,これまでのインフルエンザの流行について分析している。
まず,2000年の流行時には,イスラエルで教師のストライキにより学校が閉鎖されると,感染患者の医師あるいは救急部門への受診回数が減少し,1週当たりの呼吸器感染症の診断数やウイルス感染者数が減少した。
しかし,インフルエンザ流行中にストライキがいったん終了して学校が再開すると,再び感染者数が増加した。
 
また,1984〜2006年にフランスで学校の長期休暇を調査した研究によると,長期の休暇により,季節性インフルエンザ患者6例のうち1例が予防可能だと見られ,もし学校に休暇がなければ,毎年の感染者数は16〜18%増加したと推定されている。
この研究によると,積極的に学校を閉鎖すればインフルエンザ発症数は計13〜17%減少し,さらに流行のピークであれば38〜45%が減少すると考えられている。
 
さらに,米国とオーストラリアの都市における1918年のパンデミックに関する研究では,学校閉鎖に加えて教会閉鎖や衛生環境の改善など他の施策を行えば,死亡率は10〜30%低下したと見られている。
ピーク時の死亡率はさらに低下し,一部の都市では50%近くになることが示唆された。
しかし,フランスで発生した1957年のパンデミック期間中,あるいは香港の季節性インフルエンザ流行中にもこの戦略が実施されたが,感染拡大に重要な影響を与えなかったと見られている。

#医療従事者の最大欠勤率は45%
もちろん,感染者数の低下は学校閉鎖がもたらす影響のほんの一部にすぎない。
英国と米国での研究の結果,12週間にわたる学校閉鎖のコストは国内総生産(GDP)の1〜6%と推計されている。
学校閉鎖により学校で出される無料給食などの社会的プログラムが中断されて最も影響を受けるのは,社会的・経済的に貧困な層である。
 
医療システムへの影響も深刻かつ長期化する可能性がある。
英国では,医療と福祉の労働人口の30%は16歳未満の子供を持つ主たる扶養義務者である。
これは全産業部門の平均値16%と比べ高い。そのため,医療産業ではパンデミック時に医療従事者自身が病欠するのに加えて,子供の介護をするため長期間欠勤する可能性がある。
 
英国保健省が行ったある調査では,回答者の77%が女性で(英国の医師・看護師の78%は女性),そのうち50%には16歳未満の扶養すべき子供がおり,21%は学校が閉鎖されれば欠勤する可能性があると回答した。
英国保健保護局のMd Z. Sadique博士らの研究(BMC Public Health 2008; 8: 135)では,インフルエンザ流行中における医療従事者の欠勤率はピーク時で45%(学校閉鎖30%,病気10%,その他の原因5%)と推計されている。


#罹患率1%以下での閉鎖が効果的
学校閉鎖を行うと地域への影響が大きいため,事前に慎重な計画が必要となる。
そのため,学校閉鎖が医療の観点から厳密に検討して好ましい選択肢であるとしても,すべての国や状況下で実施できるとは限らない。
モデル研究によると,罹患者が人口の1%に到達しないうちに学校閉鎖を行えば,その効果はほぼ最大になるという。
学校閉鎖が地域ベースで行われるのは当然であるが,そのなかでも特に閉鎖の時期は決定的に重要となる。
かなりの欠席者が出るまで待てば,閉鎖の好機を逸することもありうる。
閉鎖期間の設定や,子供の自宅学習が可能かどうかなど多くの困難な決定事項がある。
 
しかし,どの学校でも職員の長期欠勤がきっかけで,いつ閉鎖に直面するかわからないため,これらの決定事項は前もって計画しておくべきである。
閉鎖の前,最中,後におけるインフルエンザの流行の影響に加えて,閉鎖が一般世帯に与える社会的・経済的影響も調査する必要がある。
また感染による閉鎖がより広い地域社会へ与える影響の解明にも取り組まなければならない。
 
Cauchemez博士らは「閉鎖を決定する際は,パンデミックの深刻度も考慮すべきである。新型インフルエンザのパンデミックはさらに深刻化する可能性があるため,現在,欧州や北米で提言されている,必ずしも学校閉鎖を推奨しないという慎重なアプローチも今後再検討する必要がある」と述べ,「パンデミック時の対策を立てるうえで国民がどのような行動を取るか予測することも重要だ。
長引く学校閉鎖の間,子供同士が外でどの程度接触するかは予想が付かないが,それはパンデミックの深刻度に影響されると思われる。対策を立てる際には,このような不確実事項の予測も必要だ」と結論付けている。


出典 Medical Tribune 2009.9.24
版権 メディカル・トリビューン社



<きょうの一曲> "We Don't Cry Out Loud"
Rita Coolidge - Don't Cry Out Loud (Live 1979, Tokyo)
http://www.youtube.com/watch?v=Z3u6gn6UQQg

Don't Cry Out Loud-Melissa Manchester
http://www.youtube.com/watch?v=Dbf2C39kNs0&feature=fvw

Melissa Manchester - Don't Cry Out Loud LIVE
http://www.youtube.com/watch?v=-hhqm06Sxuw&NR=1
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by wellfrog3 | 2009-10-07 00:25 | 感染症

新型インフルエンザ 実地医家の備え

新型インフルエンザが学生の間で流行しています。
地域の実情に応じた対策をとる必要性がいわれています。
きょうは
Medical Tribune の記事
シリーズ 新型インフルエンザを迎え撃つ/実地医家の備えとは( 第4回)
で治療についての連携で勉強しました。

##医療従事者主導の連携体制が不可欠

##流行前線情報データベース構築
西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック(滋賀県)の西藤成雄院長らは,流行情報の収集と迅速な情報還元を目的に,Webデータベース(DB)を活用した流行情報サイト「MLインフルエンザ流行前線情報データベース」(http://ml-flu.children.jp)を構築している。
小児科医が多く参加するメーリングリスト(ML)により有志医師を募り,2000年冬から運営を行っており,現在は400人程度の有志医師の参加を得ている。


#感染症発生動向調査と高い相関
インフルエンザの流行が始まると,診療現場ではその情報に関心が集まる。
国立感染症研究所感染症情報センターの砂川富正主任研究官が,小児科医が参加するMLで臨床症状だけでなく,迅速診断キットの診断症例について報告し合えば,直ちに情報が共有できることを提案。
つまり,感染症発生動向調査週報(IDWR)のように臨床症状で報告されるよりも,迅速診断キットを用いて,より正確な診断をもとに流行を検討するのが望ましいと考えたからだ。
 
賛同したML参加者から迅速診断キットの診断症例が投稿され,流行状況がMLで取り交わされるようになった。
この提案を知った西藤院長は「MLへの投稿ではなく,Web-DBに症例報告する運用がふさわしいと考えた。
MLでの情報交換をWebベースで実現するために,インフルエンザの1報告が1レコードとして登録できるDBシステムの構築を行い,砂川主任研究官に提案し,Web-DBでの集計に切り替えることになった」と説明する。
このシステムは現在,国立感染症研究所感染症情報センターの谷口清洲第一室長の厚生労働科学研究「国際的な感染症情報の収集,分析,提供機能および我が国の感染症サーベイランスシステムの改善・強化に関する研究」の一環として運営が行われている。

#早期警戒システムとして期待
このプロジェクトに参加した有志医師は,診療でインフルエンザ患者を検出すると,MLで案内されたURLやアカウントで「症例登録ページ」にログインし,当該症例の年齢や性,インフルエンザのタイプなどを登録する。
DBに登録されると,即座に日本地図上の表示や報告数の推計グラフなどの集計に反映される。
日本全国はもとより,都道府県,市町村ごとの集計も行う。地域で有志医師が集まれば,当該地域の検出状況を共有できる。
また,日集計・週集計をMLでも配信し,有志医師に迅速に情報を還元できる。
 
西藤院長は「配信メールにはインフルエンザ関連トピックスも掲載する。
有志医師の診療に直結するサービスの提供に努めている」と話す。
 
これまで9シーズンにおける運用状況を見ると,有志医師数,報告件数,平均報告件数のいずれも増加傾向にある。
こうした有志医師による自主的な報告が実際のインフルエンザ流行を正確に反映しているかどうかを検討するため,同DBと現行のIDWRの比較を行った結果,非常に高い相関を示すことがわかった。


#8月に入り報告件数が急増
同DBは通年運用を行っている。今年夏の傾向について,西藤院長は「新型インフルエンザ流行の徴候が明らかであった。
8月に入ってから件数が急増し,例年の10月末〜11月初旬に近い状態であった(図)。
運営を開始してから,こんな現象は初めてである。まさに,津波が押し寄せるような怖さを感じた」と説明する。

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さらに,「有志医師の協力を得て運用を続ける間に,同DBは自主的な報告でも定量性がよいことが確認され,そして質的な情報も迅速に周知が可能なWebプロジェクトになった。通年運用により,国内どの地域でもインフルエンザの発生を最も早く関係者に伝えることができる。有志医師がさらに増えれば,より早期の発見が可能となる」と期待している。


##発生早期から医療従事者の感染防止を
大阪府吹田市では,2009年5月17日に1例目の新型インフルエンザの感染が確認され,その後は日を追うごとに感染者が増加するとともに感染を疑った多くの者が発熱外来に押し寄せ,大きく混乱した。
同市では早急な対応として一般医療機関でも診療を行えるよう医師会に依頼し,吹田市医師会の小谷泰会長(小谷医院院長)は医療従事者用の抗ウイルス薬,迅速診断キットなどの確保を条件に要請を受諾したという。


#182の診療所が協力
2009年4月25日,世界保健機関(WHO)の緊急委員会から,「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」の発表を受け,吹田市では「吹田市新型インフルエンザ対策会議」が開かれ,市の行動計画の第1段階(海外発生期)と位置付け,吹田保健所と吹田市保健センター内に発熱相談センターを設置し,市内の3医療機関に発熱外来を依頼した。
 
5月9日には,海外から帰国した大阪府の高校生ら4人の感染が確認された。同医師会では感染拡大に備え,会員のうち249診療所を対象に診療が可能かどうかを聞くアンケートを行ったが,「可能」は29機関にとどまった。
1週間後の16日に,神戸市で渡航歴のない高校生の感染が確認され,同会議では第2段階(国内発生期)の状況との認識を示した。
ただし,第2段階なら発熱外来で対応できるはずであったが,17日に吹田市で1例目の感染が確認されて以降は感染者が急増。感染を疑う多くの者が発熱外来を受診したことで,外来の対応能力は限界に近付いた。
 
5月20日に市は第3段階(蔓延期)と同様,一般医療機関も診療できるよう同医師会に申し入れた。小谷会長は「他の医師会が一般診療化を行っていない時期で対応に苦慮したが,最終的には発熱外来の機能を生かすために協力体制を構築すべきと考えた」と話す。
もう一度アンケートを行うと,182か所から「診療可能」との回答を得た。意欲を示す医療機関の増加について,同会長は「当医師会では,当時は国内の病原性は高くないこと,H5N1由来高病原性インフルエンザを想定した対応と混同しないことなど,注意を呼びかけるためのポスター配布や正確な情報提供などが会員に理解されたのではないか」と推測した。
 
同医師会では,26日に医療従事者用の治療薬や迅速診断キットなどの確保を条件に市の要請を受諾した。
「受診先は新型インフルエンザ診療に手を挙げてくれた内科や小児科に限らず,眼科や耳鼻咽喉科なども考えられた。治療薬,迅速診断キットなどは医師会の全会員への配布を求めた」(同会長)。
こうして,新型インフルエンザ一般診療が開始された(図)。
現在,患者は増加し続けているが,混乱は見られていない。

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#治療中心への対応切り替えが必要
新型インフルエンザの一般診療化について,小谷会長は「医療従事者感染に特に厳重な対応が必要だ。感染すれば,診療の休止や自身の患者にも感染させて迷惑をかけることになる。医療従事者用の治療薬や迅速診断キットなどを確保しておくべき」と強調する。
また,院内感染防止策については「新型インフルエンザ患者と一般患者との出口と入り口を分ける,または診療時間帯を分けるなどの工夫が求められる。当院では,新型インフルエンザ患者が受診する際は裏口を出入り口とし,院内ではパーティションで仕切られた場所を待合室に設置した」と言う。
 
また,季節性と新型の同時流行が危惧されているが,同会長は「従来の予防中心から治療中心に頭を切り替えるべき。後者は,新型インフルエンザが疑われる者は早期診断したうえでの早期治療・隔離を指す。ただ,オセルタミビルの投与に関しては10歳代の未成年患者には親に説明して承諾が得られれば処方し,服用後2日間は患者の状態を観察するよう指導している」としている。

出典 Medical Tribune 2009.10.1
版権 メディカル・トリビューン社


<コメント>
文中の「オセルタミビルの投与に関しては10歳代の未成年患者には親に説明して承諾が得られれば処方」はザナミビル(商品名 リレンザ)が第一選択の筈です。

<タミフル関連サイト>
#10代にもタミフル、厚労省が例外容認
新型インフルエンザが国内でも流行する可能性が高まっていることを受け、厚生労働省はインフルエンザ治療薬タミフルを、新型インフルエンザ感染が疑われる10歳代にも処方できるとする方針を明らかにした。
30日の衆院厚生労働委員会で、同省健康局の上田博三局長が答弁した。
タミフルを服用した子どもが飛び降りなどの異常行動をする事故が相次ぎ、同省は2007年3月から、原則として10歳代には処方を差し控えるよう、医療機関などに通知していた。
しかし、新型インフルエンザにはタミフルが有効とされ、他に有効な治療法もないため、例外的に使用することを認めることにした。
患者に濃厚接触した子どもに、感染予防のためにタミフルを飲ませることについても、有効性や安全性について十分に情報を提供し、同意を得た上で可能にする考えを示した。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090501-OYT8T00297.htm
読売新聞 2009.5.1
<コメント>
ザナミビル(商品名 リレンザ)の選択肢についてはまったく触れられていません。
「新型インフルエンザ感染が疑われる」という非科学的なあいまいな表現で、従来は原則禁止とした決定を反故にしてしまう。
タミフルを販売している○○製薬への厚労省の天下り官僚がきっといる筈です。

第一、PCR法による確定検査を開放しない理由の説明が今までにありません。
そしてそのことについて何の要望もしない医療側。
とても変です。

新ワクチン:特例承認はダメ
http://www.npojip.org/sokuho/090914.html

<番外編>
医薬品の効能又は効果等における「成長ホルモン分泌不全性低身長症」の呼称の取扱いについて
http://member.nagoya.aichi.med.or.jp/mem/news/ama_news/shiryou/402/01.pdf

新ワクチン:特例承認はダメ
http://www.npojip.org/sokuho/090914.html

悪魔の薬「タミフル」 中外製薬 厚労省課長が天下り
http://blog.goo.ne.jp/warabidaniyuukoku/e/c8bb2398108e5fd80b011d8c69581e36

タミフル販売元へ天下り
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-20/2007032015_01_0.html

タミフル(厚生労働省、中外製薬の疑惑)
http://www.pro-s.co.jp/diary/2007/03/post_74.html

厚労省課長、中外製薬に天下り
http://52480.diarynote.jp/200703202312060000/

新薬担当元課長、タミフル輸入販売の中外製薬に天下り
http://blog.goo.ne.jp/namiki_f/e/7193bf04a2ab58f179e12e0ea5da768a

真夜中の緊急記者会見とタミフル関係官僚の天下り
http://shinka3.exblog.jp/5757475/

タミフルに関する大いなる疑問
http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=41506&pg=20070321

厚生省幹部の天下り
http://mblog.excite.co.jp/user/yakuji/entry/detail/?id=3736652

天下りは必要悪か?
http://out-of-date.info/blog/archives/entry/2006/000591.html

厚労省天下りでタミフルの異常行動
http://blog.livedoor.jp/swamiyoshimi/archives/50044626.html

【厚労省のカルテ】(5)したたかに受け継がれる天下り
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080417/bdy0804170848001-n1.htm

タミフル 中外製薬に天下った厚労省元課長の正体
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/602.html

(いずれもちょっと旧聞に属する内容です)
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by wellfrog3 | 2009-10-04 00:53 | 感染症

オセルタミビル使用に関する注意

##WHOがオセルタミビル使用に関する注意を呼びかけ
世界保健機関(WHO)は9月25日,抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビル)の使用に関する注意を呼びかけた。

#重篤な免疫抑制状態にある人への長期投与,予防投与でリスクが高まる
現在,世界で28例のオセルタミビルに耐性を示す新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)ウイルスが確認されている。
すべての株に同じ変異が見られ,ザナミビルへの耐性は確認されていない。
現在のところ,重篤な症状を示すなどの問題はないが,20例がオセルタミビルの予防投与と関連することがわかっている。
また,6例は重篤な免疫抑制状態にある患者から,4例が治療投与を行った患者から分離されたという。

こうした点を踏まえ,WHOでは,オセルタミビル耐性が出現するリスクの高い症例として
○重篤な易感染性,免疫抑制状態にあり,インフルエンザの病期が長引く患者にオセルタミビルを投与した場合(特に長期間にわたり投与する場合)
○他のインフルエンザ患者と接触後にオセルタミビルの“予防投与”を受けている,または同薬を服用したにもかかわらず症状が発現した場合
を挙げ,これらの症例には注意深く対応するよう呼びかけた。
そして,インフルエンザ重症化のリスクが高い人や合併症のある人がインフルエンザ患者と濃厚接触した場合には,注意深く経過を観察し,症状が見られたら早めに抗ウイルス薬による治療を開始することも選択肢の1つだとしている。

WHOは,今後新型インフルエンザ患者に対する抗ウイルス薬の使用量が増えるにつれ,耐性ウイルスの報告も増加することから,耐性発現に関して早期の臨床試験が望まれると述べている。
出典 MT pro 2009.9.29
版権 メディカル・トリビューン社
<コメント>
昨夜NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で「新型インフルエンザを食い止める」という番組をやっていました。
進藤奈邦子先生。
魅力的で奇麗な先生でした。

WHOメディカルオフィサー・進藤奈邦子
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/090929/index.html

番組では一生懸命感動を伝えようとした演出が鼻についたこともありますが、なんだWHOってこんなレベルなんだと思ったのが率直な感想です。
無防備な格好で新型インフルエンザの重症患者をICUで真剣に聴診する姿。
一体聴診で何を知ろうとしているのでしょうか。
ウイルス性肺炎が聴診で分かるのでしょうか。
少し違和感を感じてしまいました。


##インフルエンザ脳症ガイドラインを改訂
#厚労省研究班,新しい定義・治療方針など示す
厚生労働省(厚労省)のインフルエンザ脳症研究班は2009年9月28日,インフルエンザ脳症ガイドラインの改訂版を公表した。
2005年の作成後,初の改訂で,新たな知見をもとにインフルエンザ脳症の新しい定義,治療方針などを示している。

#脳症と診断される前から「支持療法」を
改訂版では,
(1)けいれん重積型インフルエンザ脳症の病像が明らかになったことなどからインフルエンザ脳症の新しい定義を示した(表),
(2)全身状態の管理を目標にした「支持療法」※を積極的に行う治療法として重要性を強調した,(3)「特異的療法」(抗ウイルス薬,メチルプレドニゾロン・パルス療法,ガンマグロブリン大量療法)について可能な限りエビデンスを追加した,
(4)リハビリテーションとグリーフケアの項に脳症家族の会「小さないのち」の意見をさらに広く取り入れた
―ことなどが主な変更点となっている。

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治療指針としては,支持療法をインフルエンザ脳症と診断される前の段階から十分に行うことを強調。
また,特異的療法におけるオセルタミビルの使用については,脳症自体への治療効果,予防効果は証明されていないものの,速やかに解熱し,病状が改善することを介しての効果が期待されることから,脳症疑いの段階で使用の考慮を推奨している。

研究代表者の森島恒雄氏(岡山大学大学院小児医科学)は,「新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)による脳症の基本的な病態は季節性インフルエンザ脳症と大きな違いはないと考えられる」とし,改訂版の普及,活用を呼びかけている。

※PALS2005に基づいたlife support,けいれん重積状態への対処,体温管理,脳圧亢進の対処,搬送が含まれる。
出典 MT pro 2009.9.28
版権 メディカル・トリビューン社


<参考>
インフルエンザ脳症ガイドライン「改訂版」
http://www.jpeds.or.jp/influenza/influenza090928.pdf


##輸入予定の新型インフルエンザワクチンの中間解析
##国産とどう違うのか
東札幌病院副院長・化学療法センター長 平山 泰生先生
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr090906.html
出典 MT pro 2009.9.29
版権 メディカル・トリビューン社
#研究の背景:アジュバント入り輸入ワクチンの投与回数が議論に
■厚生労働省は新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)ワクチンの接種順位の第1グループとして医療従事者,妊婦および基礎疾患を有する患者,就学前の小児などを挙げ,10月にも任意による国産ワクチン接種を開始することを計画している。
国産ワクチンは免疫増強剤(アジュバント)を使用していないため,2回接種が必要とされている。

第2グループとして10歳代以下の児童や学生,基礎疾患のない高齢者を対象として輸入ワクチンの任意接種を考慮している。
輸入ワクチンに関しては国内で9月16日からノバルティスファーマ社の臨床試験が開始された。
安全性と有効性が追認できれば12月以降に第2グループに投与開始となるが,輸入ワクチンはアジュバントが含まれており1回接種とするか2回接種とするかは議論があり決定していない。
ワクチン供給量は不足しているので1回接種でよいのであれば,接種できる人数が2倍となるメリットがある。

#研究のポイント:1回接種で8割以上が抗体陽性に
■最も頻度の高い局所あるいは全身の副反応は接種部位の疼痛(70%)および筋肉痛(42%)であった。
2人は初回接種後38℃以上の発熱を示した。重篤な副反応は見られなかった。

#考察:輸入ワクチンには不明点も多く,情報提供と市販後調査が重要
■今回紹介したワクチンは国産ワクチンのような有精鶏卵ではなくイヌ腎臓由来の細胞を利用している。
これにより従来4~6か月かかる製造を約1か月早めることが可能になり,欧州数か国で製造承認されている。
また,国産ワクチンでは使用していないアジュバントを使用している。
投与されたアジュバントと抗原は樹状細胞に取り込まれ,所属リンパ節に移動し,T細胞領域で免疫提示をするが,この経路のうちアジュバントは投与局所での抗原の樹状細胞への取り込み促進と,抗原の局所での持続的な提供を強化すると考えられている。
このアジュバント入りワクチンは1997年から海外において季節性インフルエンザで使われており,臨床試験では1万6,000例,一般臨床では4,000万例以上の実績がある。
しかし,大腿四頭筋萎縮など筋短縮症の問題により筋注を取りやめた日本では,欧米と異なり皮下注射となることが予想され,疼痛や腫れはアジュバントにより強くなる可能性が指摘されている。

本研究ではアジュバント非添加ワクチン投与群なども設定されているが,この中間解析では結果は公表されていない。

今回の第 I 相試験の主目的は少人数,短期間における有害事象の検討と至適投与量の決定である。100人への投与では重篤な副反応(有害事象)は認められなかったが,国産ワクチンと同様の安全性かどうかは明らかとは言えない。
国内での接種予定者には,適切な情報提供が必要であろう。

さて,ワクチン1回接種で満足できる抗体保有率の誘導が報告された。
しかし,対象としたのが18~50歳までの成人であり,日本で輸入ワクチン投与が予想される第2グループとしての10歳代以下の児童や学生,リスクのない高齢者への投与でもこれだけの効果が得られるかどうかは明らかではない。
ワクチンの供給量が不足しているなら,輸入ワクチンは原則1回接種でもよいと思われるが,抗体陽性率を検討する市販後調査が必要であろう。

Trial of Influenza A (H1N1) 2009 Monovalent MF59-Adjuvanted Vaccine -- Preliminary Report.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19745215



##新型ウイルスは季節性より感染力が長く続く可能性  カナダの報告
カナダ医師会雑誌(CMAJ)は,9月24日のニュースで新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)のウイルス検出期間が8日間程度と通常の季節性よりも長引く可能性があることを報じた。
調査対象となった症例のうち,8~13%程度で,罹患から8日経過してもなお,インフルエンザ症状が消失しているにもかかわらずウイルスが検出されたという。

#発症後2~4日の社会復帰は時期尚早
ケベック大学病院のGuy Boivin氏らは2009年5~7月までの間にインフルエンザを発症した65家族を対象に調査を実施。
調査に登録された173例に対し,最初に症状が出現してから8日目と10日目の検討を行った。

一緒に調査を行ったGaston De Serres氏(ケベック州立衛生研究所)は「一般的に季節性インフルエンザでは発症から7日以内にウイルスが検出されなくなり,排出が終わると考えられている。
今回の新型ウイルスでも多くの場合は同様だが,8~13%の人では8日経っても検出されることがあるようだ」とコメント。

なお,今回の検討では,10日目の時点で43例のウイルス確定例におけるウイルスの活動は見られなかった。

米疾病管理センター(CDC)をはじめとする各国の衛生担当局では,季節性インフルエンザと同様,新型インフルエンザでも解熱後24時間を待てば社会復帰が可能としている。
しかし,今回の知見から,同氏は「8日目でこれだけの割合の人からウイルスが検出されているとすれば,発症から2~4日後の復帰は時期尚早過ぎる」との見解を示している。
出典 MT pro 2009.9.28
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
#医師会はずし? 長妻厚労相が中医協の「日医」枠削減の方針 
長妻昭厚生労働相は28日、診療報酬の具体的点数を決める中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)について、開業医中心の日本医師会(日医)の代表委員を削減する方針を固めた。
中医協委員は厚労相が任命するが、慣例的に関係団体枠があり、歴代厚労相は日医などの推薦者を追認していた。
 
長妻氏は、診療報酬改定で、自民党を支援する日医が開業医に有利な形で影響力を行使してきたとみており、日医枠の一部を人員不足が深刻な勤務医の団体関係者に振り替えることなどを検討している。
 
厚労省の政務三役会議は同日、中医協の委員構成見直しを協議した。
中医協の定員は20人で、現在は健保組合など支払い側委員7人、日医など診療側委員7人、学識経験者など公益委員6人の3者で構成。
任期は2年で、10月1日で支払い側2人、診療側6人が任期満了となる。
 
平成16年の中医協汚職後の改革で関係団体の委員推薦制が廃止され、3者の定員内で厚労相が委員を任命できるようになった。
だが、実態は団体の意向通りの人選が続き、日医は3人の委員枠を確保している。
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/090928/wlf0909281756001-n1.htm
出典 産経ニュース 2009.9.28 17:54
版権 産經新聞社
<コメント>
任期満了を迎える委員は
▽診療側=竹嶋康弘(日本医師会副会長)、藤原淳(同常任理事)、中川俊男(同)、西澤寛俊(全日本病院協会会長)、邉見公雄(全国公私病院連盟副会長)、山本信夫(日本薬剤師会副会長)
▽支払側=対馬忠明(健康保険組合連合会専務理事)、高橋健二(全日本海員組合中央執行委員)
ということです。
中医協の設置根拠となる社会保険医療協議会法では、委員任命の際、診療側については「地域医療の担い手を適切に代表し得ると認められる者」、支払側については「医療に要する費用を支払う者の立場を適切に代表し得ると認められる者」の意見を、それぞれ配慮することが定められています。
当然診療側からも委員が出る筈ですが、「日医枠の一部を人員不足が深刻な勤務医の団体関係者に振り替える」という発想も何だか短絡的なような気もしますが。
いずれにしろ政権与党に日医がどのように見られているかははっきりしました。


#深まる日医の苦悩 民主党シフトか否かで路線対立に発展も
自民党の有力支持団体である日本医師会(日医、唐沢祥人会長)が、民主党支持にシフトするかどうかで大きく揺れている。
鳩山政権の「日医外し」の動きに、発言力低下を危惧しているためだ。
自民党支持団体の象徴ともいえる日医が民主党に舵を切ることになれば、来夏の参院選への影響は計り知れない。
「民主党各議員に対して党幹部から『日医執行部とは会うな』との指示が出ているようだ」。
9月上旬、日医幹部は医療関係者との会合で、ため息交じりにつぶやいた。
 
8月の衆院選では一部地方医師会が民主党支持に回ったが、日医全体では自民党支持を明確にし、民主党の政策批判を展開した。
 
当然のことながら、民主党は反発。
選挙後、唐沢氏は鳩山政権にも政策提言したい意向を示すが、民主党医療関係議員の一人は「自民党ベッタリの日医の意見を、政策に反映させることは政党の信義としてあり得ない」と切り捨てる。
 
民主党とのパイプが築けないことに日医の動揺は広がっている。
来年の診療報酬改定において開業医の立場を反映させるためには鳩山政権との関係改善が急務だからだ。
「民主党政権が4年も続けば、日医は完全に発言力を失う」(日医幹部)との懸念も膨らむ。
 
「今後は自民党だけでなく、国会の議席数に応じて政治献金の配分を決めるべきだ」。
15日に行われた日医の政治団体・日本医師連盟の執行委員会では献金先の見直し提案が出された。
来年の参院選についても、自民党比例代表で出馬予定の西島英利参院議員(61)を「選挙区からの無所属とするか、擁立を白紙に戻すべきだ」との声が上がった。
 
医療費削減を続けてきた自民党に不満を抱いてきた会員も少なくない。
日医会長選が来年4月に迫り、政治路線対立はさらに激しさを増しつつある。
 
日医の前回参院選における集票は約18万6千票だが、各選挙区での存在感は小さくない。
民主党シフトとなれば、他団体の“自民党離れ”に拍車がかかる可能性もある。
参院選で与党を過半数割れに追い込みたい自民党にとっては大打撃だ。
「民主党が自民党支持団体に手を突っ込み始めたということだが、去る者を止める手立てもない」(自民党厚労族議員)との恨み節も聞こえる。
 
一方、日医には「自民党とは長い付き合いがある。支持政党をコロコロ変えては世間の信頼を失う」との意見も強い。
自民党支持の堅持か、民主党へのシフトか、それとも政治活動からの撤退か。
「医師会がバラバラになることが最悪の選択肢だ。そうなれば医療政策は政治に翻弄され続ける」(日医幹部)。
日医の苦悩は深まっている。
出典 MT pro 2009.9.25 19:37
版権 メディカル・トリビューン社
<コメント>
「政治活動からの撤退」も選択肢にあるのなら是非この選択も考えていただきたいものです。
それにしても現医師会長の唐沢氏の3選出馬表明。
その神経がわかりません。
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by wellfrog3 | 2009-09-30 00:36 | 感染症

呼吸器感染症の感染拡大防止策

<b>「飲む」,「打つ」より「洗う,着ける」が効果的?
呼吸器感染症の感染拡大防止策に関するシステマティックレビュー
 
コクラン・コラボレーション(イタリア)急性呼吸器感染症グループのTom Jefferson氏らが呼吸器感染症を引き起こすウイルスの伝播を防ぐには,手洗いやマスクによる物理的な感染拡大防止策が有効であることをBMJ 9月21日オンライン版に報告した。
なお,同氏らはワクチンや抗ウイルス薬の感染拡大防止効果は限定的との見方を示している。

手洗いとマスク,グローブ,ガウンの併用でオッズ比0.09に
検証に当たり,コクランライブラリーやMEDLINEなどの医学文献データベースから,インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)など,急性呼吸器感染症を引き起こすウイルスの感染拡大防止に関する59試験(58報の論文)が選定された。

Jefferson氏らは,これらの対象論文から,動物-ヒト,ヒト-ヒト間を問わないすべての物理的感染防止策(隔離,検疫,学校閉鎖などの社会的隔離,隔壁,マスクやガウン着用などの個人的防護,手洗い)の効果を解析。ワクチン,抗ウイルス薬に関するものは除外した。

1日に10回以上の定期的な手洗い〔オッズ比(OR)0.45,95%信頼区間(CI)0.36〜0.57,Number Needed to Treat(NNT)=4,95%CI 3.65〜5.52〕,マスク(OR 0.32,95%CI 0.25〜0.40,NNT=6,95%CI 4.54〜8.03)やグローブ(OR 0.43,95%CI 0.29〜0.65,NNT=5,95%CI 4.15〜15.41),ガウンの着用(OR 0.23,95%CI 0.14〜0.37,NNT=5,95%CI 3.37〜7.12)はあらゆる急性呼吸器疾患に対しても有効であった。
また,これらすべての組み合わせによる相乗効果も確認された(OR 0.09,95%CI 0.02〜0.35,NNT=3,95%CI 2.66〜4.97)ほか,家庭内でのインフルエンザ感染防止にも有効であったという。

なお,N95マスクはサージカルマスクよりも感染防止に優れるが(OR 0.09,95%CI 0.03〜0.30,NNT=3,95%CI 2.37〜4.06),付け心地が悪く高価であるほか,皮膚の不快感を引き起こすなどの問題があると同氏らはコメントしている。

通常の手洗いに殺菌剤を加えた場合の効果については,はっきりしなかった。
検疫に関しては適切に評価した試験がない,社会的隔離については限定的ながらエビデンスが示された,という結果であった。

また,2003年2~6月にSARSに関して中国,シンガポール,ベトナムで報告されたケースコントロールスタディからプール解析を行い,それぞれの感染拡大防止策を評価したところ,有効性(1-ORで算出)は完全殺菌が70%,頻回の手洗い(10回以上/日)が55%,マスク着用68%,ガウン着用が77%,N95マスク着用が91%であった。
一方,手洗い,マスク・ガウン着用の併用で91%と高い有効率を示した。

WHOの新型インフルエンザ予防のガイダンスにも手洗いとマスク着用はほとんど登場せず Jefferson氏らは,既に,2007年に同様のシステマティックレビューを行い,呼吸器感染症の流行を防ぐには手洗いやマスク,グローブやガウンの着用による感染拡大防止策が高い効果をもたらすことを報告している。

今回のレビューにおいて,同氏らはワクチンと抗ウイルス薬を「強いエビデンスがないにもかかわらず感染拡大防止策としておもにこの両者が推奨」,「有効性と,服用や接種で受ける侵襲,それぞれの評価に不均衡がある」と指摘している。
そして,ワクチンについては「少なくともそれを必要としている人,すなわち健康な人には最も効果が高い」としたほか,抗ウイルス薬については副作用があり,便益性は抗インフルエンザ薬の種類により異なるとしている。
同氏らは2006年,各種抗インフルエンザ薬のシステマティックレビューで「ノイラミニダーゼ阻害薬は,大流行期に他の感染拡大防止策と合わせた場合にのみ用いるべき」と結論付けている(Lancet 2006; 367: 303-313)。

一方,物理的な感染拡大防止策はウイルスによる感染症を非特異的に防止でき,効果的,安全,フレキシブルで安価だとしている。

なお,同氏らによると,世界保健機関(WHO)が今回の新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)の世界的流行が始まってから発表したガイダンスのうち,手洗いとマスクに関するものは2回,グローブとガウンに関するものは1回ずつだったという。
それに対し,ワクチンと抗ウイルス薬についてはそれぞれ24回,18回もガイダンスがあったとし,世界の感染症制御をつかさどる大本営にもチクリと“解析”を加えた。

同氏らは,物理的感染防止策の最大の問題はコンプライアンス不良とし,国家レベルでの手洗いプログラムの実行や,マスクなど防護具の着け心地を向上させるための取り組みも必要ではないかと結論を述べている。

出典 MT pro 2009.9.24
版権 メディカル・トリビューン社
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by wellfrog3 | 2009-09-28 00:11 | 感染症

小児における新型インフルエンザの臨床像

##新型インフルエンザの小児における臨床像 国立感染研がまとめ
9月16日,国立感染症研究所感染症情報センター(IDSC)は,現時点での米疾病管理センター(CDC)の報告などから,小児における新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)の臨床像をまとめ,ホームページに掲載した〔感染症情報センターパンデミック(H1N1)2009〕。

#重症化の7徴候に注意を
IDSCによると,新型インフルエンザでも,季節性インフルエンザ同様,5歳以下の乳幼児および基礎疾患のある児では合併症を来す可能性があると注意喚起している。

また,重症化の7徴候として
(1)頻呼吸や呼吸困難,
(2)蒼白,チアノーゼ,
(3)水分摂取不良,
(4)頻回の嘔吐,
(5)意識あるいは意思疎通不良,
(6)機嫌が悪く,抱っこされることを嫌がる,
(7)インフルエンザ様症状は治まったが,再び発熱し,咳が悪化
-を挙げ,これらの症状が見られる場合は注意するよう呼びかけている。

治療に際しては,現時点ではオセルタミビル,ザナミビルを用いることとし,投与量は季節性に準じるとの指針を示している。
オセルタミビルの使用については,「10代の季節性インフルエンザ患者に対するリン酸オセルタミビルの使用と異常行動に関しては,明らかな因果関係が否定されておらず,現在でも国内において使用が制限されている」としながらも,臨床上の必要性が危険性を上回る場合,1歳未満の乳児に関しても厳重な監視下での投与は妥当としている。
一方,吸入薬のザナミビルは「5歳以上で日本の健康保険適応となっている」と記されている。
 
なお,ワクチンに関する記述は今のところない。

小児に多く発症する脳症に関しては,現在,新型インフルエンザ感染後の脳症が国内で7例報告されており,IDSCでは季節性と同じく気道感染から神経合併症を発症しうるとしている。
また,発症した場合には季節性同様,全数把握対象疾患として届け出が必要だという。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090954.html

出典 MT pro 2009.9.16
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>
#国内発生新型インフルエンザ脳症の詳細な臨床経過
臨床症状と合致して脳梁膨大部に一過性の病変
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090938.html
■国内2例目となる新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)脳症の詳細な臨床経過が,国立病院機構栃木病院(感染アレルギー科)医長の山口禎夫氏らによって公表された。
症例は7月に栃木県で報告された11歳女児で,臨床症状と合致して脳梁膨大部に一過性の病変が確認されたという。
■重積する痙攣にジアゼパム静注,ステロイドパルス療法で対処。
出典 MT pro 2009.9.11
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
##やればできる?!麻疹ワクチン接種率が軒並み90%台を突破
国立感染症研究所は昨日(9月15日),全国の2008年度(2008年4月1日~2009年3月31日)の麻疹ワクチン接種率の最終評価結果を発表した。

麻疹排除の目安となる2回目(第2期:5~7歳未満相当)のワクチン接種率95%以上を達成した都道府県は,2007年,秋田県1県だったが,今回は同県を含む9県に増加。
厚生労働省(厚労省)が実施している麻疹排除計画の効果が現れており,2009年の累計患者数も前年に比べ1万例以上減少している。

#95%以上が9県,80%台は東京,大阪含む5都府県のみ
2007年度,第2期の接種率が95.8%となった秋田県は,今回97.3%とトップの座を守った(「表II-2. 2008年度第2期麻しんワクチン接種率 昨年度との比較」参照)。秋田県は,2006年に大館市で起こった麻疹大流行を教訓に,小児科医会や関係機関が積極的に麻疹制圧に取り組んできた。

今年(2009年),県が制作,発行した「麻しん排除へ-平成19年度秋田県麻しん制圧の記録-」によると,当時の大流行直後から,一般的に接種対象とならない生後6か月~1歳未満の乳児への麻疹ワクチン接種を推奨したほか,ワクチン未接種者への費用助成,学校保健法の適用による未接種者の出席停止という日本ではあまり例のない措置を実施したという。

また,山形県,福井県,佐賀県は接種率の向上が課題とされていた第3期(中学1年生相当),第4期(高校3年生相当)も軒並み90%を超える高い接種率を記録した。

さらに,今回で第2期の接種率が90%を超えた県も17にのぼった一方で,大阪府は前年比約8ポイント上昇したものの88.8%となった。東京都は88.3と前年の87.1%より微増にとどまった。
第2期の接種率が80%台となったのは,2007年度は32都道府県であったが,今回は大阪,東京のほか高知県,鹿児島県,沖縄県の5都府県のみとなった。

#昨年より患者数が1万例以上激減
なお,昨年1~12月の全国麻疹累計患者数は1万1,007例であったのに対し,同センターの週報によると,今年1月~9月9日までの累計患者数は604例にまで激減,2008年からの全数把握調査の開始や学校での定期接種勧奨の成果が早くも現れた格好だ。

同研究所の多屋馨子室長は,今回の結果は評価できるとしながらも,麻疹の排除には第1期,2期両方の接種率が95%を超えること,また,過去に定期接種の機会が1回しかなかった第3期,4期の接種率のさらなる向上が課題と指摘。
「これらの点がクリアされないと数年後また流行の波がくるだろう」とコメントしている。

第3期,4期の2回目接種については,2008年4月から5年間の期限付きで定期接種の対象とする暫定措置が取られている。

国立感染症情報センターでは今回の最終評価結果のほか,麻疹排除に関する各自治体の取り組み事例をホームページで公開している。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090953.html

出典 MT pro 2009.9.16
版権 メディカル・トリビューン社


<きょうの一曲>
A Norah Jones - Are you lonesome (Elvis tribute)
http://www.youtube.com/watch?v=5NHLsrWAw9k&feature=related
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by wellfrog3 | 2009-09-25 00:59 | 感染症

アジュバント非含有インフルエンザワクチン

##アジュバント非含有インフルエンザワクチンは2009H1N1ウイルスに対する予防効果をもたない可能性
#アジュバントを含有しない最近の季節性インフルエンザワクチンの接種は、どの年齢群においても、2009 H1N1ウイルスへの交差反応性抗体反応をほとんど誘発しない
アジュバントを含有しない最近の季節性インフルエンザワクチンは、世界的に流行しているH1N1ウイルス(2009H1N1)に対する予防効果をもたない可能性があるという研究結果が、『New England Journal of Medicine』9月10日号オンライン版に報告されている。

「新しいインフルエンザA(H1N1)ウイルスが出現して世界的に流行し、主に若年者において疾患が地球規模で拡がっている」と米疾病対策センター(CDC)米国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)インフルエンザ部門(ジョージア州アトランタ)のKathy Hancock, PhDらは記している。
「我々はヒトにおける既存の免疫力を見極め、季節性ワクチンの戦略を評価するため、以前のインフルエンザ感染またはワクチン接種により生じる本パンデミック・ウイルスに対する抗体反応を様々な年齢群で測定した」

研究者らはマイクロ中和法を用い、献血者または最近の季節性インフルエンザワクチンまたは1976年豚インフルエンザワクチンの接種者から得た保存血清検体において、2009年H1N1ウイルスに対する交差反応性抗体の力価を定量した。

2009年H1N1ウイルスに対する既存の交差反応性抗体の力価が40以上であった人は、1980年以降に生まれた107名中4名(4%)であった。
これとは対照的に、1950年以前に生まれた115名中39名(34%)では、抗体価が80以上であった。

季節性の三価不活化インフルエンザワクチンの接種後、2009年H1N1ウイルスに対する交差反応性抗体のレベルが4倍以上に上昇した人は、生後6カ月-9歳の小児55名にはおらず、18-64歳の成人231名では12-22%、60歳以上の成人113名では5%以下であった。
交差反応性抗体反応は、アジュバントを含有する季節性ワクチンにより改善しなかった。
成人の場合、A/New Jersey/1976豚インフルエンザワクチンの接種により、2009 H1N1ウイルスに対する交差反応性抗体の大幅な増加が認められた。

「アジュバントを含有しない最近の季節性インフルエンザワクチンの接種は、どの年齢群においても、2009 H1N1ウイルスへの交差反応性抗体反応をほとんど誘発しなかった」と本研究の著者らは記している。
「30歳未満の人では、このパンデミック・ウイルスに対する交差反応性抗体の証拠がほとんど認められなかった。しかし、一部の高齢者では、既存の交差反応性抗体が認められた」

本研究の限界としては、小児試験の検体数が比較的少なかったことが挙げられる。

「依然として明確なのは、年齢群を問わず、ウイルス株に特異的なパンデミック・ワクチンの開発が、2009 H1N1ウイルスへの最適な予防につながるという点である」と本研究の著者らは記している。
「様々な年齢群の人に十分な免疫を付与するには1回または2回のワクチン接種が必要なのか、また、連続変異株の出現やワクチンの節約効果を踏まえ、アジュバントの使用により2009 H1N1ウイルスへの免疫反応が拡大できるかという問題については、現在進行中の臨床試験の結果で最終的に判断できるであろう」

本研究はCDCの支援を受けた。本研究の著者の一部は、GlaxoSmithKline社および/またはJuvaris BioTherapeutics社と様々な金銭的関係があることを公表している。

N Engl J Med. Published online September 10, 2009.

Medscape Medical News 2009. (C) 2009 Medscape
http://www.m3.com/news/SPECIALTY/2009/9/17/107890/

2009年9月17日 提供:Medscape
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by wellfrog3 | 2009-09-23 00:44 | 感染症