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カテゴリ:精神科( 3 )

非定型うつ病

最近増えているという「非定型うつ病」とは

◆最近増えているという「非定型うつ病」とは。

◇感情の起伏激しく----ささいなことで落ち込み/好きなことでは気分改善
◇仕事は続け、規則正しい生活や運動を

ここ数年、同じ症状で受診する20-30代の女性が増えているという。

うつ病は大きく
(1)メランコリー型
(2)非定型
(3)その他(季節性、産後など)
に分類できる。

うつ病と聞いて一般的に浮かぶタイプは、食欲不振や不眠などの症状が著しいメランコリー型だ。対照的に、非定型は過眠や過食が多く、ささいなことで急に落ち込むが、自分の好きな事では気分が良いなど、感情の起伏が大きい。

メランコリー型とは違う薬が効くうつ病として半世紀前に認識されたが、世界的な診断基準に明記されたのは94年。
単なるわがままとも受け止められ、医師の間でも病気という認識が広まらなかった、とある精神科医は解説する。

患者の特徴として、幼少期に満足できる愛情を受けられず、自信がなく不安が強いタイプと、親の過保護の下でストレスなく育ち、社会に出て落差につまずくタイプが多い。
近年目立ってきた理由として、現代はIT(情報技術)が浸透し、顔を合わせたコミュニケーションが少なくなっているといったような社会の影響が考えられる。

メランコリー型は休職も必要。
しかし、非定型の場合、多少つらくても頑張って仕事に行き、規則正しい生活を送ることが重要。周囲には優しい言葉で接してほしいが、本人が悪い場合はきちんと指摘し、時には励ますことも大事である。

    *

NPO法人「不安・抑うつ臨床研究会」代表の貝谷(かいや)久宣医師は「非定型うつはパニック障害と併発したり、その後に症状が表れることが多い。パニック障害の増加に伴い増えているように感じる」と話す。
自らの診察経験では「うつ病患者の約4割が非定型ではないか」と推測する。

非定型の人は、対人関係で拒絶されたと感じると、過敏に反応してしまいがちだ。
例えば上司に「この文章を少し直して」と注意されただけでひどく落ち込み、社会生活に支障をきたす。
夕方以降に激しい不安や孤独を感じ、涙が止まらなくなったり、リストカットなどの行動に出る人も多い。この「不安・抑うつ発作」の時に、過去に傷ついた経験などがよみがえることもある。

どんな治療が効果的なのか。
貝谷医師は非定型うつ病の人とそうでない人に同じ作業を行ってもらい、思考の中心となる前頭葉の働きを調べた。
すると、非定型の人は血流があまり増えないことが分かった。このため「前頭葉の働きを高めることが有効と考えられる。
認知行動療法に加え、運動や腹式呼吸をする瞑想(めいそう)なども効果的」という。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/07/31/105154/?Mg=fc6f983c9c220095407598169e8ad37c&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag

出典 毎日新聞 2009.7.31(一部改変)
版権 毎日新聞社



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by wellfrog3 | 2009-08-16 00:07 | 精神科

新世代抗うつ薬のメタ解析

抗うつ薬は等しくない―新世代抗うつ薬のメタ解析
東北大学病院精神科 松本和紀先生

背景:
台頭する新世代抗うつ薬―有効性や忍容性に違いはあるのか?
 
■抗うつ薬の主流が,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI),セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などの新世代の抗うつ薬へと切り替わり,日本においても,フルボキサミン,パロキセチン,ミルナシプラン,セルトラリンの4種類が現在市販されている。

■国際的には,さらに多くの種類の新世代抗うつ薬が発売されており,日本でも新たに発売が予定されている薬剤もある。
これらの新世代の抗うつ薬の有効性や忍容性に違いがあるのか否かについては,臨床家のみならず患者にとっても大きな関心事である。

■Lancet 1月28日オンライン版)では,multiple-treatments meta-analysisという,最新のメタ解析の手法を用いて,12種類の新世代抗うつ薬が比較検討された。

研究の方法:
12種類の新世代抗うつ薬のランダム化対照試験をメタ解析
 
■本研究では,成人の単極型大うつ病の急性期治療において,日本で現在市販されているフルボキサミン,パロキセチン,ミルナシプラン,セルトラリンのほか,bupropion,citalopram,duloxetine,escitalopram,fluoxetine, mirtazapine,reboxetine,venlafaxineを含む12の新世代の抗うつ薬のいずれかが比較されたランダム化対照試験のデータが解析に用いられた。

■急性期治療は8週間と定義され,8週間のデータが得られない場合には,6~12週間のデータが用いられた。
急性期治療の有効性と忍容性の推定値として最も一貫して報告される反応率と脱落率をプライマリ・アウトカムとした。

■本研究における“反応”は,客観的抑うつ評価尺度において最低50%以上得点が改善した患者,または臨床的全般改善度(CGI)で“大きな改善”“非常に大きな改善”と得点された患者の割合と定義した。
治療からの脱落は,いかなる理由であれ8週間以内に治療を終了した患者の数と定義した。治療への反応者はintention-to-treatに基づいた。

■候補となる345の研究から,基準に該当するか否かが検討され,最終的に本研究の基準に該当する1991~2007年に発表された117の治験が解析に用いられた。
ほとんどの治験(63%)は,北米と欧州で行われたものであった。
全体として,2万5,928人が12種類の抗うつ薬のいずれかに割り付けられ,約3分の2の参加者は女性であった。研究の平均期間は8.1週で,平均サンプル数は各群109.8人であった。
85の研究は2群から成り,23の研究は2つの薬剤を用いた3群から成った。

研究の結果と結論:有効性と忍容性のバランスからescitalopramとセルトラリンが推奨
■12種類の薬剤間には,有効性と忍容性において違いがあった。有効性においては,mirtazapine,escitalopram,venlafaxine,セルトラリンが,duloxetine, fluoxetine,フルボキサミン,パロキセチン,reboxetineよりも優れていた。忍容性においては,escitalopram,セルトラリン,citalopram,bupropionが他の新世代抗うつ薬よりも忍容性に優れていた。

■著者らは,有効性と忍容性とのバランスから,中等度から重度の大うつ病の治療を始める際の第一選択肢としてescitalopramとセルトラリンを推奨している。

■本研究で用いられたメタ解析法は,商業的関心と結び付いたスポンサーシップ・バイアス(JAMA 2003; 289: 454–465)のリスクを減らす利点があり,より公平に薬剤間の違いを評価できるという。

考察:
臨床の現場では各種要因を加味し,患者ごとに対応すべき
■今回の結果は,新しい統計解析手法を用いて,薬剤の優劣を一定の視点から客観的に明らかにした点で,画期的である。
しかし,当然のことながら,研究の限界についても十分に検討しておくべきであろう。

■今回の結果は,急性期(8週間)の大うつ病の解析のみから得られた結果であり,その後の中・長期間の影響については,明らかにされていない。
また,薬剤の効果と副作用には個人差も大きく,実際の臨床の現場では,不安障害やパーソナリティ障害の併存の有無や身体合併症の有無,あるいは臨床像の特徴などさまざまな要因を加味する必要があり,個々の患者ごとに薬剤の有効性と忍容性の順位に違いがあるものと思われる。

■今後は,新世代抗うつ薬の薬剤間の違いに関する情報にさらに関心を向け,個々の患者の処方を組み立てる際の参考にすることが大切であろう。

出典 MTpro 2009.2.13
版権 メディカル・トリビューン社

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by wellfrog3 | 2009-03-06 00:27 | 精神科

第2世代抗うつ薬の診療ガイドライン

うつ病治療に用いられる第2世代抗うつ薬の診療ガイドライン
Second-Generation Antidepressants to Treat Depression: Clinical Practice Guideline


米国内科学会(American College of Physicians:ACP)は、うつ病性障害を有する患者の治療に第2世代抗うつ薬を使用する場合の診療ガイドライン(http://www.annals.org/cgi/content/full/149/10/725)を作成した。
ACPの推奨は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor:SSRI)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(serotonin norepinephrine reuptake inhibitor:SNRI)、選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬を含む12種類の抗うつ薬に関する203件の研究の系統的レビューに基づいている。

大うつ病治療における抗うつ薬の有効性に差異はみられなかったが、特定の有害事象の発生率に差異がみられた。
たとえば、悪心および嘔吐はSNRIであるvenlafaxineでSSRIよりも多くみられた。
他の有害事象はさまざまな薬物に関連していた。
sertralineでは下痢、mirtazapineでは体重増加、trazodoneでは眠気、paroxetineとvenlafaxineでは断薬症候群(discontinuation syndrome)、paroxetineとbupropionでは性機能障害がみられた(paroxetineで多く、bupropionで少なかった)。
SSRIは(プラセボと比べて)自殺企図に関連している。
気分変調性障害または大うつ病の基準以下のうつ病性障害(subsyndromal disorder)を有する患者の治療を比較するのに十分なデータは得られなかった。

ACPの推奨は以下のとおりである。
■有害作用プロフィール、費用、および患者の選好を踏まえた上で、急性大うつ病に対して第2世代抗うつ薬を選択すること。
■反応および有害作用の定期的評価を、治療開始後1~2週目から開始すること。
6~8週の時点で反応が不十分である場合は、治療を修正すること。
■良好な反応を得てから4~9ヵ月間は治療を継続すること(大うつ病エピソードが2回以上みられる患者では、それより長期とする)。

コメント:
これらの薬物療法にはそれぞれに異なる副作用があり、同程度の効力を有することがエビデンスによって示された。
このガイドライン(およびその根拠とされるエビデンス)は、最初の薬物選択を容易にするものではないが、治療に対する反応を評価すること、および適切な用量と治療期間を守ることに重点を置いているのは適切である。

— Richard Saitz, MD, MPH, FACP, FASAM
Published in Journal Watch General Medicine December 4, 2008

Citation(s):
Qaseem A et al. Using second-generation antidepressants to treat depressive disorders: A clinical practice guideline from the American College of Physicians. Ann Intern Med 2008 Nov 18; 149:725.

Gartlehner G et al. Comparative benefits and harms of second-generation antidepressants: Background paper for the American College of Physicians. Ann Intern Med 2008 Nov 18; 149:734.

2008 December 04

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by wellfrog3 | 2008-12-27 00:18 | 精神科