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文科省と厚労省の医学教育の方針は矛盾

厚労省「専門医・家庭医のあり方」班会議
「文科省と厚労省の医学教育の方針は矛盾している」

全国医学部長病院長会議会長・岩手医科大学学長の小川彰氏が指摘

厚生労働省の「医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期研修制度)のあり方に関する研究」班会議の4回目の会議が11月19日、開かれた。
今回は全国医学部長病院長会議会長で岩手医科大学学長の小川彰氏、山形大学医学部長の嘉山孝正氏が参考人として出席し、新しい研修制度の導入が地方の医療にどのような影響をもたらしたかを説明した。
それを基に家庭医をどのように定義するか、医師の地域・診療科の偏在をどうするかについての議論が行われた。

小川氏は臨床研修制度の義務化の負の影響として、研修医を研修に専念させたことで若手・中堅医師の業務負担が増え、医師不足を加速させたこと、地域医療を崩壊させたこと、医師の志望する診療科の偏りが拡大したことを挙げた。

また医学教育の問題点として卒前・卒後の医学教育に一貫性が欠如していることを指摘。
文部科学省の「6年間で一人前の医師をつくる」という方針と、厚生労働省の「大学の教育だけでは不十分なので研修が必要」という方針は矛盾しており、医師の教育制度に一貫性を持たせる必要があるとした。

具体的な方策として学生の診療参加型の臨床実習を充実させること、卒業到達目標と評価の義務づけによる国家試験を見直すこと、専門研修の導入時期とその位置づけを見直すことを提案した。

この説明に対して国立成育医療センター総合診療部長の阪井裕一氏は「新しい研修制度の導入によって地方の医療が崩壊したと言われるが、これまでの問題点が顕在化したのではないか。従来の制度の方が医師や患者にとって良かったのか」と述べた。

小川氏は「導入前は医師の約7割が自分の出身大学に残っていた。しかし、現在は医師の配置が全くコントロールされていない。そのため、医師の偏在がよりひどくなってしまった」とした。

また、小川氏は「現在、家庭医とは何かというきちんとした定義がない。理想の家庭医とは自ら専門性を持ちながら日常の診療や救急処置ができて、そして適切な臨床判断ができるというものではないか。まず家庭医についての共通認識を持つことが必要だ」と述べた。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200811/508607.html
出典 NM online 2008.11.20
版権 日経新聞社



<コメント>
発言には、その方の肩書きも押さえておくべきです。
大学人は大学人の、国立大学は国立の、私立大学は私立の立場での発言となります。
国立病院しかりです。

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by wellfrog3 | 2008-12-31 00:23 | 医学教育

治癒をもたらしうる医師‐患者関係の築き方

治癒をもたらしうる医師‐患者関係の築き方
How to Build Relationships That Can Heal
2008 December 04

良好な医師‐患者関係は、患者の健康行動(health behaviors)によい影響を与えることができ、それ自体が治療効果を持ちうる。
この研究では、患者との良好な関係の維持においてとくに優れていると同僚から評価された医師40人、および医師ではない補完医療者(complementary-medicine clinicians)10人に対し、面談による質的研究を実施した。
臨床医がどのようにして患者との間に治療的な関係を築きそれを維持するかを話す間に、以下の8項目が明らかになった。

細かいことを疎かにしない(笑顔、握手など)。
患者の話をじっくり聞く。
隠し事をしない(Be open)。
好きなところ、愛すべきところを見つける(患者に関心を持つ)。
障壁を取り除く(医師と患者の力の不均衡を認識する、患者との間の物理的な障害物を取り除くなど)。
患者に説明させる。
対等な立場を築く(許可を求める、患者の自律性を支持するなど)。
患者に関わろうとし、患者の信頼を得る(患者を見捨てないなど)。

コメント:
われわれは、診療の指針として大規模な定量的研究に注目しがちであるが、ときに、患者ケアの核心に焦点を当てた、注意深い、詳細な定性的な視点からも、非常に多くを得ることがある。この研究はその一例である。
この研究者らは、患者と医師の双方に役立つ、重要な臨床的技能のいくつかを明らかにした。

— Richard Saitz, MD, MPH, FACP, FASAM
Published in Journal Watch General Medicine December 4, 2008

Citation(s):
Churchill LR and Schenck D. Healing skills for medical practice. Ann Intern Med 2008 Nov 18; 149:720.

Medline abstract (Free)



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by wellfrog3 | 2008-12-30 00:20 | 感染症

insulin:多くの選択肢とわずかな相違

insulin:多くの選択肢とわずかな相違Insulins: Many Options, Few Differences
2008 November 18

多くの2型糖尿病患者では、血糖コントロールを達成するために、経口薬に加えていずれはinsulinが必要となる。作用時間がさまざまなinsulinアナログが利用可能であるが、これらが旧来のinsulin製剤より優れているというエビデンスはわずかである。2件の研究で、2型糖尿病に対するinsulinの使用が検討されている。

イタリアのランダム化非盲検試験では、(一定量のmetforminとsulfonylureaを投与されているにもかかわらず)コントロールされていない2型糖尿病の成人116人に対し、現在の治療に加え、insulin glargine(持続型)またはneutral protamine lispro(NPL、中間作用型、米国では使用できない)のいずれかを就寝時に追加で単回投与した。36週間後、両群の血糖コントロールが有意かつ同等に改善し、各群の約70%(67~74%)の患者が軽度の低血糖イベントを1回以上報告した。

系統的レビューでは、混合型insulinアナログ(速効型insulinアナログと、その中間作用型のprotamine型を組み合わせたもの)と、2型糖尿病に対するその他の薬剤を比較した43件のランダム化試験が特定された。混合型insulinアナログは混合型ヒトinsulin(neutral protamine Hagedorn[NPH]など)に比べ、食後血糖値の低下に有効であったが、空腹時血糖値と糖化ヘモグロビン(HbA1c)値、および低血糖に対する作用は同等であった。混合型insulinアナログ(insulin aspart 70/30またはinsulin lispro 75/25など)は、混合型ヒトinsulin(NPH/レギュラー70/30など)に比べ、HbA1c値と食後血糖値の低下に有効であったが、持続型アナログは空腹時血糖値をより低下させ、低血糖を伴うことがより少なかった。また、混合型insulinアナログはinsulin以外の糖尿病薬に比べ、空腹時血糖値、食後血糖値、HbA1c値の低下に効果的であるが、低血糖の発現頻度が高かった。

コメント:血糖コントロールは、glargineとNPL insulinについては同等であり、混合型insulinアナログはその他の薬物より全般的に良好であったが、混合型アナログは低血糖のリスクが高いようであった。しかし、臨床アウトカムに対する相対的な効果を決定するにはデータが不十分である。エディトリアル執筆者は、混合型アナログはより簡便であるが、費用がより高く、投与時期と用量の変更の点で融通が利かないことを指摘している。また、NPHを妥当かつ費用効果的な選択肢とし、夜間の低血糖が問題となる場合は、代わりの選択肢として持続型アナログを併用することを推奨している。

— Richard Saitz, MD, MPH, FACP, FASAM
Published in Journal Watch General Medicine November 18, 2008

Citation(s):
Esposito K et al. Addition of neutral protamine lispro insulin or insulin glargine to oral type 2 diabetes regimens for patients with suboptimal glycemic control: A randomized trial. Ann Intern Med 2008 Oct 21; 149:531.
Medline abstract (Free)

Qayyum R et al. Systematic review: Comparative effectiveness and safety of premixed insulin analogues in type 2 diabetes. Ann Intern Med 2008 Oct 21; 149:549.
Medline abstract (Free)

Majumdar S and Barrett E. Newer insulins in search of a niche. Ann Intern Med 2008 Oct 21; 149:586.
Medline abstract (Free)

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by wellfrog3 | 2008-12-29 00:16 | 糖尿病

レニン-アンジオテンシン遮断による糖尿病性網膜症の予防

レニン-アンジオテンシン遮断による糖尿病性網膜症の予防は可能か?
Can Renin-Angiotensin Blockade Prevent Diabetic Retinopathy?

レニン-アンギオテンシン系の遮断によって、1型糖尿病患者の網膜症の発症率と進行が低下する可能性があることを示唆するエビデンスがある。
このメーカーの支援を受けた研究では、3つの同時に進行する試験において非増殖性糖尿病性網膜症の成人患者3,810人(半数は1型糖尿病で、半数は2型糖尿病)と網膜症を伴わない1型糖尿病の成人患者1,421人を登録した。
患者をcandesartan(32mg)の連日投与またはプラセボにランダムに割り付け、約5年間のフォローアップを行った。
定期的に撮影した網膜写真を標準的な11段階の網膜症尺度で評価した。

2型糖尿病患者では、3段階以上の網膜症の進行は、有意ではないもののcandesartan群のほうがプラセボ群より少なかった(17%および19%、P=0.2)。
3段階以上の網膜症の回復を示した患者はcandesartan群で有意に多かった(副次的評価項目、19%対14%、P=0.009)。

1型糖尿病患者では、ベースラインでの特性で調節前の新規網膜症(少なくとも2段階)の発症率が、candesartan群のほうがプラセボ群よりわずかに低かった(25%および31%、P=0.051)。
その差は調節後にさらに小さくなった。
カットオフを2段階ではなく3段階に設定したpost hoc分析では、candesartan群の網膜症の発症率が有意に低かった(10%対16%、P=0.003)。
この差は調節後も有意なままであった。既存の網膜症の進行は両群で同等であった。

コメント:
これらの試験はすべて主要評価項目が否定的な結果であり、また認められた網膜症の差は、candesartan投与患者で血圧がわずかに低かったことが交絡していたかもしれない。
しかし、candesartanにはいくつかのかなり有益な効果があり、それらの大部分はフォローアップ期間の後期になるまで現れなかったようであった。
これより長期の研究では、より明瞭な結果が得られるかもしれない。

— Bruce Soloway, MD
Published in Journal Watch General Medicine November 20, 2008

Citation(s):
Sjølie AK et al. Effect of candesartan on progression and regression of retinopathy in type 2 diabetes (DIRECT-Protect 2): A randomised placebo-controlled trial.
Lancet 2008 Oct 18; 372:1385.
Medline abstract (Free)

Chaturvedi N et al. Effect of candesartan on prevention (DIRECT-Prevent 1) and progression (DIRECT-Protect 1) of retinopathy in type 1 diabetes: Randomised, placebo-controlled trials.
Lancet 2008 Oct 18; 372:1394.
Medline abstract (Free)

http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW08-1120-01.html


<自遊時間>
日本医事新報 No.5506 2008.10.4に「医道審議会医道分科会」の「医師に対する行政処分一覧」が掲載されています。
ここで紹介出来ないような恥ずかしい事例も多く、首相のいう「非常識な医師」という言葉は、「倫理感の欠如した医師」とも解釈できます。
ところで
「酒気帯び運転で医業停止1月」

医師の飲酒運転は医業停止となる時代になりました。



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by wellfrog3 | 2008-12-28 00:10 | 糖尿病

第2世代抗うつ薬の診療ガイドライン

うつ病治療に用いられる第2世代抗うつ薬の診療ガイドライン
Second-Generation Antidepressants to Treat Depression: Clinical Practice Guideline


米国内科学会(American College of Physicians:ACP)は、うつ病性障害を有する患者の治療に第2世代抗うつ薬を使用する場合の診療ガイドライン(http://www.annals.org/cgi/content/full/149/10/725)を作成した。
ACPの推奨は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor:SSRI)、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(serotonin norepinephrine reuptake inhibitor:SNRI)、選択的セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬を含む12種類の抗うつ薬に関する203件の研究の系統的レビューに基づいている。

大うつ病治療における抗うつ薬の有効性に差異はみられなかったが、特定の有害事象の発生率に差異がみられた。
たとえば、悪心および嘔吐はSNRIであるvenlafaxineでSSRIよりも多くみられた。
他の有害事象はさまざまな薬物に関連していた。
sertralineでは下痢、mirtazapineでは体重増加、trazodoneでは眠気、paroxetineとvenlafaxineでは断薬症候群(discontinuation syndrome)、paroxetineとbupropionでは性機能障害がみられた(paroxetineで多く、bupropionで少なかった)。
SSRIは(プラセボと比べて)自殺企図に関連している。
気分変調性障害または大うつ病の基準以下のうつ病性障害(subsyndromal disorder)を有する患者の治療を比較するのに十分なデータは得られなかった。

ACPの推奨は以下のとおりである。
■有害作用プロフィール、費用、および患者の選好を踏まえた上で、急性大うつ病に対して第2世代抗うつ薬を選択すること。
■反応および有害作用の定期的評価を、治療開始後1~2週目から開始すること。
6~8週の時点で反応が不十分である場合は、治療を修正すること。
■良好な反応を得てから4~9ヵ月間は治療を継続すること(大うつ病エピソードが2回以上みられる患者では、それより長期とする)。

コメント:
これらの薬物療法にはそれぞれに異なる副作用があり、同程度の効力を有することがエビデンスによって示された。
このガイドライン(およびその根拠とされるエビデンス)は、最初の薬物選択を容易にするものではないが、治療に対する反応を評価すること、および適切な用量と治療期間を守ることに重点を置いているのは適切である。

— Richard Saitz, MD, MPH, FACP, FASAM
Published in Journal Watch General Medicine December 4, 2008

Citation(s):
Qaseem A et al. Using second-generation antidepressants to treat depressive disorders: A clinical practice guideline from the American College of Physicians. Ann Intern Med 2008 Nov 18; 149:725.

Gartlehner G et al. Comparative benefits and harms of second-generation antidepressants: Background paper for the American College of Physicians. Ann Intern Med 2008 Nov 18; 149:734.

2008 December 04

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by wellfrog3 | 2008-12-27 00:18 | 精神科

有酸素運動と脳

有酸素運動がボケ防止にいいというお話です。
高薬価のあの薬剤より、はるかに効果的で経済的なはずですが、問題はそういった方が有酸素運動を毎日継続できるかということです。

有酸素運動は脳の若返りに作用
認知神経科学の第一人者であるイリノイ大学ベックマン研究所(シカゴ)のArthur F. Kramer教授は,定期的な有酸素運動は加齢に伴う脳の機能低下を防ぐだけでなく,逆行させることも可能であるとBritish Journal of Sports Medicine(2008; オンライン版)に発表した。

脳の実行制御に影響

Kramer教授らによると,加齢脳に対する有酸素運動と身体活動の効果を示す十分な証拠がそろっているという。
 
加齢に伴う脳の特定領域での灰白質の衰退は,認知能の低下を引き起こす。
今回の研究では,この加齢による影響は,いわゆる「実行制御」と呼ばれるもので最も激しく見
られるが,同時に運動療法時に最も効果が見られる過程でもあることが示された。
「実行制御」には作業の調整,企画,目標の維持管理,作動記憶,仕事を切り替える能力を実行する活動が含まれる。
 
いくつかの研究では,息切れする程度の定期的な中等度の運動は,思考の速度と鋭敏さ(認知機能),脳組織の実際の容量と脳機能を向上させるとしている。
 
さらに,この知見は,進行性脳疾患の徴候のない者だけでなくアルツハイマー患者への効果も示している。


中等度の有酸素運動が鍵
Kramer教授は過去に発表された研究をいくつか引用し,「6か月の有酸素運動が加齢に伴う低下を逆行させること,脳は可塑性を持つため高齢であっても成長・発達する能力を依然保持している」と述べている。
 
別の先行研究もまた,適切な運動を行っている成人では,同世代の不健康な人よりも灰白質の劣化が少ないことを示している。
 
また,閉経後の女性でエストロゲン値が徐々に低下していくことも,記憶の低下や脳機能の低下と関連していることが多い。
 
しかし,別の研究では,ホルモン補充療法の有無にかかわらず,適切な運動を行っている女性では健康でない女性よりも灰白質が多く,実行制御の測定値は良好であることが示されている。 

多くの疑問点がいまだ解明されていないものの,同教授は「中等度の有酸素運動を行う活動的なライフスタイルによって,認知機能と脳機能が向上し,高齢者によく見られる神経の衰退も逆行する可能性が高いと言えよう」と結論付けている。




<関連サイト>
有酸素運動
http://www.gik.gr.jp/~skj/lifestyle/aerobics.php3


出典 Medical tribune 2008.12.18
版権 メディカル・トリビューン社


<きょうの一曲>
nana mouskouri - amazing grace
http://jp.youtube.com/watch?v=lhc7MEYY-Ho&feature=related
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by wellfrog3 | 2008-12-26 00:26 | その他

低用量の抗血小板療法による消化管リスク

低用量の抗血小板療法による消化管リスクを低下させる
Lowering GI Risks of Low-Dose Antiplatelet Therapy

American College of Gastroenterology、American College of Cardiology、American Heart Associationは、共同努力のもと、抗血小板療法に伴う消化管リスクの低減に関する「専門家合意」文書("expert consensus" document)を発表した。この文書では、背景となる以下の情報が検討されている:

上部消化管潰瘍のリスクは非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)により上昇するが、低用量aspirinを追加するとさらに増強される。

・cyclooxygenase-2阻害薬と低用量aspirinの併用は、非選択的NSAIDsと同様の潰瘍リスクをもたらす。

・低用量aspirinは単独で上部消化管潰瘍のリスクをもたらす。このリスクは、warfarinまたはheparinの併用により高くなる。

・clopidogrelなどの抗血小板薬は胃十二指腸潰瘍の一次的な原因ではないが、血管新生を損ない、それによって既存の潰瘍やびらんの治癒を妨げうる。

・抗血小板療法を要する高リスク患者の潰瘍リスクを低下させるためにaspirinに代わりclopidogrelを用いる方法は推奨されない。aspirinにプロトンポンプ阻害薬(proton-pump inhibitor :PPI)を併用することが望ましい。

文書には、以下の要素を加えた治療アルゴリズムが含まれている:

・長期間の抗血小板療法を受け、消化性潰瘍または消化管出血の既往のある患者、および2剤併用抗血小板療法または抗凝固薬の併用が必要な患者には、PPIの使用を検討すべきである。

・潰瘍の既往がなく抗血小板薬の単独療法を要する患者については、他のリスクファクター(年齢60歳以上、ステロイドの使用、上部消化管症状または逆流)のある患者にはPPIの使用を検討すべきである。

・潰瘍の既往があり長期の抗血小板療法を開始する患者には、Helicobacter pylori 感染の検査と除菌を行うべきである。

— Allan S. Brett, MD
Published in Journal Watch General Medicine December 9, 2008

Citation(s):
Bhatt DL et al. ACCF/ACG/AHA 2008 expert consensus document on reducing the gastrointestinal risks of antiplatelet therapy and NSAID use. Am J Gastroenterol 2008 Nov; 103:2890.
Bhatt DL et al. ACCF/ACG/AHA 2008 expert consensus document on reducing the gastrointestinal risks of antiplatelet therapy and NSAID use: A report of the American College of Cardiology Foundation Task Force on Clinical Expert Consensus Documents. Circulation 2008 Oct 28; 118:1894.
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/118/18/1894

http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW08-1209-02.html

2008 December 09


<番外編>
日本人の脳梗塞に関する最近の観察研究(J-MUSIC)によると、病型別にみた代表的危険因子の頻度は

ラクナ梗塞では
高血圧 68%
2型糖尿病 26%
高脂血症 19%
心房細動 4%

アテローム血栓性脳梗塞では
高血圧 66%
2型糖尿病 30%
高脂血症 19%
心房細動 7%

心原性脳塞栓症では
高血圧 45%
2型糖尿病 16%
高脂血症 9%
心房細動 76%

      と報告されている。

■高血圧の管理が不十分な状態での抗血小板療法や抗凝固療法は、脳出血を助長しかねない。
■脳梗塞を含む心血管疾患合併のハイリスク2型糖尿病症例でピオグリタゾンの脳梗塞発症抑制効果(相対リスクを47%減少)が報告されている。
(PROactive)
■スタチン(アトルバスタチン)による脳梗塞の二次予防効果が明らかとなり(SPARCL試験)、高脂血症を合併する脳梗塞患者に対して、ストロングスタチンが積極的に投薬されるようになっている。
■非心原性脳梗塞でのクロピドグレル75mg/日の投与は、2型糖尿病や高脂血症などを合併するハイリスク症例に対してアスピリンよりも再発抑制率が高いという報告がされている。(CAPRIE試験)

脳卒中治療ガイドライン2004(INRの目標値)
■弁膜症を伴わない心房細動(NVAF)を伴う脳梗塞の再発予防
  2.0〜3.0
■70歳以上のNVAFのある脳梗塞またはTIA患者
  1.6〜2.6
(出血性合併症を防ぐため2.6を超えない)

    日本医事新報 No.4392  2008.6.28


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by wellfrog3 | 2008-12-25 00:14 | その他

2型糖尿病における経口血糖低下薬の使い方(2)

DISCUSSION

日本と欧米の違いを踏まえたよりよい薬物治療のあり方とは
小田原 
Charpentier先生には,メトホルミンとの併用薬としてのグリメピリドの有用性をご紹介いただきましたが,日本ではグリメピリドで治療を開始する場合が少なくありません。
それは,日本人の2型糖尿病は欧米と病態が異なるためです。
日本人では肥満者が少なく,糖尿病患者の多くで膵からのインスリン分泌不全が高血糖のおもな原因となっている場合が多いのです。
その結果,治療に占めるSU薬の役割が欧米に比べ大きくなっています。

Charpentier 
SU薬における経時的な血糖コントロール作用の減弱については,いかがですか。
血糖コントロールが改善した後また悪化するような場合,他の薬剤との併用,特にメトホルミンとの併用が有効だと思います。

小田原 
確かに欧米でよく問題となる血糖低下作用の経時的低下は,日本人ではあまり多くないようです。
帝京大学の山内先生の検討では,ピオグリタゾン,メトホルミンと比較しグリメピリドは1年間の治療期間,早期にHbA1C低下作用が発揮し,その効果は他剤同様長期間持続したことが示されています(図3)。
とはいうものの,すべての患者がグリメピリドのみで良好な血糖コントロールを得られるわけではありません。
その際は,私たちもメトホルミンなど他の薬剤の併用を考えます。
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杉山 
ただし,メトホルミンは造影剤が禁忌なので,循環器専門医としては,冠動脈造影の可能性がある患者では使いにくいのも事実です。

Charpentier 
私たちがフランスで診る2型糖尿病患者は間違いなく肥満者なのでメトホルミンの有用性は確実ですが,日本では非肥満者が多いということですね。その場合,メトホルミンの効果はどうなのでしょうか。

小田原 
少なくとも血糖低下作用に関しては非肥満者でも肥満者と変わりません。
メトホルミン単剤とメトホルミン+SU薬の効果を検証する試験を行いましたが,メトホルミンによる血糖低下作用は「BMI: 25」の上下で差はありませんでした。
 
ところで,グリメピリドの膵外作用についてご説明いただきましたが,それらはSU受容体を介した作用なのでしょうか。それとも,それ以外の経路が想定されているのですか。

Charpentier 
まだ不明です。

杉山 
グリメピリドのアディポネクチンの増加作用や抗炎症作用の機序の検討は進んでいるのですか。

Charpentier 
私たちの検討ではないので詳細はわかりませんが,この点については日本の研究者による検討が進んでいるようです。

杉山 
グリメピリドにはeNOS活性増強作用(Jojima T, et al: Diabetes Obes Metab ; published online: 28 Jun 2008)も報告されています。
先ほどお話の出たPPAR-γ刺激作用についても,興味が持たれます。

吉田 
このようなグリメピリドの作用が,単に血糖を下げるというのみならず,抗動脈硬化的に作用する可能性も考えられますね。

血糖コントロールはパラダイムシフトを迎えつつある
Charpentier 
今日,「血糖コントロール」は根本の考え方が変わりつつあります。
HbA1Cと空腹時血糖のコントロールは前提ですが,それだけでなく心血管イベント抑制の観点から「食後高血糖」の重要性が認識されるようになりましたし,最近では食後2時間値だけでなく,食後の血糖「spike」も是正対象の候補として挙がってきました。
つまり,生命予後改善という目標のもと,「血糖値」だけではなく変動を含めた「血糖プロフィール」の正常化が今後は求められるようになると考えられるのです。

吉田 
さらに,生命予後改善ということを考えると,単に血糖低下という効果だけで薬剤を選択することはできないのかもしれません。
例えば,循環器を受診されることが多い心筋梗塞の既往患者,あるいは心不全を合併した患者などでは,どのような血糖低下薬を処方すべきか。
われわれはそれぞれの薬剤の特徴を見極めて選択する必要がありますね。

小田原 
基本的には空腹時血糖値を低下させ,1日を通しての血糖プロフィールを改善させるSU薬をベースに,患者さんの血糖プロフィールに合わせて併用薬を追加するのが,今後の血糖コントロールのセオリーとなりそうですね。
 
出典 Medical tribune 2008.12.18
版権 メディカル・トリビューン社



<きょうの一曲>
想い出のソレンツァラ」エンリコ・マシアス  Solenzara
http://oldieseu.seesaa.net/category/3213932-1.html


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by wellfrog3 | 2008-12-24 00:10 | リハビリテーション科

2型糖尿病における経口血糖低下薬の使い方(1)

経口血糖低下薬についての最新の考え方について勉強しました。
この種の薬剤については大規模臨床試験での総死亡率や心血管イベントの発生率、そして二次無効の有無が問題と思われます。
年明けに、あるメーカーの支店に招かれ、そのメーカーの経口血糖低下薬についてのコメントを求められることになっています。
そんなこともあって勉強した次第です。

特別企画
2型糖尿病における経口血糖低下薬の使い方を再考する
―よりよい併用のあり方とは

本年8月,Diabetes Care誌に衝撃的な報告が掲載された。
メトホルミンとスルホニル尿素(SU)薬併用により,食事療法やSU薬単独などに比べ心血管イベントや死亡が増加した―とする観察研究メタ解析である。
 
この解析に用いられたSU薬はグリベンクラミドなど多岐にわたる。
この解析の結果をそのまま臨床に外挿してよいのだろうか。
 
フランスにおいて,日常的にメトホルミンとSU薬を併用している専門医を招き,わが国の専門医と話し合っていただいた。

東京医科大学内科学第三講座教授
小田原 雅人 氏(司会) 
東京医科歯科大学生命倫理研究センター教授
吉田 雅幸 氏 
熊本大学大学院医学薬学研究部循環器病態学准教授
杉山 正悟 氏 
Department of Endocrinology-Diabetology, Centre Hospitalier Sud Francilien, France
Guillaume Charpentier 氏 

PRESENTATION
肥満者の多いフランスにおける,併用薬としてのグリメピリドの有用性

Guillaume Charpentier 氏 Department of Endocrinology-Diabetology, Centre Hospitalier Sud Francilien, France
なぜグリメピリドは低血糖発現リスクが低いのか
フランスでは,2型糖尿病患者に対する第一選択薬はメトホルミンであり,その理由は,患者の大部分が肥満を有するためである。
そして,メトホルミンを増量してもHbA1Cが6.5%未満とならなければ,他の経口血糖低下薬を追加する。
 
私の場合,SU薬を追加する場合が多い。
空腹時血糖だけでなく食後高血糖もコントロール可能だからである(図1)。
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SU薬のなかでの第一選択はグリメピリドである。
グリメピリドを選ぶ最大の理由は「低血糖発現リスクが低い」ことによる。
 
なぜ,グリメピリドは低血糖発現リスクが低いのであろうか。
グリベンクラミド(商品名:ダオニール®)は低血糖時の血中グルカゴン増加を阻害するが,グリメピリドにはそのような作用がないことが知られている(Szoke E, et al: Metabolism 55: 78-83, 2006)。
その差が反映されているのかもしれない。
 
そのほかに私は,グリメピリドに「膵外作用」が期待できることも大きな理由ではないかと考えている。
グリベンクラミドと同等に血糖を低下させた場合,インスリン濃度の増加はグリベンクラミドのおよそ50%であるという報告があり(Draeger KE, et al: Horm Metab Res 28: 419-425, 1996),この機序として,グリメピリドによる糖取込み蛋白遺伝子の発現増強が想定されている
(Müller G: Mol Med 6: 907-933, 2000)。
 
また,グリメピリド8週間の治療を行った2型糖尿病患者では,アディポネクチンの産生増加も報告されており(Tsunekawa T, et al: Diabetes Care 26: 285-289, 2003),それによるインスリン抵抗性の改善も期待できる。
さらに,グリメピリドにはグリベンクラミドには認められない抗炎症作用も報告されている。
2型糖尿病患者におてグリメピリドを28週間服用したところ,アディポネクチンの増加とともに,血中のinterleukin(IL)-6,tumor necrosis factor(TNF)-α,高感度C反応性蛋白(CRP)は有意に低下していた(p<0.05)。グリベンクラミド群とインスリン群ではそのような変化は認めなかった(Koshiba K, et al: J Med Invest 53: 87-94, 2006)。
一方,in virtoでの検討では,グリメピリドが脂肪細胞におけるperoxisome proliferators-activated receptor(PPAR)γ活性を増強したというデータもある(Inukai K, et al: Biochiem Biophys Res Commun 328: 484-490, 2005)。
 
これらのことが,総合的にグリメピリドの低血糖発現リスクの低さを説明している可能性がある。

虚血PCにおけるグリメピリドの作用
グリメピリドをSU薬のなかでの第一選択とするもう1つの大きな理由は,「心筋虚血プレコンディショニング(PC)を阻害しない」という点である。
心筋では,先行する短時間の虚血による虚血耐性の獲得が知られており,「虚血PC」と呼ばれている。
虚血PCが作動すると引き続いて比較的長時間の虚血にさらされても心筋傷害は軽減される。このように心保護作用が期待されている心筋虚血PCだが,その機序としてミトコンドリアATP依存性カリウム(KATP)チャネルの開口が考えられているため,KATPチャネルを閉じるSU薬には,膵選択性が低い場合,虚血PCを消失させる懸念が持たれていた。
しかしランダム化二重盲検試験の結果,グリメピリドではグリベンクラミドと異なり「虚血PC」は消失しないことが報告されている(Klepzig H, et al: Eur Heart J 20: 439-446, 1999)。

併用療法では,グリメピリド+メトホルミンが合理的選択
メトホルミンとグリメピリドの併用についても,いくつかの成績がある。
イタリアにおける3年間の観察研究において,メトホルミン+グリメピリド併用群の年間死亡率は0.4%と,ほかのSU薬併用群よりも有意に低かった(p<0.0001,検定法:Kaplan-Meier法,Monami M, et al: Diabetes Metab Res Rev 22: 477-482, 2006)。
すなわち,メトホルミンとグリメピリドの併用は,より良好な生命予後を期待できる可能性があるといえよう。
 
一方,メトホルミンを服用している2型糖尿病患者372名で検討したところ,メトホルミンにグリメピリドを上乗せすることにより,試験開始時に188mg/dLであった空腹時血糖は有意に低下したが,メトホルミンからグリメピリドへの切り替えでは,低下が認められなかった(図2)。
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この試験では,単剤での血糖コントロールが難しい場合の合理的な選択は,グリメピリドとメトホルミンの併用であると言えるだろう。 <続>

出典 Medical tribune 2008.12.18
版権 メディカル・トリビューン社

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<関連サイト>
ピオグリタゾンはグリメピリドより2型糖尿病患者の冠動脈血管内プラーク進展を抑える
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/acc2008/200804/505944.html

欧州における2型糖尿病治療薬Tandemact?
(アクトスとグリメピリドの合剤)の販売許可取得について
http://www.takeda.co.jp/press/article_1333.html

PERISCOPE試験
http://wellfrog.exblog.jp/8726556/


2型糖尿病に対する経口血糖降下薬療法
作用と使い分け
http://www.uemura-clinic.com/dmlecture/oha.htm

リラグルチドによる血糖管理はグリメピリドより良好
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/200810/508342.html

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by wellfrog3 | 2008-12-23 00:10

サルコイドーシスの診断

肺以外の検査も重要

サルコイドーシスの最大の問題は診断にあり,特に肺外病変が見逃されているケースは多い

グロースハンスドルフ病院呼吸器科・胸部外科センターのDetlef Kirsten教授とAnne-Marie Kirsten博士は,サルコイドーシス診断上の注意点についてKlinikarzt(2008; 37: 196-201)で報告した。


遺伝的素因の1つはHLA-DQB1
ドイツ国内におけるサルコイドーシスの有病率は,人口10万人当たり50〜60人と言われている。
小児と高齢者にはほとんど見られず,発症年齢のピークは20〜39歳である。
 
サルコイドーシスの病因は解明されていないが,典型的な肉芽腫では免疫学的事象の関与が明らかにされている。
サルコイドーシスの病歴のある家系では,遺伝的素因として組織適合抗原(HLA)のDQB1型などが発見されている。
さらにアンジオテンシン変換酵素の遺伝子多型とサルコイドーシス(特にその慢性的経過)との関係が認められている。
また,サルコイドーシスの遺伝子も1つ発見されている。
 
急性サルコイドーシスでは,関節腫脹と関節痛などの激しい症状が突然現れ,咳は時々見られる程度である。
下腿の伸側に結節性紅斑が認められたり,胸部X線検査で両肺にリンパ節腫大が認められたりすることがある。
 
一方,慢性サルコイドーシスの病像は全く異なり,まず肺病変を生じる。
初めは症状がわずかであったり全くなかったりするため,X線検査で偶然発見されることが多い。
肺外症状の発現部位は眼や皮膚が多く,肝臓,脾臓,リンパ節に生じることは比較的まれである。
 
診断では,問診,臨床所見,胸部X線検査が重要だが,サルコイドーシスが疑われる場合は,臨床検査または肺機能検査が有用である。
一般に,臨床所見,胸部X線像,組織学的検査結果(非乾酪性肉芽腫)を総合的に検討して診断を確定する。
臓器によっては組織学的診断の確定は困難で,治療的介入に際しては便益とリスクをよく検討すべきである。
 
急性サルコイドーシスは,完治まで2年を要することもあるが,予後は一般に良好である。
患者の95%で症状は完全に消失し,再発は約5%である。
 
慢性サルコイドーシスの予後もかなり良好で,X線タイプ I とタイプII(リンパ節腫大に肺実質の変化を伴うか否かで区別)の患者の6割は回復すると期待される。
心臓サルコイドーシスによる突然死はあるが,サルコイドーシスが死因になることはまれである。

出典 Medical Tribune 2008.12.18
版権 メディカル・トリビューン社


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by wellfrog3 | 2008-12-22 00:01 | その他