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ベザフィブラートと2型糖尿病発症

ベザフィブラートは2型糖尿病の発症を予防または遅延
Diabetes Care誌4月号に報告されたレトロスペクティブ研究の結果によると、英国で脂質異常症の治療に一般に用いられる汎PPAR作動薬のベザフィブラートは、2型糖尿病の発症を予防もしくは遅延させると考えられる。

「プロスペクティブ研究がこれらのレトロスペクティブな所見を裏付けた場合、ベザフィブラートは心血管リスクも低下させる経口糖尿病治療薬となるであろう」とDr. James H. Floryはロイターヘルスに述べた。

University of Pennsylvania School of Medicine(フィラデルフィア)のDr. Floryらは、英国のGeneral Practice Research Databaseから得られた観察データを用いて、ベザフィブラートは、糖尿病リスクを低下させる上でフィブラート系薬剤の中では特異的な薬剤である、という先験的な仮説について検討した。
今回のコホートは、ベザフィブラート投与群12,161名およびその他のフィブラート系薬剤投与群4,191名を対象とした。

2型糖尿病の発症率は、ベザフィブラート投与者では1,000名・年当たり8.5例であったのに対し、その他のフィブラート系薬剤の投与者では1,000名・年当たり14.4例であった、と著者らは報告している。

十分に補正したモデルでは、2型糖尿病の発症に対するハザード比は、ベザフィブラート投与者ではその他のフィブラート系薬剤投与者と比較して0.66であった。

さらに、糖尿病の発症リスクは、ベザフィブラートによる治療期間が延長されるにつれて単調に低下した、と同研究者らは述べている。

既存の糖尿病を有する患者では、その他のフィブラート系薬剤の投与と比較して、ベザフィブラートの投与により、糖尿病治療薬投与へ進展するリスクが有意に低くなり、インスリン療法へ進展するリスクが低い傾向にあった。

「ベザフィブラートが糖尿病の予防や治療に適応される前に、プロスペクティブな無作為化対照研究を少なくとも1件以上は行う必要があると考えている」とDr. Floryは述べた。
「これは特に、ベザフィブラートが市販されていない米国にも当てはまる」

現時点で、心血管疾患の観点から、市販の糖尿病治療薬が安全かどうかは不明である。
ベザフィブラートは特許期限切れの医薬品であるため安価であるが、特許期限切れの医薬品であるという理由で、製薬業界が我々のためにこの研究を引き受ける可能性は低い
」と同研究者は補足した。
Diabetes Care 2009;32:547-551.

http://www.kanematsu-rmn.jp/news/daiichisankyo/news2.php?mode=jpview&num=200904140031887

出典 ロイターヘルス 2009.4.13
版権 ロイター通信社


<コメント>
スタチン系薬剤が全盛である昨今、フィブラート系薬剤は併用が難しくスタチン系薬剤が使用されている症例ではまず投与されません。
「汎PPAR作動作用」や「糖尿病発症の予防または遅延作用」がベザフィブラートの(class effectではなく)drug effectとすれば、これからはこういった観点からもベザフィブラートを使ってみようかなと思います。
LDL上昇のないMetS患者にはよい適応かも知れません。



<番外編>
大都市圏で感染者割合増 白血病ウイルス108万人 20年ぶり調査、対策急務 厚労省研究班
母乳を通じて母子感染し、白血病などを引き起こす可能性がある成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)について厚生労働省研究班が約20年ぶりに実施した調査で、感染者の地域別割合がもともと高かった九州で減少し、関東や中部、近畿の大都市圏で増加したことが27日、分かった。

国内の感染者数は約108万人と推計。
旧厚生省研究班が1988-90年度にまとめた調査の約120万人と比べ大きな変化はなかった。これまで全国的な対策は取られておらず、子供への感染を防ぐ取り組みが急務となりそうだ。

研究班班長の山口一成(やまぐち・かずなり)国立感染症研究所客員研究員は大都市圏での割合増加について、感染者が多い九州からの人の移動が背景にあると指摘。
「妊婦への抗体検査や授乳指導を実施している自治体は一部に限られ、感染者総数もあまり減少していない」と話した。

HTLV1はATLと呼ばれるタイプの白血病や、歩行障害などが出る脊髄(せきずい)症(HAM)の原因となる。
ATLの発症率は3-5%。根本的な治療法はなく、年間約千人が亡くなっている。

今回の調査は、2006-07年に初めて献血した全国の約119万人を対象に実施、3787人の感染が確認された。

感染者の地域別割合は、九州が前回調査の50・9%から41・4%に減少。
一方、関東は17・3%(前回10・8%)、中部8・2%(同4・8%)、近畿20・3%(同17・0%)で、いずれも前回より増加した。

前回と比較できるデータはないが、北海道は2・3%、東北は3・4%、中国四国は7・2%。

母親が感染している場合、母乳などを通じた母子感染率は20%程度とみられるが、粉ミルク使用や、生後3カ月までの短期授乳などで感染をほぼ防止できるとされる。

厚労省によると、妊婦健診時の検査や授乳指導を公費で実施している自治体は、岩手、秋田、静岡、高知、長崎、宮崎、鹿児島県など一部にとどまっている。

▽成人T細胞白血病ウイルス
成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1) 白血球の一種であるリンパ球に感染するウイルス。
母乳のほか血液、性的接触を介しての感染もある。輸血血液については1986年に安全検査が導入された。
白血病(ATL)を発症すると死亡率が高く、人口動態統計によると2007年には全国で1075人が亡くなった。
歩行障害などが出る関連疾患の脊髄(せきずい)症(HAM)患者は約1500人いるとされ、09年度に難病に指定された。いずれも根本的な治療法は確立していない。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/06/29/103114/?
Mg=30ecd8724f16c91936471a8f195ffb4c&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag


共同通信社 2009.6.29



<インフルエンザ関連>
Aソ連型はほとんど100%タミフル耐性
http://idsc.nih.go.jp/iasr/graph/tamiful1.gif


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樋口 洋  初夏の陽の中に F6
http://www.ichimainoe.co.jp/index/higuchi_hiroshi.html


<きょうの>一曲
辻井伸行さん演奏 Chopin's Etude op10 No.3別れの曲
http://www.youtube.com/watch?v=bx-C-p3gl8A&hl=ja


<自遊時間>
<名古屋大>2800万円を不適切処理、35万円私的流用も
http://www.excite.co.jp/News/society/20090629/20090630M40.097.html
保健学科教授は、腕時計や自転車、炊飯器、蛍光灯なども購入。「大学で使うためだった」と弁明したが、大学側はこれら約35万円分について私的流用だったと判断した。
<コメント>
腕時計は論外。
自転車、炊飯器、蛍光灯はどこで使っていたのでしょう?
なんだか大学教授としては「つましい」ですね。


 
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by wellfrog3 | 2009-06-30 00:35 | 糖尿病

血清クレアチニン低値と2型糖尿病

新型インフルエンザの禍中で開催された第52回日本糖尿病学会(2009年5月21日〜24日 大阪を紹介した記事の中で興味深い発表がありました。

血清クレアチニン低値は2型糖尿病の発症リスクだった
インスリンの標的臓器である骨格筋と2型糖尿病発症との関係を明らかにするため、その筋肉量を反映すると考えられている血清クレアチニン値と2型糖尿病発症との関連性を前向きコホート研究(The Kansai Healthcare Study)で検討したところ、「血清クレアチニン低値は2型糖尿病の発症リスクである」ことが明らかになった。
大阪市立大大学院医学研究科産業医学の針田伸子氏らが5月22日、第52回日本糖尿病学会年次集会の口演セッション「2型糖尿病」で発表した。

演者らは、2000年度に定期健診を受けた40〜55歳の男性で、登録時に糖尿病がなく、血清クレアチニン値が2.0mg/dL未満だった人で、4年間追跡できた8570人を対象にコホート研究を行った。解析は多重ロジスティック回帰分析で行った。

4年間の追跡の結果、2型糖尿病を発症した人は877人だった。
追跡できた8570人の発症率は10.2%だった。

登録時の血清クレアチニン値が0.71-0.80mg/dLを示した群と0.40-0.60mg/dLを示した群を比較したところ、多変量解析後のオッズ比は1.91(95%信頼区間、1.44-2.54)だった。
この関係は、年齢やBMI、空腹時血糖値や飲酒量、さらには喫煙習慣、通勤時歩行時間、運動習慣、糖尿病家族歴とも独立していた。

これらの結果から演者らは、「血清クレアチニン低値は2型糖尿病の新たな発症リスクであることが明らかになった」と結論した。
なお、この成果については、Diabetes Care誌(March 2009 32:424-426、Lower Serum Creatinine Is a New Risk Factor of Type 2 Diabetes)で発表している。

Lower Serum Creatinine Is a New Risk Factor of Type 2 Diabetes
The Kansai Healthcare Study
http://care.diabetesjournals.org/content/32/3/424.abstract

出典 NM online 2009. 5. 23  日経メディカル別冊
版権 日経BP社



<新型インフルエンザ関連>
新型インフルエンザ 国内感染1000人超え 
厚生労働省は25日、長崎、福島県などで新型インフルエンザの感染者が新たに確認されたと発表した。
これで国内の感染者は、入国前の検疫で判明した11人と米軍厚木基地から連絡があった1人を含め、累計で1000人を超えた。
世界保健機関(WHO)によると24日現在、感染者が1000人を超えているのは米国、カナダ、メキシコ、チリ、豪州、アルゼンチン、英国の7カ国。

国内の感染は、関西地方での流行が5月下旬に下火になったが、その後徐々に拡大。1日50人前後のペースで感染者が増え、38都道府県で確認されている。
大半は海外からの帰国者か学校での集団感染。学校で広がる例が目立ち、20歳未満が約7割を占める。重症化したとの報告はない。

季節性インフルエンザと違って夏になっても減る兆しはないが、厚労省は「米国やカナダも増加傾向にあり、日本だけの現象ではない」と説明。
多くは感染経路が追えていることから、厚労省は「不特定多数が感染するまん延状態ではない」として、パンデミック(大流行)には当たらないとの認識を示している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/06/25/102966/?Mg=9afab55518e73ebf24b015fa4e7b6539&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag
毎日新聞社 2009年6月25日

(各都道府県別の新型インフルエンザの感染者数も知ることが出来ます)

<診察椅子>
当院で新型インフルエンザ患者が発生しました。

6月27日(土)午前9時55分来院。
午前10時27分診察。

19歳の専門学生(女性)。
先生が最近欧州から帰日。
学年で数人発熱の学生あり。
発熱相談センターには電話せず、直接来院。
簡易試験でA型陽性と判明。

保健所の発熱相談センターに連絡。
やりとりに時間がかかったが、救急車で発熱センターのある病院へ受診するように指示あり。

6月28日(日)夕方、FAXで「新型インフルエンザ」の診断がついたとの連絡あり。

来院後、隔離はしましたが、直接来院された今回のケースではどうしようもありません。
救急隊隊員だけ物々しい姿でしたが、私を含め、職員や他の患者さんは丸腰で温度差を感じました。



全地域で原則、自宅療養へ 重症化防止にシフト 厚労省、国内対応見直し 新型インフルエンザ
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/06/17/102195/?Mg=79a54001b91f9ee450557db658da8ae0&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag
感染者の待合場所や診察時間を一般の患者と分けるよう促す
<コメント>
最初から感染者ってわかっていたら苦労しません。
馬鹿げた話です。
今回、当院に新型インフルエンザの患者が来たのは何だか交通事故にあったみたいですっきりしません。



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村田省蔵 遙かなる摩文仁の丘(F100号)
http://www.harenet.ne.jp/senohpc/data/muratashozo.html
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by wellfrog3 | 2009-06-29 00:09 | 糖尿病

ACCORD試験と死亡率増加

第69回米国糖尿病学会(2009.6.5〜9 New Orleans U.S.A.)の記事で勉強しました。
一大センセーションを巻き起こしたACCORD試験の追加解析結果です。

HbA1c値の急激な低下よりも重篤な低血糖が死亡率増加と関連している——ACCORD試験より
HbA1c目標値を6.0%未満と低く設定することよりも、重篤な低血糖の方が死亡率の増加と関連している可能性が高いことが分かった。
心血管系イベントのリスクが高い2型糖尿病患者1万人以上が参加したACCORD試験の追加解析結果で明らかになった。
ニューオーリンズで開催されている第69回米国糖尿病学会(ADA2009)最終日の6月9日、ACCORD試験の血糖管理グループのメンバーである米Oregon大学のMatthew C.Riddle氏らが発表した。

昨年の同学会で「心血管疾患の既往があるまたはそのリスクが高い2型糖尿病患者に強化療法を行っても、大血管系イベントリスクは減少しない。かえって死亡率が有意に増加する」と結論づけたACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験結果は、大きな注目を集めた。

ACCORD試験は、心血管系イベントリスクが高い2型糖尿病患者において、現在の推奨レベルよりも低い血糖値を目指すことで、心血管系イベントリスクのさらなる減少が得られるかどうかを検証することが目的だった。
米国およびカナダの試験参加者を、HbA1c値6.0%未満を目標とした強化療法群(5128人)、7.0〜7.9%を目標とした標準療法群(5123人)に無作為割付し、それぞれの治療法を比較検討した。

結果は、全死亡率が、強化療法群1.41%に対し標準療法群1.14%となり、ハザード比1.22(95%信頼区間1.01-1.46、p=0.04)と、強化療法群で有意な増加がみられた。
その際、急激なHbA1c値の低下が死亡率の増加に影響しているのではないかと推察されていた。

だが、患者の平均HbA1c値と死亡との関連を解析したところ、強化療法群ではHbA1c値が6%から1%上昇すると、死亡の相対リスクが有意に上昇した(RR=1.66、95%信頼区間1.46-1.89、p=0.0001)。
Riddle氏は「強化療法群では、平均HbA1c値が7%以上および試験開始から1年間でHbA1c値の低下が得られなかった患者で、高い死亡率を示した。HbA1c高値と死亡率には関連があり、やはりHbA1c値は低下させるべきだという結論が得られた」と述べた。

出典 NM online 2009. 6. 11
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/ada2009/200906/511132.html
版権 日経BP社


その後、米国立心肺血液研究所(NHLBI)のACCORD試験担当であるDenise Bonds氏が低血糖と死亡率との関連について紹介した。

強化療法群では、重篤な低血糖を経験していない患者の死亡率が年間1.3%に対し、少なくとも1回重篤な低血糖を来した患者の死亡率は年間2.8%と、有意差は得られなかったものの重篤な低血糖を経験した患者で死亡率が高い傾向がみられた(HR=1.28、95%信頼区間0.88-1.85)。
一方、標準療法群では、重篤な低血糖を経験していない患者の死亡率が年間1.0%に対し、少なくとも1回重篤な低血糖を来した患者の死亡率は年間4.9%と、有意に死亡率が増加していた(HR=2.87、95%信頼区間1.73-4.76)。

Bonds氏は「強化療法群、標準療法群ともに、重篤な低血糖が死亡率増加と関係していると思われた。ただし、重篤な低血糖が死をもたらしたと確認できたケースはまだ1人のみで、報告された重篤な低血糖はすべて避けることができなかったものなのか、という点についても不明な点が残る」とし、まだ詳細を解析途中であるとして明言を避けた。

出典 NM online 2009. 6. 11  日経メディカル別冊
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/doctors/blog/editors/200906/511167.html
版権 日経BP社  


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Andre Ingres 「5月のブーケ」 パステル F6
http://www.eonet.ne.jp/~mks/minigallery/0201/minigallery_0201.htm
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by wellfrog3 | 2009-06-28 00:47

臨床試験・研究 「糖尿病」

臨床試験・研究UPDATE 「糖尿病」
http://www.takedamed.com/hpdr/rootDir/ExistCnt.do?url=content/ht_ebm/shared/ebm_ht/shared/htmls/frame_ebm_dia.jsp&kind=jsp

ABCD Trial
2型糖尿病高血圧患者における軽度降圧療法と厳格降圧療法の有効性を比較

ABCD-2V
バルサルタンによる厳格降圧療法が2型糖尿病患者の合併症進展抑制におよぼす影響を検討

ACCORD
心血管疾患あるいはそのリスクを持つ2型糖尿病患者において厳格血糖コントロール群の心・脳卒中イベント発生は標準治療群と同等

ADDITION
2型糖尿病高リスクのIFGあるいはIGT患者において糖尿病への進行率を検討

ADVANCE*
厳格血糖コントロールは2型糖尿病患者における大血管・微小血管イベントの発生を有意に減少

ADVANCED-J
2型糖尿病高血圧患者においてAII受容体拮抗薬の増量治療およびAII受容体拮抗薬+アムロジピン治療の降圧効果を比較

AID
糖尿病患者における造影剤誘発性腎症の抑制にNアセチルシステインは効果なし

ANDROMEDA
2型糖尿病患者へのロスバスタチン投与はアトルバスタチン投与よりLDL-コレステロールおよびCRPの目標値達成率を増加

APOLLO
2型糖尿病患者におけるインスリングラルギン投与はリスプロ投与より低血糖発生を有意に低下、治療満足度を有意に増加

ARTS
ステント留置はCABGと比較して多枝冠動脈疾患を伴う糖尿病患者のイベントフリー生存率を有意に減少

ASIA
血糖自己測定はインスリン療法を受けたことのない2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善

AT.LANTUS
血糖コントロール不良な2型糖尿病患者においてグラルギン投与を医師もしくは患者管理で行った場合、重篤な低血糖の発生は同等

AVOID
腎症ならびに高血圧症を合併する2型糖尿病患者においてロサルタンに追加したアリスキレンは腎保護効果を示す

AWESOME
不安定狭心症およびCABGに伴う有害事象のリスクが高い糖尿病患者ではPCIとCABG後の生存率は同等

BENEDICT
2型糖尿病高血圧患者においてベラパミル+トランドラプリル併用の糖尿病性腎症抑制効果を検討

BNP Multinational Study
糖尿病の有無は急性呼吸困難患者のBNP値に影響なし

Botnia Study
BMI、糖尿病の家族歴、ウェスト‐身長係数などが2型糖尿病発症の予測因子

CABRI
冠動脈疾患患者の死亡率は糖尿病により有意に増加し、PTCAとCABGの施行には影響されない

CALM
高血圧と微量アルブミン尿を伴う2型糖尿病患者におけるカンデサルタン+リシノプリル併用の尿中蛋白排泄に対する効果

CARDIA
非喫煙患者における糖尿病の発生と血清カロチノイド類の濃度の和は有意な負の相関を示す

CARDS
心血管疾患歴のない2型糖尿病患者におけるアトルバスタチンの有意な心血管イベント一次予防効果

CHICAGO
ピオグリタゾンの長期投与は2型糖尿病患者における動脈硬化の進展を有意に抑制

Collaborative Study
ラミプリルにより目標平均血圧92mmHg以下を達成した腎症を呈する1型糖尿病患者では尿中蛋白が減少

CONTROL DM
レパグリニドないしメトホルミンによる2型糖尿病患者の短期的血糖コントロール改善は上腕動脈内皮機能の改善に効果なし

COSMIC Approach Study
食事およびSU薬で良好な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者におけるメトホルミンの安全性

CURES-2
アジア系インド人の2型糖尿病患者のうち網膜症合併患者では内膜中膜複合体肥厚度および動脈硬化度が高い

DAFNE
1型糖尿病患者における柔軟な強化インスリン療法は血糖コントロールやQOLを改善

DAIS
リポ蛋白異常の正常化は2型糖尿病患者の冠動脈アテローム性硬化を抑制

DALI
脂質代謝異常を認める2型糖尿病患者においてアトルバスタチンによる内皮機能の改善はみられず

DAPC
2型糖尿病患者のアテローム性動脈硬化症に対するシロスタゾールの安全性と有効性を検討

DANSUK
心血管疾患を有する2型糖尿病もしくは耐糖能異常患者において包括的心臓リハビリテーションはHbA1cおよび血圧を改善

DANTE
2型糖尿病患者におけるステント初回留置時のアブシキシマブ投与は内膜過形成を抑制せず

DCCT
インスリン依存型糖尿病における強化インスリン療法は通常療法より合併症の発生・進展を抑制

DECLARE-DIABETES
薬剤溶出ステント治療を受けた糖尿病患者において2剤よりも3剤の抗血小板療法が新生内膜過形成を抑制

DECODA
アジア人の糖尿病スクリーニングは空腹時血糖値のみでは不十分

DECODE
ヨーロッパ人ではOGTT2時間値が増すにつれ心血管疾患死は増加するが、死亡率と血糖値の関係はJ型

DESIR study
フランス系白人においてPPARGの多型と空腹時血糖異常、2型糖尿病、インスリン抵抗性との関連性を検討

DESSERT
心筋虚血を示す糖尿病患者におけるシロリムス溶出ステントの有効性および安全性はともにベアメタルより有意に良好

Diabetic Ulcer Study
組換え型ヒト血小板由来成長因子は糖尿病性慢性下腿潰瘍を改善

DIAB-HYCAR
アルブミン尿を伴う糖尿病患者においてラミプリルの脳・心血管イベントなどに及ぼす作用を検討

DIABETES
糖尿病患者におけるシロリムス溶出ステント留置はベアメタルステントより新生内膜増殖を抑制

DIABIOPSIES
微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う2型糖尿病患者へのペリンドプリルの投与は糖尿病性腎症の進展を抑制

DIACOR
複合性の脂質代謝異常を伴う2型糖尿病においてシンバスタチンおよびフェノブラートの単独または併用投与による抗炎症効果に差はみられず

DIAD-2
3年後に誘発性心筋虚血が消失した2型糖尿病患者の心疾患治療薬投与期間は新たに虚血がみられた患者より有意に長い

DIEP
妊娠初期のインスリン依存型糖尿病患者における糖尿病性網膜症の進展リスクは初期のグリコヘモグロビンの上昇と相関

DIGAMI
急性心筋梗塞発生後24時間以内の糖尿病患者においてインスリン強化治療が死亡率を低下

DIPOM
心臓以外の手術が予定されている糖尿病患者への術前メトプロロール投与が手術前後の死亡率や心疾患罹患率を低下させるか検討

DIRECT
腎障害を合併していない正常血圧の糖尿病患者においてカンデサルタンによる網膜症の発症・進展抑制を検討

DIRECT-Prevent 1, DIRECT-Protect 1
1型糖尿病患者においてカンデサルタンにより網膜症の発生および進展が改善

DIRECT-Protect 2
2型糖尿病患者において網膜症の改善度はプラセボ群よりカンデサルタン群の方が有意に大きい

DIS
集中健康教育によりインスリン非依存型糖尿病患者において良好な血糖コントロールが得られた

DOVES
症状が安定している2型糖尿病患者における1日4回の自己血糖測定により血糖コントロールに有意な効果

DPP
前糖尿病状態にある女性において厳格な生活習慣改善により尿失禁が減少

DPS
耐糖能異常を伴う過体重の成人においてライフスタイル介入により2型糖尿病発生リスクが低下

DPT-1
糖尿病高リスクの1型糖尿病患者の親族に対するインスリン療法は1型糖尿病発生率を低下せず

DREAM trial
耐糖能異常ないし空腹時血糖値異常を有する者においてラミプリルおよびロシグリタゾンの単独ないし併用の糖尿病発生への効果を検討

DRVS 3
増殖性糖尿病性網膜症例において従来治療より早期の硝子体切除術で高い視力回復効果

DRVS 5
重症の糖尿病性硝子体出血症例において硝子体切除術の早期実施により高い視力回復効果

EDICTA
コントロール不良の高血圧を伴う2型糖尿病患者においてトランドラプリルとベラパミルの併用は単独より高い降圧効果

EDIP
高リスク患者の糖尿病診断感度は空腹時血糖よりHbA1cの方が有意に高い

ENDIT
1型糖尿病患者の1親等親族において糖尿病発生率に高用量ニコチンアミドとプラセボで有意差みられず

EUCLID
インスリン依存型糖尿病においてリシノプリルが腎障害の進展を抑制 後付け解析で網膜症の進行が抑制されることが報告されている

European Microalbuminuria Captopril Study
微量アルブミン尿を呈するインスリン依存型糖尿病患者においてカプトプリルが蛋白尿への進展を抑制

FACET
高血圧を伴うインスリン非依存型糖尿病においてフォシノプリルはアムロジピンより心血管イベントを抑制

FIELD
冠動脈心疾患高リスクの糖尿病患者におけるフェノフィブラートの冠動脈心疾患死への効果を検討

GEMINI
高血圧を伴う2型糖尿病患者においてカルベジロールはメトプロロールよりHbA1c値の上昇を抑制

Glimepiride Study
SU薬服用歴のあるインスリン非依存型糖尿病患者においてグリメピリドにより空腹時血糖値、HbA1c値が減少

GLAL
血糖コントロール不良の2型糖尿病患者においてピオグリタゾンはグリクラジドより優れた血糖コントロール維持効果あり

GOAL A1C
インスリン治療を必要とする2型糖尿病患者において院内即時検査による毎週のインスリングラルギン用量調整でHbA1c値が減少

GUARD
高血圧および蛋白尿を伴う2型糖尿病患者においてベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド投与によりベナゼプリル+Ca拮抗薬を併用するよりも尿中アルブミン/クレアチニン比が低下

GUIDE study
2型糖尿病患者においてグリクラジドとグリメピリドの血糖低下効果は同等

GUSTO V
糖尿病のST上昇型急性心筋梗塞患者においてレテプラーゼへのアブシキシマブ併用が非致死性虚血イベントを抑制

HOE901/4001 Study
2型糖尿病患者においてグリメピリドに追加したインスリングラルギンの朝投与は夜投与、NPHに比べHbA1c値を低下

HOTサブグループ解析
糖尿病患者における目標拡張期血圧80mmHgは90mmHgの場合より心血管系疾患の発生を減少

HPFS
2型糖尿病患者において身体活動量の多さが心血管疾患、死亡のリスクを低下

IBEME
難治性糖尿病黄斑浮腫患者においてトリアムシノロンアセトニドはベバシズマブより中心黄斑網膜厚と視力を改善

ICAN
肥満を伴う薬物治療中の2型糖尿病患者において生活習慣の管理は体重、ウエスト周り、HbA1c値、処方薬数を有意に減少

IDEATel
うつ病は多民族の高齢糖尿病患者におけるHbA1c変化の予測因子ではない

IDNT
2型糖尿病による糖尿病性腎症を伴う高血圧患者においてイルベサルタンはアムロジピンより血清クレアチニン濃度の上昇を抑制

IDPP-1
耐糖能異常を伴うアジア系インド人において生活改善指導およびメトホルミン投与は糖尿病発生を有意に減少

IGLOO
心血管リスク因子を有する患者において糖尿病リスクスコアは初回スクリーニングとして有用

IMPROVE
心血管リスク増大と微量アルブミン尿を伴う高血圧患者においてラミプリル+イルベサルタン併用群とラミプリル単独群で尿中アルブミン排泄率の変化は同等

INNOVATION
初期腎症を伴う2型糖尿病の日本人患者においてテルミサルタンにより顕性腎症への進展を抑制

IPCAAD 8
リマインダーやフィードバックが医療従事者の治療行動を改善し、患者のHbA1cレベルを低下

IRMA2
2型糖尿病と微量アルブミン尿を伴う高血圧患者においてイルベサルタンにより糖尿病性腎症発生率が低下

Italian Multicentre Lispro Study
1型糖尿病患者においてNPHインスリンと併用したインスリンリスプロはヒトレギュラーインスリンより食後2時間の血糖値、HbA1cを改善



JAPAN-IDDM
日本人の1型糖尿病患者においてイミダプリル、カプトプリルにより尿中アルブミン排泄量が減少

JDCS
2型糖尿病患者において長期間のライフスタイル強化介入を行なうことによる血糖コントロールおよび合併症抑制効果を検討

J-EDIT
高齢の2型糖尿病患者において糖尿病の臨床特性と認知機能低下、脳の形態学的変化には関連なし

JPAD
低用量アスピリンは2型糖尿病患者におけるアテローム性動脈硬化イベントの発生に有意な低下なし

JUN-LAN Study 1.2
強化インスリン療法における基礎インスリンをインスリングラルギンに変更することにより1型、2型糖尿病ともにHbA1c値が有意に改善

JUN-LAN Study 5. Switch
強化インスリン療法からミチグリニド+インスリングラルギン併用への変更が有効であった患者の背景および臨床的特徴

JUN-LAN Study 5. Followup
2型糖尿病患者においてミチグリニド+インスリングラルギン併用と強化インスリン療法による平均HbA1cの改善は同等

JUN-LAN Study 6
食後の急速なインスリン分泌が欠損している日本人2型糖尿病患者においては基礎インスリンの十分な補充が必要

Kashiwa Study
正常~微量アルブミン尿を伴う2型糖尿病患者においてSBP<120mmHgの場合、微量アルブミン尿の発症、進展率は低く、回復率は高い

Kumamoto Study
インスリン非依存型糖尿病患者において強化インスリン療法は通常のインスリン療法より糖尿病性細小血管障害の発生・進展を抑制

LANMET study
血糖コントロール不良な2型糖尿病患者におけるメトホルミンの併用薬としてはNPHインスリンよりインスリングラルギン併用の方が良好な血糖コントロールを示す

LEAD-2 Met
2型糖尿病患者においてメトホルミンへのリラグルチド併用療法はHbA1c値を低下

LEAD-3 Mono
早期2型糖尿病患者においてリラグルチドはグリメピリドよりHbA1c値を有意に低下

Lewis
カプトプリルは蛋白尿を伴う1型糖尿病患者における腎症の進展リスクを軽減

MARVAL
微量アルブミン尿を伴う2型糖尿病患者においてバルサルタンはアムロジピンより尿中アルブミン排泄率を有意に低下

MASS II
多枝冠動脈疾患患者における5年後の累積死亡率は、糖尿病の有無に関わらず薬物療法群および外科的手術・血管形成術療法群で差はなし

Mass-DAC
薬剤溶出ステント留置下における糖尿病患者の死亡率と、心血管イベント発生率はベアメタルステントの場合より有意に低い

MELANY
空腹時血糖値の増加に伴い2型糖尿病発症リスクは段階的に増大

MICRO-HOPE
ラミプリルは糖尿病患者の心・脳血管イベントならびに腎症の発生リスクを低下

Multicenter Metformin Study
メトホルミン単独およびSU薬併用療法は血糖コントロール不良な肥満のNIDDM患者における脂肪値、血糖コントロールを改善

NESTOR
本態性高血圧を呈し、微量アルブミン尿を認める2型糖尿病患者においてインダパミド徐放薬とエナラプリルの微量アルブミン尿抑制効果は同程度

North American Microalbuminuria Study
カプトプリルはインスリン依存型糖尿病患者における微量アルブミン尿から顕性蛋白尿への進展を抑制

ONTARGET
血管疾患もしくはそのリスクが高い糖尿病患者においてラミプリルとテルミサルタンの死亡、心血管イベント発生は同等

ORIENT
2型糖尿病性腎症患者において降圧治療に加えたオルメサルタンによる腎保護効果を検討

ORIGIN
心血管疾患ハイリスクの耐糖能障害あるいは初期糖尿病患者における24時間持続型インスリン製剤の心血管イベント発生への効果を検討

PERISCOPE
冠動脈に狭窄が認められる2型糖尿病患者においてピオグリタゾンはグリメピリドよりアテローム性動脈硬化進展を抑制

PERSUADE
冠動脈疾患を有し、心不全を認めない糖尿病患者においてペリンドプリルにより心血管イベントのリスクが低下傾向

PRACTICAL
2型糖尿病患者におけるピオグリタゾンの安全性および有効性を示す市販後調査

PRADID
治療歴のない正常高血圧症または境界域収縮期高血圧症を伴う2型糖尿病患者においてベラパミル+トランドラプリル併用はトランドラプリル単独よりDBPを低下

PREMIER
高血圧およびアルブミン尿を伴う2型糖尿病患者においてペリンドプリル+インダパミド併用はエナラプリル単独より尿中アルブミン排泄率を低下

PRISM-PLUS
不安定狭心症または非ST上昇型心筋梗塞を呈する糖尿病患者においてチロフィバン+ヘパリン併用はヘパリン単独より死亡、心筋梗塞発生率を低下

PROactive
大血管障害の既往があるコントロール不良の2型糖尿病患者においてピオグリタゾンは心・脳血管イベントを抑制

ProActive UK
糖尿病のリスクを有する非糖尿病者に対する行動変革プログラム促進作用は対面・電話と冊子配布のみで同等

RABBIT 2
2型糖尿病患者においてインスリングラルギンおよびグルリジンを用いた強化インスリン療法はスライディングスケール法により良好な血糖コントロールを示す

RENAAL
腎症を合併した2型糖尿病患者へのロサルタン投与は血清クレアチニンの倍化および腎症の終末化を減少

Repaglinide/Pioglitazone Study
SU薬またはメトホルミン単独療法で血糖コントロール不良な2型糖尿病患者においてレパグリニド+ピオグリタゾン併用は良好な血糖コントロールを示す

4S
シンバスタチンは冠動脈心疾患の既往をもつ糖尿病患者の全死亡率を減少させる傾向にあり、非糖尿病患者の全死亡率を有意に減少

SCCT
血糖自己測定によりインスリン非依存型糖尿病患者の血糖コントロールおよびQOLが改善

SENDCAP
2型糖尿病患者において従来の糖尿病治療に追加したベザフィブラートは超音波計測による動脈疾患の進行には影響しないが、冠動脈性心疾患イベントは抑制

SIRIUS
狭心症の既往を有し心筋虚血徴候がみられる患者では糖尿病の有無に関わらず、ベアメタルステントよりシロリムス溶出ステントの方が標的血管不全を抑制

SMART
2型糖尿病合併高血圧患者へのバルサルタン投与はアムロジピン投与より微量アルブミン尿を改善

SMART(substudy)
2型糖尿病を有する高血圧患者におけるバルサルタンとアムロジピンの微量アルブミン尿抑制効果をACE阻害薬併用の有無別に検討

Sorbinil Retinopathy Trial
1型糖尿病患者においてソルビニールの網膜症進展抑制効果はみられず

SPLINT
専門看護師による臨床指導が糖尿病患者の血圧/コレステロールを改善

STEADINESS
1型糖尿病患者においてNPHインスリンよりインスリンデテミルの方がHbA1cを有意に改善

Steno-2
血圧、血糖、血清脂質に対する統合的強化療法はハイリスク2型糖尿病患者の心血管イベントおよび細小血管合併症のリスクを減少させる

STOP-NIDDM
アカルボースは耐糖能異常から2型糖尿病への進展を抑制

SYDNEY trial
リポ酸は1型または2型糖尿病患者の神経障害を改善

TARGET
ステント植込みを伴うPCIを施行した糖尿病患者においてアブシキシマブ群とチロフィバン群で死亡、虚血性イベント発生に有意差みられず

The Canadian INSIGHT
経口糖尿病薬へのインスリングラルギン追加療法は血糖コントロール不良な2型糖尿病患者の治療満足度およびQOLを改善

The Pathways Study
大うつ病、気分変調症の両方またはいずれかを併発した糖尿病患者において、うつ病治療の改善によるHbA1cの改善はみられず

TIMAD
糖尿病患者においてチクロピジンは糖尿病性網膜症の進展を抑制

TRANSCEND
ACE阻害薬に対して非忍容性を示し、心不全を伴わない心血管疾患もしくは高リスク糖尿病患者におけるテルミサルタンの長期投与は心血管イベント発生を抑制

TRAVEND
2型糖尿病患者においてベラパミル+トランドラプリル併用はエナラプリル+ヒドロクロロチアジド併用に比べ血圧およびアルブミン尿に対する効果は同等、血糖コントロールは良好

Treat-to-Target Trial
血糖コントロール不良かつ過体重の2型糖尿病患者におけるインスリングラルギンの追加投与は中間型ヒトインスリンに比べ夜間低血糖なしに目標HbA1cを達成

TRIAD
糖尿病患者の死亡診断書の1割には糖尿病が原因として記載

Troglitazone Study
2型糖尿病患者へのトログリタゾン投与は6カ月後のHbA1cおよび空腹時血糖を有意に改善

UKPDS 13
NIDDM患者においてSU薬およびインスリン療法は食事療法より良好な血糖コントロールを示すが、体重増加および低血糖を引き起こす

UKPDS 23
LDLコレステロール上昇、HDLコレステロール低下、HbA1c、収縮期血圧および喫煙歴などが2型糖尿病患者における冠動脈疾患の発生と有意に相関

UKPDS 24
食事療法で血糖コントロール良好な患者と不良患者においてSU薬、インスリン、メトホルミンの効果を比較

UKPDS 33
SU薬やインスリンによる厳格血糖コントロールは2型糖尿病患者の死亡および細小血管障害などを抑制するが、大血管障害の抑制には効果なし

UKPDS 34
新規肥満2型糖尿病患者に対するメトホルミン療法は糖尿病関連イベントおよび死亡を抑制

UKPDS 38
厳格血圧コントロールにより2型糖尿病高血圧患者の大血管および細小血管合併症リスクが減少

UKPDS 39
アテノロールおよびカプトプリルは2型糖尿病患者の大血管および細小血管合併症を抑制

UKPDS 44
従来治療に追加にしたアカルボースの長期投与は2型糖尿病患者における3年後のHbA1c値を改善

UKPDS 49
食事療法を受ける2型糖尿病患者では3年後の目標空腹時血糖値、HbA1c値達成率が薬物療法群より低い

UKPDS 80
2型糖尿病患者に対する10年間の厳格血糖コントロール治療の糖尿病合併症に及ぼす改善効果は治療終了10年後でも維持

UKPDS 81
2型糖尿病の高血圧患者に対する約8年間の厳格血圧コントロール治療による大血管および細小血管障害のリスク低下は治療終了10年後では消失

URANUS
脂質代謝異常を伴う2型糖尿病患者において、ロスバスタチンとアトルバスタチンの尿中アルブミン排泄量および糸球体濾過率への効果は同程度

VA Cooperative Study
最大用量SU薬もしくはインスリン療法で血糖コントロール不良な2型糖尿病男性患者において厳格血糖コントロールは微量アルブミン尿の進展を抑制

VA CSDM
2型糖尿病患者に対するインスリン強化療法は良好な血糖コントロールを示すが、軽~中等度低血糖の発生を増加

VADT
血糖コントロール不良な2型糖尿病患者においてHbA1c値と大血管障害の罹患に関連性みられず

VADT (Follow-up)
罹病期間の長い2型糖尿病患者に対する強化血糖コントロールは心血管イベント抑制に効果なし

VA-HIT
HDLコレステロール低値の冠動脈疾患患者において心血管イベント発生およびgemfibrozilの効果にはインスリン抵抗性の存在が影響

Wisconsin Epidemiologic Study of Diabetic Retinopathy II
30歳未満で糖尿病診断を受けたインスリン療法中患者における糖尿病網膜症および増殖性網膜症の有病率と重症度に相関する要因を検討

Wisconsin Epidemiologic Study of Diabetic Retinopathy III
30歳以上で糖尿病診断を受けたインスリン療法中患者における糖尿病網膜症および増殖性網膜症の有病率と重症度に相関する要因を検討

Wisconsin Epidemiologic Study of Diabetic Retinopathy IX
30歳未満で糖尿病診断を受けたインスリン療法中患者では網膜症の発生は罹病期間とほぼ相関して高くなる傾向にあり、10~12歳以上で急激に上昇

Wisconsin Epidemiologic Study of Diabetic Retinopathy X
30歳以上で糖尿病診断を受けた患者でも短期間で網膜症が悪化

XENDOS
オーリスタット投与は肥満成人患者の体重を減少させ、糖尿病発症を抑制


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by wellfrog3 | 2009-06-27 00:43 | 糖尿病

COPD治療のパラダイムシフト

北海道大学大学院呼吸器内科学 西村正治教授のCOPDに関する記事で勉強しました。


COPD治療のパラダイムシフト
生命予後の改善を目指した薬物治療へ

慢性かつ進行性の気流制限を特徴とする慢性閉塞性肺疾患(COPD; Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は長年、効果的な治療法が存在しない疾患と理解されてきた。
しかし近年は、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬などの投与により、呼吸器症状の改善、急性増悪や呼吸機能低下の抑制などが期待できることが国内外で報告されている。
さらに、COPD治療は生命予後の改善を見据えた薬物療法の可能性も示唆され、大きな変革期を迎えている。

—— COPDの治療に対する考え方が、ここ数年の間に大きく変わったといわれています。どのような変化があったのですか。
西村 
これまで多くの臨床医の間では、COPDの病態は肺気腫が主体のため肺組織が壊れた状態であり、治療の手立てがない疾患と考えられていました。
つまり、病態の非可逆的な部分にばかり目が向けられ、喘息のように治療によって呼吸機能の改善がみられることはないと認識されてきたわけです。

ところが、米国国立心肺血液研究所(NHLBI)と世界保健機関(WHO)のサポートにより作成されたガイドラインであるGOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)が2001年に発刊され、COPD治療の新たな方向性が示されました。
具体的には、COPDを非可逆的な病変と可逆的な病変が併存する病態ととらえ、可逆的な部分に最大限の治療を施せば、完全に元に戻ることはないとしても、患者さんのQOLをかなり改善できるという考え方です。実際、呼吸器専門医の多くはそのころから、そうした視点に立った治療を行ってきました。

最近になって、治療に関する考え方がさらに進展しています。
それは薬物療法によって、年単位で起こる呼吸機能の低下を遅延させ、ひいては生命予後も改善しようというものです。
すなわち、慢性疾患としての自然経過を薬物療法で改善しようと考えるようになったことが、最大の変化だと思います。

呼吸機能低下の抑制効果を検討しているUPLIFT試験
—— そうした治療の方向性を支持する近年のエビデンスについて、説明して下さい。
西村 
例えば、昨年発表されたTORCH試験が挙げられます(N Engl J Med 2007;356:775-789)。
この試験は、約6000人の中等症以上のCOPD患者をプラセボ群、吸入ステロイド薬のフルチカゾン群、長時間作用型β2刺激薬(LABA)のサルメテロール群、吸入ステロイド薬/LABA併用群の4群に無作為に分け、3年間にわたってCOPD患者の生命予後を検討したものです。
その結果、吸入ステロイド薬/LABA併用群で、COPD患者の予後を改善することはぎりぎり証明できませんでしたが、急性増悪の有意な抑制が示されました。
 
PEACE試験も注目されます(Lancet 2008;371:2013-2018)。
これは、本邦では去痰薬として使用されているカルボシステインのCOPDへの効果を検討した試験です。
約700人のCOPD患者を対象に中国で行われたプラセボ対照の二重盲検比較試験で、COPD患者の急性増悪を有意に抑制したとのデータが得られました。

また、あくまでTORCH試験のサブ解析結果ですが、吸入ステロイド薬/LABA併用による薬物治療が呼吸機能(1秒量)の低下を有意に抑制したことが今年発表され、COPD患者の自然歴に影響を与える可能性が示唆されました(Am J Respir Crit Care Med 2008;178:332-338)。

COPDにおける薬物治療の目標は単なる症状改善にとどまらず、急性増悪の抑制、呼吸機能そのものの低下抑制、あるいは生命予後の改善にシフトしつつあり、そうした視点に立った治療が求められるようになってきています。

—— 呼吸機能低下の抑制を直接見据えた検討も進められているのでしょうか。
西村 
これまで、禁煙療法を除き、COPD患者における呼吸機能の経年的低下を薬物治療で抑えることができるという明確なエビデンスはありませんでした。
実は、先ほど説明したTORCH試験もプライマリーエンドポイント(1次エンドポイント)が全死亡であり、呼吸機能ではありません。

しかし、呼吸機能の経年変化に対する効果をプライマリーエンドポイントとした、大規模臨床試験としては世界で初めての検討が2003年から行われており、その結果が今年10月に欧州呼吸器学会(European Respiratory Society)で発表される予定です。
これはUPLIFT 試験と呼ばれており、2003年に改訂されたGOLDで慢性安定期におけるCOPD治療の新たな推奨薬となった長時間作用型抗コリン薬チオトロピウムの効果を調べています(COPD 2004;1:303-312)。
もし4年間にわたり呼吸機能の悪化をチオトロピウムが抑制することが明らかになれば、これまでとは異なる観点からCOPDにおける薬物療法に目が向けられるようになるでしょう。

明らかに見逃されているCOPD患者
—— COPD治療に進展がみられる一方で、治療されないまま放置されている患者さんが非常に多いことも指摘されています。その理由をどのようにお考えですか。
西村 
肺炎や肺がんで入院される患者さんの中に、COPDとの診断を受けておらず治療されていなかったと考えられるケースが多々みられます。
COPDが見逃される大きな理由として、患者さんが静かに暮らしていれば、喘息のような発作が起きにくいという疾患の特性が挙げられます。

つまり、COPDは呼吸機能が低下しても重症化するまでは、強い運動をしたり、肺感染症に罹患したりしない限りは目立たないからです。
日本人のCOPD患者は70歳前後でようやく診断されることが多く、それまでは日常の活動性が少しくらい低下しても加齢のためと思われがちで、家族なども呼吸機能が落ちていることになかなか気づかないのではないでしょうか。
また、呼吸機能の低下を自覚しても、それを隠すためにライフスタイルを変えて、外出を控えるようになる患者さんもいます。そうすると、やはり周囲の人は気づきにくくなります。

—— どうすれば、COPD患者さんを見つけ出すことができるのでしょうか。
西村 
COPDになるリスクの高い人、すなわち中・高年者で喫煙歴が長い人に対して、スパイロメーターを用いて呼吸機能検査を行えば、簡便に診断できます。
ただ、一般臨床医の間にスパイロメーターがそれほど普及していないことが、診断を遅らせる一因になっていることも事実です。
特に近年のCOPDでは、咳や痰といった典型的な症状を呈する患者さんは昔に比べると少なくなっているので、呼吸機能検査の普及が求められます。
したがって、特定健康診査や人間ドックの検査項目の1つに、呼吸機能検査をぜひとも取り入れてほしいとも考えています。

また、COPDを基礎疾患として有する肺炎や急性気管支炎患者さんに対し、急性症状の治療だけを行う、つまりレントゲンの陰影、血液検査の炎症所見、咳・痰の臨床症状がなくなれば治療を終えている例も少なくありません。
COPDは呼吸機能検査による評価が必須であり、レントゲン所見や血液検査だけで呼吸器疾患をすべて診断できるわけではないことを認知していただく必要があります。
このことは肺炎や気管支炎の再発予防のためにも大切です。

—— COPDは日本人の死因では10位と、さほど多くはないようですが?
西村 
確かに10位ですが、2007年の死亡者数は1万5000人弱であり、決して少なくはないと思います。
それに、肺炎や肺がんで死亡している人の中に相当数の“隠れCOPD”患者さんがいます。
私どもの病院に肺炎や肺がんで入院した患者さんの中には、COPDであるのにそれまで診断されていなかったケースは少なくないからです。
したがって、COPDを軽視するべきではありません。

欧米人を対象に実施されたTORCH試験では、心血管疾患による死亡と呼吸器疾患による死亡がほぼ同数でした。
その背景には喫煙が考えられます。
喫煙はCOPDと心血管疾患に共通するリスクファクターですから、喫煙習慣のある人がCOPDと診断されれば心疾患を有する可能性もあるというメッセージだと思います。
ただ、あくまでも欧米人の傾向であって、虚血性心疾患がもともと欧米より少なく、肥満度も低い日本人の場合は、急性増悪の結果としての肺感染症と肺がんによる死亡が多いと考えています。

COPDの早期発見・早期治療に努めるべき
—— COPDの早期発見と早期治療により、肺炎や肺がんなどの発症リスクや死亡者数を減少させられるのでしょうか。
西村 
それを明らかにしたデータはまだありませんが、その可能性は十分にあると思われます。実は現在、私どもの施設では約300人のCOPD患者を対象にコホート研究を実施しており、半年ごとに呼吸器機能検査と1年ごとにCT検査を行っています。
追跡期間は少なくとも5年間を予定しており、日本人のCOPD患者における自然歴を明らかにできるのではないかと考えています。

—— COPD治療における薬物療法の可能性と今後の課題についてお聞かせください。
西村 
現状では、壊れた肺組織を完全に元の状態に戻せないことは既に述べたとおりです。
しかし、気管支拡張薬などを適切に投与することで、見違えるように呼吸が楽になったり、自宅で静かにしていた患者さんが外出できるようになるといった、QOLが著明に改善される例はかなりあります。

これも繰り返しになりますが、基本的に治らないと考えられていたCOPDが2006年に改定されたGOLDガイドラインでは「予防と治療が可能な疾患」に位置づけられていることを、ぜひともご理解いただく必要があると考えています。そういう意味でも、呼吸機能(1秒量)低下の抑制効果をプライマリーエンドポイントに設定しているUPLIFT試験は注目に値します。

スパイロメーターによる呼吸機能検査を普及させることも非常に大切です。
呼吸機能は健常者でも加齢によって少しずつ低下しますが、喫煙や疾患によりその低下速度が加速されます。
そのため、患者さんは呼吸機能の低下を加齢のためと認識しがちですので、同姓・同年代と比べて優れているのか劣っているのかを明らかにする必要があります。
そこで、一般の方々が理解しやすいように、日本呼吸器学会によりスパイロメーターの結果を「肺年齢」という指標で説明する工夫がなされていますので、実地臨床で活用していただきたいと思います。

治療可能なCOPDを決して放置しないように、早期発見・早期治療を心がけることが医療者としての責務ではないかと考えています。

(日経メディカル開発)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/copd2008/topics/200808/507500.html
NM online 2008.8.12

フルチカゾン/サルメテロール配合剤投与による慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の生存率試験
http://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2006_01/P1000334.html
http://www.japancorp.net/japan/article.asp?Art_ID=39780&cid=28503

[PDF] 吸入療法と COPD(TORCH、INSPIRE)(080514)
http://rockymuku.sakura.ne.jp/kokyuukinaika/kyuunyuuryouhoutoCOPD.pdf



<医学雑誌斜め読み>
Natural history of small gallbladder polyps is benign: evidence from a clinical and pathogenetic study.
胆嚢の小ポリープの自然史

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19209165?dopt=Abstract

Am J Gastroenterol. 2009 Mar;104(3):624-9. Epub 2009 Feb 10.
OBJECTIVES:
Little is known about the natural history and pathogenesis of small gallbladder polyps (<10 mm, usually of the cholesterol type), particularly in Western populations.
It is unclear if these polyps and gallstones represent different aspects of the same disease.
The aim of this study was to characterize the natural history and pathogenesis of small gallbladder polyps.
METHODS:
Fifty-six Caucasian patients with small gallbladder polyps, 30 matched gallstone patients, and 30 controls were enrolled in this 5-year prospective study.
Patients underwent a symptomatic questionnaire, abdominal ultrasonography, and ultrasonographic evaluation of gallbladder motility at baseline and yearly intervals for 5 years.
Cholesterol saturation index, cholesterol crystals in bile, and apolipoprotein E genotype were also determined.
RESULTS:
Most patients with polyps (mean size: 5.3 mm) were men (61%), asymptomatic, and had multiple polyps (57%).
Polyps did not change in 91% of patients during follow-up.
No subject experienced biliary pain or underwent cholecystectomy; four developed gallstones. Cholesterol saturation index was higher in patients with polyps or gallstones than in controls (P<0.05).
Cholesterol crystals were more frequent in patients with polyps than in controls (P<0.0001) but less common than in gallstone patients (P<0.0001).
Polyps and gallstones were associated with nonapolipoprotein E4 phenotypes.
CONCLUSIONS:
The natural history of small gallbladder polyps was benign, as no patient developed specific symptoms and/or morphological changes in polyps.
Consequently, a "wait and see" policy is advisable in these patients.
Polyps have some pathogenetic mechanisms in common with gallstones, but few patients developed gallstones.

これらの長期のデータは、SGPは良性のまま経過し、大きくなる患者は少数にすぎないというこれまでの知見を裏付けている。
また、SGPを有する患者も、無症状の胆石を発症する割合は、一般の人々と同等である。臨床医は自信をもってこれらの患者を「経過観察」する方針をとるべきであり、予防的な胆嚢切除は不要である。


<自遊時間>
茨城で1266人が自民党離党へ 県医師連盟会員ら
茨城県医師会の政治団体、県医師連盟は25日、自民党員となっている同連盟の会員や家族ら3472人のうち1266人が自民党離党を決めたと発表した。
同連盟は従来、自民党支持だったが、後期高齢者医療制度に反対し、次期衆院選で県内7小選挙区すべてで民主党候補の推薦を決定。
自民党県連からの離党勧告を受け、原中勝征委員長ら幹部はすでに離党している。

http://www.excite.co.jp/News/politics/20090625/Kyodo_OT_CO2009062501000710.html
excite ニュース 2009年6月25日 18時59分



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P.アイズピリ 「パープルバックの花」 リトグラフ


<きょうのブログ>
臨時 vol 145 「医師の計画配置論は荒唐無稽だ」
http://medg.jp/mt/2009/06/-vol-145.html
■6月3日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は、平成22年度予算編成の基本的な考え方を発表しました。
■医療については、「地域間、診療科間、病院・診療所間における医師の偏在を是正する必要がある」とされ、その解決策として「『経済的手法』と『規制的手法』の両方を行なうべきだ」と提言されました。
■今回の提言(原文ママ)
「偏在是正の手法としては、規制的手法を活用することも必要である。規制的手法の導入については、医師の職業選択の自由を制約するといった議論もある。しかし、国民医療費のほとんどが公費負担(保険料又は税金)であり、税金の投入されている比重も主要諸外国と比較しても大きいことや、医師の養成 には多額の税金が投入されていること等にかんがみれば、医師が地域や診療科を選ぶこと等について、完全に自由であることは必然ではない」
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by wellfrog3 | 2009-06-26 00:17 | 呼吸器科

ADAの新たな糖尿病診断基準

ADAが新たな診断基準発表、HbA1c6.5%以上を糖尿病とする

米国糖尿病学会(ADA)と国際糖尿病連合(IDF)、欧州糖尿病学会(EASD)の3団体は6月5日、合同で新たな糖尿病診断基準を発表した。
指標にHbA1cを採用し、「HbA1c6.5%以上を糖尿病とする」と定めた。
同日、ニューオーリンズで開催されている第69回米国糖尿病学会のシンポジウムで正式に公表し、同時にDiabetes Care誌に「International Expert Committee Report on the Role of the A1C Assay in the Diagnosis of Diabetes」と題する論文も発表した。

欧米ではこれまで、空腹時血糖(FPG)や経口ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test;OGTT)による糖尿病診断を行ってきた。
シンポジウムで、診断基準におけるHbA1cの活用について検討してきた専門家委員会委員長のDavid Nathan氏は、この2つの指標とHbA1cを比較検討した試験結果(DETECT-2など)を解説しつつ、HbA1cの指標としての優位性およびHbA1c測定法の有用性を強調し、新たな診断基準にHbA1cを採用した根拠を示した。

特に、
(1)糖尿病の基本的概念である持続性高血糖は、空腹時血糖値や食後2時間血糖値などでは代表できず、現行の指標の中ではHbA1cが最も適切である、
(2)HbA1cの測定は、空腹時採血や負荷試験を必要としない、
(3)現行の治療目標はHbA1cに基づいており、診断でもHbA1cを使った方が診断と治療の間に連続性が認められる
−−などを指摘、HbA1cによる新診断基準への理解を求めた。
 
HbA1cのカットオフ値については、4月にDiabetologia誌で発表された「Relationship between glycated haemoglobin and microvascular complications: is there a natural cut-off point for the diagnosis of diabetes?」の成果を提示。
「6.5%以上」との結論に至った根拠を解説した。


シンポジウムでは活発な議論が繰り広げられた
ADAのほか、WHOも新たな糖尿病診断基準を検討しており、日本糖尿病学会も、わが国の新しい糖尿病診断基準の策定へ向けた動きを加速させている。

いずれもHbA1cの位置づけを重視する方向にあるが、世界共通の診断基準に向けて、HbA1c値の国内的・国際的な標準化の検証など課題も少なくない。

NM online 2009. 6. 6  日経メディカル別冊
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/ada2009/200906/511062.html


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佐伯祐三 《煉瓦焼》 1928年(昭和3年) 油彩,カンヴァス 大阪市立近代美術館建設準備室蔵
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000020956.html

<きょうの一曲> Someday My Prince Will Come
Miles Davis Sextet - Someday My Prince Will Come
http://www.youtube.com/watch?v=C00IcNvSMnM&feature=related

Some day my prince will come(Snow White)
http://www.youtube.com/watch?v=Ca5o40vppvM&feature=related

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by wellfrog3 | 2009-06-25 00:48 | 糖尿病

RECORD試験

第69回米国糖尿病学会(2009.6.5〜9  New Orleans  米国)のRECORD試験の記事で勉強しました。

ロシグリタゾンは長期の観察で心血管リスクを上昇させない——RECORD試験より
チアゾリジン薬の1つであるロシグリタゾンは、長期観察では心血管リスクを上昇させないことが示された。
4000人以上の糖尿病患者を対象に行われたRECORD試験の成果で、平均5.5年間の長期にわたりロシグリタゾンおよびビグアナイド薬のメトホルミンかスルホニル尿素剤(SU剤)の併用と、メトホルミンとSU剤の併用とを比較した結果、心血管疾患による入院や心血管死をもたらすリスクは同等であることが分かった。主任研究者である英国・Newcastle大学のPhilip D.Home氏が6月5日、米ニューオーリンズで開催されている第69回米国糖尿病学会(ADA2009)のシンポジウムで発表した。

RECORD(Rosiglitazone Evaluated for Cardiovascular Outcome and Regulation of Glycaemia in Diabetes)試験の参加国は、欧州を中心に25カ国364施設に上る。
試験デザインは、メトホルミンまたはSU剤単独治療を行っている患者4458人に対し、それぞれロシグリタゾンまたは使用していないもう一方の薬の併用をオープンラベルで割り付けする方法で行われた。
主要評価項目は、心血管疾患による入院または心血管死の頻度とした。

ロシグリタゾン群2220人、メトホルミンとSU剤の併用群2227人を平均5.5年追跡した。
各群の患者背景に違いはなかった。

その結果、ロシグリタゾン群の心血管疾患による入院または心血管死は321件で、メトホルミンとSU剤の併用群の323件と有意差は得られなかった(ハザード比0.99、95%信頼区間0.85-1.16、p=0.93)。
心血管死のみでみても、ロシグリタゾン群60件に対してメトホルミンとSU剤の併用群71件と、有意差はなかった(ハザード比0.84、95%CI0.59-1.18、p=0.32)。

心血管疾患に関しては、心臓発作はロシグリタゾン群64件、メトホルミンとSU剤の併用群56件で、ややロシグリタゾン群で高い傾向はみられたものの、有意差はなかった(ハザード比1.14、95%CI0.80-1.63、p=0.47)。
一方、脳卒中はロシグリタゾン群46件に対し、メトホルミンとSU剤の併用群63件と、ロシグリタゾン群でやや少ない傾向はあったものの、こちらも有意差には至らなかった(ハザード比0.72、95%CI0.49-1.06、p=0.10)。
ただし、心不全はロシグリタゾン群が61件、メトホルミンとSU剤の併用群が29件で、有意にロシグリタゾン群で多かった(ハザード比2.10、95%CI1.35-3.27、p=0.001)。

血糖コントロールに関しては、HbA1c値はロシグリタゾン群でメトホルミンとSU剤の併用群に比べ、有意に改善した(p<0.0001)。
また、LDLコレステロール値の悪化およびHDLコレステロール値の改善についても、ロシグリタゾン群はメトホルミンとSU剤の併用群を有意に上回った(p<0.0001)。
一方、体重はロシグリタゾン群でメトホルミンとSU剤の併用群に比べ、有意に増加していた(p<0.0001)。

網膜症や足病変という2つの合併症について、ロシグリタゾン群はメトホルミンとSU剤の併用群に比べ、減少する傾向はあったものの、有意差はなかった(ハザード比0.75、95%CI0.54-1.05)。
骨折については、ロシグリタゾン群185件に対し、メトホルミンとSU剤の併用群118件と、ロシグリタゾン群で有意に多かった(ハザード比1.57、95%CI1.26-1.97、p<0.0001)。

男女別にみると、ロシグリタゾン群は女性124件、男性61件、メトホルミンとSU剤の併用群は女性68件、男性50件だった。
ロシグリタゾン群はメトホルミンとSU剤の併用群に比べ、女性は1.82倍、男性は1.23倍、骨折の相対リスクが高かった。

Home氏はまとめとして、「主要評価項目は満足のいく成績だった。しかしながら、ロシグリタゾンは心不全のリスクを増加させ、特に女性で骨折を増加させるなどの悪影響があった。この点に注意して慎重に用いる必要があるだろう。また、この試験では生じたイベント数が予期していたよりも少なく、心臓発作のリスク等について結論が出たとは言いにくい」と結んだ。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/ada2009/200906/511063.html
出典 NM online 2009. 6. 6  日経メディカル別冊
版権 日経BP社



<コメント>
ロシグリタゾンは国内未発売で、今後も導入されることはないものと思われます。
このチアゾリン系薬剤については心血管イベント増加リスクがあるということは米国国内でも確立されているものと思っていました。
今回の報告は心血管イベントリスクについて非劣性が証明されたというものでした。
俄かに信じていいものかどうか少し疑問ではあります。

私達の最大関心事はアクトス(ピオグリタゾン)では本当にそういったことがないかということです。
もし、ないとすれば両者の違いはどこにあるのでしょうか。



<ロシグリタゾン 関連サイト>
心梗塞のリスクと心血管死亡に対するロシグリタゾンの影響
hthttp://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/356/356jun/xf356-24-2457.htm-24-2457.htm

心血管転帰に関するロシグリタゾンの評価 ― 中間解析
http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/357/357jul/xf357-01-0028.htm


[PDF] ADA シカゴの最大の関心事 ?ロシグリタゾン論争?
http://novonordisk.co.jp/DITN/2007/ditn0907.pdf

アクトス等のグリタゾン類の使用を正当化するエビデンスはほとんどない
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=219

アクトス:心不全悪化、rosiglitazone:心筋梗塞・心不全悪化
http://intmed.exblog.jp/6154503/



<今日の一曲> ダイアナクラール イパネマの少年
イパネマの少年 ダイアナクラール Boy From Ipanema Diana Krall
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http://www.youtube.com/watch?v=fnLVXWKs_LE&feature=related

Diana Krall - The Boy From Ipanema
http://www.youtube.com/watch?v=7TNX82Oqf-M&feature=related

ダイアナクラール/ライヴ・イン・リオ
http://www.youtube.com/watch?v=o0c0WdXWvXg&hl=ja

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by wellfrog3 | 2009-06-24 00:42 | 糖尿病

無症候性冠動脈疾患と糖尿病

無症候性冠動脈疾患に対する2型糖尿病患者のスクリーニングは有用ではない
2型糖尿病を有し、冠動脈疾患(CAD)が無症状の患者では、誘発性虚血への定期的なスクリーニングが全般的な心予後に影響を及ぼすとは考えられないため、このスクリーニングを「推奨することはできない」と研究者らはJournal of the American Medical Association誌4月15日号で結論付けている。

CADは、2型糖尿病患者における死亡および発症の主因である一方、無症候性患者におけるスクリーニングの有用性については議論の余地がある、とYale University School of Medicine(コネチカット州ニューヘブン)のDr. Frans J. Th. Wackersらは述べている。

JAMA誌今週号において、同研究者らは、心電図所見が正常で、心疾患の既往がなく、CADが無症状である50~65歳の2型糖尿病患者1,123名を対象としたプロスペクティブなDetection of Ischemia in Asymptomatic Diabetics(DIAD)研究の結果を発表している。これらの患者は、CADスクリーニングとアデノシン負荷ラジオアイソトープ心筋血流イメージング(MPI)を受ける群とスクリーニングを受けない群に無作為に割り付けられた。

同研究者らによると、平均4.8年間の追跡調査で、累積心イベント発生率は2.9%と低く、平均で年間0.6%であり、心筋虚血に対するMPIのスクリーニングにより有意に低下しなかった。

5年間の追跡調査中に、スクリーニング実施群では非致死的心筋梗塞(MI)が7件、心臓死が8件(2.7%)、スクリーニング非実施群では非致死的MIが10件、心臓死が7件(3.0%)認められ、ハザード比は0.88であった(p=0.73)。

2型糖尿病を有し、CADが無症状である最近の患者群では、「MPIスクリーニングの実施は、その後の心イベントに何ら影響を及ぼさなかった」とDr. Wackersらは報告している。

スクリーニング実施群では、MPI結果が正常であった患者は409名(78%)で、結果が異常であった患者は113名(22%)であった。
スクリーニング上での有意なMPI異常所見は心イベントの発生率上昇と関連していたが、このようは異常所見の陽性適中率は低く(12%)、スクリーニング検査が正常な患者でもイベントが認められたことを、同研究者らは見出した。

DIAD研究に基づいて、「冠動脈疾患の既往がない患者では、以下の4つの理由により、無症候性冠動脈疾患に対する定期的なスクリーニングが推奨されていない。つまりスクリーニング検査の検出率が比較的低い、イベント発生率が非常に低い、スクリーニングがアウトカムに影響を及ぼさない、および明らかに、定期的なスクリーニングが米国の2,000万名ほどの糖尿病患者に実施された場合、極めて高価となる」とDr. Wackersは会見で述べた。

「今回の研究を否定的なスクリーニング研究と捉えるのではなく、臨床医はその結果を肯定的なメッセージとみなすだろう。現在では、現代医療、綿密な追跡調査および虚血症状の適切な診断評価を受けた2型糖尿病を有するがCADを示唆する症状が認められない患者は、予後が比較的良好である」とDr. Wackersらは自身の報告の中で示している。
JAMA 2009; 301:1547-1555.

出典 ロイターヘルス  2009.4.14
版権 ロイター社



<番外編>
謎の食中毒が増加中、短時間で発症し回復
食後短時間で一過性の下痢や嘔吐(おうと)の症状を呈し、原因物質が特定できない食中毒がここ数年、首都圏や瀬戸内海沿岸、北陸地方などで相次ぎ、地元の保健所が「再発防止策の取りようがない」と対応に苦慮している。

関係自治体は「広範囲で発生している」として全国規模の調査を国に要請。厚生労働省が国立機関に研究分析を依頼し、事例収集を進めている。

厚労省などによると、原因物質が特定できない食中毒には、
〈1〉主症状が下痢や嘔吐
〈2〉食後、発症まで平均4、5時間程度と短い
〈3〉軽症で回復も早い
--という共通点がある。
保健所などが残飯や吐しゃ物を検査しても原因となる細菌や毒素などが検出されず、原因が特定されていない。
食中毒と断定されるには至らなかった有症苦情事案にも同様ケースがあるという。

岡山県の倉敷市保健所が中心となり、昨夏、瀬戸内海沿岸27府県市に、原因不明の食中毒や苦情事案についてアンケートをしたところ、回答した21自治体のうち20自治体が「あり」とした。06年度29件、07年度87件、08年度は夏までで32件。
2年半の合計では広島県51件、兵庫県27件などが多かった。

さらに同保健所が今年初め、瀬戸内地区を除いた全国の都道府県や政令市など97自治体に聞いた結果、回答した70自治体のうち54自治体が「あり」とした。集計すると、04年度27件、05年度40件、06年度71件、07年度89件と増え、08年度は112件に。地域別の最近3年間の合計では、東京都52件、千葉県41件、福井県33件などが多かった。

調査を担当する同保健所の吉岡明彦参事は「患者数は1件につき数人から数十人。年間数百人以上になるのでは」と指摘。
「既に知られている細菌は体内に入って増殖するまでの時間がもう少し長い。未知の物質が原因の可能性がある」として調査を継続する予定だ。

ここ2年間で約10件の同様事案が発生した石川県なども昨年末に厚労省に原因の特定を要請。
今年2月の首都圏の自治体担当者会議でも話題に上ったという。

現在では主要な食中毒の原因物質も、過去にさかのぼると「原因不明」とされた時代がある。
昨年の食中毒のうち患者数が最も多いノロウイルスも、遺伝子検査が確立し、国が原因物質に追加したのは1997年のことだった。

厚労省から要請を受け、自治体への助言に取り組む国立医薬品食品衛生研究所の小西良子・衛生微生物部長は「各地の事例が同一現象とはまだ言えない。さらに事例を収集・解析する必要がある」と話す。厚労省は「近年まれにみる発見につながる可能性もあるが、まだ情報不足」とする。

有症苦情事案 嘔吐や下痢など食中毒のような症状を呈していても、原因物質が特定できない場合、「食中毒」としては報告されず、有症苦情事案として扱われることが多い。
食中毒と断定すると、原因施設が営業停止処分などになるため、行政側が慎重に判断することも影響している。
原因物質が検出されなくても、複数のグループが同じ施設で食事をしていたなどの状況があれば、食中毒と断定され、国の統計に計上される。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/6/22/102610/?pageFrom=m3.com
出典 読売新聞 2009.6.22
版権 読売新聞社


<新型インフルエンザ関連>

人で増殖しやすい変異か 中国で採取の新型ウイルス

中国・上海市で新型インフルエンザの患者から採取したウイルスに、人の中で増殖しやすくなり、病原性が増す可能性がある変異が見つかったと、東京大医科学研究所の河岡義裕教授が19日、明らかにした。

現時点では、ほかに同様のウイルスは見つかっていないが、河岡教授は「この変異を持つウイルスが拡大しないか、注意深く監視する必要がある」と話している。

このウイルスは5月、上海市の22歳の女性患者から分離された。女性の病状は回復している。

ウイルスの8本の遺伝子のうち、PB2という遺伝子はウイルス増殖に関与するタンパク質を作る。
今回のウイルスでは、これまで世界各地で採取された新型ウイルスとは異なり、PB2タンパク質の627番目のアミノ酸が「グルタミン酸」ではなく「リジン」に置き換わっていた

鳥のウイルスでここがリジンになると哺乳(ほにゅう)類で増殖しやすくなるとされ、毎年人で流行するA型インフルエンザウイルスでも、この部分はリジンになっている。

河岡教授は、この変異によって病原性が増すかなどを動物実験で確認したいとしている。

ウイルスの遺伝子情報は米国のウイルスのデータベースで公開されている。

出典 共同通信 2009.6.22
版権 共同通信社



新型インフル/地域分類廃止、全医療機関で診療へ 厚労省が運用指針を改定
新型インフルエンザの国内対策について、厚生労働省は19日、政府の基本的対処方針の運用指針を改定した。
感染状況に応じた地域分類をやめ、原則としてすべての一般医療機関で発熱患者を診療するとともに、患者は原則的に自宅療養とすることが主な柱。
秋にも予想される「第2波」に備え、重症者や重症化が懸念される基礎疾患患者への対応に重点を移す。今後、準備が整った都道府県から順次実施する。

新たな運用指針では、国内の感染状況について「患者の発生をゼロにするための封じ込め対応は、すでに現時点では困難」とし、秋以降に全国的に大規模な患者の増加が起こり得ると分析。患者の増加による医療機関の負担軽減と、重症者に対する適切な医療の提供が必要としている。

患者は原則自宅療養
こうした観点から、新たな運用指針では、これまでの感染状況に応じた地域分類を廃止し、対応を一本化。
地域の患者数にかかわらず原則としてすべての一般医療機関で発熱患者を診察することとし、患者は原則的に外出自粛を求めた上で自宅療養とする。
重症化のリスクが高い患者については、入院の必要性を医師が判断する。

一般医療機関で発熱患者を受け入れる際には、患者の待機場所や診療時間を区分するなど、感染拡大の防止策をとることが求められるが、設備・構造上こうした対応をとることが困難な施設や産科、透析病院などは、発熱患者を受け入れない医療機関として都道府県が指定できる。

サーベイランス 全数から集団発生に重点
サーベイランスでは、患者の全数把握をやめる一方、感染拡大の端緒をつかむため、学校や社会福祉施設などの集団発生に着目した新たな監視体制に移行。
PCR検査は、集団発生の一部と早期治療が求められる基礎疾患患者に限定する。

国内対策については、世界保健機関(WHO)が警戒レベルを「フェーズ6」に引き上げた今月12日、舛添要一厚生労働相が見直しを明言。
医療体制では重症者への対応に重点を置く考えを示しており、厚労省が検討を進めていた。
出典  Japan Medicine 2009.6.22
版権 株式会社じほう



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2009.6.21 標高1650m

<きょうの一曲>
天国の郵便ポスト / キマグレン
http://www.youtube.com/watch?v=s9HgHLtoJfU
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by wellfrog3 | 2009-06-23 00:30 | 循環器科

プラーク破裂マーカー「YKL-40」

アルブミン尿症を伴う2型糖尿病患者
プラーク破裂マーカー「YKL-40」は微小血管および大血管疾患と関連性がある


アルブミン尿症を伴う2型糖尿病患者において、プラーク破裂を検出しうるマーカー「YKL-40」は微小血管および大血管疾患と関連性があることが分かった。
オーストリアのRudalfstiftung病院(ウィーン)のJohanna Brix氏らが6月5日、ニューオーリンズで開催されている第69回米国糖尿病学会(ADA2009)の一般口演で発表した。
演者らは、「YKL-40の役割を解明することは、アルブミン尿症を伴う2型糖尿病患者の予後不良を改善することにつながる」とした。

アルブミン尿症を伴う2型糖尿病患者では、微小血管と大血管合併症のリスクが増大する。
また、アルブミン尿症は、プラークの不安定性と内皮機能不全に関係している。
一方で、プラーク破裂を検出しうるマーカーであるYKL-40は、内皮機能不全に関与していることが確認された。
さらにプラーク破裂において、YKL-40はアテローム硬化性イベントに関わってもいる。
そこで、演者らは、アルブミン尿症を伴う2型糖尿病患者のYKL-40を詳しく調べることで、血管の疾患との関連性を探った。

対象は、2型糖尿病患者185人。アルブミン尿でみた場合、正常アルブミン尿(No-A)群が107人、微量アルブミン尿(Mi-A)群が52人、マクロアルブミン尿(Ma-A)群が26人だった。

各群のYKL-40を測定したところ、No-A群が87±57ng/mL、Mi-A群が106±64ng/mL、Ma-A群が155±79ng/mLと大きく異なっていた(p<0.001)。

また、大血管疾患の有無で比べたところ、大血管疾患のある2型糖尿病患者では、大血管疾患のない群にくらべYKL-40が高く、108±70対81±45(ng/mL、p=0.003)だった。
網膜症のある患者は、ない患者より値が高い傾向を示し、122±77対97±58(ng/mL、p=0.79)だった。

相関分析では、YKL-40は尿アルブミン排泄(UAE)と関連していることが明らかになった。

中略

演者らは、今回の研究により、アルブミン尿症を伴う2型糖尿病患者においてはYKL-40の上昇がみられる上に、YKL-40は大血管疾患との有意な関連性があることも明らかになったと結論した。
その上で、YKL-40と腎疾患、微小血管疾患および大血管疾患との関連性を確認したことは、「アルブミン尿症を伴う2型糖尿病患者の不良な予後の改善につなげられる可能性がある」と締めくくった。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/ada2009/200906/511061.html

出典 NIKKEI MEDICAL 2009. 6. 6 日経メディカル別冊
版権 日経BP社


<きょうの一曲>  Bill Evans - Waltz For Debby
http://www.youtube.com/watch?v=dH3GSrCmzC8&hl=ja
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by wellfrog3 | 2009-06-22 00:41 | 糖尿病

胃癌検診にピロリ抗体検査

胃癌検診にピロリ抗体検査
ペプシノゲン法との併用で効率的に胃癌を発見

血液検査でピロリ菌感染の有無と胃粘膜の萎縮度を調べ、ハイリスク者を絞り込む新しい胃癌検診が一部の自治体で始まった。
受診率や胃癌発見率の向上、コストダウンにつながることが期待されている。

日本胃がん予知・診断・治療研究機構の三木一正氏は、「ペプシノゲン法とピロリ菌の抗体検査による胃癌検診は、胃X線法による検診より有用」と話す。

東京都目黒区は2008年4月から、40〜74歳の区民のうち5歳ごとの年齢の人を対象に、血清ヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)抗体検査(以下、Hp法)と血清ペプシノゲン検査(以下、PG法)による胃癌検診を始めた。

これまで同区では、胃X線法による胃癌検診を行ってきた。
しかし、受診率が低いことや、検診費用の負担が重荷になっていた。
これらの問題を同時に解決する方法として目黒区が採用したのが、上記の検査だ。

この検診の導入にかかわった、伊藤労働衛生コンサルタント事務所(東京都江東区)所長の伊藤史子氏は、「新しい検診は、血液検査だけで済むので、住民からの評判がよく受診率の向上が期待できる」と話す。

#胃癌リスクを4つに分類
かつて胃癌検診は、老人保健法に基づいてX線法で行われていた。
しかし、その後、1998年度から老人保健法の規定から癌検診が外れ、国庫補助も地方交付税に含まれる形で一般財源化された。そのため、自治体は独自の方法で検診の効率化を図るようになった。

 そんな中で、一部の自治体が注目したのが、当時東邦大学第一内科教授だった三木一正氏(現、NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構理事長)らが開発したPG法だ。これは、血中に微量に流れ出る胃の消化酵素の前駆体ペプシノゲンの濃度を測定することによって、胃粘膜の萎縮の進行度が分かる血液検査法。PG法を検診に用いれば、採血だけで萎縮の進行した胃癌のハイリスク群を絞り込めるというわけだ。

 さらに近年、ピロリ菌と胃癌の関連について研究が進み、胃粘膜の萎縮はピロリ菌の感染により進行し、腸上皮化生や異型上皮を経て、胃癌を発症することが分かってきた。

 目黒区では、三木氏の指導の下、PG法とHp法の検査結果によって、受診者の胃癌リスクを4つに分類し、その後に行う保険診療による内視鏡検査の間隔に差を付けた(図1)。PG法とHp法が共に陰性のA群は、胃癌発生のリスクが極めて低いとして内視鏡検査は行わず、5年に1回の間隔で検診(血液検査)を受ける。

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この検診方法は、リスク分類や検診間隔の目安などに多少違いがあるものの、目黒区のほかにも、いくつかの自治体や職域検診、人間ドックなどで既に導入されている。

「PG法だけでは、胃粘膜の萎縮が完成していない段階でできる未分化癌が拾い上げにくかったが、Hp法を追加することで、ハイリスク者をより確実に拾い上げられるようになった」と三木氏。実際、全国に先駆けてPG法による検診を行ってきた群馬県高崎市では、2006年にHp法を追加したことで、胃癌の発見率が向上(表1)。
胃癌1例の発見にかかる費用についても、胃X線法よりも、PG法にHp法を追加した検診の方が、大幅に低かった。

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同市でこの検診システムの導入に尽力した、乾内科クリニック(高崎市)院長の乾純和氏は、「高崎市では40歳以上の人口の約半数がA群に分類される。
こういった胃癌リスクが極めて低い人にも一律にX線撮影を行い、被曝を強いることには問題がある」と話す。
今後、ピロリ菌の感染率がさらに減少し、A群に相当する人が増えていく中、この検診の重要性はさらに増すとみられる。

求められるエビデンスの蓄積
一方、この方法については未解決の問題も存在している。
よく指摘されるのが、胃癌リスクが最も低いとされるA群に胃癌や胃の肉腫などの患者が含まれてしまい、内視鏡検査によるフォローアップの対象から外れる可能性がある点だ。

東大病院光学医療診療部長・准教授の藤城光弘氏は、「ごくまれにではあるが、A群にピロリ菌が関与しない噴門部癌やリンパ腫、肉腫などが含まれる可能性がある」と指摘する。また、過去にピロリ菌に感染していて除菌を行った人は、A群に含まれてしまう。そのため、検診ではピロリ菌の感染歴を問診し、除菌歴がある人はA群とは別扱いにして、定期的に内視鏡検査を行うことが重要だという。

今後、この検診が全国の自治体に取り入れられるには、さらなるエビデンスの蓄積が不可欠だ。
広島大保健管理センター長の吉原正治氏は、「癌検診の有効性を評価するには死亡率減少効果を示す必要があるが、内視鏡検診をはじめ、PG法やHp法を使った検診のエビデンスはまだ限られている」と話す。

PG法単独による胃癌死亡率減少効果については、吉原氏らのグループが、3年未満の間隔でこの検診を受けた者で有意に死亡率が減少したことを報告している。
PG法にHp法を追加すれば、死亡率減少効果はさらに高まると考えられる。
今後、高崎市や目黒区などでのデータが蓄積され、有効性が明らかになることが期待される。

出典 NM online 2009.6.9
   日経メディカル2009年6月号「トレンドビュー」(転載)
版権 日経BP社
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200906/511080.html

<番外編>
コーヒーの大腸がん予防効果を示すエビデンスはない

コーヒーの摂取が大腸がんのリスク低下に有効であることを示すエビデンスはないと,米ハーバード大学のグループがInternational Journal of Cancer の4月1日号に発表した。
 
同グループは,2008年6月までに報告されたコーヒー摂取と大腸(結腸・直腸)がんに関する前向きコホート研究12件(参加者計64万6,848例,うち大腸がん症例5,403例)のメタ解析を行った。
 
解析の結果,コーヒー低摂取群と比較した高摂取群の大腸がんの相対リスク(RR)は0.91で,有意なリスク低下は認められなかった。
有意ではなかったものの,コーヒー摂取と女性の結腸がんとの間に弱い負の相関が見られ(高摂取群のRR 0.79),特に日本人女性ではその傾向が強かった(RR 0.62)。
Je Y, et al. Int J Cancer 2009; 124: 1662-1668.
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M42200357/year/2009
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by wellfrog3 | 2009-06-21 00:06 | 消化器科