新型インフルエンザ 実地医家の備え

新型インフルエンザが学生の間で流行しています。
地域の実情に応じた対策をとる必要性がいわれています。
きょうは
Medical Tribune の記事
シリーズ 新型インフルエンザを迎え撃つ/実地医家の備えとは( 第4回)
で治療についての連携で勉強しました。

##医療従事者主導の連携体制が不可欠

##流行前線情報データベース構築
西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック(滋賀県)の西藤成雄院長らは,流行情報の収集と迅速な情報還元を目的に,Webデータベース(DB)を活用した流行情報サイト「MLインフルエンザ流行前線情報データベース」(http://ml-flu.children.jp)を構築している。
小児科医が多く参加するメーリングリスト(ML)により有志医師を募り,2000年冬から運営を行っており,現在は400人程度の有志医師の参加を得ている。


#感染症発生動向調査と高い相関
インフルエンザの流行が始まると,診療現場ではその情報に関心が集まる。
国立感染症研究所感染症情報センターの砂川富正主任研究官が,小児科医が参加するMLで臨床症状だけでなく,迅速診断キットの診断症例について報告し合えば,直ちに情報が共有できることを提案。
つまり,感染症発生動向調査週報(IDWR)のように臨床症状で報告されるよりも,迅速診断キットを用いて,より正確な診断をもとに流行を検討するのが望ましいと考えたからだ。
 
賛同したML参加者から迅速診断キットの診断症例が投稿され,流行状況がMLで取り交わされるようになった。
この提案を知った西藤院長は「MLへの投稿ではなく,Web-DBに症例報告する運用がふさわしいと考えた。
MLでの情報交換をWebベースで実現するために,インフルエンザの1報告が1レコードとして登録できるDBシステムの構築を行い,砂川主任研究官に提案し,Web-DBでの集計に切り替えることになった」と説明する。
このシステムは現在,国立感染症研究所感染症情報センターの谷口清洲第一室長の厚生労働科学研究「国際的な感染症情報の収集,分析,提供機能および我が国の感染症サーベイランスシステムの改善・強化に関する研究」の一環として運営が行われている。

#早期警戒システムとして期待
このプロジェクトに参加した有志医師は,診療でインフルエンザ患者を検出すると,MLで案内されたURLやアカウントで「症例登録ページ」にログインし,当該症例の年齢や性,インフルエンザのタイプなどを登録する。
DBに登録されると,即座に日本地図上の表示や報告数の推計グラフなどの集計に反映される。
日本全国はもとより,都道府県,市町村ごとの集計も行う。地域で有志医師が集まれば,当該地域の検出状況を共有できる。
また,日集計・週集計をMLでも配信し,有志医師に迅速に情報を還元できる。
 
西藤院長は「配信メールにはインフルエンザ関連トピックスも掲載する。
有志医師の診療に直結するサービスの提供に努めている」と話す。
 
これまで9シーズンにおける運用状況を見ると,有志医師数,報告件数,平均報告件数のいずれも増加傾向にある。
こうした有志医師による自主的な報告が実際のインフルエンザ流行を正確に反映しているかどうかを検討するため,同DBと現行のIDWRの比較を行った結果,非常に高い相関を示すことがわかった。


#8月に入り報告件数が急増
同DBは通年運用を行っている。今年夏の傾向について,西藤院長は「新型インフルエンザ流行の徴候が明らかであった。
8月に入ってから件数が急増し,例年の10月末〜11月初旬に近い状態であった(図)。
運営を開始してから,こんな現象は初めてである。まさに,津波が押し寄せるような怖さを感じた」と説明する。

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さらに,「有志医師の協力を得て運用を続ける間に,同DBは自主的な報告でも定量性がよいことが確認され,そして質的な情報も迅速に周知が可能なWebプロジェクトになった。通年運用により,国内どの地域でもインフルエンザの発生を最も早く関係者に伝えることができる。有志医師がさらに増えれば,より早期の発見が可能となる」と期待している。


##発生早期から医療従事者の感染防止を
大阪府吹田市では,2009年5月17日に1例目の新型インフルエンザの感染が確認され,その後は日を追うごとに感染者が増加するとともに感染を疑った多くの者が発熱外来に押し寄せ,大きく混乱した。
同市では早急な対応として一般医療機関でも診療を行えるよう医師会に依頼し,吹田市医師会の小谷泰会長(小谷医院院長)は医療従事者用の抗ウイルス薬,迅速診断キットなどの確保を条件に要請を受諾したという。


#182の診療所が協力
2009年4月25日,世界保健機関(WHO)の緊急委員会から,「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」の発表を受け,吹田市では「吹田市新型インフルエンザ対策会議」が開かれ,市の行動計画の第1段階(海外発生期)と位置付け,吹田保健所と吹田市保健センター内に発熱相談センターを設置し,市内の3医療機関に発熱外来を依頼した。
 
5月9日には,海外から帰国した大阪府の高校生ら4人の感染が確認された。同医師会では感染拡大に備え,会員のうち249診療所を対象に診療が可能かどうかを聞くアンケートを行ったが,「可能」は29機関にとどまった。
1週間後の16日に,神戸市で渡航歴のない高校生の感染が確認され,同会議では第2段階(国内発生期)の状況との認識を示した。
ただし,第2段階なら発熱外来で対応できるはずであったが,17日に吹田市で1例目の感染が確認されて以降は感染者が急増。感染を疑う多くの者が発熱外来を受診したことで,外来の対応能力は限界に近付いた。
 
5月20日に市は第3段階(蔓延期)と同様,一般医療機関も診療できるよう同医師会に申し入れた。小谷会長は「他の医師会が一般診療化を行っていない時期で対応に苦慮したが,最終的には発熱外来の機能を生かすために協力体制を構築すべきと考えた」と話す。
もう一度アンケートを行うと,182か所から「診療可能」との回答を得た。意欲を示す医療機関の増加について,同会長は「当医師会では,当時は国内の病原性は高くないこと,H5N1由来高病原性インフルエンザを想定した対応と混同しないことなど,注意を呼びかけるためのポスター配布や正確な情報提供などが会員に理解されたのではないか」と推測した。
 
同医師会では,26日に医療従事者用の治療薬や迅速診断キットなどの確保を条件に市の要請を受諾した。
「受診先は新型インフルエンザ診療に手を挙げてくれた内科や小児科に限らず,眼科や耳鼻咽喉科なども考えられた。治療薬,迅速診断キットなどは医師会の全会員への配布を求めた」(同会長)。
こうして,新型インフルエンザ一般診療が開始された(図)。
現在,患者は増加し続けているが,混乱は見られていない。

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#治療中心への対応切り替えが必要
新型インフルエンザの一般診療化について,小谷会長は「医療従事者感染に特に厳重な対応が必要だ。感染すれば,診療の休止や自身の患者にも感染させて迷惑をかけることになる。医療従事者用の治療薬や迅速診断キットなどを確保しておくべき」と強調する。
また,院内感染防止策については「新型インフルエンザ患者と一般患者との出口と入り口を分ける,または診療時間帯を分けるなどの工夫が求められる。当院では,新型インフルエンザ患者が受診する際は裏口を出入り口とし,院内ではパーティションで仕切られた場所を待合室に設置した」と言う。
 
また,季節性と新型の同時流行が危惧されているが,同会長は「従来の予防中心から治療中心に頭を切り替えるべき。後者は,新型インフルエンザが疑われる者は早期診断したうえでの早期治療・隔離を指す。ただ,オセルタミビルの投与に関しては10歳代の未成年患者には親に説明して承諾が得られれば処方し,服用後2日間は患者の状態を観察するよう指導している」としている。

出典 Medical Tribune 2009.10.1
版権 メディカル・トリビューン社


<コメント>
文中の「オセルタミビルの投与に関しては10歳代の未成年患者には親に説明して承諾が得られれば処方」はザナミビル(商品名 リレンザ)が第一選択の筈です。

<タミフル関連サイト>
#10代にもタミフル、厚労省が例外容認
新型インフルエンザが国内でも流行する可能性が高まっていることを受け、厚生労働省はインフルエンザ治療薬タミフルを、新型インフルエンザ感染が疑われる10歳代にも処方できるとする方針を明らかにした。
30日の衆院厚生労働委員会で、同省健康局の上田博三局長が答弁した。
タミフルを服用した子どもが飛び降りなどの異常行動をする事故が相次ぎ、同省は2007年3月から、原則として10歳代には処方を差し控えるよう、医療機関などに通知していた。
しかし、新型インフルエンザにはタミフルが有効とされ、他に有効な治療法もないため、例外的に使用することを認めることにした。
患者に濃厚接触した子どもに、感染予防のためにタミフルを飲ませることについても、有効性や安全性について十分に情報を提供し、同意を得た上で可能にする考えを示した。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090501-OYT8T00297.htm
読売新聞 2009.5.1
<コメント>
ザナミビル(商品名 リレンザ)の選択肢についてはまったく触れられていません。
「新型インフルエンザ感染が疑われる」という非科学的なあいまいな表現で、従来は原則禁止とした決定を反故にしてしまう。
タミフルを販売している○○製薬への厚労省の天下り官僚がきっといる筈です。

第一、PCR法による確定検査を開放しない理由の説明が今までにありません。
そしてそのことについて何の要望もしない医療側。
とても変です。

新ワクチン:特例承認はダメ
http://www.npojip.org/sokuho/090914.html

<番外編>
医薬品の効能又は効果等における「成長ホルモン分泌不全性低身長症」の呼称の取扱いについて
http://member.nagoya.aichi.med.or.jp/mem/news/ama_news/shiryou/402/01.pdf

新ワクチン:特例承認はダメ
http://www.npojip.org/sokuho/090914.html

悪魔の薬「タミフル」 中外製薬 厚労省課長が天下り
http://blog.goo.ne.jp/warabidaniyuukoku/e/c8bb2398108e5fd80b011d8c69581e36

タミフル販売元へ天下り
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-03-20/2007032015_01_0.html

タミフル(厚生労働省、中外製薬の疑惑)
http://www.pro-s.co.jp/diary/2007/03/post_74.html

厚労省課長、中外製薬に天下り
http://52480.diarynote.jp/200703202312060000/

新薬担当元課長、タミフル輸入販売の中外製薬に天下り
http://blog.goo.ne.jp/namiki_f/e/7193bf04a2ab58f179e12e0ea5da768a

真夜中の緊急記者会見とタミフル関係官僚の天下り
http://shinka3.exblog.jp/5757475/

タミフルに関する大いなる疑問
http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=41506&pg=20070321

厚生省幹部の天下り
http://mblog.excite.co.jp/user/yakuji/entry/detail/?id=3736652

天下りは必要悪か?
http://out-of-date.info/blog/archives/entry/2006/000591.html

厚労省天下りでタミフルの異常行動
http://blog.livedoor.jp/swamiyoshimi/archives/50044626.html

【厚労省のカルテ】(5)したたかに受け継がれる天下り
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080417/bdy0804170848001-n1.htm

タミフル 中外製薬に天下った厚労省元課長の正体
http://www.asyura2.com/0601/health12/msg/602.html

(いずれもちょっと旧聞に属する内容です)
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# by wellfrog3 | 2009-10-04 00:53 | 感染症

輸血後鉄過剰症

輸血後鉄過剰症
http://www.3nai.jp/net/008/index.html

[PDF] 鉄過剰症診療ガイドfinal version0807
http://www.jichi.ac.jp/zoketsushogaihan/tetsufinal.pdf

エクジェイド 日本のガイドライン 医療関係者さま向けページ
http://www.exjade.jp/guideline_ja/index.html

鉄過剰の基礎と臨床
http://exjade.jp/convention/data/DrKogo.pdf

特集・鉄代謝と鉄過剰症
https://www.iyaku-j.com/MDJOURNA/prac/doc/2009-02/017.htm



<自遊時間>
今週発売の週刊文春(10月8日号)の「阿川佐和子のこの人に会いたい」。
ゲストは厚生労働省医系技官、木村盛世氏。
(以下抜粋)
■厚労省の全職員6000人のうち医師免許を持った医系技官は250人いる。
その半分強が霞ヶ関の本省にいる。
■今、本省に残っている人は全部ダメですね。
■医系技官は悪の権化だから省内でも浮いちゃってる。
一番いけないのはその責任者でしょ。
それがとんでもない悪党。
上田博三健康局長(以下呼び捨て)っていうの。
■厚労省の中で一番ランクが高いのが医政局長と健康局長で、何十年も医系技官が引き継いできた聖域ポスト。
この辺の2〜3人の意見で、55兆円の医療費が使える。
今回桝添さんは、医政局長を文系ポストの保険局長に異動させて、一番危険でおいし
いポストから医系技官を追い出したんです。
これはすごいことなんですよ。

以下こんな調子です。
名誉毀損で訴えられても仕方がないような感情的な対談になっています。
この木村盛世氏を私たちはどのように評価すればよいのでしょうか。

彼女が対談でこえだけのことを言っているわけですから少々の印象を語ることは許されることと思います。

厚労省に身を置いていることにはいろいろ理屈を述べておられますが、結局は「同じ穴の狢」ではないでしょうか。
そして上司を呼び捨てにする言動には私はちょっとついていけません。
言っていることは正論のようですが、妙に自分に自信をお持ちの方のようです。
ひょっとして病的な自信かもと思ってしまいます。
 
木村盛世オフィシャルWEBサイト
http://www.kimuramoriyo.com/

上田局長と田代眞人氏 その甘い関係
http://www.kimuramoriyo.com/25-swine_influenza/swine_flu_27.html

木村盛世ブログ
http://ameblo.jp/moriyon/
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# by wellfrog3 | 2009-10-03 00:17 | その他

エンテカビル

#B型慢性肝炎治療薬「バラクルード錠0.5mg」
エンテカビル:抗ウイルス効果の高い第3の抗HBV薬
慈恵医大病院薬剤部 北村 正樹先生

2006年7月26日、B型慢性肝炎治療薬のエンテカビル水和物(商品名:バラクルード)が製造承認を取得した。
エンテカビルは、ヌクレオシド(核酸)系逆転写酵素阻害作用を有する抗ウイルス薬であり、B型肝炎ウイルス(HBV)の増殖を抑制する経口製剤である。
近く、薬価収載を経て発売される見込みである。

HBVの主たる感染経路は母子間感染であるが、その約9割は自然経過によりHBVが減少し、健康人キャリアとなる。
しかし残りの1割ほどでは、長期間炎症が持続するB型慢性肝炎が発症する。
慢性肝炎からは年率約2%で肝硬変へと進展し、肝硬変からは年率約3%で肝癌が発生することが知られており、B型慢性肝炎の治療においては、HBVを排除し肝炎を鎮静化させることが最終目標となる。
近年、ワクチンが広く使用されるようになったことで新規HBVキャリアの発生は大きく減少しているが、現時点でもわが国のHBVキャリアは100万人以上いると推定されている。

B型慢性肝炎の治療には、インターフェロン療法、ステロイド離脱療法などがあるが、近年では抗ウイルス療法が積極的に行われるようになっている。
この抗ウイルス療法に使用される薬剤(核酸アナログ製剤)としては、2000年11月に発売されたラミブジン(商品名:ゼフックス)と、2004年12月に発売されたアデホビルピボキシル(商品名:ヘプセラ)があり、今回承認されたエンテカビルはわが国では3番目の核酸アナログ製剤となる。
エンテカビルは、2005年4月から米国で発売されているほか、中国、EU(欧州連合)など、20カ国以上の国と地方で承認されている。

エンテカビルの最大の特徴は、その高い抗ウイルス効果である。
最近発表された第3相二重盲検試験結果(N Engl J Med 2006;354:1001-1010)によれば、エンテカビルは、ラミブジンに比べて有意に治療効果が高く、安全性は同等で、エンテカビル耐性のHBVの出現は認められなかったと報告されている。
エンテカビルは海外でも広く使用されるようになっており、今後、日本でも、ラミブジン、アデホビルとともに、B型慢性肝炎治療の中心的な薬剤として使用されていくものと考えられる。

ただしエンテカビルでは、類薬で乳酸アシドーシスや肝障害といった重大な副作用が報告されているほか、頭痛、倦怠感、上気道感染症、鼻咽頭炎、上腹部痛、下痢などの副作用も報告されているので、注意が必要である。
また、エンテカビルは小児における有効性と安全性は確立されていないため、16歳未満の小児患者には原則して使用しない。なお、投与予定患者には、エンテカビルの有効性を確実にするために、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に服用するように指導する必要がある。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200608/501211.html
NM online 2006.8.24



<番外編>
#なぜ高齢者は新型インフルエンザにかかりにくい?
9月28日開催された国立感染症研究所感染症情報センター主催のメディア意見交換会で興味深い研究成果が公表されました。

これまでにも、新型インフルエンザをめぐっては、「高齢者の罹患率が低い」「高齢者は新型インフルエンザウイルスに対する中和抗体を持っている」などの指摘、報告がありました。
国内では、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らが今年7月に、「90歳以上の高齢者が高レベルの抗体を保有している」と発表しています(科学技術振興機構報第652号に掲載)。

今回報告された研究は、さらに大規模な母数で、新型インフルエンザの抗体保有状況を調べたものです。
本研究では、季節性インフルエンザと同様に、40 倍以上のHI 抗体価を有効防御免疫の指標としています。

◆方法
・国立感染症研究所国内血清銀行(過去約30年にわたる約15万人分の血清を保管)に保存されている血清検体のうち、各年代層から抽出した計931検体を使用。
・新型インフルエンザウイルス(A/California/07/2009pdm)と、2008/09シーズンと2009/10シーズンのワクチン株のインフルエンザウイルス(A/Brisbane/59/2007(H1N1))に対する抗体価をHI法(赤血球凝集抑制法)で測定。
・新型インフルエンザウイルス(A/California/07/2009pdm)については、中和法でも抗体価を測定。

◆主な結果
(1)ウイルス(A/Brisbane/59/2007(H1N1))に高い抗体価を保有していても、新型インフルエンザウイルス(A/California/07/2009pdm)に対する抗体価とは相関が認められない。
(2)新型インフルエンザウイルス(A/California/07/2009pdm)に対する抗体は、1917年以前に生まれた人では50%から60%が保有していたが、1920年代生まれの人については抗体陽性者は存在するものの、その割合は20%程度であり、1930年代以降に生まれた人においては、抗体陽性者はほとんどいなかった。
(3)HI法と中和法の測定結果の間には、大きな差は認められなかった(中和法は手法が複雑で、どの施設でも実施可能な検査方法ではない。
今後、一般的に抗体測定を行っていくにはHI法による測定が現実的であることが示唆された)。

スペイン風邪が流行したのは、1918年。それ以前に生まれた人の50 - 60%が、新型インフルエンザウイルスに関する抗体を持っているわけです。
そこで、幾つかの疑問がわいてきます。
例えば、「スペイン風邪のウイルスと、今回の新型インフルエンザの抗原性がほとんど同じなのはなぜか」「スペイン風邪以降、1920年代に流行したインフルエンザウイルスの抗原性は変わってしまったのか」「抗原性の類似性と、ヒトに対する病原性との間に関連性はないのか」等々。
科学者の好奇心をくすぐる関心でもありますが、現時点では明確な答えはないとのこと。

既にオーストラリアなど南半球では冬が終わりつつあり、新型インフルエンザの流行も下火になっています。こうした諸外国でのデータも含め、さらなる研究が待たれるところです。

http://mrkun.m3.com/mrq/message/ADM0000000/200909301433496433/view.htm?pageContext=mrq6.0-m3ComTopBanner&mkep=mx-dr1.0&wid=20090930230904726

<きょうの一曲>
Creedence Clearwater Revival - Have you ever seen the rain?
http://www.youtube.com/watch?v=TS9_ipu9GKw&feature=related


<自遊時間> Sister Mary Joseph結節
ある日、60代の女性がへそのすぐ上方(頭側)に小豆大のしこりに気づいたということで来院されました。
診察机においてあるパソコンで検索し上記病名にたどりつきました。

早速その旨を書いて外科に紹介しましたが返って来た返事は
「臍垢のかたまりのようでした。除去、洗浄しておきました」
という返事でした。

返事を見た時には恥ずかしくて一瞬顔が赤くなってしまいました。

へそのゴマ、臍石?、へその病気、お手入れ法
http://www.ogorimii-med.net/advice/kuroiwa2.htm
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# by wellfrog3 | 2009-10-02 00:23 | 消化器科

全身性IgG4関連疾患

最近、「IgG4関連疾患」が話題となっています。
炎症性腹部大動脈瘤にも関係するという論文があるというコメントを私の別のブログにいただきました。

炎症性腹部大動脈瘤
http://blog.m3.com/reed/20080204/1


全身性IgG4関連疾患
http://www.mbl.co.jp/diagnostic/print/pdf/IgG4related.pdf


IgG4関連肝胆道疾患とPSCの病理
http://jspk.umin.jp/reg-meetings/2006reg-meet/35th-contents/35th-c.html

IgG4関連疾患
http://eprints.lib.okayama-u.ac.jp/14901/
IgG4関連疾患は21世紀になって提唱された新しい疾患である。組織学的にはIgG4陽性形質細胞やリンパ球浸潤が涙腺, 唾液腺, 後腹膜, 膵臓, 胆管などで起こり, 臨床的にはMikulicz病, 後腹膜線維症, 自己免疫膵炎, 糖尿病, 原発性硬化性胆管炎類似の胆管病変などを呈する全身性疾患であり, ステロイド治療に対する良好な反応性を認める。その診断基準は確立されておらず, われわれは, ①血清IgG4の高値, ②本疾患に特徴的な臓器の障害(唾液腺,涙腺, 膵臓, 後腹膜), ③組織学的にIgG4陽性形質細胞とリンパ球の浸潤の確認, の3項目のうち2項目以上認めれば, IgG4関連疾患とするという診断基準を提言する。

IgG4関連肝胆道疾患とPSCの病理
http://jspk.umin.jp/reg-meetings/2006reg-meet/35th-contents/35th-c.html

IgG4+MOLPS: Mikulicz病 検討会 HP
http://www.kanazawa-med.ac.jp/~hematol/MD.html

わが国における自己免疫性膵炎の実態
http://medical.radionikkei.jp/igakushoten/final/pdf/S160927.pdf

「全身病としてのIgG4関連疾患」講演会メモ
http://blog.goo.ne.jp/blooddoctor/e/a78f80b451b98b8152ff65fb1535417f



<番外編>
死者の3割、細菌にも感染 新型インフルで米CDC
新型インフルエンザで死亡した人の約3割が、肺炎球菌やインフルエンザ菌など肺炎の原因になる細菌に同時感染していたことが29日、米疾病対策センター(CDC)のまとめで分かった。

同センターは5月から8月にかけて、米国内で新型インフルエンザウイルスに感染して死亡した77人から肺の組織などを採取して調査。
この結果、29%にあたる22人が肺炎球菌などの細菌に同時感染していた。発症から死亡するまでの期間は1~25日という。

CDCは、リスクの高い人への肺炎球菌ワクチン接種や、細菌の同時感染を早期に診断することが、死者を減らすために重要だと指摘している。

肺炎球菌は肺炎や中耳炎などの原因となる細菌で、健康な人でも鼻やのどで見つかることがある。加齢や病気で免疫力が衰えると、菌が肺に入り込み発症する危険が高まるため、日本ではワクチンの接種を公費で助成する自治体が増えている。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/9/30/108423/
共同通信社 2009.9.30



予防目的では飲まないで WHOがタミフルで新指針
世界保健機関(WHO)は25日、新型インフルエンザの主力治療薬であるタミフルなど抗ウイルス剤の処方について「予防目的での使用はWHOとして推奨しない」とする新たな見解を発表した。
予防的な使用がタミフルなどに対する耐性のあるウイルスを発生させる危険性が高いためと説明している。

新型インフルエンザはワクチン普及が遅れているため、タミフルなどの抗ウイルス剤の早期処方が最も有効とされている。
日本を含む多くの国で予防的に服用している人は多いとみられ、今後、抗ウイルス剤の処方方針について医療現場などに影響もありそうだ。

WHOは「症状が出た後の早期の処方は重症化のリスクを減らす」と指摘。

しかし
(1)免疫力が低下し、タミフルを投与されても体内のウイルス活動が収まらない
(2)他のインフルエンザ患者に接触した後、タミフルを服用しても症状が重くなる
-といった状況の場合、耐性ウイルスが発生している可能性が高いとした。

既にタミフルを予防服用した患者には、別の抗ウイルス剤であるリレンザの服用を推奨している。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/09/28/108275/共同通信社  2009.9.28

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# by wellfrog3 | 2009-10-01 00:16 | その他

メモ

 
 
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# by wellfrog3 | 2009-09-30 12:40