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抗ウイルス薬の積極投与

##広がる抗ウイルス薬の積極投与
感染力や臨床症状は季節性インフルエンザとほぼ同じ。
重症度は高病原性鳥インフルエンザほどではないものの、季節性インフルエンザより高い可能性が示唆されている。
重症化率や致死率ははっきりしていないが、感染してもほとんどが軽症のまま回復する。
アマンタジン(商品名:シンメトレルなど)には耐性だが、オセルタミビル(タミフル)やザナミビル(リレンザ)といったノイラミニダーゼ阻害薬には感受性を持つ─。

これが、今明らかになっている新型インフルエンザの実像だ。
ただし、新型インフルエンザに対しては、大半の人が免疫を持っていないため、感染が拡大すれば重症例や死亡例が増えることが予想される。

#ハイリスク群には直ちに投与
5歳以下の小児、65歳以上の高齢者、慢性呼吸器疾患や心疾患、腎機能障害などの基礎疾患を持つ患者、妊婦などは重症化しやすいハイリスク群とされる。
中でも妊婦は妊娠後期になるほど重症化しやすい傾向がある。
そのため、ハイリスク群の新型インフルエンザ患者には、インフォームドコンセントを得た上で、直ちにノイラミニダーゼ阻害薬を投与することが推奨されている。

一方、健常成人・小児の患者に対してノイラミニダーゼ阻害薬を投与するかどうか、その方針はまちまちだ。
ノイラミニダーゼ阻害薬の備蓄状況などを勘案し、海外のガイドラインの多くは健常成人・小児への投与を積極的に推奨していない。
国内では季節性インフルエンザに準じて、基本的に患者の希望がなければ投与しないという対応が多い。
医師からは「日本はオセルタミビルの大量消費国と揶揄されてきた」「効果についてエビデンスが乏しい」など、慎重な声も聞こえてくる。

しかし、けいゆう病院(横浜市西区)小児科部長でWHOの新型インフルエンザ治療ガイドライン作成委員でもある菅谷憲夫氏は、「症状や周囲の感染の状況などから、新型インフルエンザを疑ったすべての患者に、ノイラミニダーゼ阻害薬を投与すべきだ」と話す。

理由は、健常成人・小児の患者からも重症例や死亡例が相次いでいるためだ。
米ニューヨークにおいて5月から6月にかけて新型インフルエンザで入院した909例では、大半をハイリスク群が占めたが、非ハイリスク群も21%に上った。
その背景について菅谷氏は、「ニューヨークでは、オセルタミビルによる治療を受けていないか、治療開始が遅れた症例が多かった」と指摘する。

WHOは、8月20日に発表した治療ガイドラインで、ノイラミニダーゼ阻害薬には重症化や死亡を防ぎ、入院を減らす効果があると位置付けた。
菅谷氏は「新型インフルエンザへの投与は、症状消失を早めるという季節性インフルエンザに対する効果とは違う。新型はノイラミニダーゼ阻害薬で治療する意義が大きい」と強調する。

日本感染症学会は9月15日、すべての患者に早期からノイラミニダーゼ阻害薬を投与すべきとする診療ガイドラインを発表。
国内でも新型インフルエンザ患者が多発した地域では、ノイラミニダーゼ阻害薬を積極的に投与している医師が多く、積極投与の動きが広がりつつある。

なお、全般的な治療方針は新型でも季節性インフルエンザと同様だ。
臨床症状に応じて、総合感冒薬や解熱剤などを投与する。小児ではインフルエンザ脳症のリスクを考慮し、アスピリン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸は投与しない。

#流行期はキットなしでも診断
季節性インフルエンザの診断には欠かせないが、新型インフルエンザの場合は、診断を迅速診断キットに頼り切るのは危ない。
症例が増えるに従い、迅速診断キットで疑陰性が多いことが分かってきたためだ。

そもそも迅速診断キットは、発症からの時間が短かったり、検体の採取が十分でない場合は感度が落ちる。
その上、新型インフルエンザに対しては季節性インフルエンザよりも感度が悪く、迅速診断キットの種類によって感度にばらつきがあるといった指摘もある。
実際、国内の新型インフルエンザによる死亡例の中には、発症後1日以上たってもA型陰性だった症例があった。

本格流行を経験した沖縄県で多くの患者を診た南部医療センター小児循環器科医長の中矢代真美氏は、「A型陰性となってしまう患者がかなりいた。外来で院内感染するリスクも考えると、軽症なら医療機関の滞在時間は短い方がいい。流行期には迅速診断キットを使わずに症状と感染の機会で“みなしインフルエンザ”と診断し、ノイラミニダーゼ阻害薬を投与することも多かった」と話す。
出典 NM online 2009.10.11
版権 日経BP社


<きょうの一曲> Toi et moi
Toi et Moi - Celine Dion & Charles Aznavour (Radion Edit)
http://www.youtube.com/watch?v=IcCZxFEmQDQ&feature=related

Charles Aznavour - Toi et moi
http://www.youtube.com/watch?v=HyDZgu5ZtNo&feature=related

Céline Dion & Charles Aznavour - "Toi et moi" @ TV Special
http://www.youtube.com/watch?v=KZIzXXpre8g&feature=related

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2009.10.11撮影
刈り入れの終わった田

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21? http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)

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by wellfrog3 | 2009-10-13 00:28 | 感染症

めまいの原因はウイルス?

メニエール病は、内リンパ水腫によりめまいや耳鳴り、難聴を来す病態だが、その原因は不明だ。前庭神経節でのヘルペスウイルスの再活性化が原因との説が浮上し、抗ウイルス薬投与を試みる医師もいる。


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アシクロビル投与によるめまいの改善
(R.Gacek. ORL J Otorhinolaryngol Relat Spec. 2009;71:78-86.による)

メニエール病はウイルスによる末梢神経障害である─。
こんなタイトルの論文が今年1月、海外の耳鼻咽喉科専門誌『ORL Journal for Oto-Rhino-Laryngology, Head andNeck Surgery』(2009;71:78-86.)に掲載された。

米マサチューセッツ大教授のR.Gacek氏が、メニエール病患者8人の剖検で、側頭骨の病理組織像を観察。前庭神経節の細胞がすべての患者で有意に減少し、患者の前庭神経節の細胞内にウイルスの外殻が見つかったと報告した。

さらに、メニエール病と前庭神経炎の患者に抗ウイルス薬のアシクロビル800mgを1日1回、3週間経口投与したところ、8割以上の患者で症状が改善したとしている(図1)。

これらの結果は、神経向性のヘルペスウイルスが再活性化して、前庭神経の退化や炎症性変化を起こし、神経障害に至る可能性を示すものだとGacek氏は記述している。


「メニエール病の患者に抗ウイルス薬を投与し、著効した例を多数経験している」と話す札幌東和病院の七戸満雄氏。

#奏効する症例を多数経験
実はわが国で既に、多数のメニエール病患者に抗ウイルス薬を使ってきた医師がいる。
札幌東和病院(札幌市東区)内科の七戸満雄氏は、耳鼻咽喉科医にメニエール病やメニエール症候群、突発性難聴と診断され、抗めまい薬の投与などの治療を行っても改善しない患者約5000例にアシクロビルやバラシクロビルを2週間を目安に投与してきた。
結果、8割以上の患者で症状が改善したという。
七戸氏は「反復する症状がヘルペスウイルス感染症のものと似ていると思い、第8脳神経への感染が疑わしいと考えた」と話す。



城西病院の庄司進一氏は、昨年から始めためまい外来で、めまいや耳鳴りを呈する患者に抗ヘルペスウイルス薬を投与している。

長野県松本市にある城西病院もめまい外来で、抗ウイルス薬による治療を行っている。
同病院院長でめまい外来を担当する筑波大名誉教授の庄司進一氏は、反復性のめまい(症例1)のほか、耳鳴り、難聴といった症状を訴える患者に対して、耳鼻咽喉科医の診断の下、治療の選択肢の一つとして抗ウイルス薬を勧めている。
「知人の外科医が繰り返すめまいに悩んでいたとき、アシクロビルを飲んで治ったという話を聞き、同治療に関心を持った」と庄司氏。

メニエール病に対する抗ウイルス薬の治療は保険適用外のため、検査や薬剤料を含めると1回に7万円ほどかかることがあるが、患者の満足度は高いという。

症例1 
反復性のめまいに抗ウイルス薬を投与し、改善した50歳代女性(提供:庄司氏)
主訴:
回転性めまい、動揺感(非回転性めまい)、右耳鳴り。
現病歴:
10年前から、回転性めまい発作があった。
4カ月前から3〜9時間続く激しい回転性めまい発作が月に3〜5回あり、動揺感が持続(めまい機能スケール4)。
めまい発作に一致して、右耳鳴りが増強することがある(耳鳴り障害スケール22点)。
両側先天性聾(ろう)であり、ほぼ筆談。補聴器は使用せず。
検査所見:
頭部CT検査、血液検査の生化学および血算、梅毒反応は異常なし。
尿検査異常なし。
抗ヘルペスウイルス抗体検査では単純ヘルペスウイルスIgG抗体(−)、水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルスIgG抗体(+)。
聴力検査は拒否。
治療経過:
来院時の内科、耳鼻咽喉科、神経内科的診察では異常なく、両側先天性聾、右前庭と蝸牛神経障害の再発性発作性症状および持続性症状と診断。
治療としてバラシクロビル2000mg/日(分2)を14日分処方したところ、内服前には10日ごとにあった回転性めまい発作が消失。
12日後まで軽度の動揺感があったが、13日以降は消失(めまい機能スケール1)。
右耳鳴りは消失(耳鳴り障害スケール0点)。
服薬開始から10週経過後の現在まで回転性・非回転性めまい、耳鳴りはない。

めまいと耳鳴りのスケールは、Otolaryngol Head Neck Surg 1995;113:181

#あくまでも学説の一つ
しかし、現状では、メニエール病とウイルス感染の関係については懐疑的な見方が専らだ。
日本めまい平衡医学会理事長で群馬大耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教授の古屋信彦氏は、「内リンパ水腫の原因として、ムンプスや麻疹、風疹ウイルスの不顕性感染やヘルペスウイルスの再活性化を主張する論文はあるが、あくまでも学説の一つにすぎない」と話す。

冒頭のGacek氏の論文に対しても、「前庭神経節細胞にウイルスが含まれている所見は認められたが、症状との因果関係、特にメニエール病の特徴とされる繰り返す発作については所見からは説明できない」と古屋氏は指摘する。

日本めまい平衡医学会では、メニエール病をはじめめまいを起こす疾患への抗ウイルス薬の投与について、「メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎など異なった病因の病気を正しく診断せず、同一の原因として治療するのは、非科学的」という趣旨の声明を出している。

表1のようなめまいの原因疾患を正しく鑑別し、それぞれに応じて治療を行う必要があるとの主張だ。

表1 
めまいを起こす主な内耳疾患と治療法
(日本めまい平衡医学会のホームページなどを基に編集部で作成)

蝸牛症状なし
良性発作性頭位めまい
症起床時など頭の位置を動かした際にめまいが起こり、通常、数十秒間以内に消失。
原因として耳石が半規管を刺激するためと考えられる。
抗めまい薬のほか、浮遊耳石置換法などの運動療法も有効とされる。

前庭神経炎
突然の激しいめまい発作で発症し、多くは数日間で軽快。軽度のめまい感が持続することもある。
発症前に感冒を罹患していることが多く、前庭神経へのウイルス感染も原因の一つとして考えられている。
発作時の治療は、ステロイドや抗ウイルス薬などの薬物治療が行われている。


蝸牛症状あり
メニエール病
数時間から半日程度のめまい発作に難聴、耳鳴り、耳閉感を伴う。病態は内リンパ水腫であり、治療には利尿薬や抗めまい薬が使われる。

突発性難聴
明らかな原因がなく、突然発症する急性感音難聴。
めまいを伴うものは30〜60%程度。治療は安静の上、ステロイドや抗めまい薬などが使われる。

ハント症候群
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって、外耳道や耳介周辺部の疱疹、顔面神経麻痺、内耳障害を示す。治療にはステロイドや抗ウイルス薬が使われる。
 

前庭神経炎やハント症候群に関しては、ウイルス感染が原因の一つと考えられており、抗ウイルス薬が使われることがある。
「前庭神経炎では症状に応じてバラシクロビルを投与することもある」と古屋氏は話す。

ただ、抗ウイルス薬はウイルスの再活性化の時期に有効で、潜伏感染の期間では無効とされている。
「ヘルペスウイルスは再活性化し、症状を発症するまでには数日を要すると考えられる。発症してから投与しても既にウイルスは沈静化していることもあり、投薬の有効性の判定は難しい」と古屋氏は説明する。

#ランダム化比較試験の実施を
メニエール病に対する抗ウイルス薬の効果は、プラセボ効果や自然軽快の可能性もある。
「新しい治療法を提案するのであれば、まずは耳鼻科医が正しい診断をした上で、症状の改善について第三者が検証できるように国際的な判断基準で評価することが求められる」と古屋氏は話している。

一方、あらゆる治療でも改善しないめまいの患者が多いのも事実。
メニエール病の原因の解明とともに、プラセボを含めたランダム化比較試験で抗ウイルス薬の効果を検証することが必要だろう。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/200906/511319.html
NM online 2009.6.26


<新型インフルエンザ 関連サイト>
#ワクチン輸入は「残念」 新型インフルで進藤氏
世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子(しんどう・なほこ)医務官は16日、都内での講演会後に記者会見し、日本が新型インフルエンザのワクチンを海外から輸入する考えを示していることについて「国際社会で希少なワクチンをさらに日本が買ってしまうのか、私としては残念な印象を持った」と述べた。

舛添要一厚生労働相は今月10日、秋以降の新型インフルエンザの本格流行に備えて、国内製造分では不足する1500万-2千万人分のワクチンを海外から輸入する考えを示した。
これに対し進藤医務官は「日本のワクチンメーカーには、東南アジアの発展途上国へのサポートについて国際社会から強い期待がかかっている」とした上で「日本の輸入には国際社会が驚くのではないか」と指摘した。

さらに「日本は途上国にワクチンの技術移転をして貢献すべきだ。技術者を派遣して現地の工場を指導し、生産能力をつけさせるべきだ。労働力も安価なので、ワクチンの価格も下げられる」との考えを示した。
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/7/17/104468/
2009年7月17日 提供:共同通信社

<コメント>
当地の近辺には大学が数多くあります。
そして、つい2週間前には各校で新型インフルエンザが流行して休校になっていました。
最近女房につき合って、近くのスーパーに買い物に行きますが、マスクをしている人は皆無です。
こんな暑い時期にインフルエンザ。
誰もピンと来ませんね。
私ももちろんマスクなしです。
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by wellfrog3 | 2009-07-19 00:04 | 耳鼻科