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HbA1C 6.5%以上を糖尿病に

HbA1C 6.5%以上を糖尿病に,6~6.5%は高リスク群
ADAなどが新診断基準を発表
米国糖尿病学会(ADA),国際糖尿病連合(IDF),欧州糖尿病学会(EASD)による国際専門家委員会は,HbA1Cに基づいた新しい糖尿病診断基準を米ニューオリンズで開催中の第69回米国糖尿病学会(ADA2009)で発表し,糖尿病と診断するカットオフ値は6.5%,6%以上6.5%未満を高リスク群とした。
新診断基準の詳細は Diabetes Care(2009; 32: 7: 1-8)に掲載されている。

空腹時血糖,OGTTは必要なし
米国では現在,糖尿病の診断に空腹時血糖(FPG)と,まれではあるが経口糖負荷試験(OGTT)が使われている。
今回の推奨を行うに当たって,同委員会は長期の血糖コントロールと合併症の関係を分析した結果,糖尿病の診断にはHbA1Cなど,長期にわたる血糖コントロールの信頼できる指標が適していると判断した。

同委員会の委員長を務めたハーバード大学教授のDavid M. Nathan氏は「HbA1C値はFPG値よりも測定値の変動が少なく,HbA1C検査は血糖検査よりも技術的に優れている。HbA1C検査は容易であり,FPGまたはOGTT検査を受ける必要がなくなる」と述べた。

同委員会では,HbA1Cと糖尿病網膜症などの長期にわたる合併症を分析した結果,HbA1C 6.5%を糖尿病診断のカットオフ値とすると結論付けた。
このカットオフ値は糖尿病診断の絶対的な基準となるものではないが,糖尿病患者の同定に十分な感度と特異度があると判断した。

また,HbA1C 6%以上6.5%未満を糖尿病発症リスクが最も高いとした一方で,絶対的なカットオフ値ではないと警告している。


HbA1C検査の信頼度の高さを評価
今回の決定の背景には,近年,血糖検査の精度がこれまで考えられていたほど高くないと判明したことがある。
血糖を測定するさまざまな臨床検査機器を調査した結果,41%の検査機器に標準的方法からのバイアスが認められたため,患者の12%を誤診している可能性が指摘された。

一方,HbA1Cは血糖検査に比べて検査時の誤りが少ないとされているうえ,課題であった検査法の標準化も近年大きく進展した。

同委員会は,今回の発表を契機として,他の国際委員会や学会がHbA1Cを糖尿病診断基準に使うことを考慮して欲しいとしている。
今回の推奨は,まだ3学会によって正式に承認されたものではないが,ADAはこの発表に対して,糖尿病診断に原則HbA1C検査を適用するとした。
さらに,ADAはこの推奨実施に際して最善の方法を探るなど,今回の発表の影響を調べるタスクフォースを立ち上げる予定だ。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0906/090626.html?ap

出典 MTpro 2009.6.8
版権 メディカル・トリビューン社



<番外編>
インフルエンザウイルス、超高感度で検知 スディックス
鹿児島大学発のベンチャー企業、スディックスバイオテック(鹿児島市、代表取締役・隅田泰生鹿児島大大学院教授)はインフルエンザウイルスを超高感度で検知する診断法を開発した。
低濃度のウイルスを検知でき、初期段階の患者も確認しやすくなる。
新型インフルエンザにも対応。
唾液(だえき)中のウイルスを30分以内に検査するシステムも今秋までに完成させ、空港の水際対策用などとして提案する。
 
ウイルスは細胞に感染する際、細胞表面の糖鎖(糖分子が複数個つながった分子)に吸着する。
今回開発した検知法では糖鎖を直径15ナノ(ナノは10億分の1)メートルほどの金ナノ粒子に固定化させたSGNP(糖鎖固定化金ナノ粒子)を作製。
SGNPが吸着し重くなったウイルスが沈殿することで、濃縮されたウイルスが得られる。SGNPの価格は50回分で5万円。
これまで水際などで実施してきた簡易検査法は濃縮と詳細(PCR)検査に合わせて2時間程度かかるのも難点だった。
商品開発支援のトラスト(兵庫県加西市)と30分以内で自動検査できるシステムを共同開発している。

http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2009063012295h1

出典 日経新聞・朝刊 2009.7.1
版権 日経新聞社


<診察室>
先生方にお尋ねします。
診察室に入って来て椅子に座った時に足を組む患者さんはいませんか?
そんな方にはどうされますか?

昨日、40℃に近い高熱と関節痛があり新型インフルエンザを強く疑わせる20代の女性が来院しました。
発熱相談センターの存在を知らず、当然のことながら直接当院を受診したわけですが、マスクもしていません。
いきなり足を組んで話始めました。
最初に話した言葉が、「発熱相談センターに電話をしまいたか?と受付でいきなり聞かれ、外に出て携帯をかけさせられた」。
非常に憤慨した様子でした。

こちらもそれだけでぶち切れそうになり「診察ができないので足を組むのは止めてもらえませんか」と言いました。

「そんなことは関係ないでしょ」と最後まで足は組んだままでした。
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by wellfrog3 | 2009-07-03 10:52 | 糖尿病

日本人の2型糖尿病における治療の実践と薬剤選択

日本人の2型糖尿病の病態は,インスリン分泌不全を背景とした患者の割合が高いといわれています。
その治療には今日さまざまな経口血糖降下薬が使用されますが,厳格な血糖コントロールには適切な薬剤選択が求められるます。
きょうは神奈川県内の糖尿病専門医が薬剤選択のポイント,特に第3世代スルホニル尿素(SU)薬グリメピリド(アマリール®)の有用性について討議した
特別企画 座談会 「日本人の2型糖尿病における治療の実践と薬剤選択のあり方」の記事で勉強しました。
製薬メーカー提供の座談会ですので、そのあたりは注意しながら読む必要がありそうです。

 
司会:
松葉 育郎 氏 松葉医院院長
コメンテーター:
小林 正 氏 富山大学附属病院長
出席者(発言順):
平尾 紘一 氏 HECサイエンスクリニック理事長
高井 昌彦 氏 高井内科クリニック院長
武田 浩 氏 武田クリニック院長
的場 清和 氏 的場内科クリニック院長
各施設における血糖コントロールの現状

松葉 
本日は,日本人の糖尿病の病態を踏まえたその治療の実態やSU薬の位置付けについて,大規模臨床研究J-DOIT2(Japan Diabetes Outcome Intervention Trial 2)を手がけられた小林先生にコメントをいただきながら,神奈川県内の糖尿病専門医の先生方とともに討議してまいりたいと思います。
はじめに,先生方の施設における血糖管理の状況についてお示しいただけますか。

平尾 
私は,高齢発症の糖尿病患者さんについては無理にHbA1C値を6.5%未満に下げることなく,7〜7.5%未満で経過をみる方針をとっています。
こうした前提の下,経口薬で治療している患者さんのHbA1C値の分布をお示しすると,6.5%以下が約40%,6.6〜7.9%が約50%,8%以上が10%弱というところです。

高井 
最近,健診などで受診勧奨された初診の患者さんが増え,こうした方々を含む比較的軽症例のHbA1C値は6%前後です。
一方,8%以上の患者さんが10〜20%を占めています。

武田 
当院で毎月HbA1C値を測っている患者さんは約1,200人おられ,平均は6.58%です。
そして,半数は6.5%未満にコントロールできていると思います。

的場 
当院は1型糖尿病の患者さんが100人近く,インスリン療法を施行している方も350〜400人おられます。
患者さん1,000人弱の平均HbA1C値は7.2%と,武田先生の施設よりも悪く,8%以上の方も10%前後占めています。

松葉 
全国的にはどのような状況でしょうか。

小林 
私たちが数年前に行った調査では,経口血糖降下薬使用患者のHbA1C値の分布は,単剤投与では6.5%未満が41.8%,7.0%未満が63.7%であるのに対し,併用では6.5%未満が24.1%,7.0%未満が41.9%となっています(図1)。

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病態を考慮した糖尿病専門医の処方とは
松葉 
最近,早期かつ長期にわたる血糖コントロールの重要性を物語るエビデンスが相次いで示されていますが,そのための処方のコンセンサスはどうでしょうか。

小林 
はい。2008年,UKPDS終了後に平均8.5年間追跡したUKPDS80の成績が報告されました。
その結果,SU薬やインスリンにより早期から厳格に血糖管理した群では,糖尿病に関連する心筋梗塞や細小血管症をはじめ,全エンドポイント,総死亡などのリスクの低下が試験中と同等に維持できていたことが明らかにされています(図2)。

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このように早期からSU薬を用いて長期の血糖管理に努めることにより,いわゆるLegacy Effectが得られる可能性が示された意義は大きいといえます。
 
また,米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)のコンセンサスが発表され,2008年二年ぶりに,2型糖尿病患者に対する治療のアルゴリズムが改訂されました。
それによると,「十分に検証された中心的治療法」は,「生活習慣改善+メトホルミン」投与をステップ1に,「SU薬」投与もしくは「基礎インスリン」投与をステップ2としています。
一方,改訂前,SU薬およびインスリンと並列に扱われたチアゾリジン薬は,「十分には検証されていない治療法」に位置付けられました(図3)。

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松葉 
非肥満型でインスリン分泌の低下を主体とする日本人の2型糖尿病の場合,どのように薬剤選択は行われているのでしょうか。

平尾 
私は,肥満型の方にはメトホルミン,非肥満型には少量のSU薬をファーストチョイスにしています。
最近では,特にグリメピリドの処方頻度が約7割を占めており,少量の投与で長期にわたり良好な血糖コントロールを維持できる患者さんが多数を占めています。

高井 
神奈川県内における内科医会の調査で明らかになったのは,糖尿病専門医と非専門医の薬剤選択の違いです。
専門医は非専門医に比べ,メトホルミン,およびSU薬のなかでもグリメピリドの使用頻度が高いことがわかりました。
私自身,非肥満型の患者さんに対しては,有用性はもとより経済性も考慮してSU薬をファーストチョイスにしています。

的場 
私も肥満型にはメトホルミン,非肥満型にはSU薬を選択していますが,インスリン抵抗性やC-ペプチドが高値を示す方にはビグアナイド薬を最初に処方することが多いです。

武田 
私は肥満傾向の方にはメトホルミン,非肥満の方に関してもメトホルミンを投与することが意外に多いです。
それでも効かない場合には,SU薬の併用,もしくは切り替えを考慮しています。


幅広い用量調節が可能なグリメピリド
松葉 
小林先生,グリメピリド少量投与のデータをご紹介いただけますか。

小林 
私たちが,経口糖尿病薬服用歴のない2型糖尿病患者を対象にグリメピリドを少量投与した結果,投与翌月からHbA1C値は有意に低下し,4か月後には6.5%を切ることができました(図4)。

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40例中1例に低血糖,3例に低血糖様症状は認められましたが,重篤な低血糖,低血糖様症状は認められませんでした。

松葉 
では,グリメピリド単独投与で効果不十分となった場合,先生方はどの程度まで増量されますか。

平尾 
グリメピリド単独投与では少量からはじめ,最大4mg/日まで増量しています。

高井 
私は,メトホルミン,チアゾリジン薬,αグルコシダーゼ阻害薬などを併用しながら6mg/日まで増量し,血糖コントロールが不十分になればインスリンの導入をお勧めしています。

武田 
患者さんには,あらかじめ「グリメピリドを4mg/日まで増量して血糖コントロールが不良になったら,インスリン導入を考えましょう」とお話し,メトホルミンやチアゾリジン薬などを併用しています。

的場 
SU薬単剤治療例約4,000名を対象とし,2006年に神奈川県保険医協会を中心にわれわれが行った調査では,SU薬の1日最大用量の半量以下(グリメピリドであれば3mg/日)を投与されている患者さんの血糖管理は良好でしたが,それを超える高用量投与の患者さんの63.3%がHbA1Cが8.0%以上でした。
私自身は,グリメピリドを4mg/日まで使用したうえで,血糖コントロールが不良であればインスリンを含む他剤の併用ないし,インスリン単独療法に切り替えています。
なかには,6mg/日まで使っている方もいらっしゃいますが,非常に限定的です。

費用対効果の高いSU薬の中でも有用性の高いグリメピリド
松葉 
実地医家の先生方がSU薬の使用を躊躇される理由として二次無効への懸念があるようですが,いかがでしょう。

小林 
UKPDSの結果をみますと,SU薬,メトホルミン,食事療法に関わらず膵β細胞機能は経時的に低下しています。
糖尿病発症の時点でβ細胞数は半分程度に減少しているとされていますので,二次無効といわれる状態は高血糖状態が長期にわたって継続し,糖毒性によってさらにβ細胞が減少したことによるものと考えています。

松葉 
グリメピリドは低血糖があまりみられないことで知られていますが,ご印象はいかがでしょうか。

的場 
大学在籍中,グリベンクラミド(ダオニール®)による重篤な遷延性の低血糖を来した患者さんの例を経験しましたが,グリメピリドで重篤な低血糖を経験したことはありません。

松葉 
私自身,グリベンクラミドからグリメピリドに切り替えて以来,重篤な低血糖を経験することが少なくなりました。
また,グリベンクラミドは心血管への影響が懸念されていますが,実際はどうでしょうか。

小林 
グリベンクラミドは,心筋細胞ミトコンドリアのATP感受性カリウム(KATP)チャネルを抑制し,虚血発作の防御反応である虚血プレコンディショニングを阻害することが知られていますが,グリメピリドはミトコンドリアのKATPチャネルを抑制しないため,虚血プレコンディショニングを消失させないことが報告されています。
このため,私もMatthew C. Riddle氏が指摘されるように,グリベンクラミドは既に引退の時期を迎えたと理解しています。

松葉 
糖尿病は慢性疾患であり,高血圧や脂質異常症の合併も多いことから,患者さんの薬剤負担を考慮した治療をする必要があると思いますが,いかがでしょう。

小林 
やはり,患者の薬剤負担を考慮した治療は常に必要になるでしょう。
その点,SU薬は安価で血糖低下効果に優れ,医療経済的な側面からみても費用対効果は高いと思います。

平尾 
私も,患者さんの薬剤負担については常に念頭に置いて治療に当たっています。
近い将来,メトホルミンの1日用量の増加が認められれば,SU薬とメトホルミンの組み合わせで十分に血糖管理ができると考えています。

松葉 
最後に全体を通して小林先生からコメントをいただけますでしょうか。

小林 
医療経済的な側面も考慮しますと,経口血糖降下薬では患者さんの病態によりメトホルミンやSU薬を中心的に用い,血糖管理が不十分になれば速やかにインスリン導入を図るという先生方のお話されたような治療が大切なのだと感じました。


出典 Medical Tribune 2009.5.21
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
男女とも卵の摂取量が多いと2型糖尿病のリスクが高くなる

原著:Egg consumption and risk of type 2 diabetes in men and women.
(男女の卵の摂取量と2型糖尿病の発症リスク)
Djousse L, Gaziano JM, Buring JE, Lee IM.
Diabetes Care. 2009;32(2):295-300.

追跡が終了した2つの無作為化試験,Physicians' Health Study I(男性20,703例)とWomen's Health Study(女性36,295例)の前向きデータを使用して,卵の摂取量と2型糖尿病発症リスクとの関連を検討した。

日本での糖尿病患者数の増加は著しく,糖尿病予備軍も含めると40歳以上では国民の5人に1人と言われ,この人数の増加は医療費や社会福祉などにおいて大きな負担となっている。
この糖尿病治療の基本は食事療法であり,指示されたカロリー量や栄養素のバランス,そして規則正しい食事時間を遵守することが大切である。

なかでも栄養素のバランスが問題となる場合が多く,今回の検討は食品の善し悪しを具体的に評価した興味ある報告であり,特に栄養価の高いとされる卵の摂取量と糖尿病発症との関連について検討している。
卵は飽和脂肪酸やコレステロールといった2型糖尿病のリスクとなる脂質を含む一方で,それとは反対の作用を有する多価不飽和脂肪酸も含んでいる。
今回の検討により,卵の摂取量が多い群では糖尿病の発症が有意に高率であることや,その背景として高脂血症との関連が示唆された。

さらに,糖尿病発症の要因として考えられることとして,動物実験の結果ではあるものの,食事中の脂質が高血糖や高インスリン血症を直接的に引き起こすことが確認されている。
一方で,肥満者において卵の摂取量の制限のみでは糖代謝に影響を及ぼさなかったとする報告や,肥満とやせといった体型の違いそのものが脂質代謝の変化に関与している可能性を示す報告もある。
卵の摂取量と糖尿病発症の詳細なメカニズムに関しては,民族間での差も含めてさらなる研究が必要と思われる。
http://www.takedamed.com/hpdr/rootDir/jsp/content/journal/journal.jsp



<MR面談録 2009.6.11>
①アストラゼネカ

②武田
■文献紹介
Differences in Glucose Tolerance Between Fixed-Dose Antihypertensive Drug Combinations in People With Metabolic Syndrome
Diabetes Care 29:2592-2597,2006
(losartan/hydrochlorothiazideの合剤投与により耐糖能異常は起こる。)

③大塚製薬

④万有
■文献紹介
臨床研究 ARB服用中の高血圧患者におけるロサルタン/HCTZ合剤への切り替えの有用性についての検討 ー PWV改善の効果も含めて
<コメント>
方法でPWV測定機器が記載されていません。
PWVということから多分オムロン・コーリン社の血圧脈波検査装置(form)と思われます。
このPWV値は血圧の上昇で増加し血圧の低下で減少します。
そのために血圧値による補正が必要といわれています。
この論文では、血圧値低下によりPWV値が低下し、「合剤が抗動脈硬化作用を有することが示唆された」と考察しています。
ちょっと問題です。

HEM-9000AIのAI・中心血圧 formのPWV/ABIに関するQ&A
http://www.arterial-stiffness.com/pdf/no12/104.pdf

メタボリックシンドロームとPWV-baPWVを中心として
http://www.colin.omron.co.jp/form/pwv_hands-on-book/metabo.html

■インクレチンの紹介

⑤帝人
■A-Top(Adequate Treatment of Osteoporosis)研究会パンフ。
内容はJOINT(Japanese Osteoroposis Intervention Trial)-02の進捗状況

⑥シェリングプラウ

⑦ノバルティス

⑧中外製薬
■エポジン注パッケージデザインリニューアル
pH5.5〜6.5からpH6.8〜7.2へ
(注射の際の疼痛が軽減)
添加物からBSEの原因となりうる牛成分を除去

⑨シオノギ製薬
■文献紹介
日本人を対象としたイルベサルタンの降圧効果と尿中アルブミン改善効果の検討
血圧 vol16 no2  2009 72−77

ARBの選び方・使い方
呼と循 57巻5号 2009年5月 457−466

⑩グラクソ
■パキシル 
パンフ紹介「パキシルの有用性」
■ジルテック ドライシロップ1.25% 0.4g分包 
新発売のパンフ
成人 1日1回 1回0.8mg 最高投与量 1日1.6g
小児 1日2回 2歳以上7歳未満は1回0.2g
        7歳以上15歳未満は1回0.4g
■アラミスト点鼻液27.5μg 56噴霧用
特徴 ナゾネックスに続いて2番目の1日1回のアレルギー性鼻炎点鼻液
   無臭
   フルナーゼの改良型
○7月に発売予定?(現時点で薬価基準未収載)
○一般名 フルチカゾンフランカルボン酸エステル
(フルナーゼはフルチカゾンプロピオン酸エステル)
○グルココルチコイド受容体(GR)に対する結合性が高い。
今までで一番高かったのはナゾネックス(モメタゾンフランカルボン酸エステル)。
○容器がカッコいい。
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<コメント>
「フルナーゼはバラの香り」といった記載もみたことがありました。これには思わず「バラの香りって臭かったっけ」と突っ込みを入れたくなります。
それにしてもGSKの外用薬は容器に凝っていますね。
専属デザイナーがいるのでしょうか。
薬価に上積みになっていなければよいのですが。
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by wellfrog3 | 2009-06-12 00:33 | 糖尿病

心血管イベント防止のための糖尿病治療

2型糖尿病の治療目標は、細小血管障害の発症・進行阻止とともに、心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントの発症防止です。
これまでの研究で、2型糖尿病における動脈硬化の進行には、軽度の肥満、脂質代謝異常、高血圧が合併すると加速度的に進行することがすでに明らかとなっています。
したがって、糖尿病と診断された早期の時点から血糖コントロールに加え、血圧、コレステロールの統合的な管理に努めることが重要となります。


以下、日本循環器学会総会の記事で勉強しました。


第73回日本循環器学会総会・学術集会(2009.3.20~22 大阪)でのランチョンセミナーにおいて、順天堂大学の河盛隆造氏は2型糖尿病の病態について述べた上で、血糖コントロールの重要性について言及し、適切な薬物治療のあり方などについて解説した。座長は、名古屋大学の室原豊明氏が務めた。


2型糖尿病治療の所期の目標は心筋梗塞、脳卒中の発症防止
糖尿病が心血管イベントの危険因子であることは論を俟たない。
厚生労働省による2005年の患者調査を都道府県別にみると、糖尿病患者数と心筋梗塞患者数は有意に相関しており、脳卒中患者数も同様に相関していることが示された。
河盛氏らは、脳梗塞で入院した患者では、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性塞栓症のいずれの病型においても、退院時のOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)の成績などから、正常血糖応答を呈する例は10~20%にすぎないこと、すなわち軽度の耐糖能障害(IGT)の時期からリスクが高いことを明らかにしてきた(Urabe T et al. Stroke 2009;40:1289)。
 
さらに、64列マルチスライスCTによる冠動脈検査を行ったところ、糖尿病患者だけでなく無症候性IGT患者においても多枝病変を含む狭窄や石灰化プラーク、軟性プラークが高率に認められている(図1)。

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これらの結果は、2型糖尿病の治療目標が心筋梗塞や脳卒中の発症防止であることを支持するものであり、高血圧や脂質異常症がある、しかしOGTTでは軽度の異常にすぎない時期から動脈硬化が進行している、と捉えるべきであることを示唆している。

糖尿病では約20年早く動脈硬化が進行している可能性
河盛氏らは、早期段階の動脈硬化を非侵襲的、かつ定量的に把握する手段として、従来よりBモードエコー法による頸動脈内膜中膜複合体肥厚度(IMT)の有用性を証明してきている。
同氏らの検討によると、健常人でも加齢とともにIMT値が高くなること、一方、IGTの平均IMT値は健常人に比べ大であり、糖尿病患者と同様であることが示されている(図2)。

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つまり、これはIGTの段階から動脈硬化が進行している可能性があるという見解を裏付けている。
注目すべきは、20~40歳代の2型糖尿病病患者のIMT値は50~70歳代の健常人のレベルに匹敵している点である。
このデータから河盛氏は、糖尿病患者においては約20年早く動脈硬化が進行している可能性が大としている。
 
河盛氏がIGTの集団を血糖応答曲線とインスリン分泌動態から4つの群に分け頸動脈IMT値を比較した検討結果によると(図3)、1、2時間の血中インスリン値が高い例でIMT値が大であった。

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このような群では、“拡張期血圧が高い”、“BMI 25以上”、“中性脂肪がやや高い”という特徴を併せ持っていることが示されたという。
一方、インスリン分泌能が低い、具体的には遅延分泌があり、血中インスリン2時間値がピークでしかも20-30μU/mLにすぎない例では、前述の危険因子もなく、IMT値も正常域であった。河盛氏は1996年にこの結果を、“ bad companions ” と提唱しているが、現状のメタボリックシンドローム基準と偶然良く一致している。


“真に厳格な”血糖コントロールの実現には早期からの積極的な治療介入が重要
米国では、ACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験、ADVANCE(Action in Diabetes and Vascular Disease)試験、VADT(the Veterans Affairs Diabetes Trial)などの結果により、“厳格な”血糖コントロールを行っても大血管障害の発症低下につながらなかったことが次々と発表され、何故、“厳格な”血糖コントロールが大血管障害の発症・進展を抑制しなかったのか、議論が続いている。
また、ACCORD試験では厳格な血糖コントロールが大血管障害の発症低下につながらなかったばかりか、むしろ死亡率を増加させたという衝撃的な成績も示された。
これについて河盛氏は、米国での同様の危険因子を有する2型糖尿病患者での平均死亡率(50件/千人・年)に比べると、強化療法群(平均HbA1c 6.4%;14件/千人・年)、従来療法群(平均HbA1c 7.5%;11件/千人・年)、ともに死亡率はかなり低いこと、さらに強化療法群では従来療法群に比べ心血管病変の発症が約10%低下していた点を重視すべきだとした。
その上で、2型糖尿病患者のnatural historyとして動脈硬化が進行し続けることを考慮すべきであり、それを阻止するためには“真に厳格な”血糖コントロールが必須であり、早期からの積極的な治療介入がきわめて重要との見解を示した。
その根拠として、HbA1cが6%前後であるが、既にIMTが高値である、罹病期間が2年以上の2型糖尿病患者多数を3年間前向き観察した研究において、HbA1cが6.0%か6.5%へとやや悪化した群ではIMT値が健常人の3倍の速度で増加し、一方、6.0%から5.6%へと改善した群ではIMT値が低下したという成績を示した(図4)。

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UKPDSは、新規発症2型糖尿病患者5,102例を対象とし、血糖コントロール、血圧コントロールの血管障害への影響を検討したgold standard 研究である。
1977年に開始され、介入試験は1997年で終了したが、その後さらに10年間追跡した成績が最近発表された(UKPDS 80)。
その結果によると、 “従来療法群”と“強化療法群”におけるHbA1cの差は介入中止後1年以内に消失したにもかかわらず、介入中止から10年後も“かつての強化療法群”では細小血管障害のみならず、全死亡や心筋梗塞のリスク低下も維持されていることが確認された(図5)。

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この結果は、診断直後からの積極的な治療介入により良好な血糖コントロールを維持すれば、長期にわたりその効果が持続することを示唆するもので、この“Legacy effect(遺産効果)”は流行語にもなってきた。
しかし、河盛氏は、「何故かつての血糖コントロール状況が10年間も新しい細胞に引き継がれていくのだろうか。
メカニズムを分子、細胞生物学を駆使して解明していくべきではなかろうか。
例えば、ゲノムは変わらないが、高血糖にさらされていると、その情報が細胞に“記憶”され、 次々と引き継がれる、 “エピジェネティクDNA修飾 ”などが  起こっているのでは?という観点から追求している」と話した。
 
一方、血圧コントロールにLegacy effectはみられないことがUKPDS 81で発表された。
すなわち、糖尿病患者においては血圧管理に気を緩めてはいけないことを実証した。
河盛氏は「過去の疫学研究から考察すると、脂質コントロールにも間違いなくLegacy effectがある」ことを示した。

病態を的確に把握し“糖のながれ”を正常化する
血糖値は、“糖のながれ”の結果を反映しているにすぎない。
健常人では、食事の摂取によりブドウ糖が門脈に流入すると速やかにインスリン分泌が促され肝に流入する。
肝は糖放出を抑制し、さらに糖を取り込む。
筋による糖の取り込みも促進され、その結果として食後の血糖上昇も軽微である。
一方糖尿病患者では、インスリン分泌能の低下に加え、各臓器でのインスリンの働きの低下も加わっていることが多い。
すなわち “糖のながれ”のどこかに乱れが生じている結果である。
治療に際しては、その乱れを見極め、是正を図る必要がある。
現在、食事療法や運動療法のほかにも、α-グルコシダーゼ阻害薬、SU薬、グリニド系薬など、“糖のながれ”の乱れを改善する上で、作用機序の異なる多彩な治療薬が使用されている。
2型糖尿病は、患者によって発症機序が異なり、病態生理は治療介入によって刻々と変動することから、その時点における、個々の病態を的確に把握し、“糖のながれ”を正常化するために最適な薬物療法を選択することが重要である(図6)。

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高血糖の放置こそが膵β細胞インスリン分泌能を低下させる
「2型糖尿病の膵β細胞では経年的に自然に、あるいはSU薬刺激によりインスリン分泌が徐々に低下するのでは決してない。高血糖こそが膵β細胞を障害するのだ」と河盛氏は強調した。
河盛氏は、教室での膵β細胞機能の詳細な検索から次のように解説した。
膵β細胞内にブドウ糖が取り込まれると膵臓の分化、機能維持にとって大切な転写因子であるPDX-1が活性化され、インスリンをはじめとする種々の遺伝子発現がみられ、インスリン分泌などが促される。
しかし、高血糖状況では、細胞内で酸化ストレスが惹起され、JNKが活性化される。
その結果、PDX-1活性の低下が証明され、さらに詳しくはPDX-1の核外移行信号部位の活性化が起こっていることが判明した(図7)。

c0183739_23214697.jpg


つまり、2型糖尿病では、高血糖を放置しないことこそが膵β細胞容積や機能維持の上で必須なのである。

診断直後から統合的な管理に努める
肝に取り込まれずに体循環に流れ込んだブドウ糖によって食後高血糖がもたらされる。
それを規定している最大の因子は肝・糖取り込み率だ、と河盛氏は強調する。
肝・糖取り込み率の低下によって食後高血糖が惹起されると膵β細胞の機能低下疲弊を招き、インスリン分泌が低下して、さらに肝・糖取り込み率が低下するという悪循環に陥る。
したがって、肝・糖取り込み率を高めて悪循環を断ち切り、食後血糖応答を正常化させる必要がある。
河盛氏は、肝・糖取り込み率を高めて悪循環を断ち切る手段として、
①肝・筋細胞内中性脂肪蓄積量を減少させ、インスリンの働きを高める、
②肝への速やかなインスリンの供給、
③ブドウ糖の肝への急峻な流入の防止、
などを挙げた。
特に2型糖尿病においては内因性インスリン分泌を永年に維持することが“糖のながれ”を正常化する上で必須である、と強調した。
 
河盛氏は、膵外分泌細胞をインスリン分泌細胞に分化させることに成功しており、インスリン分泌能の保持・回復に新しい手段が加わる日もそう遠くはないかもしれない。
 
最後に河盛氏は、「2型糖尿病治療の所期の目標は今や、心筋梗塞・脳卒中の発症を防止することである。そのためには、診断直後から体重、血糖、血圧、脂質のコントロールに力を注ぎ、より早期から、より完璧なコントロールを目指したい。そのためには診断された方々が必ずかかりつけ医に治療を受けるべきことを国民に啓蒙することこそが今、最も求められる」と締めくくった。

http://medical.nikkeibp.co.jp/all/special/sa/amaryl/3-1.html
出典 NM online  Nikkei Medical 2009.6  特別編集版
版権 日経BP社


<コメント>
非常に内容の濃い記事でした。
遺産効果が「脂質コントロール」にも見られるというのも興味深いことでした。
骨そしょう症のビスフォネートにも同じようなことがいわれていたような気がします。
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by wellfrog3 | 2009-06-09 00:14 | 糖尿病

糖尿病の腎不全合併例の降圧療法

降圧薬の2剤併用で糖尿病患者の腎不全リスクが低下
2種類の降圧薬の併用により2型糖尿病患者の腎疾患リスクが21%低減することが、多国籍の大規模比較試験(ADVANCE試験)のサブ分析の結果から示され、米国腎臓病学会誌「Journal of the American Society of Nephrology」4月号に掲載された。
対象は2型糖尿病患者約1万1,000人で、参加者の8割で追跡開始時に高血圧が認められたが、残り2割は正常血圧(130/80 mm Hg)の範囲内だった。
対象患者は、ACE阻害薬ペリンドプリルと利尿薬インダパミドの併用群、または偽薬(プラセボ)群のいずれかに無作為に割り付けられた。

平均4年間の追跡の結果、2剤併用群ではプラセボ群に比べて、腎疾患のイベントリスクが21%低減していた。また、試験開始前に糖尿病腎症の初期徴候が認められた患者では、腎機能が正常に戻っていた。
非高血圧患者においても、降圧薬の2剤併用は腎障害のリスクを低減させていた。

この結果について、共同研究者でオーストラリア、ジョージ国際健康研究所(George Institute for International Health、シドニー)のVlado Perkovic氏は、さらなる研究が必要としながらも、「この結果は、2型糖尿病患者においては、たとえ血圧が正常値であっても降圧治療が考慮されてもよいのではないか」との見解を述べている。

Perkovic氏は「今回の知見には、過去の臨床試験結果の分析であることなど、いくつかの限界がある。知見の大部分に、腎障害の初期徴候であるアルブミン尿が関連していることや、腎機能不全リスクへの直接介入へのインパクトを検討するには研究規模が十分でない」ことを指摘するとともに、「降圧薬の併用による効果なのか、降圧効果を超えた何か別の効果によってもたらされたものなのかを区別することはできない」としている。

HealthDayNews  2009.2.19

出典 Care Net.com 2009.3.20
版権 (株)ケアネット



番外編
<新型インフル>成田空港で3人疑い例
2009年5月8日 22時18分 ( 2009年5月8日 23時02分更新 )
http://www.excite.co.jp/News/society/20090508/20090509M40.119.html
厚生労働省は8日、カナダから米デトロイト経由で成田空港に帰国した3人と、米ロサンゼルスから帰国した北海道の幼児について、新型インフルエンザ感染の疑いがあると発表した。
幼児はその後の遺伝子検査で、インフルエンザではないことが分かった。

厚労省によると、3人はいずれも大阪府在住の男性で、40代が1人と10代が2人。
8日午後4時半すぎ、ノースウエスト航空25便(コンチネンタル航空6348便とデルタ航空4351便の共同運航便)で成田空港に到着し、簡易検査でA型インフルエンザと判定された。
成田空港検疫所が遺伝子検査で詳しく調べている。

一方、幼児は4月17~30日に米アリゾナ州に滞在し、30日に成田空港に帰国。37.9度の発熱などがあり、今月7日に医療機関を受診。
簡易検査でA型、B型インフルエンザともに陽性と判定され、医師が新型感染の可能性があると届け出ていた。
<コメント>
相変わらず、(国内でのニュースは)結局は季節インフルエンザだったという結末ばかりのようです。
しかし、今回の幼児のケースは奇異です。
簡易検査で「A型、B型インフルエンザともに陽性」に出て最終的にインフルエンザでもないという結論。
解説をどなたかにしていただきたいところです。


漢方「麻黄湯」、インフルにタミフル並み効果…福岡大病院
読売新聞 2009年5月8日(金)22時11分配信 
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/yomiuri-20090508-00542/1.htm
インフルエンザの治療に漢方製剤の「麻黄湯(まおうとう)」を使うと、抗ウイルス薬のタミフルと同じ程度の症状軽減効果があるという研究結果を、福岡大病院の鍋島茂樹・総合診療部長らが明らかにした。

新型インフルエンザへの効果は未確認だが、タミフルの効かない耐性ウイルスも増える中、注目を集めそうだ。

日本感染症学会で4月に発表された鍋島部長らの研究は、昨年1月~4月に同病院を受診し、A型ウイルスを検出した18~66歳の男女20人の同意を得て実施。
うち8人はタミフル、12人は麻黄湯エキスを5日間処方した。
ともに発症48時間以内に服用し、高熱が続く時は解熱剤を飲んでもらった。

服用開始から平熱に戻るまでの平均時間は、タミフルが20・0時間、麻黄湯が21・4時間でほとんど違わなかった。
解熱剤の平均服用回数はタミフルの2・4回に比べ、麻黄湯は0・6回と少なくて済んだ。

麻黄湯のインフルエンザへの効能は以前から承認されており、健康保険で使える。

http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200132D1035_1_08/
<コメント>
以前から麻黄湯がインフルエンザの症状改善に有効であることは知られていました。
どの点がノイエスなのか判然としませんが、解熱剤の使用頻度が少ないということには驚きました。
ハードエンドポイントとしての死亡率を下げることが出来るかという点、そして新型インフルエンザに対する有効性の有無に興味があります。
考えてみるとタミフルモ八角ガ原料ということでいわば漢方みたいなものです。
麻黄湯もインフルエンザウイルスに対する直接効果があるのなら、その作用点を知りたいものです。


<きょうの一曲> やさしさに包まれたなら - 松任谷由美
http://www.youtube.com/watch?v=ymdwzoxS8Xg&hl=ja
http://www.dailymotion.com/video/x4u8xs__music

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by wellfrog3 | 2009-05-09 00:59 | 糖尿病

インスリンがアルツハイマー病を防ぐ

糖尿病とアルツハイマー病の関連については、以前からもいわれています。


糖尿病がアルツハイマー病の前駆症状を招く可能性
ttp://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=197

糖尿病だとアルツハイマー発症4.6倍
http://plaza.rakuten.co.jp/gnetoffice/diary/200709030000/

中年期での糖尿病発症はアルツハイマー病のリスクを高める
http://www.dm-net.co.jp/healthdayjapan/2008/04/09.html

糖尿病からアルツハイマー病!
http://iron.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_1465.html

糖尿病の人々はアルツハイマー病へ通じる記憶力の低下の危険性が高い
http://www.rda.co.jp/topics/topics2642.html

きょうの論文は、インスリンとインスリン抵抗性改善薬がアルツハイマー病の記憶力低下を遅らせたり、予防する効果があるという内容です。




インスリンによって、アルツハイマー病による記憶力低下を遅らせたり、予防したりできる可能性のあることが、米ノースウエスタン大学(イリノイ州)のチームが率いる研究で明らかにされた。

■著者の1人で、同大学認知神経学アルツハイマー病センターのWilliam L. Klein氏は「インスリン感受性は加齢とともに低下し、このことがアルツハイマー病の新たな危険因子(リスクファクター)となる。
今回の結果から、インスリンシグナル伝達を高めればニューロンの損傷を保護できることが示された」と述べている。

■この知見は、アルツハイマー病を糖尿病の一種とする考え方に最新のエビデンス(科学的根拠)を補強するもので、米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)」オンライン版に2月2日掲載された。

■今回の研究では、インスリンおよびrosiglitazoneロシグリタゾン(商品名:Avandia、日本国内では未承認、2型糖尿病治療に用いられるインスリン抵抗性改善薬)が、脳の重要な記憶中枢である海馬から採取したニューロンを、アミロイドβ由来拡散性リガンド(ADDL)から保護することが明らかにされた。
ADDLは、記憶を形成するシナプスを攻撃、阻害し、記憶低下を引き起こすことで知られる蛋白(たんぱく)で、アルツハイマー病に関与していることがわかっている。

■「糖尿病治療薬がシナプスをADDLから保護するという今回の発見は、アルツハイマー病による記憶障害の治療に新たな期待をもたらすものだ」と、筆頭著者のブラジル、リオデジャネイロ連邦大学准教授(ノースウェスタン大学客員教授)のFernanda G. De Felice氏は述べている。
同研究グループは、最近の関連研究で、ADDLが結合したニューロンのインスリン受容体を取り去ることによりインスリン抵抗性を引き起こすことを突き止めている。

Health Day News 2009.2.3

Care Net.com 2009.2.13
http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=7463


<ロシグリタゾン 関連サイト>
心筋梗塞のリスクと心血管死亡に対するロシグリタゾンの影響
http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/356/356jun/xf356-24-2457.htm

「アルツハイマー病治療薬ロシグリタゾンについて」
http://www.drugsinfo.jp/2008/03/04-234015

ロシグリタゾンの黒枠警告に心筋虚血リスク追加
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200711/504845.html

高齢の糖尿病患者へのロシグリタゾン投与は心疾患リスクを高める
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/200801/505305.html


<インスリン 関連サイト>
糖尿病者はアルツハイマーに?
http://allabout.co.jp/health/diabetes/closeup/CU20040322A/

神経変性は「脳の糖尿病」 インスリン異常がアルツハイマー病などに関連しているらしい
http://www.asyura2.com/08/health14/msg/152.html

糖尿病薬がアルツハイマー病にも効果!?
http://allabout.co.jp/health/diabetes/closeup/CU20070509A/

<番外編>
中年期のコーヒー摂取が認知症やADの発症に予防的に作用
中年期のコーヒー摂取がその後の認知症やアルツハイマー病(AD)の発症に予防的に作用する可能性があることを示すデータが,フィンランドのグループによりJournal of Alzheimer's Disease の1月号に発表された。
 
■カフェインには中枢神経系への刺激作用があるが,認知機能に対するカフェインの長期的な影響は明らかではない。
同グループは,中年期のコーヒー,紅茶の摂取と老年期の認知症,ADのリスクとの関係を検討した。
 
■この研究の参加者は,中年者を対象に1970年代と80年代に行われた2件のコホート調査の生存者からランダムに選択された。平均21年間の追跡後,65〜79歳の1,409例が1998年に再検査を終了した。
 
■61例に認知症が確認された(うち48例がAD)。人口統計学的因子,生活様式,血管因子,アポリポ蛋白Eε4対立遺伝子,抑うつ症状を調整後,中年期にコーヒーを摂取していた群はコーヒーを全く飲まないか,ごくたまにしか飲まない群と比べ,老年期の認知症とADの発症リスクが低かった。
コーヒーを1日に3〜5杯飲む群で,最大のリスク低下(65%の低下)が認められた。
 
■紅茶の摂取は少なく,認知症やADとの関係は見られなかった。
<原著>
Eskelinen MH, et al. J Alzheimer's Dis 2009; 16: 85-91.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19158424
出典 Medical Tribune2009.2.19
版権 メディカル・トリビューン社

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
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「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
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by wellfrog3 | 2009-02-22 00:05 | 認知症

卵と糖尿病

1日1個卵を食べると糖尿病に!?
■約5万7,000人の男女を対象に卵の摂取と2型糖尿病発症の関連性を検討した研究結果がDiabetes Care(2009; 32: 295-300)に掲載された。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19017774

■この解析は,1982~2007年のPhysicians' Health Studyの男性2万703例と1992~2007年のWomen's Health Studyの女性3万6,295例のデータをもとに行われた。
卵の摂取状況は質問票で調査し,2型糖尿病の推定相対リスクはCox比例ハザードモデルを用いて解析したという。

■平均追跡期間は男性で20年,女性で11.7年であり,男性の1,921例と女性の2,112例が糖尿病を発症した。

1日1個の卵で2型糖尿病リスクが58~77%上昇
■解析の結果,卵を摂取しない男性に比べて,卵を摂取する男性の糖尿病発症の補正後ハザード比は,1個未満/週で1.09〔95%信頼区間(CI)0.87~1.37〕,1個/週で1.09(同0.88~1.34),2~4個/週で1.18(0.95~1.45),5~6個/週で1.46(1.14~1.86),7個以上/週では1.58(1.25~2.01)であった(トレンドP<0.0001)。

■女性の場合は,1個未満/週で1.06(同0.92~1.22),1個/週で0.97(0.83~1.12),2~4個/週で1.19(1.03~1.38),5~6個/週で1.18(0.88~1.58),7個以上/週では1.77(1.28~2.43)であった(トレンドP<0.0001)。

■この結果によると,「毎日1個以上,卵を食べている人は2型糖尿病になるリスクが58~77%高い」と言える。

卵の摂取は1日1個未満・・・
■論文の著者によると,卵の摂取は6個未満/週が推奨されるとしており,論文の結論でも,他集団での検証が必要とされるとしつつも,毎日の卵の多量摂取は,男女ともに2型糖尿病発症リスクを上昇させることが示唆されたと記されている。

■卵が糖尿病のリスクを上昇させる機序については明確な言及はなされておらず,参加者の日々の総コレステロール摂取量を詳細に検討すれば,卵との関連性は弱まるかもしれないという。

■しかし,高脂肪食の摂取は肥満・インスリン抵抗性を引き起こし,ひいては糖尿病発症の危険因子の1つとなることは周知の事実だ。
卵だけに原因があるとは言えないが,やはり食べすぎはいけないのだろう。

出典 MT pro 2009.2.9
版権 メディカル・トリビューン社


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by wellfrog3 | 2009-02-16 00:24 | 糖尿病

糖尿病と死亡リスク

昨今、2人に1人はがんにかかり、3人に1人はがんで死亡するといわれます。
この両者の数字の差が何を意味しているのかよくわかりません。
恐らく、がんが医学的介入により治ってしまうか、がんに罹患中に他の病気で死亡してしまうということだと思います。

きょうは、「すでに糖尿病のある患者が、がんに罹患するとあらゆる原因による死亡率が健常者に比較して高い」という記事で勉強しました。

がんの診断以前から糖尿病があった患者は死亡リスクが高い 
■がんと診断される前から糖尿病があった患者は,糖尿病がなかったがん患者と比べてあらゆる原因による死亡率が高いと,米ジョンズホプキンス大学のグループがJAMAの12月23日号に発表した。
 
■糖尿病は一部のがんの危険因子である可能性があるが,新規に診断されたがん患者における以前からの糖尿病の存在が死亡に及ぼす影響は明らかではない。

■同グループは,2008年5月15日までの電子データベースからがん診断前の糖尿病の有無と全生存を検討した研究を検索,メタ解析を行った。
 
■その結果,23件の研究のランダム効果モデルの解析で,糖尿病があった群は正常血糖値群と比べてすべてのがんによる全死亡率が1.41倍高いことが示された。

■がんのタイプ別によるサブグループ解析では,糖尿病は子宮内膜(体)がん,乳がん,結腸・直腸がんのリスク上昇と関係し,ハザード比はそれぞれ1.76,1.61,1.32であった。


原著 Barone BB, et al. JAMA 2008; 300: 2754-2764.

出典 Medical Tribune 2009.1.1,8 2009年1月1,8日
版権 メディカル・トリビューン


<コメント>
■最初この記事を読んだ時、がんと診断がついた時点ですでに糖尿病だった患者と、診断確定後に糖尿病を発症した患者の比較と勘違いしました。
■「あらゆる原因による死亡率」「すべてのがんによる全死亡率」・・・少しわかりにくい表現です。
■当然、糖尿病関連死も「あらゆる原因による死亡」に組入れられるわけですから、何だか当たり前のような気もする結果です。
がんに罹患していない母集団で検討しても「あらゆる原因による死亡率」に有意差が出そうです。
■糖尿病患者はがんに罹患しやすいかどうかということの方が私は興味を持ちます。
先生方はいかがでしょうか。

<参考>
Barone氏らは「糖尿病に関連する死亡リスク増大は、癌および癌治療とはまったく無関係の可能性がある。癌患者ではない成人の心臓血管系死因による死亡に対し、糖尿病は十分に確立されたリスクファクターである。癌の状態にかかわらず、糖尿病による微小血管障害および大血管障害は、ある程度蓄積する可能性がある」と述べるとともに、「糖尿病関連死亡リスクが生じるまでのさまざまな経路に関しては、今後の研究によって、相対的な重要性が明らかになるであろう」と述べている。
http://www.dm-net.co.jp/healthdayjapan/2008/12/17.php



<糖尿病とがん 関連サイト>
糖尿病患者に癌が多い?
http://www4.ocn.ne.jp/~sasaki/2003.2.htm
■糖尿病と癌に関する研究は少なく、糖尿病患者の癌死亡率の全国集計は数年に一度で調査されている。
■糖尿病患者の約4割近くが癌で亡くなることとなり、この割合は一般の人よりやや多い(1.3倍)。
■糖尿病患者に膵癌が多いという説は以前からあった。
■全膵癌患者の52.3%が糖尿病をもっていたという報告もある。
■糖尿病があってさらに喫煙歴があると膵癌の危険度が2倍になるともいわれている。

糖尿病歴ある男性は発癌リスク3割増
肝癌2.24倍、膵癌1.85倍と特に高い、女性は胃癌などで高リスク
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/200610/501512.html
■糖尿病と癌発症の関係が疑われるようになって久しいが、明確なエビデンスを示した報告はなかった。
■厚生労働省研究班による多目的コホート研究の結果、糖尿病歴がある男性はそうでない男性に比べ、癌リスクが27%と有意に高く、肝臓癌に限定すると2.24倍になることが示された。
■糖尿病歴がある女性では、胃癌(1.61倍)、肝臓癌(1.94倍)などが有意に高かった。

肥満や糖尿病が癌(がん)に関連
http://health.yahoo.co.jp/news/detail/?idx0=w02071206
■"米ミネソタ大学(ミネアポリス)疫学部のAndrew Flood氏らの研究では、糖尿病の女性で結腸直腸癌発症のリスクが50%増加することが示された。
乳癌検出プログラムに8年以上登録していた4万5,000人以上の女性を追跡調査した結果、結腸直腸癌の発症率は交絡因子を考慮しても有意に増加していた。
同氏はリスク増加の原因として糖尿病に伴うインスリン値上昇の可能性を挙げている。"

■米エール大学(コネティカット州)の研究者らの研究は、糖尿病女性ではインスリン値が高いため乳癌による死亡リスクが3倍高いとしている。
乳癌の長期試験に参加した女性の血中Cペプチド濃度(インスリン分泌能のマーカー)を測定した結果、8年間でCペプチド濃度が上位3分の1の女性の乳癌による死亡リスクは、下位3分の1の女性の2倍であった。

■"米ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部(ボルティモア)の研究者らによる研究では、浸潤性乳癌と診断された後の体重増加によって、癌による死亡リスクが有意に上昇した。
乳癌の女性4,000人以上をボディ・マス・インデックス(BMI:肥満指数として用いられる)で分類した結果、肥満女性の乳癌による死亡リスクは正常体重の女性の2.4倍で、年齢や閉経状態、喫煙を考慮しても変わらなかった。"

■同大学による別の研究では、前立腺癌の男性264例とそうでない男性264例の血中Cペプチド濃度を測定。試験開始時に濃度が高かった男性は低い男性に比べ、前立腺癌の発症率が3分の1低く、転移のない前立腺癌の発症リスクは半分であった。
同大学准教授のElizabeth Platz氏は、糖尿病男性の前立腺癌リスクが低いのは、インスリンが前立腺癌の成長を刺激するテストステロン(男性ホルモン)の活性を低下させるためだと説明している。

他にもブログがあります。
ふくろう医者の診察室 http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
葦の髄から循環器の世界をのぞく http://blog.m3.com/reed/
(循環器科関係の専門的な内容)
「井蛙内科/開業医診療録(2)」2008.5.21~ http://wellfrog2.exblog.jp/
井蛙内科開業医/診療録 http://wellfrog.exblog.jp/
(内科関係の専門的な内容)

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by wellfrog3 | 2009-01-25 00:29 | 呼吸器科