H.pylori 感染の新ガイドライン発表
除菌対象者をH.pylori 陽性者すべてに拡大 ■日本ヘリコバクター学会は平成21年1月23日,「H.pylori 感染症」という新たな疾病概念を打ち出し,すべてのH.pylori 陽性者に対し除菌を推奨する内容の新ガイドライン(「H.pylori 感染の診断と治療のガイドライン2009改訂版」)を発表した。 2000年の初回ガイドラインから2回の改訂を重ね第3版となる。 「H.pylori 感染症」を病名として打ち出す ■新ガイドラインの大きな目玉は,「H.pylori 感染症」を病名として明確に打ち出し,H.pylori 除菌が胃・十二指腸潰瘍の治癒だけでなく,胃がんをはじめとするH.pylori 関連疾患の治療や予防に役立つことを示した点だ。 そのうえで,H.pylori 除菌治療の適応となる疾患として胃・十二指腸潰瘍をはじめ,胃MALTリンパ腫,特発性血小板減少性紫斑病(ITP),早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃,萎縮性胃炎,胃過形成性ポリープ,機能性ディスペプシア,逆流性食道炎などを挙げ,各疾患におけるエビデンスレベルを提示した(表)。 ■同学会理事長の浅香正博氏(北大)は,「保険適用になっていない疾患に対して,すべて除菌を勧めてよいのかということが議論になったが,標準治療の在り方を明確にするために1年半,非常に長い時間をかけてつくった。初回ガイドラインから8年経過し,大きな副作用も報告されていない。メリット,デメリットを天秤にかけたら,圧倒的にメリットのほうが大きい。今回のガイドラインはわれわれ日本人にとって,非常に優れたものに進化している」と語った。 ■なお,これまでのガイドラインで除菌を推奨していたのは,既に保険適用とされている胃・十二指腸潰瘍と,2003年の前回改訂で追加された胃MALTリンパ腫であった。 PPIは全種類使用可能,二次除菌ではメトロニダゾールを使用 ■診断についての変更はないが,治療面では除菌に使用するプロトポンプ阻害薬(PPI)は,従来のランソプラゾール,オメプラゾールに加えてラベプラゾールも含め,国内で発売されているすべてのPPIを使用可能とした。 出典 MT pro 2009.1.26 版権 メディカル・トリビューン社 <コメント> 一般的に除菌の結果として逆流性食道炎が悪化すると理解していました。 しかし逆流性食道炎自体が除菌の適応となっています。
by wellfrog3
| 2009-01-28 00:37
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