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血清クレアチニン低値と2型糖尿病

新型インフルエンザの禍中で開催された第52回日本糖尿病学会(2009年5月21日〜24日 大阪を紹介した記事の中で興味深い発表がありました。

血清クレアチニン低値は2型糖尿病の発症リスクだった
インスリンの標的臓器である骨格筋と2型糖尿病発症との関係を明らかにするため、その筋肉量を反映すると考えられている血清クレアチニン値と2型糖尿病発症との関連性を前向きコホート研究(The Kansai Healthcare Study)で検討したところ、「血清クレアチニン低値は2型糖尿病の発症リスクである」ことが明らかになった。
大阪市立大大学院医学研究科産業医学の針田伸子氏らが5月22日、第52回日本糖尿病学会年次集会の口演セッション「2型糖尿病」で発表した。

演者らは、2000年度に定期健診を受けた40〜55歳の男性で、登録時に糖尿病がなく、血清クレアチニン値が2.0mg/dL未満だった人で、4年間追跡できた8570人を対象にコホート研究を行った。解析は多重ロジスティック回帰分析で行った。

4年間の追跡の結果、2型糖尿病を発症した人は877人だった。
追跡できた8570人の発症率は10.2%だった。

登録時の血清クレアチニン値が0.71-0.80mg/dLを示した群と0.40-0.60mg/dLを示した群を比較したところ、多変量解析後のオッズ比は1.91(95%信頼区間、1.44-2.54)だった。
この関係は、年齢やBMI、空腹時血糖値や飲酒量、さらには喫煙習慣、通勤時歩行時間、運動習慣、糖尿病家族歴とも独立していた。

これらの結果から演者らは、「血清クレアチニン低値は2型糖尿病の新たな発症リスクであることが明らかになった」と結論した。
なお、この成果については、Diabetes Care誌(March 2009 32:424-426、Lower Serum Creatinine Is a New Risk Factor of Type 2 Diabetes)で発表している。

Lower Serum Creatinine Is a New Risk Factor of Type 2 Diabetes
The Kansai Healthcare Study
http://care.diabetesjournals.org/content/32/3/424.abstract

出典 NM online 2009. 5. 23  日経メディカル別冊
版権 日経BP社



<新型インフルエンザ関連>
新型インフルエンザ 国内感染1000人超え 
厚生労働省は25日、長崎、福島県などで新型インフルエンザの感染者が新たに確認されたと発表した。
これで国内の感染者は、入国前の検疫で判明した11人と米軍厚木基地から連絡があった1人を含め、累計で1000人を超えた。
世界保健機関(WHO)によると24日現在、感染者が1000人を超えているのは米国、カナダ、メキシコ、チリ、豪州、アルゼンチン、英国の7カ国。

国内の感染は、関西地方での流行が5月下旬に下火になったが、その後徐々に拡大。1日50人前後のペースで感染者が増え、38都道府県で確認されている。
大半は海外からの帰国者か学校での集団感染。学校で広がる例が目立ち、20歳未満が約7割を占める。重症化したとの報告はない。

季節性インフルエンザと違って夏になっても減る兆しはないが、厚労省は「米国やカナダも増加傾向にあり、日本だけの現象ではない」と説明。
多くは感染経路が追えていることから、厚労省は「不特定多数が感染するまん延状態ではない」として、パンデミック(大流行)には当たらないとの認識を示している。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/06/25/102966/?Mg=9afab55518e73ebf24b015fa4e7b6539&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag
毎日新聞社 2009年6月25日

(各都道府県別の新型インフルエンザの感染者数も知ることが出来ます)

<診察椅子>
当院で新型インフルエンザ患者が発生しました。

6月27日(土)午前9時55分来院。
午前10時27分診察。

19歳の専門学生(女性)。
先生が最近欧州から帰日。
学年で数人発熱の学生あり。
発熱相談センターには電話せず、直接来院。
簡易試験でA型陽性と判明。

保健所の発熱相談センターに連絡。
やりとりに時間がかかったが、救急車で発熱センターのある病院へ受診するように指示あり。

6月28日(日)夕方、FAXで「新型インフルエンザ」の診断がついたとの連絡あり。

来院後、隔離はしましたが、直接来院された今回のケースではどうしようもありません。
救急隊隊員だけ物々しい姿でしたが、私を含め、職員や他の患者さんは丸腰で温度差を感じました。



全地域で原則、自宅療養へ 重症化防止にシフト 厚労省、国内対応見直し 新型インフルエンザ
http://www.m3.com/news/GENERAL/2009/06/17/102195/?Mg=79a54001b91f9ee450557db658da8ae0&Eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d&F=h&portalId=mailmag
感染者の待合場所や診察時間を一般の患者と分けるよう促す
<コメント>
最初から感染者ってわかっていたら苦労しません。
馬鹿げた話です。
今回、当院に新型インフルエンザの患者が来たのは何だか交通事故にあったみたいですっきりしません。



血清クレアチニン低値と2型糖尿病_c0183739_7503747.jpg


村田省蔵 遙かなる摩文仁の丘(F100号)
http://www.harenet.ne.jp/senohpc/data/muratashozo.html
by wellfrog3 | 2009-06-29 00:09 | 糖尿病
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