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胆石性膵炎とERCP

胆石性膵炎に対するERCPの適応に関する詳論
Refining the Indications for ERCP in Biliary Pancreatitis
2009 July 30

American Gastroenterological Associationのガイドラインは、「急性胆管炎に急性胆石性膵炎が合併症した場合、[(中略)また]臨床的あるいは画像上の特徴から総胆管結石の存在が示唆された場合、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)を緊急に実施すべき」だとしている。
また、こうした所見はみられないものの膵炎重症化することが予想される患者に対しては、早期のERCPについては議論があると述べている(Gastroenterology 2007; 132:2022:http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0016508507005914)。

オランダのプロスペクティブな観察研究において、この議論が検討された。

胆管炎の所見が認められないが重度の急性胆石性膵炎患者(APACHE-IIなどのスコアシステムにより評価)153人を研究に組み入れた。
胆汁うっ滞(血清ビリルビン値2.3mg/dL超、または総胆管の拡張、もしくはその両方)のある患者は約半数であった。
医師の選択に従い72時間以内にERCPを受けた患者は全体の53%、それ以降にERCPを受けた患者、あるいはERCPを受けなかった患者は47%であった。
ランダム化されなかったが、早期ERCP群と保存的治療群の人口統計学的特性および臨床的特性はほぼ同等であった。

胆汁うっ滞があり早期のERCPを受けた患者は、保存的治療を受けた患者に比べて全体的合併症率が有意に低く(25%対54%)、有意性は認められなかったものの死亡率が低かった(6%対15%)。
対照的に、胆汁うっ滞のない患者は早期のERCPから明らかな利益を得なかった。
これらの結果は、交絡変数で調整後の多変量解析によって裏付けられた。

コメント
これらの結果は、たとえ重度の急性胆石性膵炎があっても、胆汁うっ滞あるいは胆管炎の所見が認められない限り、ERCPを先送りできることを示唆している。
この研究の限界がランダム化の手法を用いなかったことである点は明らかである。

— Allan S. Brett, MD
Published in Journal Watch General Medicine July 30, 2009
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW09-0730-03.html


Citation(s):
van Santvoort HC et al. Early endoscopic retrograde cholangiopancreatography in predicted severe acute biliary pancreatitis: A prospective multicenter study. Ann Surg 2009 Jul; 250:68.




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by wellfrog3 | 2009-08-17 00:03 | 消化器科
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