小児における新型インフルエンザの臨床像

##新型インフルエンザの小児における臨床像 国立感染研がまとめ
9月16日,国立感染症研究所感染症情報センター(IDSC)は,現時点での米疾病管理センター(CDC)の報告などから,小児における新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)の臨床像をまとめ,ホームページに掲載した〔感染症情報センターパンデミック(H1N1)2009〕。

#重症化の7徴候に注意を
IDSCによると,新型インフルエンザでも,季節性インフルエンザ同様,5歳以下の乳幼児および基礎疾患のある児では合併症を来す可能性があると注意喚起している。

また,重症化の7徴候として
(1)頻呼吸や呼吸困難,
(2)蒼白,チアノーゼ,
(3)水分摂取不良,
(4)頻回の嘔吐,
(5)意識あるいは意思疎通不良,
(6)機嫌が悪く,抱っこされることを嫌がる,
(7)インフルエンザ様症状は治まったが,再び発熱し,咳が悪化
-を挙げ,これらの症状が見られる場合は注意するよう呼びかけている。

治療に際しては,現時点ではオセルタミビル,ザナミビルを用いることとし,投与量は季節性に準じるとの指針を示している。
オセルタミビルの使用については,「10代の季節性インフルエンザ患者に対するリン酸オセルタミビルの使用と異常行動に関しては,明らかな因果関係が否定されておらず,現在でも国内において使用が制限されている」としながらも,臨床上の必要性が危険性を上回る場合,1歳未満の乳児に関しても厳重な監視下での投与は妥当としている。
一方,吸入薬のザナミビルは「5歳以上で日本の健康保険適応となっている」と記されている。
 
なお,ワクチンに関する記述は今のところない。

小児に多く発症する脳症に関しては,現在,新型インフルエンザ感染後の脳症が国内で7例報告されており,IDSCでは季節性と同じく気道感染から神経合併症を発症しうるとしている。
また,発症した場合には季節性同様,全数把握対象疾患として届け出が必要だという。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090954.html

出典 MT pro 2009.9.16
版権 メディカル・トリビューン社

<関連サイト>
#国内発生新型インフルエンザ脳症の詳細な臨床経過
臨床症状と合致して脳梁膨大部に一過性の病変
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090938.html
■国内2例目となる新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)脳症の詳細な臨床経過が,国立病院機構栃木病院(感染アレルギー科)医長の山口禎夫氏らによって公表された。
症例は7月に栃木県で報告された11歳女児で,臨床症状と合致して脳梁膨大部に一過性の病変が確認されたという。
■重積する痙攣にジアゼパム静注,ステロイドパルス療法で対処。
出典 MT pro 2009.9.11
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
##やればできる?!麻疹ワクチン接種率が軒並み90%台を突破
国立感染症研究所は昨日(9月15日),全国の2008年度(2008年4月1日~2009年3月31日)の麻疹ワクチン接種率の最終評価結果を発表した。

麻疹排除の目安となる2回目(第2期:5~7歳未満相当)のワクチン接種率95%以上を達成した都道府県は,2007年,秋田県1県だったが,今回は同県を含む9県に増加。
厚生労働省(厚労省)が実施している麻疹排除計画の効果が現れており,2009年の累計患者数も前年に比べ1万例以上減少している。

#95%以上が9県,80%台は東京,大阪含む5都府県のみ
2007年度,第2期の接種率が95.8%となった秋田県は,今回97.3%とトップの座を守った(「表II-2. 2008年度第2期麻しんワクチン接種率 昨年度との比較」参照)。秋田県は,2006年に大館市で起こった麻疹大流行を教訓に,小児科医会や関係機関が積極的に麻疹制圧に取り組んできた。

今年(2009年),県が制作,発行した「麻しん排除へ-平成19年度秋田県麻しん制圧の記録-」によると,当時の大流行直後から,一般的に接種対象とならない生後6か月~1歳未満の乳児への麻疹ワクチン接種を推奨したほか,ワクチン未接種者への費用助成,学校保健法の適用による未接種者の出席停止という日本ではあまり例のない措置を実施したという。

また,山形県,福井県,佐賀県は接種率の向上が課題とされていた第3期(中学1年生相当),第4期(高校3年生相当)も軒並み90%を超える高い接種率を記録した。

さらに,今回で第2期の接種率が90%を超えた県も17にのぼった一方で,大阪府は前年比約8ポイント上昇したものの88.8%となった。東京都は88.3と前年の87.1%より微増にとどまった。
第2期の接種率が80%台となったのは,2007年度は32都道府県であったが,今回は大阪,東京のほか高知県,鹿児島県,沖縄県の5都府県のみとなった。

#昨年より患者数が1万例以上激減
なお,昨年1~12月の全国麻疹累計患者数は1万1,007例であったのに対し,同センターの週報によると,今年1月~9月9日までの累計患者数は604例にまで激減,2008年からの全数把握調査の開始や学校での定期接種勧奨の成果が早くも現れた格好だ。

同研究所の多屋馨子室長は,今回の結果は評価できるとしながらも,麻疹の排除には第1期,2期両方の接種率が95%を超えること,また,過去に定期接種の機会が1回しかなかった第3期,4期の接種率のさらなる向上が課題と指摘。
「これらの点がクリアされないと数年後また流行の波がくるだろう」とコメントしている。

第3期,4期の2回目接種については,2008年4月から5年間の期限付きで定期接種の対象とする暫定措置が取られている。

国立感染症情報センターでは今回の最終評価結果のほか,麻疹排除に関する各自治体の取り組み事例をホームページで公開している。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090953.html

出典 MT pro 2009.9.16
版権 メディカル・トリビューン社


<きょうの一曲>
A Norah Jones - Are you lonesome (Elvis tribute)
http://www.youtube.com/watch?v=5NHLsrWAw9k&feature=related
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by wellfrog3 | 2009-09-25 00:59 | 感染症
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