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オセルタミビル使用に関する注意

##WHOがオセルタミビル使用に関する注意を呼びかけ
世界保健機関(WHO)は9月25日,抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビル)の使用に関する注意を呼びかけた。

#重篤な免疫抑制状態にある人への長期投与,予防投与でリスクが高まる
現在,世界で28例のオセルタミビルに耐性を示す新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)ウイルスが確認されている。
すべての株に同じ変異が見られ,ザナミビルへの耐性は確認されていない。
現在のところ,重篤な症状を示すなどの問題はないが,20例がオセルタミビルの予防投与と関連することがわかっている。
また,6例は重篤な免疫抑制状態にある患者から,4例が治療投与を行った患者から分離されたという。

こうした点を踏まえ,WHOでは,オセルタミビル耐性が出現するリスクの高い症例として
○重篤な易感染性,免疫抑制状態にあり,インフルエンザの病期が長引く患者にオセルタミビルを投与した場合(特に長期間にわたり投与する場合)
○他のインフルエンザ患者と接触後にオセルタミビルの“予防投与”を受けている,または同薬を服用したにもかかわらず症状が発現した場合
を挙げ,これらの症例には注意深く対応するよう呼びかけた。
そして,インフルエンザ重症化のリスクが高い人や合併症のある人がインフルエンザ患者と濃厚接触した場合には,注意深く経過を観察し,症状が見られたら早めに抗ウイルス薬による治療を開始することも選択肢の1つだとしている。

WHOは,今後新型インフルエンザ患者に対する抗ウイルス薬の使用量が増えるにつれ,耐性ウイルスの報告も増加することから,耐性発現に関して早期の臨床試験が望まれると述べている。
出典 MT pro 2009.9.29
版権 メディカル・トリビューン社
<コメント>
昨夜NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で「新型インフルエンザを食い止める」という番組をやっていました。
進藤奈邦子先生。
魅力的で奇麗な先生でした。

WHOメディカルオフィサー・進藤奈邦子
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/090929/index.html

番組では一生懸命感動を伝えようとした演出が鼻についたこともありますが、なんだWHOってこんなレベルなんだと思ったのが率直な感想です。
無防備な格好で新型インフルエンザの重症患者をICUで真剣に聴診する姿。
一体聴診で何を知ろうとしているのでしょうか。
ウイルス性肺炎が聴診で分かるのでしょうか。
少し違和感を感じてしまいました。


##インフルエンザ脳症ガイドラインを改訂
#厚労省研究班,新しい定義・治療方針など示す
厚生労働省(厚労省)のインフルエンザ脳症研究班は2009年9月28日,インフルエンザ脳症ガイドラインの改訂版を公表した。
2005年の作成後,初の改訂で,新たな知見をもとにインフルエンザ脳症の新しい定義,治療方針などを示している。

#脳症と診断される前から「支持療法」を
改訂版では,
(1)けいれん重積型インフルエンザ脳症の病像が明らかになったことなどからインフルエンザ脳症の新しい定義を示した(表),
(2)全身状態の管理を目標にした「支持療法」※を積極的に行う治療法として重要性を強調した,(3)「特異的療法」(抗ウイルス薬,メチルプレドニゾロン・パルス療法,ガンマグロブリン大量療法)について可能な限りエビデンスを追加した,
(4)リハビリテーションとグリーフケアの項に脳症家族の会「小さないのち」の意見をさらに広く取り入れた
―ことなどが主な変更点となっている。

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治療指針としては,支持療法をインフルエンザ脳症と診断される前の段階から十分に行うことを強調。
また,特異的療法におけるオセルタミビルの使用については,脳症自体への治療効果,予防効果は証明されていないものの,速やかに解熱し,病状が改善することを介しての効果が期待されることから,脳症疑いの段階で使用の考慮を推奨している。

研究代表者の森島恒雄氏(岡山大学大学院小児医科学)は,「新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)による脳症の基本的な病態は季節性インフルエンザ脳症と大きな違いはないと考えられる」とし,改訂版の普及,活用を呼びかけている。

※PALS2005に基づいたlife support,けいれん重積状態への対処,体温管理,脳圧亢進の対処,搬送が含まれる。
出典 MT pro 2009.9.28
版権 メディカル・トリビューン社


<参考>
インフルエンザ脳症ガイドライン「改訂版」
http://www.jpeds.or.jp/influenza/influenza090928.pdf


##輸入予定の新型インフルエンザワクチンの中間解析
##国産とどう違うのか
東札幌病院副院長・化学療法センター長 平山 泰生先生
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/doctoreye/dr090906.html
出典 MT pro 2009.9.29
版権 メディカル・トリビューン社
#研究の背景:アジュバント入り輸入ワクチンの投与回数が議論に
■厚生労働省は新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)ワクチンの接種順位の第1グループとして医療従事者,妊婦および基礎疾患を有する患者,就学前の小児などを挙げ,10月にも任意による国産ワクチン接種を開始することを計画している。
国産ワクチンは免疫増強剤(アジュバント)を使用していないため,2回接種が必要とされている。

第2グループとして10歳代以下の児童や学生,基礎疾患のない高齢者を対象として輸入ワクチンの任意接種を考慮している。
輸入ワクチンに関しては国内で9月16日からノバルティスファーマ社の臨床試験が開始された。
安全性と有効性が追認できれば12月以降に第2グループに投与開始となるが,輸入ワクチンはアジュバントが含まれており1回接種とするか2回接種とするかは議論があり決定していない。
ワクチン供給量は不足しているので1回接種でよいのであれば,接種できる人数が2倍となるメリットがある。

#研究のポイント:1回接種で8割以上が抗体陽性に
■最も頻度の高い局所あるいは全身の副反応は接種部位の疼痛(70%)および筋肉痛(42%)であった。
2人は初回接種後38℃以上の発熱を示した。重篤な副反応は見られなかった。

#考察:輸入ワクチンには不明点も多く,情報提供と市販後調査が重要
■今回紹介したワクチンは国産ワクチンのような有精鶏卵ではなくイヌ腎臓由来の細胞を利用している。
これにより従来4~6か月かかる製造を約1か月早めることが可能になり,欧州数か国で製造承認されている。
また,国産ワクチンでは使用していないアジュバントを使用している。
投与されたアジュバントと抗原は樹状細胞に取り込まれ,所属リンパ節に移動し,T細胞領域で免疫提示をするが,この経路のうちアジュバントは投与局所での抗原の樹状細胞への取り込み促進と,抗原の局所での持続的な提供を強化すると考えられている。
このアジュバント入りワクチンは1997年から海外において季節性インフルエンザで使われており,臨床試験では1万6,000例,一般臨床では4,000万例以上の実績がある。
しかし,大腿四頭筋萎縮など筋短縮症の問題により筋注を取りやめた日本では,欧米と異なり皮下注射となることが予想され,疼痛や腫れはアジュバントにより強くなる可能性が指摘されている。

本研究ではアジュバント非添加ワクチン投与群なども設定されているが,この中間解析では結果は公表されていない。

今回の第 I 相試験の主目的は少人数,短期間における有害事象の検討と至適投与量の決定である。100人への投与では重篤な副反応(有害事象)は認められなかったが,国産ワクチンと同様の安全性かどうかは明らかとは言えない。
国内での接種予定者には,適切な情報提供が必要であろう。

さて,ワクチン1回接種で満足できる抗体保有率の誘導が報告された。
しかし,対象としたのが18~50歳までの成人であり,日本で輸入ワクチン投与が予想される第2グループとしての10歳代以下の児童や学生,リスクのない高齢者への投与でもこれだけの効果が得られるかどうかは明らかではない。
ワクチンの供給量が不足しているなら,輸入ワクチンは原則1回接種でもよいと思われるが,抗体陽性率を検討する市販後調査が必要であろう。

Trial of Influenza A (H1N1) 2009 Monovalent MF59-Adjuvanted Vaccine -- Preliminary Report.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/19745215



##新型ウイルスは季節性より感染力が長く続く可能性  カナダの報告
カナダ医師会雑誌(CMAJ)は,9月24日のニュースで新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)のウイルス検出期間が8日間程度と通常の季節性よりも長引く可能性があることを報じた。
調査対象となった症例のうち,8~13%程度で,罹患から8日経過してもなお,インフルエンザ症状が消失しているにもかかわらずウイルスが検出されたという。

#発症後2~4日の社会復帰は時期尚早
ケベック大学病院のGuy Boivin氏らは2009年5~7月までの間にインフルエンザを発症した65家族を対象に調査を実施。
調査に登録された173例に対し,最初に症状が出現してから8日目と10日目の検討を行った。

一緒に調査を行ったGaston De Serres氏(ケベック州立衛生研究所)は「一般的に季節性インフルエンザでは発症から7日以内にウイルスが検出されなくなり,排出が終わると考えられている。
今回の新型ウイルスでも多くの場合は同様だが,8~13%の人では8日経っても検出されることがあるようだ」とコメント。

なお,今回の検討では,10日目の時点で43例のウイルス確定例におけるウイルスの活動は見られなかった。

米疾病管理センター(CDC)をはじめとする各国の衛生担当局では,季節性インフルエンザと同様,新型インフルエンザでも解熱後24時間を待てば社会復帰が可能としている。
しかし,今回の知見から,同氏は「8日目でこれだけの割合の人からウイルスが検出されているとすれば,発症から2~4日後の復帰は時期尚早過ぎる」との見解を示している。
出典 MT pro 2009.9.28
版権 メディカル・トリビューン社


<番外編>
#医師会はずし? 長妻厚労相が中医協の「日医」枠削減の方針 
長妻昭厚生労働相は28日、診療報酬の具体的点数を決める中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)について、開業医中心の日本医師会(日医)の代表委員を削減する方針を固めた。
中医協委員は厚労相が任命するが、慣例的に関係団体枠があり、歴代厚労相は日医などの推薦者を追認していた。
 
長妻氏は、診療報酬改定で、自民党を支援する日医が開業医に有利な形で影響力を行使してきたとみており、日医枠の一部を人員不足が深刻な勤務医の団体関係者に振り替えることなどを検討している。
 
厚労省の政務三役会議は同日、中医協の委員構成見直しを協議した。
中医協の定員は20人で、現在は健保組合など支払い側委員7人、日医など診療側委員7人、学識経験者など公益委員6人の3者で構成。
任期は2年で、10月1日で支払い側2人、診療側6人が任期満了となる。
 
平成16年の中医協汚職後の改革で関係団体の委員推薦制が廃止され、3者の定員内で厚労相が委員を任命できるようになった。
だが、実態は団体の意向通りの人選が続き、日医は3人の委員枠を確保している。
http://sankei.jp.msn.com/life/welfare/090928/wlf0909281756001-n1.htm
出典 産経ニュース 2009.9.28 17:54
版権 産經新聞社
<コメント>
任期満了を迎える委員は
▽診療側=竹嶋康弘(日本医師会副会長)、藤原淳(同常任理事)、中川俊男(同)、西澤寛俊(全日本病院協会会長)、邉見公雄(全国公私病院連盟副会長)、山本信夫(日本薬剤師会副会長)
▽支払側=対馬忠明(健康保険組合連合会専務理事)、高橋健二(全日本海員組合中央執行委員)
ということです。
中医協の設置根拠となる社会保険医療協議会法では、委員任命の際、診療側については「地域医療の担い手を適切に代表し得ると認められる者」、支払側については「医療に要する費用を支払う者の立場を適切に代表し得ると認められる者」の意見を、それぞれ配慮することが定められています。
当然診療側からも委員が出る筈ですが、「日医枠の一部を人員不足が深刻な勤務医の団体関係者に振り替える」という発想も何だか短絡的なような気もしますが。
いずれにしろ政権与党に日医がどのように見られているかははっきりしました。


#深まる日医の苦悩 民主党シフトか否かで路線対立に発展も
自民党の有力支持団体である日本医師会(日医、唐沢祥人会長)が、民主党支持にシフトするかどうかで大きく揺れている。
鳩山政権の「日医外し」の動きに、発言力低下を危惧しているためだ。
自民党支持団体の象徴ともいえる日医が民主党に舵を切ることになれば、来夏の参院選への影響は計り知れない。
「民主党各議員に対して党幹部から『日医執行部とは会うな』との指示が出ているようだ」。
9月上旬、日医幹部は医療関係者との会合で、ため息交じりにつぶやいた。
 
8月の衆院選では一部地方医師会が民主党支持に回ったが、日医全体では自民党支持を明確にし、民主党の政策批判を展開した。
 
当然のことながら、民主党は反発。
選挙後、唐沢氏は鳩山政権にも政策提言したい意向を示すが、民主党医療関係議員の一人は「自民党ベッタリの日医の意見を、政策に反映させることは政党の信義としてあり得ない」と切り捨てる。
 
民主党とのパイプが築けないことに日医の動揺は広がっている。
来年の診療報酬改定において開業医の立場を反映させるためには鳩山政権との関係改善が急務だからだ。
「民主党政権が4年も続けば、日医は完全に発言力を失う」(日医幹部)との懸念も膨らむ。
 
「今後は自民党だけでなく、国会の議席数に応じて政治献金の配分を決めるべきだ」。
15日に行われた日医の政治団体・日本医師連盟の執行委員会では献金先の見直し提案が出された。
来年の参院選についても、自民党比例代表で出馬予定の西島英利参院議員(61)を「選挙区からの無所属とするか、擁立を白紙に戻すべきだ」との声が上がった。
 
医療費削減を続けてきた自民党に不満を抱いてきた会員も少なくない。
日医会長選が来年4月に迫り、政治路線対立はさらに激しさを増しつつある。
 
日医の前回参院選における集票は約18万6千票だが、各選挙区での存在感は小さくない。
民主党シフトとなれば、他団体の“自民党離れ”に拍車がかかる可能性もある。
参院選で与党を過半数割れに追い込みたい自民党にとっては大打撃だ。
「民主党が自民党支持団体に手を突っ込み始めたということだが、去る者を止める手立てもない」(自民党厚労族議員)との恨み節も聞こえる。
 
一方、日医には「自民党とは長い付き合いがある。支持政党をコロコロ変えては世間の信頼を失う」との意見も強い。
自民党支持の堅持か、民主党へのシフトか、それとも政治活動からの撤退か。
「医師会がバラバラになることが最悪の選択肢だ。そうなれば医療政策は政治に翻弄され続ける」(日医幹部)。
日医の苦悩は深まっている。
出典 MT pro 2009.9.25 19:37
版権 メディカル・トリビューン社
<コメント>
「政治活動からの撤退」も選択肢にあるのなら是非この選択も考えていただきたいものです。
それにしても現医師会長の唐沢氏の3選出馬表明。
その神経がわかりません。
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by wellfrog3 | 2009-09-30 00:36 | 感染症