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薬剤誘発性皮膚障害

早期診断と投薬中止で予後を改善
原因不明の発疹で発熱を伴う場合には,薬剤誘発性の皮膚障害を疑ってみるべきである。
フライブルク大学病院(フライブルク)皮膚科のMartine Grosber博士は「早期に発見し,原因となる薬剤の使用を中止すれば,重大な事態への移行を回避できる」とアレルギー学会で報告した。

SJSとTENとは同一の疾患像
薬剤の服用により引き起こされた皮膚障害から,まれに生命を脅かす状態に至ることもある。中毒性表皮壊死症(TEN)とスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)とは基本的に区別されているが,両者の疾患像は同一で,発現の重度が異なるのみと考えられている。
その臨床像は熱傷に類似しており,紅斑と局所的に広がる水疱形成が認められる。
躯幹ないしは全身に紅斑と非定型で輪状の病変(花形帽章斑)も発現する。
発熱と強い病感を認めるのも特徴で,粘膜症状としては,口腔や結膜領域,生殖器領域にびらんを生じる。
SJSとTENの鑑別は,通常,病変の範囲により行う。
水疱とびらんの範囲が体表面積の10%未満であればSJS,30%を超えていればTEN,その中間の10〜30%であれば,SJSからTENへの移行型と判定する。

両疾患の発症率は,人口100万人当たり年間 1 〜 2 例程度で,比較的まれな疾患と言えるが,致死率はSJSで 9 %,TENでは約44%と高い。

AGEPは治療しなくとも消退
薬剤誘発性の皮膚障害のうち,上記の障害との鑑別が必要なものとしては急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)が挙げられる。
AGEPでは,まず,急性の発熱と広範囲に及ぶ紅斑が生じ,その後,無数の小さな非濾胞性膿疱がとりわけ間擦部(摩擦を受けやすい部位)に密集して生じる。
しかし,4 〜10日後にはその膿疱は消失し,皮膚に鱗屑が形成される。
粘膜症状は発現しないことが多く,たとえ発現しても軽度である。このため,原因となる薬剤の使用を早期に中止すれば,治療は必要ない。
AGEPの発症率は人口100万人当たり年間約 5 例で,致死率も 5 %未満にとどまっている。
薬剤誘発性の障害としては,ほかにも過敏症症候群(HSS)やDRESS(好酸球増加と全身症状を伴う薬剤性反応)などがある。
この場合の診断基準として挙げられるのは,急性に発現する発疹や 1 つ以上の臓器の障害,血液像の異常(好酸球増加,異型リンパ球),2 か所以上のリンパ節の肥大である。

疑い例についても報告を
1990年以降,フライブルク大学皮膚科の重度皮膚反応資料作成センター(dZh)では,各種薬剤の重度皮膚障害誘発リスクを評価するために,SJS,TEN,重度多形滲出性紅斑の入院例を記録している。
さらに,2003年以降は,AGEPとHSS/DRESSの症例も記録されるようになった。同センターでは,診断が確定した症例だけでなく疑い例についても報告するよう呼びかけている。
出典 Medical Tribune 2005.4.7
版権 メディカル・トリビューン社

<参考サイト>
多形滲出性紅斑
http://www.e-skin.net/2ky/EEM.htm
重症多形滲出性紅斑(急性期)
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/119.htm


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by wellfrog3 | 2009-01-13 00:39